Fate/last night《完結》   作:枝豆畑

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昨日の夜寝落ちして更新できませんでした。

申し訳ありません。

どうぞ


第四話 参戦

 

 

 

『ランサーとセイバーと思われるサーヴァントが戦闘を開始しました。』

 

 

アサシンと感覚を共有している言峰綺礼は、宝石通信機を通して遠坂時臣に状況を伝える。

 

「ふむ…。ついに始まったか。すまないな綺礼、引き続きアサシンに現場の偵察をさせてくれ。」

 

『承知しております。…ところで話は少し変わるのですが。』

 

「なんだね?」

 

『先日、時臣師のアーチャーの召喚を最後に、冬木市内での7体のサーヴァントの存在を確認したと申し上げましたが…。どういう訳か、バーサーカーのクラスの召喚が行われていないのです。』

 

「__なんだと?」

 

『ええ、ですが確かにサーヴァントはこの冬木に7体現界しています。師よ、これは推測に過ぎないのですが、おそらく"イレギュラー"クラスのサーヴァントが召喚されたのではないかと。』

 

「イレギュラークラス…。なるほど、確かに前回の聖杯戦争でもイレギュラークラスのサーヴァントが召喚されたと記録に残っている。ならば、それが今回も呼ばれていてもあり得るというわけか。報告、感謝するよ綺礼。」

 

(イレギュラークラスのサーヴァントか…。もしそうだとしたら、一体どんな英霊が…?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦況はランサーが攻勢となっていた。

 

「はぁっ!」

 

ランサーは双槍の使い手である。両手で長槍と短槍を振るうという常軌を逸脱した戦法だが、それでもなおランサーは攻撃の手を緩めることはない。いやむしろ、斬り結ぶ度に槍を振るうその速度は増しているほどだ。__だが

 

「__ッ!!」

 

いくらランサーが槍を突こうとも、その切っ先がセイバーに届くことはない。。ランサーが槍を振るえば振るうほどその速度が増すように、セイバーも同様、その剣の冴えに磨きがかかる。手数と速度で勝るランサー相手に、セイバーは剣技のみで対応し続けているのだ。

 

此度の聖杯戦争、ランサーはただ主に聖杯を捧げるだけのためにこの槍を振るおうと決めてはいたが、初陣にしてこれ程の強者と巡り会えたのだ、思わずランサーは笑みを浮かべる。

 

「大した腕だ。我が双槍を前にしてただの一撃も与えられんとはな。ましてやあれほど剣を振るっておきながら息の一つあげもしない。とにかく賞賛を受け取れセイバー、俺はお前のような猛者と剣を交えることができて光栄だ。」

 

すると、今まで一言も発しなかったセイバーがようやく口を開いた。

 

「それは謙遜というものだ。槍を二本も扱いながらも尚衰えることのない槍捌き。見事だランサー。」

 

なんだ、喋れるではないか、とランサーは呟いた。

 

「どうだかな。見たところセイバー、その様子ではまだ本の少ししか力を出していないようではないか。あまり甘く見ないでいただきたい、次は全力で獲りにいかせてもらう。主よ!どうか宝具の開帳の許可を頂きたい!」

 

すると、どこから冷淡な声が響き渡る。

 

「いいだろう。そこのセイバー、どういうわけかステータスが見えないが、間違いなく難敵だ。速やかに始末しろ。__宝具の開帳を許す。」

 

その言葉を待っていたと言わんばかりに、ランサーは槍に巻き付けていた呪符と思わしきものを外した。

 

「感謝します、我が主よ…!」

 

その手には赤と黄色の、まるで薔薇のような色をした二振りの呪槍が握られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__感じる。

 

__感じる。これは、サーヴァントの気配。

 

黒の騎士王は、その気配の感じる方向へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__驚きはどちらのものだったか。

 

__セイバーの剣が、折れたのだ。

 

__先程まであれほどランサーの槍と剣戟を交わしていたセイバーの剣が、ただのランサーの突きを往なしただけで。

 

 

「__ッ!?」

 

 

急いでセイバーはランサーと距離をとる。

 

「そうか、その槍は魔を断つ能力を持っているのか……!」

 

そう、セイバーが先程まで使っていた剣はそもそも、ランサーの持つ槍の神秘に耐えられるようなものではない。ではなぜ先程まではランサーと斬り結ぶことができたのか?

 

それは、セイバーの宝具によるものである。

__"騎士は徒手にて死せず"__

かつて、丸腰で敵と戦わざるを得なくなってしまった時、楡の枝で敵を倒したという逸話が元のとなった宝具である。これによりセイバーは、手にしたおよそ武器として認識できる物全てを、Dランク相当の宝具として扱うことができるのである。

 

先まで使っていた剣は、彼のマスターがセイバーの真の宝具を使うまでの繋ぎとして与えたものだ。

セイバーの宝具によりその剣も疑似宝具とされていたのだが、なるほど、ランサーの真の力を開放した赤槍の前ではただの剣に過ぎないのである。

 

「なるほど、どうやらその槍は私の能力と相性が悪いようだ。それに_」

 

__瞬間、それはまるで流星かの如くセイバーへと降り注ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずいなぁ、こいつは非常にまずい。」

 

橋の上で二人のサーヴァントの様子を見ていたライダーがううむ、と唸る。

 

「なんだよライダー、一体向こうで何が起こってるんだよ。」

 

「ランサーの奴めが、決めにかかりに宝具を使いよった。どうやらその宝具、セイバーにとって相性が悪いようでな。さらに余と同じように様子見に徹していたほかのサーヴァントの奴めが、窮地に追いやられたセイバーに攻撃を始めたようだ。」

 

「何言ってんだよライダー、何もしないで他のサーヴァントが脱落するんだったらそれって好都合じゃ…」

 

「何を言っておるか!」

 

ライダーは立ち上がり言った。

 

「古今東西、異なる時代の英雄豪傑と矛を交える機会など滅多にない。ましてやそれが六人もいようとあらば、一人たりとも逃がす手はあるまいて。」

 

ライダーは獰猛な獣のような笑みを浮かべながら続ける。

 

「ましてやあのセイバーとランサー。あのような胸を熱くさせる猛者が、余と一戦も交えずに脱落するなどあってなるものか!」

 

「何を言っているんだよお前はッ!?聖杯戦争でそんなこと言ってたらヒギャッ!!」

 

ウェイバーの言葉は、ライダーのデコピンによって途切れた。

 

「馬鹿を言うでない。聖杯戦争には勝つ。勝利してなお滅ぼさず。制覇してなお辱しめぬ。それが真の征服である!」

 

ライダーはそう言い放つとキュプリオトの剣を腰から抜き、フンッ、と振りかざした。すると何もなかった空間からどこからともなくライダーの"戦車"が具現化する。

 

「いくぞ坊主!我らも戦をはじめようではないかっ!」

 

「わかった!わかったよ全く!いいけどあまり変な真似しないでくれよ!」

 

ウェイバーはデコを押さえながら、涙目で叫んだ。

 

「ハッハッハ!よいぞ坊主!それでこそ余のマスターであるっ!」

 

 

 

 

 

 

__こうして初戦の夜は、過激さを増していく__




読んでいただきありがとうございます。

こんにちはSHIKIGamiです。

なんかランサーたちのくだりくどいですね。

すっきりまとまらない。

戦闘シーン書けない。

黒セイバーでてこない。

早く出したいのに。

次話で黒セイバーには暴れてもらう予定です。

たぶん大丈夫ですよね?

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