人狼の少年が鬼退治を手伝う話。   作:黄色いうちわ

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  憧れの人の口調や立ち振舞いに憧れて真似をしたかっただけなのに、プライドが粉砕された。



 朔太郎少年はお手紙を書いた。弐

 

    拝啓   紅葉様。

 

 

   お変わりありませんか?朔太郎は、話し方を朔太郎本来の話し方に戻す事にしました。

 

   ええ、猛おじさんの真似はやっぱり朔太郎には無理でした。猛おじさんの話し方は、子供の朔太郎がしても、子供が背伸びをしてがんばって話しているようにしか見えないようです。

 

   そもそも、猛おじさんは里が誇る里の交渉人。かつ、人狼の代表として人間の世界で貿易商人と人間に悪さをする鬼や妖怪を退治する退魔師をしているお方。真似っこは二千年早かったです。

 

   鬼殺隊の方々が、とても優しく勇気のある人達ばかりなので、朔太郎は泣きたくなります。

 

   この脆いくせに強い生き物達の悲しみが、朔太郎達の狩りの失敗の結果だと思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

 

   朔太郎の貯金で猛おじさんの会社か、聖さんと弓生さんか、鬼切丸殿に鬼舞辻無惨の討伐を依頼したいです。猛おじさんが里に帰ってきたら、その旨をお話して下さい。お願いします。いえ、朔太郎自身が直にお願いするべき事なのは重々わかっております。ですが、お会いしてしまうと、強制的に鬼殺隊お手伝いが終了されてしまいます。

 

   亡くなった母上の兄、朔太郎の伯父にあたる猛おじさんの朔太郎への過保護や愛は嬉しいけど重すぎます。何故、朔太郎への外国のお土産が可愛い人形やぬいぐるみなのでしょうか?京都で妖怪を退治していた時のお土産が櫛でした。朔太郎は雄ですよね?なんか歴代貰ったお土産物を考えると、朔太郎が雌な気持ちになってきます。不安です。

 

   血の繋がりがあるのだから、かっこよく朔太郎もきめられても良いはずですが、猛おじさんのようには出来ません。ひとえに生きた年月と経験の差でしょう。あの恋柱はそれを見抜いているのでしょう。だから朔太郎を幼子に対するように甘やかしているのです。朔太郎はあきらめました。大人ぶるよりも無一郎や義勇と楽しく遊んでいたいです。

 

   あ、そうでした。朔太郎のお仕事内容をお知らせします。

 

   血を分けて隊士達の怪我や病気、鬼化や呪いを解いたり治療をしています。隊士にくっついて歩いて鬼の臭いがしたら教えてあげています。鬼退治も手伝っています。後は、本体の狼の姿になって落ち込んだ隊士達を癒しています。もふもふたいむといっていました。背中に乗せて走ってあげると、人間の雄は歓声をあげます。柱の雌は朔太郎を着飾るのが好きみたいです。隊士の雌は、なぜか朔太郎を拝みます。産屋敷燿哉殿が里に依頼をして、長から血を与えなさいと言われて治した依頼人達も朔太郎を拝みましたね。

 

   権力者や資産家だったのでしょうか?朔太郎宛てに贈り物がたくさんくるようになりました。量が多くて、隊士達にあげたのですが、まだまだたくさんあります。里に送りましたので、皆で分けあって下さい。

 

   朔太郎の、人狼の血は尊ばれても、肉はあまり歓迎されません。人狼の回復力からしても、自分の肉を噛みきったり切ったりしても直ぐに回復し再現されて痛みも感じないのに、人間はそんな痛い事はしないでと叫ぶように言います。人間は犬を飼います。愛して大切にしてくれます。犬と近い種である人狼の身を削り肉を食べるのには抵抗感があるのでしょう。実弥の弟の玄弥は、いまだにかたくなに朔太郎の血を飲んでくれません。鬼の肉なんて不味くて臭い物を食べれるくせに、朔太郎の美味しい血はかたくなに飲まないのです。

 

   どうしても飲んでくれないので、これはもう里の秘薬をもって玄弥の体に巣くう鬼を消すしかないと思いました。ですので、試験に挑み、鬼殺隊に絶対になると決意をした匂いを発した玄弥の荷物に秘薬をいれてやりました。荷物には朔太郎が柱や隊士にあげた血がたくさん入っていました。和みました。里を旅たつ朔太郎の荷物が山になったのとまったく同じです。玄弥は兄の実弥と先生の岩柱の他にも、たくさんの同士に愛されているのです。朔太郎の秘薬は、しのぶが欲しがって抜き取っていました。しのぶは朔太郎があげた血を全部玄弥の荷物に入れたそうです。あれは研究熱心で向上心の高い良い雌です。実弥は弟の玄弥が大好きなお兄ちゃんなので、しのぶがした事に怒っていました。しのぶはけろっとして人間の医学薬学の向上の為ですよと言っていました。強かで逞しく優しい雌です。

 

   雌、ゆうかくには悲しくなりました。朔太郎には理解できません。長や若様の様な重大な責任を背負う方や純血種の方々ならともかく、天子さまでない一般の雄が欲を鎮めるためにゆうかくで働く雌を利用するのだそうです。人間って大丈夫でしょうか?雌を大切にしないと、その種族は滅びてしまうというのに、危機感を持てないのでしょうか?綺麗な雌と座敷遊びをしたり、綺麗な雌に歌を歌ってもらい演奏をしてもらう。それだけでも楽しいのにと思いました。朔太郎がまだ子供だからそう思うのでしょうか?成獣になったら人間の雄の気持ちが分かるようになるのでしょうか?

 

 

   あ、玄弥は鬼殺隊に無事入隊しました。皆喜んでいたけど、お兄ちゃんと先生の実弥と岩柱が嘆き悲しんでいました。この二人は、守りたい愛が強いのでしょう。あまりにも嘆いていたので、

 

   「狩りの仕方を生き抜く術をもっと教えてあげればいいですよ。全ての種族は親を師を兄を越えて生きてゆくようにと神に定められているのです。貴方達二人が、玄弥を守ってきたから玄弥は雄として自立できた。その事を誇って良い。守る愛は終わったのです。後は見守る愛と導く愛で、玄弥を守ってあげれば良いのですよ」と言ってあげました。

 

 

  玄弥と一緒に入隊した、炭治郎と伊之助は山で育ったので朔太郎を拝みます。信仰の域に入る勢いです。善逸は高音を出してから気絶します。ちょっと周りの隊士に迷惑なので止めてほしいです。

 

   それでは、この辺で失礼いたします。また、お手紙をいたします。

 

 

      敬具 朔太郎。

 

 

    「さくたろさま、ちいさいのにおにをたおせていいこねぇ」

 

    「禰豆子もいいこですよ」

 

    こんな幼い雌まで鬼にするなんて、あの無礼者はとことん救えない奴だな。きっと若様の言っていらしたロリコンだな。

 

 

   





  …妹&子分が神様に対して子供扱いしていてヒヤヒヤしています。炭治郎&伊之助。

  …鬼殺隊に化け物がいるので逃げたいです。善逸。

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