仮面ライダージオウ外伝 ひとりぼっちの裏の王   作:タコわさび

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「こうさするセカイ2019」

この本によれば·····普通の高校生加古川飛流、彼には魔王にして時の王者オーマジオウになる未来など待っていなかった。

作り直された世界で彼は再びアナザージオウの力を手にし、突如現れたアナザーアギトを撃破する。

そんな彼をウォズは我が魔王として招き入れるが·····おっと、ここから先は皆様には少し過去のお話

 

そう言うと裏逢魔降臨録と書かれた本を閉じてウォズは暗闇に消えていった。

 

「こうさするセカイ2019」

 

 

加古川飛流がアナザージオウに変身してアナザーアギトと交戦してる最中、加古川に助けられた彼女はひたすらに走っていた。アナザーアギトに切り裂かれた左手の痛みも気にしない程がむしゃらに走っていた、今は化け物のことも、助けてくれた青年がどうなったかも彼女にとってはどうでもよかった、ただ家に帰りたかったのだ。

「ふむ、アナザーアギトから逃げ切ったか·····やるな」

そんな野太い声で彼女を呼び止めた、目の前にたっていた大柄な男は彼女を見下ろすように睨みつけている。

「こっ来ないで!」

直感でこの男が危険だと察知したのだろう怪我をした左手を庇いながら後ろに下がる、だが

「いや、お前の意見は求めん!」

男は何故か彼女の後ろに立っていた。そして、アナザーアギトのウォッチを彼女の背中に押し付ける。

「いやだ、もういやァァ!」

そんな悲痛な叫びと共に彼女の体はアナザーアギトに変身した。

「今からお前がオリジナルだ、コピーを葬ってこい」

その言葉を受けると彼女は先程自分がいた廃工場えと向かう。

 

 

少し時を遡り、廃工場ではアナザージオウとアナザーアギトの戦闘が終わろうとしてた。

「クソ、何でこんなにしぶといんだ!」

そう愚痴を吐きながら両手に持っている2本の剣を1つに繋げて斬りつける。

「グァァァ!」

鳴き声を上げながらアナザーアギトが爪で剣を防御する、咄嗟にアナザージオウは剣を2本に分離させて片手で爪を抑えながら、もう片方の剣でアナザーアギトの身体を斬りつける。

「ウグウァァ!」

深く斬られたのだろう、アナザーアギトが後退りする

その瞬間を見計らって剣を1つに繋げる。

「これで、終わりだ!」

1つに繋げた剣をまるで時計のように大きく回し、剣が妖しげな色に発光する。剣をアナザーアギトの腹部に突き立て、貫通する!

「グァ·····ァゥ」

少し叫んだ後アナザーアギトはガクッと力が抜けたように崩れ落ち、爆発しながら消えていった。

「はぁ·····はぁ·····」

荒れている呼吸を落ち着かせながら、アナザージオウは加古川飛流の姿に戻る。

「ウォズ!出てこい、説明をしてもらうぞ!」

加古川がそう叫ぶと、物影に隠れていたウォズが顔を覗かせる。

「素晴らしい戦いぶりだったよ、我が魔王。とても半年ぶりには見えなかった」

 

「そんな事はどうでもいい、教えろ 何故俺だけに前の世界の記憶がある?何故俺はアナザージオウに変身できた?何故アナザーライダーがいる?」

加古川がウォズを睨みつけながら言う。

「落ち着きたまえ我が魔王、質問は一つずつにして欲しいね。それよりも、彼女の対応の方が先じゃないのかい?」

ウォズがそう言いながら廃工場の入口の方を見る、つられて加古川もそちらを向くと、そこには先程加古川がアナザーアギトから助けたはずの女の子が苦しそうに歩いてきてる。

「あんた何してる?逃げろと言ったろ、戻ってくるな」

彼女はそんな加古川の言葉を聞いていない、というより

「言葉も届いてないようだね」

ウォズが言う。

「うぅ·····ウガァァァ!」

悲鳴とともに彼女の体がアナザーアギトに変身する。

「アナザーアギトだと!」

加古川はウォズの方を見る、しかし

「やるしかないようだ、我が魔王」

アナザーアギトは躊躇せずに加古川の方に走ってくる。

「クソっ!」

加古川はアナザージオウのウォッチを腰に押し当て、アナザージオウに変身する

「ガァァァァァァ!」

襲いかかるアナザーアギトの両腕を抑えながら。

「おい!ウォズ、このアナザーアギトを倒したらどうなる!」

置いてあったドラム缶のようなものに腰掛けながらウォズが答える。

「どうなる·····とは?なんの事だい」

腕を振りほどかれ肩をアナザーアギトに殴られながら言う。

「このアナザーアギトを倒したらさっきの女はどうなると聞いている!」

少し考えてからウォズが答える。

「ふむ·····アナザーライダーを倒しても変身者は無事だよ、と言いたいのだか、それは前の世界のルールだ。今回は色々と混じっているからね·····どうだろうか」

何発かアナザーアギトから打撃を受けながらもアナザーアギトの両腕を再び拘束しながら。

「混じっている?まあ、いい!」

両腕の拘束を解いてアナザーアギトを蹴り、距離をとる。

「ウォズ!ブランクウォッチを渡せ、持っているだろ?」

そうウォズに要求すると、ウォズは不思議そうに。

「ブランクを?確かに持っているが、何をするつもりだい?」

ウォズからブランクウォッチを受け取りながら。

「分からないなら、こうするしかないだろ!」

そう言いながらアナザージオウはアナザーアギトに一直線に走って行く、そのまま腰にタックルする形で突っ込む。

「まさか·····我が魔王」

ウォズの考えた通り、加古川はブランクウォッチをアナザーアギトに押し付ける。

「アナザーアギトの力だけを吸い取るつもりか·····」

ブランクウォッチが発光する、アナザーアギトは自らの力を吸い取られまいと、アナザージオウを引き離そうと抵抗する。

その腕を切り裂かれ、体に膝蹴りを喰らい、顔を何度も殴られてもアナザージオウは、加古川飛流はアナザーアギトを離さない。やがてアナザーアギトから力が抜けていく、ウォッチにアナザーアギトの力が写ったのだ。

アナザーアギトは元の女の子、沢木雪菜に戻り気を失っている。

 

アナザージオウが手にしていたブランクウォッチはアナザーアギトのウォッチに変化していた。

「おめでとう我が魔王、まずは1つアナザーライダーの力を手にしたね」

加古川がボロボロになりながら変身を解除したのを見ると、ウォズが問う

「しかし、何故直接倒さなかったんだい?まさか彼女の身を案じたのかい?」

前の世界であんなに残酷なことをした君が?と言わんばかりウォズは加古川の顔を覗き込む、若干目を逸らしながら答える。

「あぁ、そうだ」

すかさずウォズが返す。

「何故?」

加古川は息を整えながら答える。

「俺が救った命くらい俺に守らせろ、ただそれだけだ」

ウォズと手にしているアナザーアギトウォッチををみながら言う。

「それよりも、何故アナザーライダーがいる?今度こそ答えてもらうぞ」

ウォズは手にしている裏逢魔降臨録のページをめくりながら。

「それに関しての答えは簡単だ、世界が混ざってしまった。もう1人の我が魔王によってね」

加古川はそう聞くと眉をピクリと動かして。

「もう1人の我が魔王?常磐ソウゴか·····」

その顔には明らかに怒りの表情がみてとれる·····ウォズは溜息をつきながら。

「とりあえず、その傷を癒したらどうだい?ボロボロじゃないか」

「あぁ、そうさせてもらう」

 

そんなやり取りをする2人を廃工場の外から眺めている人物がいた。沢木雪菜をアナザーアギトに変身させた大柄な男である。

「あの女なら適任だと思ったのだが·····大した力にならなかったな。まあ、いい次こそは見ていろ·····常磐ソウゴ、お前の意見など二度と求めん」

悔しそうに拳を握りしめながら、大柄な男は暗闇に消えていく。




かくして、アナザーアギトの力を手に入れた加古川飛流はウォズと行動を共にする。
再び常磐ソウゴと接触を果たすのだが·····
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