≪特機二物の内部≫
「うーーむ……、しかしやつは一体…。ノイズなのか何なのか……」
「あっ、師匠!なにを悩んでいるんですか?」
「ん?おっ!響くんか。いや、あの黄色いノイズについてだな…少し考えていたんだ」
そう数日前に突如として現れ、装者達に牙を向き、自分とも熱い激戦を繰り広げたあのノイズについて風鳴弦十郎は悩んでいた。それもそのはず、あちらはこちらの言葉を理解しあの勝負を行った。
今まで知能はないと思われていたノイズが、だ。今回のことでノイズに知能がある、またはノイズを操作出来る者、もしくは聖遺物があると分かったからだ。
しかし、ここ数日の間考え、装者達に話も聞いたがあのノイズの他にいた、ネフィシュタンの鎧を纏った女の子がそれらしき杖を持っていたということしか分からなかった。
状況的にあの女の子が下手人なのかと考えたが、それならばあの戦闘は何だったのかという話である。全くもって腑に落ちない。
仮に操ろうとしながらも反逆されてしまったのならば強制送還などをしなかったのも疑問だ。呼び出せるなら帰せそうなものだが…。まぁ、頭に血が上りそこまで考えていなかったと言うのが話を聞いた限りでの印象ではあるが……。
「そうだ、響くんはあのノイズがどの様に感じた?」
「感じた……ですか?」
「そうだ。どんな小さな事でも良い言ってくれ」
そうすると、考えるように顎に手を当てながら、う~んう~ん、と唸りしばらくするとポツリとーーー
「なんとなく……人間臭いなぁと…」
「ふむ、そうか…」
それについては、自身も同じく感じていたことだ。あのノイズの行動は兵器だから、特別だからの一言で片付けていいものではない、調べる必要がある。それは特機二物の総意だ。
(…またいずれ合間見えるかもしれんな。)
≪主人公視点≫
……………はっ?!
バッ、と跳び跳ねるように体を起こし周囲を見渡す。
混乱。
そして、疑問を覚える。
そこには相も変わらず大量のノイズが規則正しく並び、どこまでも無駄に広がっており、太陽のような光源はないのに影すらなく、一定に明るいどこまでも無機質な世界。
前回の様にまた突然の転移。
……しかし、あの感じだと"ソロモンの杖"で俺を強制送還させてる訳じゃないのか……。あのクリスの状態からお行儀良く、散らかしたノイズを戻すとは思えねぇしなぁ。
そんなことをぼやきながら(口は存在しないが)、ちらりと自身の右腕を見る。
まぁ、転移は今考えてもしょうがねぇ。しかし、一番硬い腕の部分を破壊するかぁ。本当に人間なのか非常に疑わしいぜ……。
そんなことを考えながら、先程の戦闘…いや、挑戦を思い出す。
ものは試しとばかりにノイズの消えるヤツを切ってみたいと思ったらあっさり消えて、ならノイズの機能のせいで戦えないけど自分より上を知っているのだから、丁度よくいた対人戦最強と言われる存在を見つけたのだから挑んでみれば……。
……この様かぁ。まぁ、落ち込んでも仕方ない…か。今は無事?生きて戻れたことに喜ぶか!
体を起こし、ボロボロになった右腕を撫でる。ものの見事に砕かれ肘の辺りまで亀裂が入っておる。体の奧まで衝撃が来たのか内部まで大きく損傷している。
さーて、これからどうしよう?
ひとまず自分を殺せるOTONAは現状問題はない、この空間に来ないなら今は放置でいいし、強いが完全に包囲されたりしなければ逃げられないこともない、もう一人位同じ様な実力者が協力し挟み撃ちにでもしてこなければ多分大丈夫……うん。いやいや生き残る分には大丈夫、なんか消えるヤツもあるし!
……多分、きっと、おそらく、メイビー。
そう、いくらのOTONAが強かろうと、無敵の石ころでは津波を防ぐことはできない。バラバラに分裂し個別に移動できる自分を止めることはできない。ついでに、こっち(不思議空間)とあっち(人の世界)の行き来ができないことも一つの要因でもある。
問題があるとすれば転移が何時起こるか分からないことか。自分が意識的に起こせる事では無いからなぁ。
OTONA対策に頭を悩ませつつ、色々考えた結果…。
多分近づかなけれは大丈夫という結論を出した俺は、しばし体力の回復と破壊された部分の補修を行うためにノイズとの合☆体にいそしむのだった……。