勇者と姫巫女は異世界でヒーローを目指す   作:枸凪

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二話 雄英高校 受験

受験日 当日…

ー雄英高校ー

洧「人多い…」

楓「リンク、大丈夫ですか?」

 

楓姫が心配げに聞く。100年前はほぼ同じだったのに、今では洧狗の方が大きいため、必然的に楓姫は洧狗の顔を覗き込むような形になる。それを見て洧狗は少し赤くなるものの、返事をする。

 

洧「うん…大丈夫…」

楓「そうですか。それじゃあ、行きましょう」

洧「うん」

 

ちなみに、この時点で2人は注目を浴びていた。なにせ、二人ともとても綺麗な顔立ちだからである。

 

ー実技試験 説明会ー

プ『ヘーイ リスナー!今日は俺のライブへようこそーーー!!エヴィバディ セイ ヘイ!!』

シーーン

プ『おいおい、こいつはシヴィな!実技試験の内容をザッと説明するぜ!!アーユー

レディー?!?!』

シーーン

プ『入試要項通り!リスナーにはこの後!10分間の『模擬市街地演習』を行って貰うぜ!!

持ち込みは自由!プレゼン後は各自指定の演習会場へ向かってくれよな!!!』

楓「リンク、どこでしたか?」

洧「俺はBだった。ゼルダは?」

楓「Aです」

洧「んー、大丈夫?」

楓「はい。しっかり特訓しましたから」

洧「そっか」

プ『演習場には仮想ヴィランが3種!多数配置してあるぞ!攻略難易度によりポイントは

変化する!それぞれの“個性”を駆使して合格を掴んでくれ!』

?「質問よろしいでしょうか?!」

プ『どーした?!』

?「プリントには仮想ヴィランが4種書かれています!雄英ともあろう場で、あるまじき

失態ではないでしょうか?!それと、そこの君!!」

?「へ?僕?!」

?「先程からブツブツと、物見遊山のつもりできたのなら、即刻ここから立ち去りたまえ!」

プ『ヘィ、質問サンキュー!最後の0ポイントヴィランはいわばお邪魔虫!マ◯オで言う

ドッ◯ンみたいなもんだ!』

?「ありがとうございます!では、失礼します!」

プ『俺からは以上だぜ!最後にリスナーたちに我が校の教訓をプレゼントするぜ!

かの英雄ナポレオン・ボナパルトは言った!“真の英雄とは人生の不幸を乗り越えて

いく者”と!“Plus ultra!!!”それでは皆良い受難を!!』

洧「じゃあ、ゼルダ。また後で」

楓「はい。終わったら校門のところで会いましょう」

洧「うん!」

 

ー試験会場 Bー

プ『ハイ、スタート!』

 

洧狗は、プレゼントマイクの急な合図にも驚かず、平然と飛び出す。その様子は、楓姫と話していた時の柔らかな雰囲気とは違う、鋭く尖ったような雰囲気で、表情は驚きも何も写さず、“無”だった。

 

プ『オイオイ、もうサジは投げられてんぞー!本番で開始予告なんてねーんだからな!!』

洧「…それくらい、嫌という程知ってる」ボソッ

 

洧狗の脳裏には、厄災ガノンが復活した日 そして、最後まで楓姫を守りきれず倒れた自分が浮かんでいた。

 

洧「」ギリッ

 

洧狗は歯噛みした。と、洧狗の周りにいた仮想ヴィランの大群が一気に細切れになった。だが、仮想ヴィランは次々と湧き出てくる。

 

『標的発見。ブッコロス』

洧「『ウルボザの怒り』」パチン

 

洧狗が指を鳴らすと同時に、仮想ヴィランのみに雷が落ちる。他の受験者たちは、頑張ってポイントを取ろうとするものの、洧狗がほぼ壊してしまっているため、なかなか取れずにいた。

 

「このままじゃあいつ以外全員落ちちまう!!」

「ヤベェ、急がねぇと!」

 

と、その時。会場に巨大な足音が響いた。

 

「な、なんだ?!」

「おい!あそこ見ろ!」

「うわぁ!!」

「「ゼ、0ポイントヴィランだぁ!!」」

「逃げろー!!」

 

会場全体が騒がしくなり、全員が0ポイントヴィランから逃げていく中、洧狗だけが残っていた。

 

洧「…こんなの、見てくれだけが立派なガラクタだろ」

 

かつて、『ハイラル一の剣士』と呼ばれていた洧狗にとって、見てくれだけで知能のないガラクタを倒すことなど、造作もないことなのだ。洧狗はマスターソードを構え『リバールの猛り』で飛び上がり、背中の羽でバランスを取る。逃げていた受験者たちは、突然の突風に驚き足を止めた。飛び上がった洧狗は、マスターソードに『ダルケルの護り』を纏わせ――

 

洧「はぁぁ!!」ザンッ

 

仮想ヴィランを真っ二つに斬り裂いた。

 

「えぇー!?!?」

プ『しゅーーーりょーーーー!!』

 

会場中に受験者たちの叫び声が広がった。それとかぶるようにして、プレゼントマイクの声がスピーカーから飛び出した。羽で危なげなく着地した洧狗は羽を消し、次の行動に移る。

 

洧「『ダルケルの護り』」

 

洧狗が『ダルケルの護り』を纏わせた盾を地面に置くと、そこを中心に、オレンジの薄い膜がすべての会場を覆うように広がった。

 

洧「『ミファーの祈り』」

 

今度は、洧狗が盾のそばに両手を置くと、『ダルケルの護り』と同じように水色の薄い膜が広がった。それがオレンジの膜と重なるのを確認した洧狗は、最後の呪を唱えた。

 

洧「『癒しの世界』」

 

その凛とした声は、不思議と会場中に響き渡った。それと同時に、『癒しの世界』の中にいた人の怪我がみるみる治っていった。しばらくして、二つの膜が消え、洧狗の雰囲気が柔らかくなった。そして、洧狗は会場を出た。

 

ー校門前ー

洧「ゼルダー!」

楓「リンク!」

洧「早かったね」

楓「そうですか?」

洧「うん」

楓「あ、そうだ。試験の後のアレ、あなたのですよね?」

洧「そーだよー?」

楓「私と同じ会場の男の子が、0ポイントヴィランを倒したんですけど、大怪我を

してたんです。でも、膜が広がってから治ったので、もしかしたら、と」

洧「その子、大丈夫そうだった?」

楓「はい。怪我が急になくなって驚いていましたけど」

洧「ふーん。ま、いいや。帰ろ、ゼルダ」

楓「今日の夜はなんですか?」

洧「ビーフシチューかな」

楓「そうですか。楽しみです」

洧「そうだね」

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