仮面ライダージオウ外伝 ひとりぼっちの裏の王   作:タコわさび

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「オレのゴール2019」

普通の高校生 加古川飛流、彼には魔王にして時の王者オーマジオウになる未来など待っていなかった。

世界中に現れた最強のアナザーライダー達、スウォルツとの対峙、全てを背負い彼が掴み取る可能性とは·····

おっと、ここから先は皆さんには少し未来のお話

 

 

「オレのゴール2019」

 

 

灰色のオーロラに浮かぶ18のスクリーンには最強の姿となったアナザーライダー達が世界中のあちらこちらで命を蹂躙しているさまが映し出されてる。

 

スウォルツは勝ち誇ったように高笑いし、加古川飛流の背後にいるソウゴ達からはもうどうしようもないと言わんばかりの空気が伝わってくる。

「·····大丈夫だ」

加古川はそう呟いて目前のスウォルツを睨みつける。

と、その時スクリーンの一つに異常が生じる。

先程まで人を捕食していたアナザーアルティメットクウガがのけ反った。

「ん?」

スウォルツも異常に気付いたらしく、スクリーンの方を見る、そこにはアナザーアルティメットクウガと対峙する2()()()()()()が立っていた。

他のスクリーンも同様にアナザームゲンゴーストには仮面ライダーゴーストが、アナザーブラスターファイズには仮面ライダーファイズが、アナザーサバイブ龍騎には仮面ライダー龍騎とタイガが、全てのアナザーライダーの前にオリジナルの仮面ライダーが立ちはだかっている。

 

「バカな!この世界に仮面ライダーが存在してるだと!?」

スウォルツが明らかに動揺し、ソウゴ達の方を見るがソウゴ達も同様に驚いているようだった。

 

全てが混ざりあったこの世界に存在する全ての仮面ライダーにウォッチを配り、仮面ライダーの力を復活させる、それが門矢士(かどやつかさ)から受け取った加古川の役目だった。

 

「だから大丈夫だ」

加古川は力強く言う、まるで生まれて初めて何かを信じられた子供のように。

「この世界には

皆の笑顔を守る為に戦った戦士がいる

人の運命の為に神に逆らった者がいる

平和を願い生き抜こうとした者がいる

人の夢を守るため灰になるまで戦った者がいる

友のために人間である事を犠牲にしたジョーカーがいる

人の世界を守った鬼たちがいる

家族を守るために世界の中心になった者がいる

時の運行を守る為に仲間と共に戦った者がいる

種族の壁を越え平和をもたらした王がいる

いくつもの世界を壊し、世界を救った者がいる

愛する街を守った探偵達がいる

手を伸ばし全てを掴んだ者がいる

友情のために青春を生き抜いた者がいる

希望を守るために自らが希望になった者がいる

自分の信じる正義のために戦った神がいる

止まった世界で2人で戦い抜いた警察官がいる

死してなお英雄たちの魂と共に戦った者がいる

患者を救うため命を懸けた医者がいる

世界を創造して次に繋げた科学者がいる

全ての歴史を受け継ぎ王になった者がいる」

 

「友1人の笑顔のために戦った戦士がいる

堕ちてなお英雄を目指し続けた者がいる」

加古川は一呼吸置いてから叫ぶ。

「この世界には仮面ライダーがいる!」

スウォルツが怒りに震えた眼で加古川を見る。

「貴様····ッなんということをした!」

そんなスウォルツを加古川は嘲笑するように言う。

「なぁ、スウォルツ?本当にお前ごときが仮面ライダーに勝てると思っているのか?」

「う、うぁ、ゥァァアア!貴様ぁぁ!?」

スウォルツは発狂してアナザーディケイドウォッチを自らに埋め込み、アナザーディケイドへと変化する。

加古川はウォズに「俺が時間を稼いでる間に退避しろ」と目で合図を送る、それを受け取ってくれたようでウォズ達は手負いのソウゴを連れて後ろに下がる。

 

 

「貴様ァ加古川飛流!捻り殺してやる!」

アナザーディケイドが加古川に向かって走り出した、ちょうどその時加古川が持っていたブランクウォッチが眩しく光を放ち、アナザーディケイドが後ずさりする。

 

《ヒ・リューーーウ!!》

 

 

加古川が驚愕し、スウォルツはありえないと言いたげな目見る。

「これは·····」

「なぜ!?貴様が·····まさかっ!仮面ライダーになれるというのか!??」

驚きながらも加古川が叫ぶ。

「ウォズ、ベルトを!」

ウォズは動揺しながらも懐からジクウドライバーを取りだし加古川に受け渡す。

《ジクウドライバー!!》

加古川は手に持ったウォッチのカバーをずらして天面のボタンを押す。

《ヒ・リューウ!》

ウォッチをジクウドライバーのスロットに差し込み、構える。

その構えはまるで常磐ソウゴのそれを鏡写しにしたようだ。

後ろには大きな砂時計のような物が映し出されている、一呼吸置いて加古川が叫ぶ。

「変身!!」

《ライダータイム!カーメーンライーダーヒ・リューーーウ!ヒ・リューーーウ!!》

 

時計のベルトのようなエフェクトが加古川を包み、その中からは黒いローブのようなマントを纏った青色の仮面ライダーが現れる。

その顔は仮面ライダージオウに似ているものがあるが、ジオウよりも時計の針のような角が多く、4本ある。

加古川も動揺してはいるが、既に受け入れていた、ここからもまだ自分の役目なのだと。

「仮面ライダーヒリュウ、過去からお前を下し(くだ)に来た。」

「ぬわァァ!ふざけるのも大概にしろオォオ!?」

アナザーディケイドが加古川に襲いかかろうとするが、ウォズの手から放たれた波動に弾かれる。

「少し黙っていてくれないかい?久しぶりなんだ」

そう言うとウォズは1度咳き込んでから、声高らかに唄う。

「祝え!弱き己を乗り越え、過去から現在を統率する新たなる時の王者!その名も仮面ライダーヒリュウ!今、新たな時の王者の誕生である·····」

ウォズの気持ちよさそうな祝いを受け、ヒリュウは1歩前に出る。

「どいつもこいつも、俺の事をバカにしよってぇ!!」

アナザーディケイドが次こそはと襲いかかってくる。

その瞬間、ヒリュウの顔にある4本の時計の針のような角が反時計回りに回転する。

 

アナザーディケイドの拳をまるで()()()()()()()()()避けマントでいなす。

「ヌゥ!?ならば、これでどうだ!!」

そう言うとアナザーディケイドは両手から赤黒い波動の玉を打ち出す。しかし、それさえもヒリュウには届かずに逆にマントに吸収されてそのまま打ち返される。

自分が放った玉と同等の威力の波動弾を食らって、アナザーディケイドが膝を着く。

「俺の力は」

加古川が口を開く。

「俺の力は相手の過去を見るだけだ、だからお前の攻撃方法も分かる」

アナザーディケイドを一瞥して、ヒリュウが言う。

仮面で隠されていてその表情までは分からないが、恐らくスウォルツをバカにするように笑っているのだろう。

「お前、ちっとも成長してないんだな?楽でいい」

どうやらその言葉に怒り我を失ったようで、アナザーディケイドはベルトをなぞって半年前オーマジオウに放ったものと同じ蹴りを繰り出そうとする。

それを見越してヒリュウはベルトの天面のヒューズを押し込みベルトを一回転させる。

《ターイムパースト!》

瞬間、ヒリュウの右足がエネルギーを纏う。

上空から蹴りを繰り出すアナザーディケイドに対してヒリュウは地上から横蹴りをぶつける。

 

大きな爆風の後足元にアナザーディケイドを下したヒリュウが立っていた。

体が崩れだしているスウォルツに背を向け、ヒリュウはゆっくりと距離を取る。

「さよならだスウォルツ、俺の過去」

スウォルツは崩れ去って灰になっていった、同時に18のスクリーンも消えるがそちらは仮面ライダー達が何とかしてくれるだろうと思い加古川は変身を解除した。

 

加古川の目線の先にはゲイツの肩に手を回し何とか立っている常磐ソウゴの姿があった。

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