重原子力ミサイル巡洋艦 ザンクード、抜錨する! 作:Su-57 アクーラ機
パパパーン!と、クラッカーの破裂音が食堂内に響き渡り、提督や艦娘達が俺に祝いの言葉を掛けてくる。
壁には【ようこそ!ザンクード】と書かれた横断幕と綺麗な紙飾り、机には色とりどりの料理が並んでいた。
「みんな、今日は祝いの席まで用意してくれてありがとう。改めて、これからよろしくな」
俺が挨拶をし終えると、提督がグラスを持って立ち上がった。
「よし、みんなグラスを持ってくれ。全員分あるな?それじゃ、新たな仲間ザンクードの着任を祝って・・・乾杯!!」
「「「乾杯!!」」」
そのあと、各々が料理に手を伸ばしたり仲間と話し始めたりと自由に動きだし、俺はこれから共に戦う仲間達の輪に溶け込む為、隙を見つけて話し掛けに行った。
邂逅当初、俺を警戒していた満潮は話をしている内にその警戒心を取り除けたし、同じく邂逅当初は俺を怖がっていた電も笑顔を見せてくれるようになった。
あの笑顔、守らねば・・・!!
「おう、ザンクード。こっち来いよ」
駆逐艦達の元を回り終えたあと、横から声を掛けられる。声のした方角に顔を向けると、提督、木曾、響の3人が酒を飲んでいるのが目に入った。
「ザンクード、お前酒は飲めるのか?」
木曾が酒の入ったグラスを片手にそんな事を訊いてくる。
「さあ、どうだろうな?飲んだ事があるのは進水日のボトルワイン1本だけだからな」
正確に言うと、『鼻先にぶち当てられた』と言うのが正しいが・・・。
「なら試しに少し飲んでみろよ。美味いかもしれないぞ?」
「どうぞ」
提督が俺に飲酒を勧め、響が酒を少量グラスに注いで渡してくる。
「そうだな。折角の機会だし頂こうか」
そう言って俺は差し出されたグラスを受け取り、クイッと仰いだ。
「・・・あっ、違った。これ度数50度のウォッカの方だ」
「なっ!?いきなりそんなきついのを飲んだら・・・!」
「ざ、ザンクード、大丈夫か?」
「・・・・・」
知らずに飲んでしまったザンクードは俯いたまま、ゆっくりと空になったグラスをテーブルに置き、その動作を一同は恐る恐る見守る。
「ふむ、少し度数がきつかったから驚きはしたが、案外飲めるもんだな。美味かったよ」
が、3人の心配は杞憂に終わった。少量とは言え、度数の高い酒を飲んだ本人はあっけらかんとしていたのだ。
そんなこんなで歓迎会は夜遅くまで続き、明日に支障が出ないようにとの事から、22:00にはお開きになった。
「ああそうだ。ザンクード、妖精達から言われたんだが、明日射撃とかの各種性能試験を行うから覚えといてくれ」
ああ・・・あの時に交わした約束か。
「分かった。けど、弾薬とかはどうするんだ?」
「それに関しては問題ない。妖精達にかかればある程度の物は複製できる」
さらりと答える提督に俺は驚いた。
彼が言うには、ミサイルや61cm砲弾も艦娘(艦息)の装備であれば複製が可能だそうだ。
さっそく、明日にでも妖精達に頼んで各種兵装の補充を依頼しておくか。にしても、妖精ってのはつくづく驚異的な存在だな。
「そう言う事なら気兼ねなく暴れられそうだ。楽しみにしててくれ」
「おう。あの戦艦棲姫を倒したEMLとやらの威力も見せてくれよな。それじゃ、お休み」
「ああ、お休み」
そう挨拶して、俺は寮の自室へ向けて歩いて行った。