重原子力ミサイル巡洋艦 ザンクード、抜錨する!   作:Su-57 アクーラ機

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第16話 リトル・ウォーズ 後編

ブッシュマスター 兵員室内

 

 

初めて乗るヘリコプターの不思議な浮遊感を感じながら、折り畳み式の簡易座席に座っている妖精達に向けて、レッカーが唐突に口を開いた。

 

「さて、こうやって面と向かって話をした事は訓練の時でもあまり無かったよな?改めて、俺はこのトゥームストーン隊の隊長を務めているレッカーだ。よろしくな」

 

食堂までの短いフライトの間を使って、これから行動を共にする仲間に自己紹介をしようという訳だ。

 

「で、俺の横に座ってる、さっきギャリソンに締め上げられてたこいつが━━」

 

「アイリッシュだ。わりぃな、悪乗りが過ぎた」

 

頬をポリポリと掻きながら、タハハとアイリッシュは苦笑いを浮かべ、昼間のやり取りを思い出した妖精達も同じく苦笑いを浮かべた。

 

「俺はパック、よろしくな!」

 

アイリッシュの横に座っていた妖精が元気良く挨拶をする。

 

「ダンだ、よろしくな。何かあったら遠慮なく言ってくれ」

 

そう言って、レッカー達の自己紹介が終わると、今度は対面側に座っている妖精達が自己紹介を始めた。

 

「木曾艤装妖精のキィだ。こっちこそよろしくな、トゥームストーン!」

 

艤装の主と同じく、男勝りな口調の妖精が元気良く挨拶をする。

 

「古鷹艤装妖精のルカです。あの時はお世話になりました」

 

と、頭を下げてくるルカ。彼女が言う『あの時』とは、肥太との演習の事だ。あの日、轟沈寸前の古鷹に対してザンクードはダメコン妖精と共に手の空いている妖精も動員させたのだが、その中にトゥームストーン隊も混じっていたのだ。

なんだか照れ臭くなった4人は「困った時はお互い様さ。それに、俺達はほんの少し手伝っただけだ」と言って、謙遜する。

 

「大鳳艤装の航空機妖精、クウよ、よろしく。本職はパイロットだけど、みんなの足を引っ張らないように努めるわ」

 

ルカの隣に座っている、キリッとした目をする妖精が挨拶をした。

そして、最後の1人に視線が注がれる。

 

「鈴谷艤装妖精のリンよ!よろしく頼むわ!」

 

いかにも活発そうな妖精が八重歯を覗かせながら、笑顔でそう告げた。

 

「キィ、ルカ、クウ、リンだな?よろしく頼むぜ。っと、そろそろ食堂に差し掛かる頃だな」

 

そう言いながら、レッカーが兵員室の窓から外の光景を覗いた時だった。

 

~~~♪♪

 

「うん?この音楽・・・」

 

「はははっ!ディーレイめ、ワルキューレを鳴らしてやがる。ノリノリだなぁ!」

 

ダンが愉快そうに笑う。

ディーレイ達がヘリコプターの機外スピーカーから音楽を鳴らしているのだ。

 

「ワルキューレってなぁ・・・。あいつらキルゴア中佐の霊にでも取り憑かれてるんじゃないのか?騒々しいったらありゃしない」

 

「ま、景気付けには丁度良いんじゃないか?どうせ食堂から寮まではそこそこ離れてるし、俺達のサイズでドンパチしたって誰も気付かないだろ」

 

「食堂にナパーム弾でも落とす気か?」と呆れるように呟くパックと、銃の弾倉を確認するアイリッシュが会話をしていると、機外から音楽に混じって、ドドドドドッ!という音が聞こえてきた。

ヘリコプターの機首下部に搭載された機銃の発砲音だ。

 

《レッカー、あと数分で着陸地点に到着するぞ》

 

「了解だディーレイ。それと、下はどんな様子だ?」

 

レッカーが、自身が搭乗しているヘリコプターのパイロットとヘッドセット越しで会話する。

 

ささやか(・・・・)なパーティー会場ってところだが、あと少しで片付く》

 

彼の声と機銃の発砲音だけでは無く、多連装ロケットの発射音まで聞こえるので、艦娘達が見たら卒倒するレベルの集団がいたようだ。やはり、夜中にやって正解だったかもしれない。

 

「分かった、着陸地点の制圧は任せたぞ」

 

《ああ、任された。と言うか、下にいたのは今殺ったので最後だな。降りる準備をしてくれ》

 

言うが早いかヘリコプターが降下して行き、レッカー達は銃の弾倉をチェックしてから椅子を立つ。

そして、機体が地面に着陸脚を着けると、兵員室のハッチが上下に開いた。

 

《残弾の許す限り、空からしっかりと見張っといてやる》

 

「よし、みんな行くぞ!」

 

8人は調理場に設置された業務用冷蔵庫の元へと向かって前進して行った。

 

 

 

 

 

 

「クソッタレ。1匹いれば何とやら、だな。倒しても切りが無いぜ」

 

アイリッシュが悪態をつきながら弾倉を交換する。

巣を目指して前進を始めてから数十分。行く手を阻むゴキブリ達を撃っては倒しながら歩いていたレッカー達だが、徐々に苦戦を強いられていた。

 

「それでも、だいぶ数が落ち着いてきているし、巣までの距離もあと少しだ。頑張ろう」

 

レッカーが額の汗を腕で拭う。

 

「だが、このままだとこっちの弾もその内尽きるぞ」

 

パックがポーチの中を確認して顔をしかめる。

 

「それに、援護してくれていたディーレイさん達も弾切れで帰還してしまいましたし・・・」

 

ルカの言う通り、上を飛んでいた攻撃ヘリコプターはいなくなっていた。

降下前の制圧と援護で弾が底を突きかけたディーレイ達は基地で待機しているランナーの出撃を要請し、できる限りその場で粘ったのだが、とうとう弾切れを起こして戻って行ったのだ。

せめてもの救いは、ディーレイ達が辺りにいたゴキブリを蹴散らしてくれたおかげで、短いが休息を取れた事だろう。

しかし、この時間もそう長くは続かない。いずれは見つかってしまう。

 

「取り敢えず、ランナーが来るまでの辛抱だ」

 

レッカーが物陰からソッと頭だけを出して、周辺を確認する。

 

「ッ!?畜生、奴らこっちに少しずつ近付いて来てやがる!」

 

しばらく辺りを見渡していた彼がゴキブリの1匹と目が合いそうになり、慌てて頭を引っ込めたその時だった。

 

「うわっ!?」

 

「何っ?!」

 

「眩しっ!」

 

突如、バシャンッ!と音が鳴ったあと、レッカー達はまるで舞台役者の如くサーチライトによって照らされ、そのあまりの眩しさに何人かの妖精が短く声を上げた。

耳を澄ませば頭上からは、バタバタと騒がしい羽音が聞こえる。

レッカーが何事かと思いながらその光源を見上げると、無線機が音を立てて、誰かが話し掛けてきている事を彼に知らせた。

 

「やっと来たか・・・」

 

無線機越しの相手が誰かを悟ったレッカーは溜め息混じりにそう愚痴を溢す。

 

《遅れてスマン。少し待ってろ》

 

正体はリキッドの要請で基地から飛び立ったランナーだ。

レッカー達にサーチライトを当てていたランナーは近付いて来るゴキブリの群れへと飛んで行くと、殺虫弾に換装した機銃弾を群れ目掛けて大量にバラ撒き、最後にミサイルを1発撃ち込んでそれらにとどめを刺した。

 

《イヤッハァーッ!やったぜ!》

 

「ド派手な登場だな、マイク」

 

《弾薬はたんまり持って来た。ここからは俺達、ランナーが援護するぜ!》

 

そんなテンションの高い声が無線機から響いたあと、攻撃ヘリコプターは次の獲物に対して発砲を始め、レッカー達は、脚を折り曲げてひっくり返るゴキブリが辺りに転がる調理場の床を走って行く。

 

「キィ、2時の方角から3匹来てるぞ!」

 

「分かった!あれか!」

 

ダンの声に反応したキィがアサルトカービンを発砲して、ゴキブリ達を仕留める。

 

「カサカサとすばしっこい奴め・・・!おい、そっちにゴキが1匹━━」

 

タタタァン!

 

「大丈夫よ、アイリッシュ。今始末したわ」

 

「━━ああ、ご臨終だ。クウ、お前良いセンスしてるなぁ」

 

アイリッシュでは対処が難しかったゴキブリに、クウがパイロットとしての反射力を駆使して即座に対応する。

 

「パックさん、弾倉を交換します!」

 

「了解だ!その間は俺がカバーしといてやる!」

 

弾切れを起こした銃の再装填を行うルカの前に出て、射撃を行うパック。

 

「なっ!?弾詰まり!?」

 

リンが撃っていたアサルトカービンの空薬莢が排莢口で引っ掛かり、次の弾が装填されなくなってしまう。

 

「ギシャァァァァ!」

 

「ぁ・・・」

 

リンからの銃撃が止んだ隙を狙ってゴキブリが彼女に襲い掛かろうとした刹那━━

 

「ぅおらぁぁぁッ!!」

 

「ギッ?!」

 

レッカーが助走をつけてゴキブリの頭に盛大な跳び膝蹴りを喰らわせた。

そのままゴキブリに無理矢理馬乗りになった彼は腰からピストルを引き抜き、頭部に3発の銃弾を叩き込んで敵を射殺する。

どうやら、今の1匹が付近をたむろしていたゴキブリの最後のようで、気付けば銃声は止んでいた。

 

「あぁ、畜生。体液が飛んで来やがったせいでベッタベタだ、バッチィ・・・。リン、大丈夫か?」

 

射殺したゴキブリから降りた彼は、手に着いた粘性の液体をズボンで拭いながら、呆然とするリンの元に歩み寄る。

 

「え、えぇ。ありがとう、助かったわ」

 

「そいつは良かった。ほら、銃を貸してみろ」

 

そう言ってリンからアサルトカービンを受け取った彼は、手動で詰まった空薬莢を手際良く排莢した。

戦闘服にも付着した体液をボタボタと滴らせながら作業をするレッカーをリンが妙に熱っぽい視線で見つめていたのだが、彼はそんな事には一切気付く様子も無く、淡々と次弾を薬室に装填する。

 

「レッカー、ここらは狩り尽くしたみたいだ。あとはお目当ての冷蔵庫下に真っ直ぐだぜ」

 

アイリッシュが目の前に佇む業務用冷蔵庫を指差した。

 

「ああ、さっきので最後だったみたいだな。よし、これでまた撃てる筈だ」

 

リンに銃を返した彼は無線機を手に取り、スイッチを押す。

 

「ランナー、冷蔵庫の近くまで来た。今から下に入り込む。外の残党は任せたぞ」

 

《了解だレッカー。奴らの巣穴に墓石(トゥームストーン)をおっ建ててやれ!》

 

ランナーはそう激励を送ったあと、まだ残っているであろうゴキブリの始末へと向かい、レッカー達は冷蔵庫の下へと入って行く。

埃の陰に隠れていたゴキブリ達を倒しながら奥へと進んで行くと、とうとう本作戦の最重要目標であるメスのゴキブリを10匹見つけた。

 

「あれがメスか・・・やっと見つけたぞ。全員構え」

 

8人が一斉に銃先を目の前の標的に合わせる。

 

撃てッ!

 

引き金が引かれ、今回の騒動の元凶たるゴキブリ達を瞬く間に物言わぬ屍へと変えていった。

 

 

「ぃよーし!外を走り回っていた奴らもかなり減ったな!」

 

「ですね。あとは数匹走り回ってるぐらいです。にしても、下はまさに死屍累々と言ったところですかね?こいつは誰が見ても悲鳴を上げそうだ」

 

「確かに。食事処であってはならねぇ光景だな、こりゃあ」

 

マイクがヘリコプターのコックピットから下を見下ろしながら、「後始末がキツそうだ・・・」と呟く。

 

《ランナー、聞こえるか?》

 

「お?レッカーか。全員無事か?」

 

《ああ、1人も欠けてないぞ。それに、とうとうメスの始末に成功したぜ。作戦成功だ》

 

無線機から多少疲れ気味ではあるが、レッカーから明るいトーンの声が返って来た。

 

「はっはっはっ!ナイスだレッカー!やるじゃねえか!」

 

《あとは帰るだけだ。VIP待遇で頼むぜ?》

 

「任せな。残り数匹程度だから、狩り終えたらランディングゾーンまで迎えに行ってやる」

 

《分かった、それなら俺達は先に合流地点に向かっとくぞ》

 

そう言って、無線が切れる。

 

「さーて、残りを片付けてあいつらを迎えに行ってやるとするか!やるぞトレバー!」

 

「ラジャー!」

 

 

「よし、ここを上れば直ぐにランディングゾーンだ」

 

レッカー達は予め指定されていたヘリコプターとの合流地点へと向かっていた。

そこに到着すれば、あとはヘリコプターが来るのを待つだけだ。

 

ふぅ、やっと帰って一息つけるぜ・・・。

 

そう思いながら、広く開けた場所に出るとそこには━━

 

「ギギギ…」

 

「キシャァ!」

 

「グルル…」

 

「ギシャァァァ!」

 

彼らを囲み込むようにして、ゴキブリ達が待ち伏せしていた。

 

「まずいぞレッカー。こいつら、相当お(かんむり)だぜ」

 

アイリッシュの言う通り、ゴキブリ達の複眼は相も変わらず感情が一切窺えないが、それでも、彼らがかなり怒っている事だけは理解できる。

理由は勿論、散々暴れ回った挙げ句に巣まで壊滅させたからだろう。

 

「ああ、俺達を握り締めて戦っていたあいつら(・・・・・・・・・・・・・・・・・)でも、ここまでヤバい事態に陥った事は無いと思うぜ」

 

気付けば後ろも包囲されており、逃げ場はどこにも無い。今度こそ襲撃者を追い詰めたゴキブリ達はゆっくりと円を縮めて行く。

 

せっかく作戦を成功させたってのに、ここまでかッ・・・!?

 

レッカーが歯を食い縛りながら銃を構えようとした次の瞬間━━

 

キィィィィイイイイイイインン!!!

 

ターボシャフトエンジン独特の甲高い音を轟かせながら、1機の怪物ヘリコプターがゆっくりと浮上してきた。

 

《伏せろ!!》

 

「ッ!!みんな、今直ぐ伏せるんだ!!」

 

無線からの指示を本能的に理解したレッカーが全員をその場に伏せさせると、ヘリコプターは搭載している機銃を正面を薙ぎ払うようにして発砲し、彼らを囲んでいたゴキブリを次々に仕留めていく。

ようやく発砲音が止み、レッカー達が恐る恐る頭を上げると、そこに動く者は1匹たりともいなくなっていた。

 

「2度も助けられたな、マイク。トレバーも相変わらず良い腕だな。助かったぜ」

 

《気にすんなレッカー!それより、風の噂でパックが奢ってくれるって聞いたぜ?》

 

無線から、マイクに代わってガンナー席に座っているトレバーの声が響く。

 

「奢りだとよ、パック」

 

「あぁ・・・財布がペランペランになっちまう・・・。よし、分かったよ。今回はここにいる全員分奢ってやる!」

 

胸を張ってそう言い切るパックだったが、目尻には若干涙が浮かんでおり、それを見たレッカー達がおかしそうに笑う。

 

《太っ腹だねぇ。ま、その話はあとだ。帰りのタクシーが出発するぜ?早く乗ってくれ》

 

ヘリコプターが兵員室のハッチを開いたまま降下してくる。

 

「よし、お仕事は終わりだ。おうちに帰るぞ!」

 

こうして、彼らの戦いは幕を閉じた。

 

 

「今日は少し早めに目が覚めたけど、清々しい朝ね。朝日が眩しいわ」

 

艦娘達が起きる少し前の時刻。

上機嫌な声でそう呟きながら、間宮は食堂を目指して歩いていた。

食堂へと続く廊下を歩き、両開きの扉を前にしたその時、彼女はふと異変に気付く。

食堂の中から複数人の声と物音が聞こえたのだ。

 

・・・誰か先に来ているのかしら?

 

そう思いながら扉を開いた次の瞬間、目の前をヘリコプターが1機、羽音を立てながら横切って行った。

何でザンクードさんのヘリコプターがここに?と、疑問に思いながら、それを見つめていた彼女はピシリと凍り付く。

 

「」

 

彼女はそのヘリコプターの下に吊り下げられている、とある物体と、その先の床に散乱していたモノを見てしまったのだ。

その光景とは━━

 

「オーライ!オーライ!よし、そこだ!しっかりと繋いでおけよ。輸送中に落としたら面倒だからな」

 

ゆっくりと降下するヘリコプターの機体腹部から伸びる4本のワイヤーを、動かなくなったゴキブリに固定する妖精達。

 

 

「おーい、そこのゴキ共をこっちのビニールに詰めたいから、誰か応援を寄越してくれ!」

 

床に置かれたビニール袋の中に、バイクと人力でゴキブリを詰める作業を行う妖精達。

 

 

「奴らが這った所なんてどこか分からないな・・・。そうだ!空母艦娘達の艦上爆撃機から消毒液を散布してもらおう!」

 

「了解です、ギャリソン。直ぐ基地に要請を出します」

 

名案を思い付いたのか、両手をポンッと打ち合わせる妖精と無線機を耳に宛ててどこかと連絡を取る妖精。

 

「」

 

小さな妖精達が、チョコチョコ動き回りながら作業をするという、なんとも微笑ましい光景であった。

・・・そこらに転がるブツさえ無ければ。

 

「急げよお前らー。早くしないと間宮さんが━━あ、間宮さん。おはようございます!」

 

「「「おはようございます、間宮さん!!」」」

 

妖精達が額から汗を流しながら、清々しい笑みを浮かべて挨拶をしてくる。

一方、挨拶をされた間宮は目の前の地獄絵図から目が離せないまま、震える唇をゆっくりと動かした。

 

「き・・・!」

 

「「「き?」」」

 

「き・・・!!」

 

「「「き?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャァァァァァァ!!!

 

朝日が眩しい食堂に、1人の女性の悲鳴が轟いた。

 

 




今回も他作品のパロネタを使用していますが、彼らのヘリコプターは安心と信頼の某会社製では無いので「マァァァイクッ!!」なシーンは無いです。

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