蒼の大狼(改訂版   作:綾式

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前作とは、ガラリと変えた日常フェイズをお届け


日常①

 自分のテントに戻ってきたイムカは、テントの中には入らず、その外で地面に腰を下ろし肩に担いでいた武器を地面に下ろした。

銃身を上に向けるように柄の部分を肩にもたれさせ、同じ隊の設営班がテントを片付けているのを眺めていた。しばらくすると、隊長の男が出発の号令をあげると、腰を上げて、隊員たちが集合していた場所に向かった。イムカが集合したのを確認した隊長は、イムカに近寄ると話しかけた。

「イムカ、準備は出来たか?」

それに対しイムカは無言で頷くと、隊長は隊全体に対し

「ギルランダイオに帰るそ!」

と隊全体号令を発すると、彼らの部隊の戦車がラジエーターを動かしはじめた。戦車の砲身部分上部ハッチから、隊長の男が戦車の中に入ると、戦車は前に進み出した。隊長の男が上半身を出しているハッチの後ろに、城塞を背景にしてⅣの文字が書かれた部隊旗が夜風と振動ではためいていた。

 

 

ギルランダイオ要塞。この要塞は中世の頃に街道沿いにつくられた砦を、近代化していく時代に従って改修が続けられるに連れて、巨体なものになっていった。今現在は、街道とその周囲の地形全体を塞ぐように存在しており、征歴1930年の開戦の年までは、ガリアと帝国の国境線上で、入出国管理所としての役割を果たしていたが、帝国と連邦の開戦に合わせて、要塞設備と、配備人数が急激に強化されていった。

 

「夜間までの国境線警備、並びに帝国領強行偵察任務ご苦労だった。大尉」

隊を率いてギルランダイオ要塞まで戻ってきた大尉と呼ばれた隊長は、帰還して直ぐに要塞司令部にまで来るようにという命令を受け、要塞司令部で、要塞司令である中将に報告を行っていた。

「は。此度の偵察任務も、いつも通り何もなく平和なものでありました」

そう報告をすると、夕食である机の上にあるステーキを食べながら中将は話した。

「あぁ、わかった。ところで大尉、君のとこにいるダルクス人はまだ隊から離れないのかね?我が誇りあるギルランダイオ要塞にダルクス人など、必要ないのだが…。ダモン将軍の派閥の中にいる貴族の御曹司殿も君の隊にはいることだし、どうかね?帝国から迫害を受けて私の要塞に流れてきたそうだが…果たして本当なのかね?私には間諜にしかみえないのだが。中佐、君はどう思うかね?」

そう中将が話すと、中将の後ろに立っていた中佐と呼ばれた男はじろりと大尉をみながら

「はい、閣下。私にも、あのダルクス人には信用することが出来かねます。我が歴史あるガリア正規軍にも、この要塞にも、あれはいらないものではないかと考えます」

その答えを聞いた中将は首を縦に頷けながら「やはりそうであろう」とニヤけるように話すと、大尉に対し

「どうかね?大尉。あのダルクス人をこの要塞から追い出して帝国側に追い返すというのは、帝国側はさぞ喜んでくれるだろう」

そう言いながら、フッフッフと腹の中年太りをした贅肉を揺らしながら笑い。

「あぁ、大尉。報告ご苦労だった。下がってよい」

と告げた。それに対し隊長は、敬礼をしたあとに司令室を退室すると、要塞中枢塔からそのまま隊舎に歩いて行った。しばらく歩くと、隊長の率いている部隊と同じ部隊章を腕に描かれた隊服を着こなしているように見える金髪の男が壁にもたれて待っていた。

「やぁ、隊長。御立腹のようだね」

そう声をかけた男に対し隊長は、「アルフォンスか」とだけ声をかけ、ついてくるように手でジェスチャーをした。それを見たアルフォンスと呼ばれた男は、隊長に並んで同じ方向に歩き出した。

「今日もイムカのことで何か?」

アルフォンスが歩きながら声をかけると、隊長はイラついている感じの早口で返した。

「あぁ、今日もいつものようにイムカはまだ隊にいるのか?イムカが間諜ではないのか?追い出さないのか?帝国側に追いやらないのか?ときたもんだ。」

その返しにやれやれとアルフォンスは呟きながら、

「イムカが間諜なわけがないだろう。間諜だったのなら、2ヶ月前の大規模遭遇戦で戦車4両に敵陣地単独制圧。あれだけの戦果は出さずにこちらが敗北していただろう。それに」

そう言い、歩きながら腕を組み、

「イムカの活躍のおかげで、俺たちの部隊は、あの戦場でけが人は出たが、全員生還。死人は出てないんだ。仮にあいつが間諜だったというなら、俺たちの部隊はバタバタ死人が出てるだろうさ…」

と、アルフォンスが話していると、2人の部隊であるⅣの字が書かれた隊舎に到着し、中に入っていった。

 

 

「おぉ、隊長。おかえり。今夕飯作ってるから待っててくれ」

そう言いながら隊舎エントランスから食堂に繋がる開け放たれたままの扉から、コンロの前に立つコックの衣装風に作られた軍服を着た男が、エントランスに顔を出した。2人を迎えたコックの男は顔を食堂に引っこめると、それに続いた2人の目の前で、鼻歌を歌いながら鍋を火にかけゆっくりと混ぜていた。隊長の男が

「あぁ、わかった。他の皆は?」

そう隊長が話すと、コックの男は、部屋の中にある隣の両開き扉を指でさしながら、

「1名除いて全員隣の部屋で飯が出来るのを待ってるよ。んでもってイムカが」

そう言いながら上に指をさして「自分の部屋で武器の手入れしとるよ。直ぐに終わるって言ってたからそろそろ降りて来るんじゃないか?」

そう言ってると、上に繋がる階段から、最後にみた両四肢に着けていた装甲を外し、バトルドレスから、動きやすい見た目に変わっているイムカが降りてきた。

「お、イムカ。ヴァールの手入れは終わったのか?」そうコックの男がイムカに話すと、イムカは頷き、

「今日は撃たなかったから、簡単な手入れで済んだ。今日は楽」

と返した。その様子を見ながらコックの男は「うんうん」と頷きながら話すと、

「そろそろ完成だ。3人とも、隣の部屋で席に座って待っていてくれ」

その言葉に3人が了承の声をかけると、食堂の両開き扉を開けて中に、入っていった。

 

 




9/11日。改訂

さて、隊長の名前どうするか
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