今回まつろわぬ神がでてきます。
このクロノスですが、独自解釈が含まれています。
では皆さん本編をどうぞ〜
11:00〜
護堂と一郎は早朝から幾つかの建物を観てまわっていた。
次に護堂達が観光した場所はアテネに所縁のある【アテネのアカデミー】であった。パネピスティミウ通りに並ぶ典雅なネオクラシック様式の建物で、19世紀に建造。
「なんでもアクロポリスのエレクティオン神殿をモデルにしたらしいよ。」
一郎がガイドブック片手にそう言った。
「へ〜…何だか正に知恵の殿堂って感じだな〜あの入り口にある像って学者かな〜?」
それに対して護堂は感心しながらアカデミーの入り口の方に向きを変えて2体の像を指差して言った。
指差した方に顔だけ向けて感心した一郎は
「ふむ…確かにあの2体の像はギリシャを代表する哲学者の、プラトンとソクラテスだね…賢いな護堂は。それにしてももうすぐ昼食を食べる時間だね。何にしようか?」
護堂は少し呆れた様子で一郎に言った。
「爺ちゃん〜折角ギリシャに来たんだから本場の料理を食べようよ。」
「それもそうだな〜」
そう言った後二人は料理を食べ、次の目的地に向かった。
14:00〜
場所はサントリーニ島 イアの町である。
「ここは町全体が観光地だよ。夕日の時間はちゃんと聞いたね?それまでは自由行動だ。夕日の時間までにはこの場所に集合だぞ?わかったな護堂?」
「わかった。其れじゃあ爺ちゃん。行ってくるよ。」
「行ってらっしゃい…気を付けるんだよ?」
「うん。」
そう言って護堂は歩きだした。
6時間後、護堂は見晴らしのいい山あいにある、少し大きな教会で倒れていたところを一郎により発見された。
15:00〜
護堂サイド
一郎と別れて歩き回ること1時間経過した頃
「う〜ん…これからどうしようかな〜集合時間までまだ後2時間近くある。ここからだと20分も掛からないな〜」
これからどうするか悩んでいた護堂はふと何か嫌な気配を感じ気配の感じた方を見ると、護堂のいる場所からでもわかる見晴らしのいい山あいにある少し大きな古い教会が見えた。
「………………………ここからだと其れ程掛からないな。行ってみるか。」
死亡フラグである
数分後、護堂は教会に着き木製の大きな扉を開く。中はカビ臭く埃だらけだった。中央の奥にある柩から呪力が漏れ出していた。
「何だこの柩は?…紋様がある書物に描かれてたな〜…待てよ⁈名前が彫られてるなになに…サトゥル、ヌス?…サトゥルヌスだと⁈」
驚いた瞬間、いつもは魔術師し達に見つからないように極限まで弱めた呪力を驚いた拍子に元の呪力に戻してしまい、その呪力に反応した柩は、目が眩みそうな程の閃光を放ち、柩は爆散した。
「まずい⁈」
護堂は目を手で覆いながら瞬時にバックステップを踏み更に、前方に防護壁を張った。
数秒後護堂は、覆った手を目から放すと人?がいた。
右手には死神がもつような黒い大鎌、左手には大きな砂時計顔はかなり年老いた爺さん、服は左肩にあるボタンのようなモノで留められた黒い布を纏っていて、見えている胴体は太い蔓が何百本と束ねられたものになっていた。よく見ると胸の真ん中には黒い光沢を持つ心臓が脈動しているのが蔓と蔓の間から見える。背には鴉の様な漆黒の翼が生えており、両足には翼がついてる。前髪は長いが後ろの方は禿げていた。
ふと周りを見渡すと護堂の背後以外教会が廃墟と化しており、天井は穴だらけでいつ天井が落ちても可笑しくない状態だった。
「ハハハハハハハ‼やっと現世に戻れたか…長かった。どれほどこの時を待っていたことか。孫め、よくも儂から権力を奪いおって、許さん。じゃが今はこの汚れた世界を元の姿に戻さねばならぬ。其処の童よ、よくぞ儂を目覚めさせてくれた。」
(右手に大鎌、左手に砂時計、顔は老人背に漆黒の翼を生やしたまつろわぬ神…第一印象はアイツだけど…とりあえず聞くか)
「俺にはきちんとした草薙護堂って名前がある。アンタの名前当ててやろうか…アンタの名前は、クロノスだな?」
「ホゥ…その年で儂の名を言い当てるか。如何にも儂の名はクロノスじゃ。その名前、極東の民か?言わんでもよい。早く此処から立ち去るがいい。儂にはやるべきことがある。」
「嫌だ…此処で逃げたら最悪大切な人を巻き込むことになる。なら、俺は此処でアンタを倒し、必ず勝利してみせる‼」
護堂は自分の手を守る為、黒い手袋を付けて左手をフリッカーの如く、右手は軽く握り胸の近くに構えた。
「…儂と戦うのか?遊んでやるとするか。…来い‼」
その瞬間、護堂は両脚と両手に呪力と気を練り込み瞬く間にクロノスの懐に入り渾身の右ストレートをいれた。
「草薙流無双正拳突き‼」
ドコォオオオン‼‼‼
「オォオオオ⁉⁉」
轟音と共にクロノスは壁まで吹き飛んだ。
パラパラと埃が舞い散る中、クロノスが現れる。
「ハハハハハ‼…中々の一撃じゃったぞ褒めてやろうではないか…じゃが効かん。今度は此方の番じゃ。」
言った瞬間、クロノスは滑る様に疾走し鎌を振り被りながら護堂に襲いかかる‼
「チッ‼」
護堂は舌打ちしてすぐさま避けてクロノスに拳の連打を食らわせたが、効いた様子がない。
クロノスは鎌振り護堂が何とか逸らし、拳を放つがクロノスは避け鎌を振るう。
そんなやりとりをする中、護堂は考えた。
(其れにしても、何故あの心臓がクロノスの元にあるんだ?胴体が蔓や植物なのは解る。あれはローマ神話の豊穣神サトゥルヌスと同一視されて習合した名残りからだ…待てよ…あの鎌はアダマスの鎌で間違いない。鎌は命を刈り取るものとして冥府の神達が所持していた原作にでていた真のアテナ然り、死神然り、他にも冥府と大地は深く密接していたな。原作に出ていたヴォパンが殺したアポロンやオシリス、さっきも挙げたアテナなどそう考えると。鉄の心臓を持ち、鎌を持つ冥府の神と習合しても可笑しくはないな。それだけじゃないな、それだけだとああはなるまい。それに…女の声?
「なあクロノス…ちょっとききたいことがあるんだ。アンタ…タナトスとも習合した神だな?それだけじゃない…農耕の神サトゥルヌス、時を刻む神…カイロスともだ‼」
この言葉によりクロノスは攻撃を止めた。攻撃を止めたことを確認して、護堂は距離をとる。
「……………………ホゥ、よく分かったな。賢き童よ、如何にも儂は冥府の神タナトス、農耕の神サトゥルヌス、時を刻む神…カイロスでもある。しかし、よく分かったな。何故だ?」
護堂は鎌による冥府と大地(農耕)の関係性から解いていき、最後には時間と時刻の類似性を解いた。
「後はアンタの容姿から推察した…胴体の植物の部分はサトゥルヌス、そして鉄の心臓の部分はタナトス、そしてアンタの髪型と足の翼からカイロス、そしてその顔と背中の漆黒の翼、そして持ち物から時の神クロノス…アンタは四身一体の神…まつろわぬ神クロノスって訳だ」
ただ、それでも護堂は違和感を拭えなかった。
「実に見事な童よ‼その年でその頭脳、武術では魔術を混ぜた戦い方…末恐ろしい童よ。ではいくぞ‼」
護堂はクロノスと改めて向かい合った瞬間閃いた。
(確か植物と金属は熱に弱い筈…攻め方を変えるか)
護堂は戦い方を変えた。このままではこちらの体力が保たない。なら遠距離で攻める。
護堂は瞬時にクロノスに接近し、空中に蹴り上げ、右拳に呪力と気を纏わせ、空に向けて呪力と気を熱に変え、熱の奔流を放った。
「これで終わりだ、草薙流…星殺しぃぃいいいい‼」
「なっ⁉…グゥオオオオ」
クロノスは回転させながら、前方に突き出した。それでも食らっているのかクロノスから苦悶の声があがる。
クロノスは何とか耐え凌ぎ空から降りてきた。クロノスの布はかなりボロボロになっており、胸の植物は焼け焦げ、クロノスの身体から湯気のようなものが立ち込めていた。
「くそ〜やるな〜流石一度最高権力を手にいれ、豊穣を齎した神様だ。」
「さっきのは危なかったぞ‼だが、万策尽きた様だな。」
護堂は近くにあった先端が曲がり折れた鉄棒をクロノスの身体目掛けて投擲した。
だが、虚しく鉄棒は空中で停止した。
「なっ⁉まさか…カイロスの時を刻む力か⁈」
「如何にも、カイロスの時を刻む力、つまり万物を止める力じゃ…但し、この力は時を認識するモノには効かんのじゃ。」
「なっ⁉…くそ〜」
護堂はクロノスに、多方向から木材、石材などありとあらゆるものを投げた。
だが全て時を止められてしまった。
そして護堂とクロノスの距離は僅か10m程である。護堂は流石に疲れたのか片膝を地面につけた。
「そろそろ終わりにしよう。中々に楽しめたぞ、童よ。」
「最後に一つアンタに言っておくことがある。」
その言葉を聞きクロノスは首を傾げる。
「俺には草薙護堂っていう名前がある…それに、人間を…なぁめるなぁああああ‼」
護堂は呪力と気を両足に集中させ、爆発的なスピードで瞬時にクロノスに接近し、クロノスの鎌を持っている右手を掴みんだ瞬間、クロノスの身体中が一斉に発火した。
護堂は魔術と気を練り炎と熱に変換させながら、クロノスの右手から送り込み、全身まで行き渡らせて発火させた。
「草薙流炙り肉ぅうううう‼」
「グゥオオオオ‼」
またしてもクロノスから苦悶の声があがる。
「これで今度こそ終わりだクロノス‼」
「⁈」
程よく焼いて護堂は特に空中で鉄棒が多く止まっているところへ思いっきり蹴り飛ばした。
少ししてクロノスが剣山の様に空中で固まって止まっているところの方からグサグサグサっと串刺しになる音が聞こえた。
18:30〜
護堂は串刺しになったクロノスを確認し、疲労により仰向けにぶっ倒れた。
護堂が倒れてすぐ、クロノスが弱弱しい声でいった。
「ハ…ハハ。よもや儂が、、12才の童に負けるとは…な。一つ面白いことを言っておこう。童よ、お前は勘違いしておる。儂はクロノスであってクロノスではない。」
護堂はその言葉を聞いて何か言おうとしたが、クロノスとは違う方向から何かが近づいてくるのに気付き、そちらに振り向いた。
するとクロノスとは違う別方向からピンクのツインテールの小さな女性が現れながら、
「本当よ〜まさか叔母様が倒されるなんて思っても見なかったわ!この子が新しい私の子ね。」
「アンタは?」
「私をアンタ呼ばわりするとはね〜」
女性は護堂に笑顔でいった。その瞬間護堂は背筋が震えだした。彼女の目が昏く笑っていなかったからである。
クロノスが言った。
「お主は…パンドラか?」
「そうか。納得した。アンタがパンドラか。」
護堂は安心したのか疲れを癒す為に瞳を閉じた時に気付いた。
(そうか…そもそも神に男女のくくりなんて殆んどない。だからクロノスであってクロノスでない…それにあの女声、本当のアンタの名前は…。)
護堂は気を失う様に眠った。
皆さん、読んでくれてありがとうございます。
今回は如何でしたか?初めて今回は戦闘シーンを描きましたが、非常に難しく感じました。
アドバイスなど募集してます。
時間と時刻の類似性を載せるのを忘れていました。
ギリシャ語では、「時」を表す言葉はカイロスとクロノスの2つがあり、前者は時刻、後者は時間を指しています。
また、「クロノス時間」として、過去から未来へと一定速度・一定方向で機械的に流れる連続した時間を表し、「カイロス時間」として、一瞬や人間の主観的な時間を表すこともある。
他にも、クロノスを物理的な時間の流れ、カイロスを人が感じる意義深い質的な時間の流れと呼んで、区別したそうです。
実は、まつろわぬ神はクロノスではありませんでした。
ギリシャ神話の中でも謎の神の1柱にあげられてます。