オールマイトside
オ「(まったく己に腹が立つ…!子どもらがどれだけ怖かったか…後輩らがどれだけ
頑張ったか…!しかし…だからこそ胸を張って言わねばならんのだ!!)」
USJの真ん中に、相澤君がいた。脳みそ丸出しのやつのそばに、今回の主犯格だと思われるヴィランがいる。他の生徒がいないところを見ると、おそらくここの中のどこかにいるだろう。
オ「もう大丈夫。なぜって?私が来た!!」
オールマイトside out
オールマイトと黒牙が中心部へ飛んでくる。黒牙の目つきが、緑谷を見て、少しだけ柔らかになる。
出「龍君」
龍「出久…勝己は?」
出「この中のどこかに。みんなバラバラにされた」
龍「その怪我は…?」
出「出力の調整間違えちゃって」
龍「…」
黒牙から、とんでもない圧が放たれ、死柄木たちは堪らず後退した。
龍「お前らか…」
弔「あ?」
黒牙から信じられないほどの低い声が出る。
龍「コイツらが、出久が怪我した原因作ったの、お前らか」
弔「ハッ それがどうした」
龍「そうか…なら」
黒「死柄木弔!」
龍「死ね」
黒霧が叫ぶが死柄木が反応する前に黒牙の攻撃が襲いかかる。もちろん、個性は何ひとつ使っていないが、加減をしておらず、ロストヴェインによる切り傷が増えていく。黒霧は防ごうとするものの、爆豪により胴体を抑えられ、動けない。黒牙が死柄木へ攻撃すると同時に駆け出したオールマイトが、脳無に向かって拳を打つ。脳無もそれを真っ向から受け止めるように拳を放ち、相殺される。そしてそのまま、真正面からの殴り合いが始まった。
オ「ショック吸収!”無効”でなく”吸収”ならば!!限度があるんじゃないか!?」
僅かに、しかし確実に脳無が押され始めていた。
オ「私対策!?私の100%を超えるなら!!さらに上からねじふせよう!!」
どんどん、どんどんと脳無が後退している。
出「(やたらめったらのパンチじゃない…全部が全部100%以上の…!)」
オ「ヒーローとは常にピンチをぶち壊していくもの!敵よ、こんな言葉を
知っているか!?」
遂にはオールマイトの力が、個性を上回った。これが、No.1。最強のヒーローの力。
オ「Plus Ultra(さらに向こうへ)!!!」
雄英高校の校訓である言葉と同時。脳無がUSJの天井を突き抜けて、遥か彼方へと飛ばされていった。それと同時に黒霧の側へ死柄木が吹っ飛ばされる。もちろん、爆豪は避難済みだ。そして、自分の傷を気にせず、吹っ飛んだ脳無を見て死柄木が呆然と呟く。
弔「……ショック吸収を無い事にしちまった……究極の脳筋だぜ」
黒「再生も間に合わないラッシュって事ですか……」
身も蓋もない言い方の死柄木に、黒霧も同意するように言葉を繋げる。プロの世界を目の前で見せられ、緑谷たちが呆然する中、土煙の中から顔を出したオールマイトが呟く。
オ「やはり衰えた。全盛期なら5発も撃てば充分だっただろうに……300発以上も撃って
しまった」
誰も、何も言えない。一体全盛期とは、どんなものだったのか。誰も想像がつかず、呆然とする中、黒牙だけが、オールマイトのそばに歩み寄った。
オ「さてと敵。お互い早めに決着つけたいね」
弔「衰えた?嘘だろ……完全に気圧されたよ。よくも俺の脳無を……チートがぁ……!
全っ然弱ってないじゃないか!!あいつ……俺に嘘教えたのか!?」
ガリガリと首を掻く死柄木が、何やら重大な情報を喋っている。あいつ、と呼ばれる存在に、オールマイトが弱体化したと言われていたらしい。それがちょっと唆された程度の相手なら良いのだが……ヴィランたちに圧をかけるオールマイト。
オ「どうした?来ないのかな!?クリアとかなんとか言ってたが…出来るものなら
してみろよ!!」
弔「うぅうおおぉおおぉおおぉお……!!」
オ「(来るんかい!!)」
龍「『神千斬り』!!」
黒「!死柄木弔!危ない!」
弔「ぐっ」
突如、銃声とともに死柄木に弾丸が撃ち込まれた。
オ「来たか!」
根「――ごめんよ、遅くなったね。すぐ動けるものをかき集めて来た」
オールマイトの安心した声に、USJの入口へと視線を向ける。そこには息を切らした飯田と、その横にずらりと並ぶ大勢の大人。
天「1-Aクラス委員長、飯田天哉!!ただいま戻りました!!!」
彼らは雄英の教師、つまりプロヒーロー。待ちに待った救援が、ようやく来た。
弔「あーあ、来ちゃったな……ゲームオーバーだ。帰って出直すか、黒霧……ああ、そうだ。
黒牙 龍生 いや、アサルトデビル。先生からの伝言だ」
龍「なに?」
弔「『知らないうちに立派になったね。近いうちに君とあの子を迎えに行くよ』だってさ」
龍「!まさか…!」
黒牙の脳裏に、9年前に両親を殺し、己に呪いをかけたオールマイトの宿敵が浮かぶ。
龍「キサマ…!」
弔「じゃーな、アサルト」
奴らは今度こそ、本当で逃げる気だ。逃がすまいと銃を持ったヒーローが死柄木の両腕両足を撃ち抜き、瀕死の13号がどうにか個性で黒霧を吸い込もうとする。けれど距離が足りないようで、ギリギリで黒霧と死柄木に逃げられる。
出「おわ、った…」
実「助かったのか…?」
オ「黒牙少年、大丈夫か?」
龍「…わりぃ……少し、動揺しちまった」
出・勝「「龍君!/龍生!」」
龍「出久、勝己」
出「大丈夫?」
龍「ああ。心配してくれてありがとな」
出「龍君は僕の大事な友達なんだ。当たり前だよ」
勝「それに、俺たちは親友だからな」
オ「君たち、そろそろ行きなさい。きっとみんな心配してるだろうから」
出「はい」
勝「行こーぜ」
龍「おう」