もし、もしも、もしかした   作:暇らやほってぷ

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結局全然間に合わなかった……

この京極はサンラクの学校に転校してから数か月、家は徒歩一分内の設定です

残りも頑張りたい…


京極
ラーメンって美味しいなぁ


「こんにちは、お久しぶりです、京極さん」

 

「こちらこそ、お久しぶりです」

 

こちらに笑顔を向けてくる名前も覚えてないどこかの家のお嬢様に、こちらも笑顔で返す

 

「おお!龍宮院のお嬢さん!また一段と奇麗になりましたな!!」

 

「ありがとうございます、そちらも変わらず御息災なようでなによりです」

 

どこかで見たことがある裕福そうな男性がこちらを褒めてくる

だからこちらも当たり障りのない言葉で褒め返す

 

世間話を持ち掛けてきたどこかの家のご子息にこちらも話を合わす

 

きっと会ったことがあるどこかの家の女性がこちらの近状を聞いてくる

だからそれっぽい近状を話しておく

 

そんなことをしているうちに運ばれてきた明らかに高級な物を使った豪華な料理が運ばれてくる

だけど個人や周りと食べだすことなんてせずに周りを見渡す

音頭を取とるべき人物が立ち上がる、よくわからないしどうでもいいような、長ったるい話を聞く…

そして無様を晒さないように、周りに目を配りながら食事をする

 

……そこまでして食べた夕飯は、どうしてか、余り美味しくなかった……

 

 

 

「はぁー……まいったなぁ」

 

「完全に悪くなってる……」

 

久しぶり、引っ越してから初めての食事会

それぞれの名家が集まって食事をして、談笑する会

それを、こっそりと抜け出してきてしまった…

 

前はこうではなかった、

今までは、楽しいとは思わなかったけど、ここまで退屈にも思わなかったはずだ

何故だろう……

 

………理由は分かってる……

引っ越して一人暮らしを始めてからの日々は、

充実していた

……充実しすぎていた…

あの憎たらしくも面白い隣人との日々は、

本来なら苦に思わないはずの恒例行事を、苦に変えてしまった

 

「さすがによくないよなぁ……」

 

楽しい騒がしさが、楽しくもない”龍宮院 京極”の足を引っ張る

このことがひどく憂鬱に感じる

 

「……そこまでこの会は退屈か?」

 

「!!??」

 

「……お父様」

 

「…いえ……別に…そんなことは……」

 

「何、そんなに隠すこともない」

 

「お前は昔からこの手の行事はいつも退屈そうにしていたからな」

 

「……え」

 

僕そんなに分かりやすく態度に出てたの…!?

 

「別にそこまでわかりやすいというわけでもない」

 

「ただ、普段を見ているものには分かるというだけだ」

 

……お父様は心でも読んでるの…?

…でもそっか、普段と比べてそんなに退屈そうなんだ

 

「…ここには他に誰もいない」

 

「だからもう一度聞くぞ」

 

「ここは退屈か…?」

 

………その答えはもう出ている…

 

「……少なくとも、今の生活の足下にも及ばないくらいには」

 

「……そうか」

 

「なら戻るといい」

 

え?

「え?」

 

「正直、私も少し退屈なのだ」

 

「なら年頃の我が娘はさぞ退屈だろうな、と思ってな」

 

「なに、こちらは気にすることはない」

 

「……いいのですか…?」

 

「ああ、許す」

 

「……ありがとうございます」

 

 

 

京極:楽朗君

 

サンラク:なんだよこんな時間に

 

京極:ねぇ、ラーメン食べいかない?

 

京極:走って

 

サンラク:は?

 

サンラク:俺もう夕飯食ったんだけど…

 

京極:大丈夫、僕も食べた

 

京極:しかも外で

 

サンラク:いや大丈夫って…

 

京極:今日だけでいいから

 

京極:お願い

 

サンラク:……

 

サンラク:…分かった

 

サンラク:お前の家の前に行く

 

サンラク:帰ったら連絡よこせ

 

京極:ありがとう

 

 

 

「今帰ってきた…っと」

 

「これですぐ来るはずだけど……」

 

さすがに少し悪いことしちゃったかな……

嫌、でもいつもの仕返しと考えれば安いはず…!

……いや、でもなぁ

 

「…-い、おーい!」

 

「うひゃあ!!」

 

い、いきなり目の前に出現したぁ!!

 

「お、驚かさないでよ!!」

 

「……いやお前が考え込んでただけだろ」

 

あ、なんだ、僕が集中しすぎてただけたったんだ

 

「まあいいや、来たけどいつものとこか?」

 

「そのつもり」

 

「走ってお腹すかせながら行こうと思ってね」

 

「はいはい、」

 

「……で」

 

「行くってお前……」

 

「…?」

 

「その和服で走ってラーメン行くの…?」

 

……?和服?

………あ!食事会の時の格好のままだった!!

 

「ちょ、ちょっと待ってて…!」

 

「今着替えてくるから!!」

 

恥かし…っ!!

 

「……おまたせ」

 

「おう、今度は大丈夫だな」

 

「あ、あれはたまたま着替えるの忘れてただけだし!!」

 

「あーはいはい」

 

「なにその流し方!!」

 

「……まあいいだろ、いくぞ」

 

「むー…まあいいや」

 

 

 

「……今日はなんかごめんね」

 

「何のことだ…?」

 

「……何でもない」

 

 

 

「へいらっしゃーい!!」

 

「お、嬢ちゃんと坊主じゃねか!!」

 

「いつものでいいか?」

 

「「おねがいします」」

 

「あいよ!!」

 

「……なんか常連になったな」

 

「……だね」

 

「お待ち!!」

 

「「いただきます」」

 

 

 

「いやー、食った食った!!」

 

「ん~!!美味しかったぁ!!」

 

「お前ラーメンにハマったなぁ」

 

「最初はあんなにムキになってハマったこと否定してたのに」

 

「……ま、まあそんなこともあったね…うん」

 

あの頃は実家の料理に変なプライドを持っていたから……

あの頃からラーメンは美味しかったし…認めなかったのは事実だけど…

 

「ま、その頃からハマってるのバレバレだったけどな!」

 

「う、うっさいなぁ!!」

 

ほんと、もうホントこいつは隙あらば人を煽ってくる!!

 

「そういう君だって、最初はそんなに夢中じゃなかったのに、どんどんハマっていったじゃないか!!」

 

「確かにな…」

 

「あれだ、やっぱ誰かと食うってのはいいな」

 

「今までよりうまく感じるわ」

 

「ま、お前だからってのもあるかもな」

 

「うぇ!」

 

な、なな……こ、こいつはぁ!!

たまにこうやってこっちが恥ずかしくなることを、なんの恥ずかしげもなく言うんだよなぁ!!!

あー!もう!!

…………少し、落ち着け私

すー、はー

……よし!!

 

「まあ確かにそれはあるかもね」

 

「だろ」

 

「最近ラーメン一番美味しい食べ物なんじゃないかって思い始めてきたよ」

 

「…………」

 

「なあ、今日食ったラーメンうまかったな」

 

「え、うん美味しかったね」

 

もうさんざん美味しかったて言ってなかった…?僕

 

「今日食ったお高い夕食よりもうまかったか…?」

 

「え……?」

え…

 

「お堅くて高い夕食と、楽に出来るラーメン、どっちのがうまかったか…?」

 

「え、っと…それは……」

 

……なんで……そんなこと

 

「俺ならラーメンのほうだな」

 

「いくら高くても、息も詰まりそうな中で食ったんじゃうまくはねぇだろ」

 

「お前の同じじゃないか…?」

 

「う…あ……」

 

え、なんで…?今日のこと…話してないのに……

 

「なんでって顔してるが、そりゃ分かるだろ」

 

「急な呼び出し」

 

「合流した時の明らかに高そうな和服」

 

「ジョギングしてても、なんか複雑な顔してる時あったし」

 

「こんだけ材料あったら分かるだろ、フツー」

 

「ま、答えたくなかったら別にいいぜ……?」

 

………………………

………高い夕食とラーメン

……そんなの決まってるじゃん

 

「……そんなの、ラーメンに決まってるじゃん」

 

「……そりゃよかった」

 

「あんな他人の顔を伺いながら食べる料理なんかより!」

 

「ラーメンほうがいいに決まってるじゃん!!」

 

「気楽に食べれるし!」

 

「食べるとき周りを気にしなくていいし!!」

 

「食べるものを僕が選ぶことができるし!!!」

 

「それに…!」

 

それに……

 

「それに…?」

 

「………」

 

「んー、最後のは秘密」

 

「は?」

 

「この流れで秘密にするかぁ!普通!!」

 

「ふっふーん、この理由は教えることは出来ないね」

 

「え、気になるだろ!」

 

「残念ながらこれは私の秘密だね♪」

 

「おま、お前なぁ…」

 

「さ、帰ろうか!」

 

「……はぁー、わーたよ」

 

 

 

……………それに、

 

君と……好きな人と、

一緒に食べることができるからね…

 

 




京極の家とかそこらへんは完全の妄想故、お許しを……
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