ファイアーエムブレム 竜の軍師   作:コウチャカ・デン

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第4章 「銀の魔道士」

 ラウスを無事制圧したロイ達は、負傷した兵たちを癒すために数日の間城にて過ごすことになった。

 傷を癒すためとはいえ、その間にやらなければならないことも多く、軍師として、リキア同盟軍の参謀という立場にいるマークは、城内を忙しく走り回っているのであった。

 

「マリナス、物資の補給はどうなっている?」

「はい、補給は滞りなく進められております。もとより戦の準備は終えていたようで、さほど時間もかからず終了するでしょうな」

「了解した。マーカス、ラウスの騎士共はどうしている?」

「基本的に大人しく待機しておりますな」

「基本的に?」

「一部の騎士はリキアのために共に戦いたいと申し出たり、戦の準備で手薄になった領内の警備を再開したいというものも居ります故」

 

 もちろん、ラウスの騎士たちの訴えはそれだけではないが、こちらに利のあるものはともかく、それ以外の訴えは黙殺するしかないのが現状だ。

 

「治安の悪化は問題だな……一部の騎士と兵士の派遣をロイに進言してくれ。共闘については、ラウスの後継者とロイの間で話し合ってもらう他無いな」

「ラウス騎士たちの参入を許可してよろしいので?」

「敵意を持った者はともかく、想いを同じくする戦士を拒む理由は無い。……前回もそうだっただろう?」

「……そう、でしたな」

 

 とはいえ、個人を超えた一団を迎え入れたことはさすがにない。迎え入れるのなら、これまで以上に軍の内部にも気を使う必要があるだろう。

 

「……公子がもう少し骨のある奴だったら、ここまで大変な思いをしなくて済んだんだがな」

「仕方がありませんな、父の言葉に全面的に従ってきたのですから、そのツケというものでしょう」

 

 そう、本来であるのならラウス公子が騎士たちを率い、リキア同盟に参加してもらえばよかったのだが、事はそう簡単に進まなかったのだ。

 もともと押しの弱い性格だったのだろうラウス公子は、我の強い父親に逆らうどころか意見さえできず、今まで碌に決断をする機会に恵まれなかったらしい。

 結果、父親の言いなりでしかなかった公子は、騎士たちを率いて同盟軍に参加する力は無く、半ば以上人質という言い訳で彼とわずかな騎士のみが同盟軍に参加することになったのだ。

 

「まぁ、文句を言っても仕方がないか……俺らの役割は、今ある手札で最善を目指すだけだ」

「そういう事ですな」

 

 やるべきことを再確認した3人は、それぞれのやるべきことを黙々と実行する。マリナスは物資と資金、配給を整え、マーカスは兵の再編成及びロイの補佐。そしてマークが戦略面の見直しと軍の士気の維持。

 もはやこの3人は、同盟軍を維持するのになくてはならない存在と誰もが認めるところであった。

 そんな激務を一区切りして休憩に入ったマークの下に、一人の少女が押し入っていた。

 

「それで、アナタはお父様とどのような関係なのですか!」

 

 押し行って来て早々にそんなことを大声で聞くクラリーネに、マークは目を白黒させる。

 

「答えられないんですか!」

「……まぁ、性格まではそう簡単に似ることもないか」

「何か言いまして?」

「いや、なにも……パントとの関係だったか? 一言で言えば、戦友かな」

「戦友……では、アナタはエトルリアの出身ですの?」

 

 クラリーネの想像は、とても妥当なものと言えるだろう。先代の魔導軍将であるパントの戦友ならば、かつてエトルリア軍に所属していたと考えるのは当然だ。

 だが、マークがパントたちと知り合ったのはそもそもエトルリアですらない。

 

「あの夫妻とはナバタで知り合った」

「ナバタ……お父様から聞いたことがありますわ。あの地では、貴重な魔導のアイテムがたくさん砂にまぎれているとか」

「そうだ。パントが見つけた貴重品を横取りしようとする賊が出てな、それで助太刀をしたのが、初めての共闘だ」

 

 もっとも、パントに助勢が必要だったかは疑問だったが、などと付け加えるマークに、クラリーネはようやく父の戦友という言葉が真実であると理解する。

 ただ父の名前を使っただけなら、そのような言葉が出てくるはずがないのだから。それに加え、クラリーネはもう一つ父の話を思い出す。

 

「そう言えば昔、ナバタで知り合った友人と共に、大陸を巡ったとかいう話を聞きましたわ……その友人の一人の名前が、確か……マーク」

「……」

 

 確かに、パントが人にあの頃の話をしようと思ったら、エリウッドやヘクトルの名前を出すわけにはいかないだろう。

 そうなると自然と名前が出るのは、彼らと最も近い位置にいたマークであるのは必然である。

 知らず知らずのうちに冷や汗を流すマークであったが、クラリーネは知る由もない。

 

「でも、あれは私やお兄様が生まれる前の話だと言っていましたし、アナタは見たところまだ20歳にならないですわよね?……ああ、その方と同名であったのがお父様と話すきっかけになったのね!」

「……さすがに、知り合ったきっかけはともかく、仲良くなった理由までは、覚えてないな」

 

 一人で勝手に納得したクラリーネに気付かれないように、マークはひっそりと安堵のため息を吐く。

 

「さて、俺は兵たちの様子を見に行くが、クラリーネはどうする?」

「……ま、まぁ、お父様の友人という事ですし名前ぐらいいいでしょう……わたしはそろそろ部屋に戻りますわ」

「そうか」

 

 誤魔化すようにマークは今後の予定を告げ、クラリーネに退出を促す。それにごにょごにょと何かを呟いたクラリーネであったが、マークが何か尋ねる前に明確な返事をよこす。

 それから二三言葉を交わしてクラリーネと別れたマークは、兵士たちが休息を取っているだろう天幕へと足を向けるのであった。

 

「少しよろしいでしょうか、マーク殿」

 

 その途中、マークは一人の騎士に声をかけられる。

 

「何だランスか……何か用か?」

「いえ、貴方は大陸屈指の軍師だとマーカス殿からお聞きして、わずかばかりでもその戦術についてご教授いただければと思い、お声をかけさせていただいた次第であります」

「……ずいぶんと固いな」

「教えを乞う身ですから」

 

 唐突といえば唐突なランスの依頼に、マークは少しばかり考え込む。

 自身の知識を教えることに抵抗は無いが、問題はランスが求めるその知識の使い道である。

 

「騎士であるランスは、何のために戦術を学びたいと考えた?」

「はい、それはもちろん、ロイ様のお役に立つためです」

 

 まあ、予想通りの答えであった。だが、それならばなおのことランスに戦術を教えるわけにはいかない。

 

「ただでさえ身も心も休まらない戦場に身を置いているんだ。心身を鍛えることも重要だが、休むこともまた重要だ」

「それは重々承知しています。しかし、今やらずに、いつやれというのですか。ベルンに再び破れるようなことがあれば、今度こそ再起はできないのですよ!」

 

 無理でも無茶でも、戦わなければ、勝たなければならないのだ。休んでいる暇などないというランスに、マークは諭すように静かに語る。

 

「……今、ロイがお前に何を求めているかわかるか?」

「ロイ様が私に求める物、ですか?」

 

 マークの問いかけに、ランスは自分に足りないものを思いつく限り並べる。

 だが、それらの足りないものは、マークの一言によって吹き飛ばされてしまう。

 

「ロイがお前に望むのは、皆が、お前が無事に生き残ることだろう?」

「!」

 

 目を見開くランスに、マークはさらに追い打ちをかける。

 

「確かに、お前が今以上に強くなれば、賢くなれば、ロイも助かるだろし、喜ぶだろう……だが、その成長がお前の身を蝕む物なら、アイツは果たしてどう思うだろうな」

「……しかし……」

「まぁ、もう一度よく考えて見ろ。お前自身が何を求められているのか、何をしたいのか」

 

 マークはそうランスに告げ、踵を返す。その背を見送るランスの目には、いつにない迷いが宿っていた。

 だが、その迷いの解決を促すような時間は、彼らには与えられなかった。同盟軍はわずかな休息ののち再びオスティアへの進軍を開始する。

 ラウスでの反乱を教訓にして、いらぬ危険を回避するために旧街道を使用して進軍する一同は、かの地に待ち構える存在に気付くことができなかった。

 

「ここが旧街道か……表街道より目立たないだろうが、やはり道が荒れているな」

「これでも道があるだけマシ、らしいよ? 僕自身あまり裏道は見ないし、人から聞いただけの知識だけどね」

 

 そもそも普段人里に下りないマークとフェレの公子であるロイでは、理論以上の評価を下すことはできなかった。

 もっとも、旅慣れしているマークは言うまでもなく、ロイもこの旧街道をさほど苦も無く進んでいるのだから、言葉の内容ほど道の具合は気になっていないのだろう。

 そんなことを話しながら進軍する中、ロイの下にマリナスが近くの村人を伴い訪れてきた。

 

「どうしたんだい、マリナス」

「ロイ様、この村人ですが、ロイ様にお願いしたいことがあると……お、おいっ」

「あ、あなたがフェレ家のロイ様ですか!?」

 

 マリナスの横をすり抜けロイの下にひざまずく村人に、マリナスやマーカスが眉を顰めるが、ロイは無言でこれを制し、村人にその『お願い』を告げるように促す。

 

「山賊たちを退治してほしいのですじゃっ!」

「山賊?」

「旧とはいえ、ここも街道だろう? 山賊が出るのか?」

 

 ロイとマークの疑問に対し、村人は可能な限り詳細を答える。

 曰く、峠の古城が山賊の根城になっているとの事。

 曰く、リキア同盟が破れたのをきっかけに守備の兵が逃げ出してしまい、他に頼れる者がいないという事。

 

「逃げることもできない我らは、山賊におびえながら毎日を過ごしておるのです」

「……」

「どうか、どうかお願いいたします! 我らをお助け下さい!」

 

 できる事なら、彼らを救ってやりたいと思うが、リキアの現状を思うと、今は一刻も早く、オスティアに向かわなければならないのも事実である。

 

「ロイ様……彼らには申し訳ないですが、先を急ぐ我らには……」

 

 マリナスがそう告げロイに正しい決断を促すが、残念なことに彼は目の前にいる救いを求める民を見殺しにするような非情な事が出来なかった。

 

「先を急がないといけないという事は、十分に承知しているよ。でも、だからと言って目の前の民を見捨てて先に進むことはできない!」

「ロイ、言いたいことは理解できるが……」

 

 マークもその決断を諌めようとするが、ロイは首を振ってみなまで言わせなかった。

 

「助けてくださいますか! もしよろしければ、秘密の門をお使い下され。ずっと使われていなかったので、山賊どもの不意を打つことができるはずですぞ」

「わかりました」

「……いや、門は使わない」

「なぜですか!?」

 

 おそらく最速で事を終わらせることができる案を、マークは否定する。

 そもそも山賊退治に反対したマークであるが、やると決めたからには最善を尽くすはずと思っていたロイもマークの否定に少し怯む。

 そのことを察したマークは、まだまだ甘いロイの考えに、小さなため息を吐く。

 

「確かに門を開け、奇襲でもって山賊の頭を討つだけならすぐに終わるし、何より楽でいいだろう。だが、その方法で討ち漏らした賊はどうすると思う?」

「……」

「時間もないし、さっさと答えを言ってしまおう。正解は『報復』だ。生き残った賊は、俺らに賊の討伐を頼んだ村をことごとく焼き払うだろう」

 

 マークの言葉に、ロイは唇をかみ、力の限り拳を握る。

 

(そうだ……どうしてそのことに思い至らなかったんだ……!)

 

 少し考えれば、すぐにわかることだ。いや、考えるまでもなかったはずである。なぜなら、その類の事件は、過去に数多く報告されていたのだから。

 

「故に、介入するのなら徹底的に殲滅する必要がある」

「そうだ。まぁ、相手は所詮賊だ。少し時間をかければ、すぐに仲間を呼ぶだろうさ」

「なるほど、離れている賊がちゃんと帰って来るよう、少し苦戦して見せる必要があるんですね」

 

 散らばった賊をこの場に集めるために苦戦して見せ、集まった直後に、逃げる暇もない速度で殲滅する。

 さりげなく高レベルな用兵術を必要とする作戦に、ロイは確信する。

 

(マークは、この戦いも僕たちの実力を向上するために利用するつもりなのか……!)

 

 その意図を理解できた以上、ロイとしても無様は見せられない。力押しではなく、より効率よく、正確な指示と行動をと気合を入れる。

 

「では……みんな、いくぞ!」

「応っ!」

 

 ロイの号令に応えた一同は、それぞれが最高の働きを見せる。だが、それも当然だろう。

 相手はマークも言った通り所詮賊であり、仮にもアラフェンでベルン軍と、ラウスで騎士たちと戦った彼らの敵ではなかった。

 最初の段階である『苦戦の振り』が難しかったが、そこさえ越えれば何の問題もなく駆逐できた。

 

「……言葉通り、あっという間でしたな」

「この程度の賊に時間をかけるようなら、ベルンに対して即時降伏することを勧められるだろうね」

 

 ロイの一言に、マーカスも違いないと同意を漏らす。この会話の少し後に来たマークは、主従の表情に少し怪訝な表情を見せるも、被害の報告を優先するのであった。

 そんな一仕事終えた一行の下に、マリナスが血相を変えて駆け込んでくるのであった。

 

「ロイ様、大変ですぞ!」

「どうしたんじゃ、マリナス」

「エ、エリミーヌ教団の僧侶が、ロイ様と……ギネヴィア姫を訪ねてまいりました!」

 

 マリナスの言葉にその場の一同が目を見開くが、それも一瞬の事。すぐに平静さをとりもどしたロイが、マリナスに尋ねる。

 

「教団は、ギネヴィア姫が僕たちと一緒にいるという事を知っていたという事かい?」

「おそらくは……」

「一体どこから……いや、今は対処の方が先か、とりあえず、ギネヴィア姫はこちらでお待ちください。僕が先に……」

「ロイ様、私にもご一緒させてください」

「姫?」

 

 いらぬ危険を冒そうとするギネヴィアを諌めようとするロイだが、それよりも先に彼女は会いたいと言った根拠を述べる。

 

「実は、兄とエリミーヌ教団の関係が最近悪化しているようなのです。詳しい事は判りませんが、教団はきっと敵ではないと思います」

「そう、ですか……では、ここにお通しして」

「わかりました」

 

 マリナスが下がり、僧侶を呼びに行ったのを確認したロイは、マークの方をうかがい、そして驚愕した。

 

「……あの、マークさん、どうしてそんなに嫌そうな顔をしているんですか?」

「……何でもない」

「何でもないって……」

 

 そんなわけないだろうという言葉は、最後まで紡がれることは無かった。マークの纏う雰囲気が聞くなと明確に告げていたからだ。

 ロイが口を閉ざすのと同時に、マークも無理やり表情を改めたが、その場には妙な空気が残ったままになってしまった。

 だがそれもわずかな時間に過ぎない。すぐに戻ってきたマリナスの後ろには、護衛と思われる胸当てをつけた女性と、ローブで顔を隠した男をひきつれた僧侶が居たのだから。

 しかし、その3人が現れた時点でマークの興味は僧侶から完全に外れていた。

 

「……ロイ、少し席を外すぞ」

「あ、うん……わかった」

 

 マークはロイの許可を得てすぐ、ローブの男目指してまっすぐ進み……そのまま男の襟首を掴んで、引きずりながら出て行ってしまった。

 

「……あの、あの方は?」

「……え~、あ~、教団の所属ではなく、個人的な伝手で同行された方なんですが……そうですね、彼は『シルバーと呼んでほしい』と言っておりましたよ?」

「はぁ、シルバーさん、ですか……?」

 

 明らかな偽名に、何とも気の抜けた返事しかでき無かったロイだが、マークが連れていった以上悪い事にはならないだろうと気を取り直す。

 そしてこの場を後にしたマークだが、そのシルバーとやらと人気の無い一室で相対していた。

 

「……なんでお前がここにいる!?」

「え、だって君から連絡をくれたんだろう?」

「そう言う意味じゃない! いや、確かに人を遣ったが、頼みたかったのはあくまで下準備で……」

「だから私がここに来たんじゃないか」

 

 シルバーの言葉に、わずかに考え込んだマークであったが、すぐにその真意にたどり着く。

 

「エトルリアはリキアの為には動かないという事か?」

「そう、リキアの為には、ね」

 

 確かにそれならば、リキアがエトルリアに作る貸しは最低限のものになるだろう。もちろん、それは表面的なものでしかないが……

 

「盟主の力量次第では、上手くさばけるかもな」

「そういう事。ちなみに私は、旧友と久々に連絡が取れて、思わず屋敷を飛びだしてしまったただの魔道士『シルバー』だよ」

「何がただの魔道士だ……だが、来てくれて助かった。とても、心強い」

 

 どちらが先に差し出したのか、その手は力強く握られ、再会を心から喜ぶ。

 

「念のため言っておくけど、戦力としても当てにしていいから」

「それはありがたいが、基本はロイ達にやらせるから、出番が無いことを祈っていてくれ」

「そうか、それは残念だ……まぁ、先ほども言ったように、私の目的は旧友と会うためだから何の問題もないがね」

 

 そう言って笑うシルバーに、マークもつい笑みを漏らす。できればこのまま昔話に花を咲かせたかったが、時間もないため切り上げる。

 マークはそれまで浮かべていた笑みを引っ込め、真剣な顔でシルバーに告げる。

 

「しばらくの間、ロイ達を頼めるか?」

「おや、この軍の軍師は君だろう?」

「ああ、だが、ロイ達だけではたぶん足りなくなる」

「ロイ君では不足かい?」

 

 そのマークの言葉に、シルバーは思わず口を挿むが、一つの事実に思い至る。すなわち、軍における諸侯の不在だ。

 

「確かに、一軍の指揮官としてなら、ロイは十分及第点を与えられるだろう。知識や経験の不足は周りがフォローすればいいし、そのフォローを受け入れる度量もある」

 

 だが、それはあくまで一軍の指揮官としてだ。

 

「公子だけでは足りない……リキア諸侯の誰か、それも、盟主の代理ができる人物が必要なんだ」

「なるほど、それでエリウッド殿を……しかし彼は……」

「だから、俺が行かなきゃならないんだ」

 

 エリウッドを説得するのは、人を遣って成せるとは思えない。ならばマーク自身が行くほかないのだ。

 

「その間、ロイ達の事を……」

「わかった。ただし、君ほどの戦術は期待しないでくれよ?」

「いや、この分野で人後に落ちるようなことがあれば、俺いらない子だろ」

 

 そう言って再び笑うマーク達であったが、ふとこの策の欠点に思い至る。

 

「……そういえば」

「ん、どうしたんだい?」

「この軍には、クラリーネがいるぞ」

「え?」

 

 その時のシルバーの表情は、彼の妻すら見たことが無い表情だろうとマークが思うようなものだったとか……

 




一体『シルバー』とは何者なんだ……
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