人狼の少年が鬼退治を手伝う話。   作:黄色いうちわ

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  御世話係りになると、一緒の任務に出てふかふかなお腹に凭れてお昼寝できます。




 ぴゅあっこ三人は悲しくなった。

 

 

  人狼様は、日中は小さな狼の姿で、鬼殺隊の聞き取り調査に付いてきてくれている。

 

  一般市民の犬様の下僕同士は、人狼様のお姿を見ると口が軽やかになるし笑顔になる。飼い犬がいるとまっしぐらに人狼様に会いにくる。飼い犬達から情報を集めてくれているのだ。

 

   「無一郎、あの家の息子から鬼の臭いがしました。移り香ですね。犬のミヨからはゆうかくという場所から帰ってきた御主人から嫌な臭いがすると相談されました。ゆうかくという場所に心当たりは有りますか?」

 

   「ゆうかくですか?僕もはじめて聞く名前です。うーん、わかりません。他の隊士や柱に聞いてみましょう。さあ、帰ったらお昼を食べて夕方の任務まで仮眠をとりましょう」

 

   「そうしましょう。お昼はなにかなぁ?」

 

   「今日はがっつりといきたい気分です」

 

   「奇遇ですね。俺もたくさん食べたいです」

 

   「あれ?お使いのカラスが速く帰りましたね」

 

   「【隠】達も速く移動している。?何か俺と無一郎に関して焦っている匂いだ。どうしたのかな?」

 

   「あ、きっとあれですよ。お昼が素うどんだったから、さっきの僕達の会話を聞いて変えてくれるために急いでくれたんですよ」

 

   「悪いことしちゃいましたね。素うどん好きだから別にいいのに」

 

   「ですよねー。ゆっくり帰りましょうか?」

 

   「そうしましょう」

 

   暢気な《心がじつはお子様組》は知らなかった。彼らの会話を聞いた同行していた隊士達や隠達の驚愕も、慌てても冷静に最高責任者と柱達に会話内容を伝達し、知らせを受けて誰がゆうかくの説明を《心がぴゅあっこ達》にしないといけないお役目を真剣に押し付けあっているかを。

 

   さらには押し付けあいの最中に、冨岡義勇君の発言「俺にもゆうかくの意味を教えてくれ。先生も錆兎も教えてくれなかった。教えてくれたら俺が無一郎と朔太郎殿に教えるが」に頭をさらに抱えていたことも。暢気な二人は何も知らなかった。 

 

   お昼は素うどんだが、天麩羅や蒲鉾や卵がこれでもかというくらいに追加された。

 

 

   ぴゅあっこ三人のうどんには、睡眠薬が入っていたので三人は明日まで仲良く眠り続けた。そう、【意味を教えてしまうと通った事のある俺達が、同僚・上司&人狼様から、大人・人間って汚ない】って言われてしまうじゃないか!と男性陣が教えてしまうことを大反対したからだ。

 

   そうして、ぴゅあっこが寝ている間に、急遽対策法が練られた。そう、一部だけ真実を話す事にしたのだ。

 

   【ゆうかくとは、男性がゆうかくで働いている女性にお金を払って、美味しいご飯を食べて美味しいお酒を飲んで働いている女性に膝枕をしてもらって耳掻きをしてもらって、楽器を演奏してもらって歌を歌ってもらってお座敷遊びをしてお喋りをするところです。酔いすぎてしまったら泊まれますが、すっごく料金が高くなります】と。

 

   嘘は言っていない。泊まれますを詳しく説明していないだけで、嘘は言っていない。

 

   そうして、できれば朔太郎殿だけを小さな篭に入れて遊郭に運んで、鬼のいる店を指名してもらって鬼を身請けしてこっそりと倒してしまいたいと切に祈っていた。

 

   でもって、いつだって子供は危険な事を、大人の想定範囲外を選んでくれる。…知っていたけどね。だって、俺・私・僕達もさんざん選んできたし。お父さんお母さんごめんなさい。

 

   「「「なんか楽しそう。行ってみたい」」」

 

    Σ( ̄ロ ̄lll)しまった!裏目に出たかっ。

 

   女性関連に対しては専門家な音柱(君・様)の意見、

 

   「正直に説明してやってあの場所に嫌悪感を抱かせちまおうぜ。朔太郎殿は生涯一匹しか愛さない。そういう種だ。残った二人も一途に一人だけしか愛さないだろう。嫁が三人いて同じに愛せる俺様の意見を聞いておけって。良いぞ、嫁が三人いるって三倍の幸せを味わえる」

 

   爆発して死ねばいいのにと強く願ってしまった。俺以外もそう思ったから、可決した意見に決まったのだ。多数決で決まったのであって、けして俺達が究極現実充実者に負けたわけではないっ。

 

 

 

   何となく、いや、確実にぴゅあっこ三人だけで行かせてしまうと、ぴゅあっこ三人が綺麗な御姉様にいただきます&ごちそうさまをされてしまう未来しか想像できなかったから、女性の柱を抜いた柱も一緒に行く事になった。

 

   結果的には、柱が集まってきた事を感づいた上弦の太夫が襲いかかってきたのを人狼様が蹴りで頚を撥ね飛ばして、背中から生えてきたもう一匹は人狼(大)になって頭を踏み潰して倒したらしい。遊女と客が消えていたので、突然の太夫の鬼化もこいつが鬼だったのかで済まされた。

 

   さらに付け足すのなら、ぴゅあっこ三人の夢は楼主と遊女達の「そっちの小さな旦那方は大きくなったらまた来てくださいね。旦那様方には精一杯のおもてなしをいたします~【子供には聞かせられない明け透けな誘い文句&体をはったあれやこれや&三人がゆうかくとは~でしょうに対してのそれもあるけど、大人の男と女が楽しむ場所ですよ。やだっおかしいくすくす】~を目前でされてどういう場所であるかを正しく理解してしまった模様。

 

   二人と一匹はしょんぼりとしながら帰ってきて、ご飯を、すき焼きを食べに三人で出掛けて行った。他の柱と隊士達は食われかけながらも無事に逃げ帰ってきた。が、三人の柱女性と女性隊士から怒られていた。なんか鬼よりも人間が怖いと思わされた事件だった。

 

   上弦を倒せたのに、なんか負けてしまった気分で悔しかった。

 

 




 

  こいつら無礼者の臭いがきっついからさっさと片付けて、義勇と無一郎とお座敷遊びをしよう!

  なんか、俺・僕達とは無縁な場所だった…。

  すき焼きうまーいっ。byぴゅあっこ三人組。
 
  朔太郎君っ?あれ、感じ取れなくなったか。遊郭にちみっこワンワンがいるわけないな。



  
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