仮面ライダージオウ外伝 ひとりぼっちの裏の王   作:タコわさび

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「そして未来へ※※※※」

普通の高校生 加古川飛流、彼には魔王にしてときの王者オーマジオウになる未来など待っていなかった。

仮面ライダーヒリュウとなり、アナザーディケイドを倒し世界を救った彼の行く末とは·····

おっと、ここから先は皆さんには少し未来のお話

 

 

「そして未来へ※※※※」

 

 

 

変身を解除した加古川の目前にはゲイツの肩を借りて立っている常磐ソウゴが真剣な眼差しで加古川を見つめる。

時間にして数分と言ったところだろうが、彼らには10年分の時日に感じたことだろう、ソウゴの両隣にいるゲイツとツクヨミは押し黙っている、どうやらソウゴにこの先の判断を託したらしい。

 

やがて加古川の方から先に口を開く。

「どうする?やるか?」

ヒリュウウォッチを構えて、挑発的に言うがソウゴは冷静に返す。

「やらないよ、加古川飛流、君はこれからどうする気?」

「どうする気だと?」

ソウゴの言葉を反射して彼は戸惑う。

「俺の····俺の役目はここで終わった、お前が仮面ライダーとしての記憶を取り戻して世界の危機は無くなったから·····」

そう事実を確認するように加古川はゆっくりと語る。

「だから俺のする事はもう何も·····無い」

それを受けてソウゴは少し悲しそうな顔をする。

「じゃぁ君のやりたい事は?復讐?」

「復讐·····」

違う、もう加古川の中から汚泥のような憎しみも、マグマのような怒りも無い。

復讐をしても両親が悲しむのだろうと気付いてしまったから、しかし常磐ソウゴに対するモヤモヤとした気持ちが無くなった訳ではなかった。

潮風が加古川を急かす様に吹き付けるから加古川は思っている事をそのままソウゴにぶつける。

「分からない、復讐したいわけじゃない、けどお前に対する憎しみが全く無くなったわけじゃない·····やりたい事なんて俺には」

加古川は己がこの10年間憎しみだけで生きてきたという事を痛感した、それも加古川にとっては両親の死と同様に目を逸らしていたいことだった。

「俺もきっとそうなんだ」

ソウゴは優しい口調で加古川に語り掛ける。

「俺も王様になる夢を取ったらきっと、何も残らない、だけど·····だからこそ、そこから目を背けちゃダメなんだ」

「俺と君は10年前に大切な人を亡くした、もしかしたら俺たちは逆だったのかもしれない·····だから、なんて言うか」

まだ成熟していない若い魔王は必死に言葉を続ける。

 

「俺もたまに思うんだ、自分が一番不幸なんじゃないかって誰かを恨むんだ、でもそこから目を逸らしちゃダメだと思う、自分の中の汚い感情も黒い感情も鏡の中の自分さえも受け入れて前に進んでいかなくちゃ·····汚い自分のままでも歩まなくちゃ」

加古川は俯いたままでソウゴの言葉に耳を傾ける、それは耳を塞ぎたくなるほど彼には聞きたくもない話で事実だった。

それでも加古川はソウゴの言葉を一つ一つ胸に刻む、大人になると言う事は醜い真実から目を逸らさない事なのかもしれないと、加古川は気が付いた。

「それでも、全ても受け入れて·····お前に対する憎しみも何もかも全部抱えても俺の行き先なんてない」

「ねぇ加古川?もし良かったら一緒に学校に行かない?」

「学校??」

「そう、学校、俺たちは普通の高校生なんだからさ·····良かったら一緒に学校に行かない?」

加古川はその気の抜けた返しに思わず失笑する、こちは殺し合うつもりで来たのに登校を促されると言うのは笑えないジョークだ。でも、だからこそ彼は即答した。

「わかった、学校に行こう」

「ただし、少しでも油断をしていたら命はないと思え」

「あぁ、望むところだよ」

挑戦的な加古川の言葉にソウゴは満足そうな笑みで返す。

加古川はヒリュウライドウォッチをポケットにしまって、ソウゴ達と同じ方向に進み始めた。

 

 

そこから10キロメートル程離れたところで二人の男、門矢士(かどやつかさ)海東大樹(かいとうだいき)が仕事をやり遂げたようにソウゴ達を灰色のスクリーン越しで見ていた。

「士?本当にこれで良かったのかい?」

「あぁこれで成功だ、今回は借りを作ったな良くやってくれた」

そう言いながら士が振り向くと空間に灰色のカーテンが浮かび上がり、士が口を開く。

「これでこの世界に仮面ライダーが生まれて、安定したからな、俺は次の世界に旅を続けれる」

灰色のカーテンを潜ろうとする士を海東は追いかける。

「僕もお供しよう、士?次はどんな世界だろうね?」

そんな海東を鬱陶しそうに士はカーテンの向こう側を見ながら言う。

「さあな?どんな世界だろうと俺がいる場所が俺の世界だ」

「俺達の世界って言ってくれると僕としては嬉しいよ?」

そんなじゃれあいをしながら2人は新たな世界に旅立って行った。

 

 

 

かくして、加古川飛流は仮面ライダーヒリュウとなり常磐ソウゴ達と行動を共にすることになる。

まだ歪な絆を育む彼らの前にネオタイムジャッカーと名乗る3人組と共に新たなアナザーライダー達が現れるが?

 

おっとここから先は彼らが己の力で切り開く物語·····

 

 




今回の話で仮面ライダージオウ外伝 ひとりぼっちの裏の王は完結となります、自分のペースが遅いばかりにジオウ完結から1年ほどかかってしまいました笑
何か気になった事など少しでもありましたらコメントして下さると嬉しいです。
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