ウルトラマントレギア   作:憲彦

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長いこと開きましたが、これが最終回です。

あ、クソ長いです。のんびり読んでください。約14000文字です……


トレギアと言うウルトラマン 後編2

「今日の任務はパトロールだが、気は抜くな」

 

「はい!」

 

「分かってるよ」

 

 トレギアを先頭にし、その後ろを2人のウルトラ戦士が飛んでいる。以前トレギアに勝負を挑んだソニックと、それを見ていたストライクだ。無事に2人とも警備隊の正隊員になり、今日が初任務である。その引率にトレギアが抜擢されたようだ。

 

「パトロールの内容は講習で受けたな?」

 

「はい。不審な宇宙船の監視や遭難者の捜索、破壊活動を行う怪獣の発見です」

 

「つっても、本部から連絡がない限りは特に危険性はないって言ってましたよ」

 

「その通りだ。私たちがやっているパトロールは、滅多なことが無い限り戦闘に発展することはない。しかし、だからと言って気を抜いて言い訳じゃない。連絡があったらすぐに駆け付ける必要がある。他にも救難信号があったら当然駆け付けなくてはならない。気を抜いて見落とした気付かなかったなんて事にならないように」

 

 トレギアの言葉に返事を返すと、所定のコースを回って光の国へと迂回しようとする。

 

「1つ言い忘れた」

 

「ん?」

 

「フッ!」

 

「「ッ!?」」

 

 突然横から巨大な何かが突っ込んで来て、トレギアを掴み近くの星に叩き付けた。

 

「な、なんだ!?」

 

「あれは……キングジョー!?なんでこんなところに」

 

「パトロール任務では時に、制御を失い暴走したキングジョーや、星を渡る途中のベムスターに襲われることがある。講義では習わないことだ」

 

「ッ!?なんで後ろに?」

 

「さっき掴みかかられてたのに!?」

 

 何故かトレギアはソニック達の後ろに浮遊し、冷静にパトロール任務中に起こることを説明していた。

 

「あれはとっさに作った分身だ。あれくらいできるようになると良いぞ」

 

 ブレスとリングを2人に見せながら分身だと種明かし。分身に夢中になっているキングジョーに狙いを定めて、強力な光線を撃ち込み破壊する。

 

「キングジョーは硬いが、全力で攻撃を撃てば貫けない事はない。あれは旧式だから装甲も比較的柔らかいほうだ。観察と分析を瞬時に行えるようになれ」

 

 ベテランだからこそなせる技なのだろう。だが、ロボット相手とは言えあまりにも容赦のない撃破方法に、2人はかなり引いている。

 

「……なぁ、トレギアってこんなんだっけか?聞いてたのと随分違う様な……」

 

「分からない……」

 

 トレギアに聞こえない声でコソコソと話している。初任務の引率者の事だ。必ず誰かに聞いてみるものだ。そこで聞いたトレギアの人物像と言うのが「真面目」「親しみやすい」「好青年」と言ったものだった。しかし、目の前にいるトレギアはその人物像とはかけ離れた存在だ。むしろその逆で、任務故に真面目である事は聞いていた通りなのだが、親しみやすさはなく、トレギアと自分達の間には巨大で分厚い壁がある様な感じで、好感が持てる様子もない。ソコシレヌ冷たさも感じる。

 

「任務だから気を張ってる……とか?」

 

「彼がこの程度の任務で気を張るとは思えないのだが」

 

「早く帰還するぞ。帰還後に報告書を製作してゾフィー隊長に提出し、次の任務に備えるんだ。次のメンバーに引き継ぎの挨拶をするのも忘れるなよ」

 

 いたって真面目に、そして事務的に仕事内容を効率よく実践しながら教え込んでいく。分かりやすい教え方なのだが、何処か引っ掛かる感じがする。喉に小骨が突き刺さった感じだ。だが何か問題がある訳ではない。そのまま光の国に帰還した。

 

「トレギア。どうだった?」

 

「次の班はタロウか。特に問題は無い。じゃあな」

 

「お、おう……じゃあ、お疲れさん……」

 

「ひ、引き継ぎよろしくお願いします!」

 

「我々はこれで失礼します!」

 

「あぁ。お疲れ」

 

 ソニックとストライクはトレギアの様子に戸惑いながらも、急いで引き継ぎの挨拶をしてタロウ達の元を去っていく。

 

「報告書は任務中にあったことをそのまま書けばいい。今回私たちが回ったのは巡回コースCだ。項目の巡回・パトロールの所に印を付けて、あったことを記入。余裕があれば怪獣討伐等をした場合は画像や動画を添付するんだ。無ければ文字だけで構わない。報告書はなるべく1枚にまとめるように」

 

 2人は説明を聞きながら、指示された通りに報告書をまとめていく。それを受け取り、内容や書き方に不備がない事を確かめてから、ゾフィーの元へと向かった。

 

「戦闘は旧式のキングジョー1体です。その他は問題ありません」

 

「そうか。報告ご苦労。次に備えてくれ」

 

 軽く頭を下げて、ゾフィーの執務室を後にする。トレギアの事に関しては、ゾフィーはまだ決めかねていた。何かしらの規定を犯した訳でもない。黒い噂はあるがそれを裏付ける証拠がない。任務態度も真面目。長年身を置いていた事から、実力も確か。辞めさせる理由が何一つとして見つからないのだ。精神鑑定を受けさせることも考えたが、頭の切れるトレギア相手では上手く躱されるのが関の山。対応に非常に困っていた。

 

(内偵を送っているが、それもどこまで行くか……グランはあれ以降消息不明……トレギアが真っ先に疑われたが、証拠が一切無い。しかしあの状態のトレギアをこのまま警備隊に置いておくのも非常に不味い……)

 

「はぁ……」

 

 大きく溜め息を付いて、仕事に戻った。トレギアの件に関しては、未だに答えが出てこない。本音を言えば、あの時の明るいトレギアが戻り、タロウと仲良くして欲しいと言うのが本心だ。その為なら何でもするのだが、何をやれば良いのかが全く分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2人の初任務からしばらくして、トレギアの班に怪獣討伐の任務が入った。

 

「今日は討伐任務になる。調査に向かった者が負傷した為、詳細については不明だ。注意して任務にあたるぞ」

 

「はい!」

 

「任せな!」

 

 トレギアの指示を聞きながら、気合いを入れるソニックとストライク。情報のあった荒れ果てた惑星に着陸。討伐対象の捜索を始める。

 

「この星は……」

 

「確か、エラルドと言う星だったと思います。かつては地球のように緑豊かで、高度な文明と生命溢れる美しい星だったと聞いています」

 

「緑豊か?荒れ果てんじゃねぇか。文明の痕跡もねぇし、何かの間違いだろ?」

 

「戦争があってこうなったって聞いたけど……トレギアさんは何かご存知ですか?」

 

「………………」

 

「……?トレギアさん?」

 

「……任務に集中しろ」

 

 トレギアはそれ以外何も答えない。怪獣を探すことに集中しているのかとも思ったが、どうやら違うようだ。まとっている雰囲気も、トレギアの声も、怒りと憎しみに染まっている様だった。

 

 その後も3人でまとまって行動していたが、トレギアだけ数歩先を歩いている。いつもならソニックとストライクの2人に何があってもすぐに動けるように、2人の傍にいるのだが、今回に限り何故か2人から離れて動いていた。

 

「なぁ、今日のトレギアなんかおかしくねぇか?妙にピリピリしてるって言うか、尖ってるって言うか……」

 

「あぁ……僕も気になってた所だ……」

 

 後ろでそんなことを話している2人を無視して、どんどん1人で進んでいく。そして、切り立った崖の上で足を止めて人間のサイズになる。

 

「「ん?」」

 

 そんなトレギアを見て、2人も人間サイズに身体を調節し、トレギアの元へと走っていった。

 

「これは?」

 

「墓?」

 

「……そうだ。この墓は、かつてこの星で私と元に戦った人間の墓だ」

 

 光の国の建物に使われる半透明の素材で作られた十字架。これは2人の察した通り墓だ。あの惨劇の後、傷付いた身体で無理をしながらも、埋葬し作ったかつての親友の墓。それが3人の目の前にあった。

 

「数十年前までは、ソニックの言うようにこの星は自然溢れる美しい星だった。見る者全てを癒すほどに、とても美しかった……」

 

「そ、それが、何故こんなに荒廃して……」

 

「この星は王政星家。ある王家が星を支配していた。私がこの星に立ち寄った時の王は、好き勝手に住民から搾取し、虐げ苦しめていた。そんな状況を打開するために、住民が王家に対してクーデターを起こた。その時先頭に立っていた男が、ここに眠っているネーベルだ。私はネーベルと同化し、その戦争を終わらせた」

 

「そんな事がこの星で……」

 

「ん?じゃあ何で星がこんなんになってんだ?アンタの話だと、戦争が終わった段階では星は滅んでなかったんじゃないか?」

 

「その通りだ。ネーベルは、当時の王を住民の前に引きずり出し、どうするか裁判にかけた。当然、住民は全員死刑を望んでいた。だがネーベルは、既に抵抗する力が無い事から、星を追放することに決定。自分達のリーダーが決めたこと尊重し、追放で片がついた。それを見届け、私は同化を解除して光の国へと帰っていった。それから数年後だ。再びこの星の近くを通り掛かった時に、ネーベルに会うために降りた。だが、その時に、星が滅んでいた……!!」

 

「え?」

 

「追放された王が、星間連盟に嘘の告発をした。住民が突然反乱を起こし、自分を王の地位から追放したと。当然、自分の犯した愚行については一切話していなかった。更に、ヤツは秘密裏に入手した怪獣を城の地下に隠していた。住民を脅すために手に入れた物だったが、ヤツは住民がそれを利用し自分を脅してきたと言ったんだ。事前調査もせず、星間連盟はその言葉を全てを鵜呑みにし、平和に過ごしていたこの星の住民目掛けて無差別に攻撃を開始した。当然この星は何度も攻撃を辞めるように通信をしていたが、連中はそれを無視。ネーベルに致命傷を負わせ、この星が滅んでいく様を見せ付けていた。私が到着した時には、既に手遅れだった……星を破壊しようとしていた星間連盟を黙らせたまでは良かったが、星はこの有り様だ……」

 

 その後の事も含めて、自分とこの星にあった過去を全て話した。全て公式に光の国が介入したものでは無いため、公にされているデータとしては残っていない。その為2人は噂程度には聞いていたが、詳細までは知らなかったのだ。

 

 当然、トレギアの口から放たれたこの衝撃的な事実に言葉を失ってしまった。トレギアに声をかけようにも、何を言って良いのかがさっぱり分からず、黙るしかなかった。

 

「報告のあった怪獣を速く探そう……」

 

「はい……」

 

「あぁ……」

 

 調査を再開し、ネーベルの墓を後にする。元のサイズに戻って歩いていると、何かがぶつかり合う衝撃音と咆哮の様な音が聞こえてきた。

 

「近いな……」

 

 警戒を強めながら、3人は音のする方向へと足を進めていく。そして、報告にあった存在を確認。だが、それはトレギアが見ない方が良かった存在たちだった。

 

「ッ!?」

 

「と、トレギアさん?」

 

「ギガデロス……ヘルベロス……!!貴様らは何度この星を汚せば……!!」

 

「トレギアさん?!」

 

「おい待て!」

 

 そこにいたのは、トレギアがこの星で戦った、トラウマの原因と言っても過言ではない2体だった。何故誰も住んでいないこの星でそれらがいるのか、何故暴れているのか、誰が運び込んだのか、さっぱり分からないが、激情に駆られたトレギアはブレスからブレードを展開して攻撃を開始した。

 

「ハァァアッ!!」

 

 トレギアを視認した2体は、目標をトレギアへと変更。光弾や電撃、斬撃を飛ばしてトレギアに攻撃する。本来なら避けるべき攻撃だが、そんなのお構いなしに突撃してブレードを振るう。

 

「貴様らを……殺す!!ハァァァァア!!!」

 

 感情任せの攻撃がヘルベロスとギガデロスを襲い、ダメージを与えていく。だが、当然2体ともただやられている訳ではない。トレギアと同じくらいの猛攻を与えている。並みのウルトラ戦士なら、とっくにダメージで動けなくなっている程の攻撃を与えている筈だ。

 

「グッ!はぁはぁはぁはぁ……クッ!ウォラァ!」

 

 そんな戦い方だ。当然、すぐに限界が来てカラータイマーが激しく明滅しだした。だが、それでも攻撃を辞めようとしない。攻撃はより激しく、より大振りになっていった。

 

「トレギアさん!下がってください!!」

 

「後は俺たちがやる!」

 

「黙れ!!邪魔だ!」

 

 そんなトレギアを見て危険だと判断した2人が、間に入ってトレギアを下げようとした。だが、それは成さず、2人を振り払って攻撃を続行する。

 

「自分の力で苦しめ!」

 

『ヘルベロスリング エンゲージ』

 

「ヘルスラッシュ!」

 

 斬撃がヘルベロスを襲い、その身体から血を噴き出させた。

 

「これも食らえ!!」

 

『ギャラクトロンリング エンゲージ』

 

「モンスビームレイ!!!」

 

 ヘルベロスの口に腕を突っ込み、モンスビームレイで体内から破裂させた。これでギガデロスは死亡。次にギガデロスの方を向く。

 

 ギガデロスには光線技は通用しない。そのエネルギーを利用されて分身するからだ。一度戦ったトレギアはそれを知っている。故に、持てる力全てを使い、殴り続けた。

 

「ウォォオオオ!!ハァ!デリャア!ウオォラ!ハァァアッ!!」

 

 その攻撃はギガデロスの装甲を徐々に歪ませて行った。そんなトレギアに剣と銃で応戦するが、トレギアは全く怯まずにギガデロスを殴り続けた。そしていつの間にか、ギガデロスは活動を停止し動かなくなっていた。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ………フッ!」

 

 だが、トレギアはまだ足りなかったのか、爆散させたヘルベロスの腕を持ち、それをギガデロスに突き刺した。

 

 そして、トレギアは倒れて動かなくなった。カラータイマーは明滅を止め、目からは光がなくなり、力なく倒れている。

 

「トレギアさん!トレギアさん!!起きてください!!トレギアさん!!」

 

「おい不味いぞ!このままじゃ死んじまう!!」

 

「トレギアさん!トレギアさん!!」

 

 トレギアの身体を揺さぶり、光を与えるなどをしたが、意識は戻ってこなかった。そんな3人の元に、1隻の宇宙船が近付いてきた。

 

「ようやくトレギアは倒れか。が、まだ安心できん。その身体を粉々にしてやる」

 

「ネーベルの眠るこの星で死ねることに、感謝するんだな」

 

 それは星間連盟の宇宙船だった。トレギアを完全に始末し、蘇れない様にするようだ。

 

「たかがウルトラマン如きに惨めに怯え続けるのも今日が最後だ。永遠に眠れ。トレギア!!」

 

 トレギア目掛けて、大量のミサイルが飛んできた。ソニックとストライクの2人はそれに気付くも、防ぐために動くことができなかった。先ほどの戦闘と倒れたトレギア、そして突如現れた星間連盟による自分達への攻撃で、反応が送れてしまったのだ。ただ1人を除いて。

 

「成る程。そう言う事だったのか……」

 

「「ッ!?」」

 

 ムクリと立ち上がったトレギアは、ミサイルを全てその身に受けた。数百はあるミサイルだったが、それら全てが弾けても、トレギアは倒れることなく立っていた。

 

「態々この星でヘルベロスとギガデロスの2体を暴れさせ、私が激情に駆られ暴れまわり倒れた後に、完全に始末する……か。随分とお粗末なシナリオだ~」

 

「と、トレギア……さん?」

 

 心配そうに声をかけるソニックを無視して、宇宙船へと向かって歩いていく。予想外のその光景に驚いたのか、旋回してその場から逃げようとしたが、船体をトレギアに掴まれて動けなくなってしまった。

 

「何やってるんですかトレギアさん?!それを離してください!!」

 

「そうだぞ!確かにソイツらは俺たちを攻撃したが、捕まえる必要は無いだろ!!」

 

「このバカどもが攻撃したのは私たちではない。私だけだ。コイツらは、この星を滅ぼした張本人。そして、この宇宙で私が心の底から始末したいと思っている存在だ」

 

 この言葉で、2人はその船に乗っているのが救い様の無い存在であることを察した。だが、だからと言って正義を司る自分達が手を下して良いとは思っていない。必死になってトレギアを止めようと説得する。

 

「喜べ!今日この時を持って、君たちは恐怖から解放される!さぁ!ゆっくり休むといい。永遠に」

 

 だが、説得も虚しく、トレギアは宇宙船を爆破させ、乗っていた人間の命を奪った。

 

「あぁ……なんてことを!?」

 

「トレギア……やっぱりお前、既に闇に堕ちていたな……悪いが、ここで拘束させて貰う!!」

 

 ストライクがそう言うと、ウルトラランスを展開。トレギアに向かって攻撃を始めた。

 

「あぁ~、君だったのか~。てっきりソニックの方がゾフィーの送り込んだ内偵かと」

 

「フッ。アイツはすぐ顔に出るからな。だから俺が任された!」

 

「その割には実力が伴ってないな~。所詮は捨て駒って訳だな。グランと同じで」

 

「ッ!?やっぱりお前がグランを!!」

 

 ランスによる激しい刺突がトレギアを襲うが、それらは一切当たらない。態々無駄の多い動きで避けたり、飄々と流したりでストライクの神経を逆撫でする。

 

「君では私を倒すことはできない」

 

「黙れ!」

 

「瀕死だった私に攻撃の1つも当てられないのに、何故拘束できると思う?」

 

「黙れと言っているだろ!!」

 

「単に、君が精神的にも実力的にも未熟だからだ」

 

「グワッ!?」

 

「ハハハハハハ。どうだ?自分に劣る存在に手も足も出ない気分は?その程度の実力のくせによくゾフィーはお前にこの仕事を任せたな~」

 

 攻撃に使っていたウルトラランスを奪われ、逆に攻撃を受けて吹っ飛ばされてしまった。

 

「ストライク?!」

 

「ソニック!お前はすぐに光の国へ戻れ!ゾフィー隊長に伝えろ。トレギアは闇に堕ちていると!速く行──」

 

 言い切る直前で、ストライクは言葉を止めてしまった。胸には先程トレギアに奪われたウルトラランスが、カラータイマーを突き抜けて胸に刺さっていた。

 

「ストライク……ストライク!!」

 

「バカ野郎……!速く行け……!!そうアイツは、ウルトラマンじゃない!!」

 

「あ~あ。無理しちゃって~。ハハハ。さぁどうするソニック?親友を見捨てて光の国へ帰還し、ゾフィーにこの事を報告するか、ここで親友と共に犬死にするか。好きな方を選ぶと良い」

 

「何故、何故なんだ……!トレギアさん!!何故あなたはこの決断をしたんだ!正義を守り、闇を照らし悪を討つのが、私たち光の使者ウルトラマンじゃないんですか!?何故闇になんて堕ちたんですか?!」

 

「光が正義で、闇が悪だと誰が決めた?」

 

「え?」

 

「君たちは、今までの活動でできあがったがった正義と言う形が正解だと思い込んでいる。だが実際はどうだ?ウルトラ戦士達が照らしている闇は、たかが知れてる。反対に闇は、多くを飲み込み包んでいる。どっちがこの宇宙の真理だと思う?」

 

「何を言ってるんですか……?そんなの!悪を正当化する言い訳でしかない!今はできなくても、この先に我々が!我々だけじゃない、全ての生命体と共に悪を、闇を照らすのが!この宇宙に存在する者の共通の使命にして目標です!!闇で全てを隠して!この先、何になると言うんですか?!そんなことをして!我々はこの先一体なにを守れるんですか?!なにを救えるんですか?!」

 

「優等生に答えは出せないか~。じゃあどうする?」

 

「トレギアさん……いやトレギア!!貴様をここで倒す!!シュワ!」

 

 超スピードでトレギアに掴みかかり、一気に上空へと飛んでいく。すぐにトレギアに振り払われたが、高速で攻撃を加える。トレギアでもソニックを追うことができず、文字通り目にも止まらない速さだった。

 

「フッ。あの時よりも速くなったな。だが、」

 

「うおっ……!」

 

「動きと攻撃がワンパターンだ。分かりやすかったぞ」

 

 そのまま地面へと落下していき、打ち付けられた。カラータイマーは激しく鳴り響き、危険であることが一目で分かった。

 

「さてさて。少し余興と行こう」

 

 虫の息のストライクに腕を伸ばし、ウルトラランスで開いた風穴に黒い瘴気の様な何かを入れた。それが入りきると、気を失い倒れていた筈のストライクが突然立ち上がった。

 

「ストライク?!大丈夫なのか?!」

 

「…………フゥア!」

 

「グッ!?どうしたんだストライク!!」

 

 起き上がったストライクは、ソニックに突然攻撃を始めた。だがその攻撃は、本来のストライクの動きと言うよりも、糸で操られた人形の様な動きをしている。

 

「グッ!ストライク!目を覚ませ!!闇に操られるな!!聞いてるんだろ!おい!」

 

「ハハハハハハ!無駄だぁ!これが闇の力だ!光に振りほどけるものか!!」

 

 トレギアは心底面白い物を見ているかのような反応をしている。ソニックは諦めずに懸命に声をかけ続ける。

 

「こ、殺せ……」

 

「ストライク?!」

 

「頼む……!俺を殺してくれ!速く……逃げるんだ!俺は、お前を殺したくない!!」

 

「諦めるな!!ストライク!必ず僕が助ける!!必ず助ける!親友であるお前を!絶対に見捨てない!」

 

 声をかけながら、ストライクを拘束し光の国へと帰還する様に動く。闇が体内にあるとは言え、ストライクはソニックの言葉に反応を示し闇に抗おうとしている。きっと助かる。そんな希望を抱いた。が、すぐにその希望は消え失せた。

 

「親友?下らん。友情や絆は、簡単に壊れるんだよ」

 

「ウッ!……」

 

 ブレードでストライクとソニックの2人を突き刺し、致命傷を与えた。そしてソニックにも闇の瘴気を流し込み、光の国へ向かって飛んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、光の国を破壊しろ!」

 

 トレギアの号令と共に、背後に居たストライクとソニックが光線を撃ち光の国を攻撃する。すぐに駆け付けた警備隊が応戦し、拘束するために動くが全く歯が立たなかった。たった3人を相手に、警備隊数十人が一瞬にしてやられてしまったのだ。

 

「フハハハハハ!あ~、これが警備隊か~。大したこと無いな」

 

 そう言いながら、ギガデロスのリングを使い分身。四方八方へと広がり、リングを使って無差別に攻撃を開始。一般警備隊員では対処不能と判断され、ウルトラ兄弟が出動。分身のトレギアを片付け、本体の前に集結した。

 

「トレギア!これはどう言う事だ?!」

 

「やぁゾフィー隊長。見ての通りさ。私は君たちに反逆を起こすことにした。こんな下らない概念に縛られ、正義だ光だに囚われている君らにうんざりしたんだ。私が自らの手で、それを終わらせにきた」

 

「やはり闇に堕ちていたのか……」

 

「気付いていたのに対処できないとは……デスクワークのし過ぎで勘が鈍ったんじゃないか?」

 

「こうなっては、倒すしかないようだな……」

 

 タロウを除くウルトラ兄弟がマントを脱ぎ捨て、トレギアに向かっていく。初代ウルトラマンとセブンが肉弾戦でトレギアの動きを制限し、トレギアが吹っ飛ばされた瞬間にジャックがウルトラランスで攻撃。ストライクとは比べ物にならない槍術でトレギアを圧倒。堪らず上空に逃げるが、そこにエースのバーチカル・ギロチンとゾフィーのM87光線がトレギアに炸裂。地面へと叩き付けられた。

 

「クッ!さすがウルトラ兄弟。一筋縄では行かないか」

 

「観念しろトレギア!お前が操っていた2人は既に保護している。大人しく投降するんだ!」

 

「するわけ無いだろ!」

 

『ギャラクトロンリング エンゲージ』

 

「フゥッ!」

 

「グワッ!?」

 

『ヘルベロスリング エンゲージ』

 

「ヘルスラッシュ!!」

 

 モンスビームレイでゾフィーを吹っ飛ばし、ヘルスラッシュで他の4人に大ダメージを与えた。ヘルスラッシュで痺れたのか、倒れて動けなくなっている。

 

「タロウ、どうしたんだ?そんなところで固まって。君の仲間たちは私を倒すために挑んできたのに、何故なにもしないんだ?」

 

「ほ、本当に、トレギアなのか……?何故、こんなことを……」

 

「あ~あ。全く、君たちは同じことしか質問できないのか?こうなることは予見していたんじゃないのか?」

 

「何故……何故なんだ!!トレギアァァァァア!!!」

 

 信じられない。夢であってくれ。嘘であってくれ。そう思っていた。きっと何かの間違いだ。一時的におかしくなってるだけで、その内元に戻ってくれる。そう信じていた。だが、目の前に居るそれは、それらの思いを形も残らないくらいに粉々に砕いた。

 

「トレギア……俺がお前を止める!!」

 

 マントを脱ぎ捨ててトレギアに掴みかかる。強烈な拳がトレギアを上空に殴り飛ばし、空中殺法でプラズマスパークタワーの頂上にめり込ませた。

 

「教えてくれトレギア!何故こんな事をしたんだ!お前はウルトラ戦士だろ!俺と同じ!ウルトラ戦士じゃないか!!何故なんだ!!」

 

「タロウ。宇宙をよく見てみろ。プラズマスパークはこの星を照らし、星の周りも明るく照らしている。だが、少し離れてしまえばその光は届かない。宇宙は、闇に包まれている。闇こそが、争いを、悪を消し去り飲み込む。光はそれに反抗する反逆者でしかないんだよ。数多くの星を巡りし任務をこなしてきた君なら、それが理解できる筈だ。私と一緒に来い。君なら、私の考えが──」

 

「止めろ!!トレギア……違うだろ!俺たちのやるべき事は!そんなことじゃないだろ!!巨大な物で隠して何になる?!闇で全てを支配して何になる?!俺達だってまだ進化の途中だ!闇で全てを覆い隠して飲み込むのは!その進化を止めることだ!進化を止めれば!俺達は絶滅していくだけだ!例え矛盾を抱えていても!どんなに愚かでも!どんなに未熟でも!歩み続けなければならないんだ!その先に本当の平和があると信じて!遅くても、何世代先になっても!全ての生命が共存できる平和な未来が来るまで、俺達は戦い!託し!繋げていくんだ!!お前だってそれを信じていただろ!!」

 

「あぁ……信じていた。信じていたさ!!だが!お前だって見ただろ!あの光景を!あの地獄を!あの先に平和はない!私たち力ある者が支配し導かなければならない!それこそがウルトラ戦士の使命だ!!」

 

 立ち上がると同時にタロウに掴みかかり、再び地上へと降りていく。これでタロウも覚悟が決まり、その身を紅蓮の炎に包む。

 

「ハァァァァア!!ウルトラダイナマイトォォオ!!」

 

「来い!ナンバー6!ハァァァァア!!!」

 

 トレギアも漆黒の炎に身を包み、タロウへと向かって走っていく。

 

「トレギアァァァァア!!!」

 

「タァロウォォォォオ!!!」

 

 激しい爆発が巻き起こり、辺り一帯を吹き飛ばした。勿論トレギアとタロウも吹き飛ばされている。まだ動ける事を確認すると、タロウはストリウム光線を、トレギアはトレラアルティガイザーを放つ。威力としては同等の光線で相殺されてしまったが、トレギアはすぐさまヘルベロスリングを使いヘルスラッシュでタロウを追撃。避けられないと判断し、ダメージを最小限にしようと腕をクロスさせガードを試みる。だが、いつまでたってもヘルスラッシュによる痛みが来なかった。

 

「……ッ!?ゾフィー兄さん?!」

 

「タロウ……ウッ…」

 

「そんな……ゾフィー兄さん!!」

 

 タロウを庇い、ゾフィーは倒れてしまった。

 

「フッ……下らん。タロウ、君の力はそんなものだったのか……だがこれで証明できただろ?闇は、光よりも強い。闇こそが、全てを治めることができると。これはもう必要ないな」

 

 ブレスと指輪、そしてタロウレットを捨てた。それは、タロウとの、この光の国との決別を意味した。その事にタロウは怒り、捨てられたブレスを拾い上げ腕に着け、ブレードを展開しトレギアを斬り着けた。

 

「グッ!……引き上げるとするか。タロウ、貴様の踏み台は今日でいなくなる。その事を忘れるな」

 

 トレギアの胸と顔に深い傷を付け、退けることに成功した。だが、タロウの中にあるモヤモヤは晴れず、親友を傷付けるしかできなかったことを後悔した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「博士。解析は?」

 

「大方終わった。しかし、スゴいものを作ったな。トレギアは。原理や発想こそは単純だ。だが、それを形にするとは……」

 

 タロウが来たのは技術局局長のラボ。後にウルトラマンヒカリと呼ばれる人がいる部屋だ。

 

「お前に頼まれた通りに、一部機能をオミットして量産した。まぁ、作れたのは3つだけだけどな」

 

「その、怪獣リングについては何か?」

 

「解析前きもしきりにその事を聞いてきていたが、気になることでもあるのか?」

 

「トレギアは、優秀な戦士でした……とても闇に堕ちるとは考えられません。きっと、何か要因かあった筈なんです!」

 

「それが怪獣リング。と言いたいのか?」

 

「はい!」

 

 タロウはまだ信じていた。トレギアが簡単に闇に堕ちる筈がないと。きっと、怪獣リングがその原因なのだと。あの光景を見た後でも、それをまだ信じていた。

 

「君の求める答えにはならないだろうが、それでも良いんだな?」

 

「はい」

 

「結論から言うと、怪獣リングだけが要因ではない。1つである事に間違いはないけどな。もっと言うと、決定打でもない」

 

「…グッ……!」

 

 ハッキリと、怪獣リングが原因で闇堕ちしたと言ってほしかった。違っていても、それが決定打であってくれとそう思っていた。だが、答えは全く違った。要因の1つであることに間違いはないが、それだけでもなければ決定打ですらない。その答えに酷く落胆した。

 

「トレギアは、何か、気になることを言ってなかったか?」

 

「……そう言えば、消える瞬間に『貴様の踏み台は今日でいなくなる』と」

 

「そうか……ここからは俺の推測だが、トレギアはかなり前から闇堕ちの傾向があったと思う」

 

「かなり前……エラルドの事件ですか?」

 

「いや。そのもっと前だ。トレギアは、自分をタロウの踏み台だと言っていた。つまり、警備隊になる前、訓練校の段階には既にそうだったと思われる」

 

「なっ!?そんな筈……!俺はその時からトレギアとは親友でした!そんな影は微塵も見せなかったと言いきれます!!きっと、俺がアイツを守れなかったから……辛いときに支えられなかったから、トレギアは闇に……」

 

「それだ。それが原因だ」

 

「え?」

 

 ヒカリの言葉に、タロウは首をかしげた。何を言っているんだ?この人はと言う顔をしている。

 

「守れなかった、支えられなかった。自分自身で、トレギアは守られる存在だと言っているじゃないか」

 

「あっ…………」

 

 この言葉でタロウは気づいた。自分は常にトレギアの事を対等の存在として見てきていた。しかし、体の色で得手不得手が決まり、ブルー族と言う戦闘に不向きな種族であるトレギアを、タロウは無意識の内に自分より下の存在として見ていたのだ。

 

「恐らく、アイツがこのブレスを作ったのは、お前と対等である為だろう。ブルー族である以上、どう足掻いても素の能力はシルバー族やレッド族には届かない。それを補い、警備隊同期であり親友のお前と肩を並べる為にな」

 

「じゃあ……俺が、トレギアを闇堕ちさせた……?!」

 

「お前と一緒にいれば、どんなに戦果を上げようとも、お前にそれらを持っていかれる。実力が劣る自分は、常に守られるしかない。そんな思いがあったんだろう。だから自分の事をお前の踏み台だと言った。そして惑星エラルドの事件と怪獣リング。それが闇落ちを加速させた。怪獣リングには倒された怪獣の念が宿っている。精神が長い時間をかけてそれに侵されていき、先の任務で完全に堕ちた。まぁそんな所だろう」

 

「俺の存在が、トレギアを苦しめ、劣等感を常に与えていた……」

 

「何故ブルー族が戦闘に向かないと言われているか、分かるか?」

 

「そ、それは、単純に戦闘が苦手だからでは?」

 

「それもそうだ。だがトレギアはどうだ?最近はかなりの戦闘力を持っていた筈だ」

 

「確かに……」

 

「戦闘は経験を積めば様々な物がデータとして体に蓄積され、それが能力を底上げさせる。にも関わらず、何故ブルー族の警備隊員は少ないのか。それは、警備隊が発足する前の組織の時代まで遡ることになる……」

 

 警備隊の前進となる組織。活動内容は現在と変わらないが、そのほとんどが戦闘で占められていた。それ程までに荒れていた時代だったのだ。

 

 当時、隊員の中にはブルー族も沢山いた。戦闘が苦手でも、戦うことはできる。自らの戦闘員を志願する者が多かった。しかし、戦闘が激しくなるに連れ、次第にブルー族の中に心を病む者が出てきた。戦闘に向かないと言われているのは、身体能力が低いからではない。心が繊細だからだ。ガラス細工の様に繊細なその心は、戦いの中で傷付き壊れ、何時しか廃人の様になるブルー族が増えてきた。

 

 その為、厳しいハードルを儲けて、ブルー族の隊員を減らしていき、現代ではシルバー族とレッド族が戦闘を、ブルー族が技術者や科学者として、それぞれ活躍していくようになったのだ。

 

「これがブルー族の警備隊員が少ない理由だ。ま、今はその風潮も無くなりつつあるけどな。誰に渡すかは知らんが、使わせる相手には気を遣えよ」

 

 そう言って、自分が量産したブレスをタロウに渡した。トレギアが作った方は、現在厳重に保管されている。容易に触れられる場所にはない。

 

「機能の変更は?」

 

「ブレードの展開と怪獣リングのオート作製を消した。が、完全に消えた訳じゃない」

 

「何故です?」

 

「トレギアが既に作った怪獣リング。これに関しては、同種の別個体を倒した時に作られるだろう。何度も消そうとしたが消えなくてな。リングも破壊したんだが、破壊した途端に中から瘴気の様なものが出てきて、どこかに飛んでいった。恐らく、別個体の中に入り込んでしまったんだろう。だから、渡したヤツには、くれぐれも怪獣リングは遣わないように釘を刺せ」

 

「分かりました」

 

 タロウはその事を肝に銘じ、ラボから出ていった。そして、ブレスを渡すために警備隊訓練校へと向かっていった。

 

「タイガ、少し良いか?」

 

「あ、父さん!どうかしたんですか?」

 

「卒業試験はどうだった?」

 

「バッチリです!」

 

「そうか……」

 

「父さん?」

 

 タロウは悩んでいた。誰に渡すか、それは既に決めていたが、怪獣リングなんて言う危険な物を生み出すこのアイテムを、まだ若く未熟な戦士に、しかも息子に渡して良いものかと。この先トレギアが何をしてくるか、それを予想できないほどタロウはバカじゃない。分かっている。分かっていながらこれを渡す。それがどれ程残酷な事か。その思いが、タロウの手を止めていた。

 

「……良いかタイガ。この宇宙には、様々な矛盾がある。自分の思っていた正義が、本当に正しいのか、今歩んでいる道が正解なのか、それが分からなくなる時がある。宇宙警備隊として活動すれば尚更の事だ」

 

「は、はぁ……」

 

「タイガ、宇宙へと飛ぶんだ。沢山の物をその目で見てこい。沢山の物を学んでこい。そして、例え何があっても信じられる仲間を見つけるんだ。その経験が、迷ったときに必ず助けてくれる」

 

「分かり……ました?」

 

「これを持っていけ。光の勇者としての活躍、期待しているぞ」

 

「ッ!はい!!」

 

 ブレスをタイガに渡し、宇宙へと飛んでいく息子を見送った。

 

 それから時が経ち、かつての友人と自分の息子、そしてその仲間達が、地球で戦うことになるが、それはまた別の話。

 

 それぞれの思う正義を、それぞれのやり方で、それぞれの形で遂行していく。何が正しく、何が間違っているのか、既に原型をとどめていない程にグチャクチャになっているが、その答えを知る時は、やってくるのだろうか……

 

「私はウルトラマントレギア。君の願いを叶えに来た」




何故今回ブレスの設定がこの様になったのか。それの説明をしますね。感想ではトレギアがいずれタロウの息子であるタイガを闇堕ちさせる為に怪獣リングを仕込んだり、タイガ闇堕ちの為にリングを渡していたりと、その様な考察をしてくれた人がいました。他のサイトや設定等を乗せているサイトでも「タイガを闇堕ちさせる為」と言う目的が前提にある感じでした。

ただ、個人的にタイガブレスを見て、その開発者や設定等を見た時「これ、闇堕ちの副作用とかは偶然なんじゃないか?」と思いました。

確実に作ったであろうトレギアは暴走の副作用に最初は気付いておらず、自身が堕ちて初めてそれに気付いたんじゃないかと。トレギアの性格から考えて、それを利用しない手はない。そして当初のブレスの目的はウルトラマ戦士の補助アイテム。例えトレギアが使っていた物だとしても、タロウなら後進の戦士の誰かに、もっと言えば自分に近い誰かに。と言うのを予想しない訳がないと考えました。

そして案の定、タロウが自分の息子にそれを渡した。「光が正義だと誰が決めた」と言う台詞から、ウルトラ戦士達が持っている正義がどれ程矛盾した物かをタロウに突き付けるために副作用を利用してタイガを闇に堕として、光が絶対じゃない事の証明をしようとしたのだと思います。

結果としてそれは失敗した訳ですけどね。そして解析を任せるならウルトラの星のブレーンことウルトラマンヒカリただ1人。彼が解析で得たデータを元に複数量産。それがトライスクワッドの3人に渡され、その後ヒカリは暴走の心配がない攻撃と補助専用のメビウスブレスを作り上げたんじゃないかと考えました。

以上の事から、個人的にタイガブレスは最初、トレギアの作ったサポートアイテムで、怪獣リングとウルトラマン達のブレスレット製作は基本性能。そして、怪獣リングに関してはオートで製作可能と言う設定にしました。だからタイガ本編で倒したにも関わらずリングが製作されなかった怪獣がいたのかなと。ヒカリなら危険な怪獣リング製作機能は取り外す筈ですから。しかし、元からある機能である以上、全てを取り除くことができず、トレギアが多く使用したリングのみ、必ず作られてしまうと言う感じです。

最後にタロウがトレギアに付けた傷の事ですが、トレギアのデザインを見たとき、顔の仮面や胸のプロテクター?は何かを隠してるんじゃないかと思い、この様な感じにしました。

では、妄想トレギア過去編はこれにて終了!感想や評価、お気に入り登録よろしくお願いします!!












































「おや?まだこんなところに居たのか?分かっていると思うが、こんなのはただの妄想で史実ではない。史実を知りたいのならもう少し待つと良い。近い内に全てが明かされるだろう。では、私は残業はしない主義なんでねぇ~。そろそろ帰らせて貰う」

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