カンピオーネ〜神話好きな転生者〜   作:kronos

7 / 7
どうも皆さん、kronosです。

遅くなって申し訳ありませんでした。

今回、エジプトに出現したまつろわぬ神の正体がわかります。

では本編を楽しんで下さい。


第6話 原始の水より生まれた蛇

護堂はヘルメスの権能を使い、空中を誰にも気付かれずに疾走しながら、さっきの話について考えた。

 

(カルナック神殿付近で大量の砂嵐が発生…それに呼応するかのように黒い大蛇が現れたか…。これは間違いなくまつろわぬ神絡みだな、神殺しの勘がそう言っている。確かカルナック神殿の祭殿では砂漠の軍神が祀られてたよな?…と云うことは砂嵐の原因はセトか‼)

 

セト

 

砂漠と異邦の神であり、キャラバンの守り神である一方で、砂嵐を引き起こしているのも彼であるとされている。神話体系内でもっとも共通する添え名は『偉大なる強さ』。荒々しさ、敵対、悪、戦争、嵐、外国の土地などをも象徴している。ピラミッド文書の一つには、ファラオの強さはセトの強さであるとの記述がある。サハラの民に信仰された神アシュ(Ash)とも関連があるとされている。

 

当初セトは植物成長の神であるオシリスの逆として見られ、砂漠の王という立場になった。また生命を与える穏やかな Osririan ナイル川とも対比され、荒れ狂う海にも例えられている。更に空の神であるオシリスの子ホルスとも対比されたことから、大地の事象に関連付けられた。彼の呼吸はミミズなどのゼン虫を招くとされ、また金属の鉱石は『セトの骨』と呼ばれた。その類まれなる強さで暗闇と混沌を司る悪魔神アポピスを戦いで打ち破ったと神話に謳われた。このようにセトは人気のあったホルスの立場を次第に取って代わり、紀元前3000年代には特にナイル川下流部の下エジプトのファラオを後援する神として大いに崇められていた。

 

 

(確かセトは嵐の神でもあるからウガリット神話のバアルと同一視されてたよな…あれ?何か急に辺りが暗くなってきた。)

 

護堂は不思議に思い、空を見上げた。すると其処にある筈の太陽が丸くて黒いなにかに覆われつつあった。

 

(ちょっと待て、まだ日食とかの周期じゃない筈だぞ⁈…原始の水より生まれし黒き蛇…アポピス⁈)

 

太陽が黒いなにかに覆われるのを見た瞬間、第4の権能の影響により、護堂に霊視が降りた。

 

アポピス

 

アポピスは闇と混沌を象徴し、その姿は主に大蛇として描かれる。太陽の運行を邪魔するのでラーの最大の敵とされる。アポピスは世界が誕生する前の、ヌンに象徴される原始の水から生まれた。もとは太陽神としての役割を担っていたが、それをラーに奪われたため彼を非常に憎み、敵対するようになった。

 

また、セトの記述で述べた通り、アポピスの天敵でもある。

 

(不味いな…早く行ってアポピスを先に倒さないと…日食がまつろわぬ神の仕業とわかると魔術師が原因究明の為探し、俺が神殺しだってばれる可能性が高くなる。仮にセトとアポピスの共倒れをねらっても、セトとアポピスの戦いは何日か続いて俺が介入しないといけない可能性が高い。そうなったら俺がイタリアで原作介入が出来なくなってよけ不味いことになるかも…今迄からして原作通りいかなかったら酷くなる。最悪アレを此処で使うか…。)

 

護堂は足に呪力を込め、さっきよりも早くアポピスのいる方向に向かって空を疾走した。

 

 

 

 

 

カイロから約5分、護堂は黒い大蛇が大量の砂嵐が発生しているカルナック神殿に向かって這っているのを見た。

 

護堂はアポピスの前に姿を現し叫んだ。

 

「其処までだアポピス‼此処から先へは行かせない‼行くんだったら、この俺を殺してから行くことだ。」

 

「む⁈この気配、貴様が当代の神殺しか…この世界に顕現してすぐに我の大敵と決着をつけようと思っていたが、折角神殺しの方からの願いだ。戦ってやろうではないか‼」

 

「そうこなくっちゃまつろわぬ神じゃない‼」

 

護堂は戦闘態勢に入った。

 

「いくぞ神殺し‼」

 

アポピスは身体から黒い液体が護堂に向かって物凄い速さで流れていく。

 

(アレはアビュッソスの水⁈どんな効果があるかわからないが当たったら不味い‼)

 

護堂は空中に逃げたが黒い液体は追いかけてくる。

 

(まだ追いかけてくるのか…仕方ないが使わせて貰おうか。)

 

護堂は投函の術の応用でホテルに置いていたプロメテウス秘笈を呼び出し呪力を少し送りそれをアポピスに向ける。

 

「プロメテウス秘笈よ‼原始の水を簒奪せよ‼」

 

するとプロメテウス秘笈から青い焔が現れ、忽ちアポピスの身体からと辺りを飲み込もうとした原始の水を包み込み、数秒程燃えさかり、すぐに消えていく。

 

ー混沌。

 

その直後、プロメテウス秘笈の重さが増し、不意に黒い液体のイメージが護堂の脳裏に浮かんだ。

 

「おのれ神殺し‼我の混沌の力を簒奪するか‼許さんぞ⁈」

 

(混沌たる原始の水を飲むことで不死と混沌を手にしたアポピス…なら元の混沌を簒奪することで不死と混沌の力を無効にすれば後は神の力を持った蛇になる。)

 

「終わりだ、アポピス‼」

 

護堂は蛇殺しの鎌を手にした。

 

「おのれ‼不死と蛇殺しの鎌を使うか⁈」

 

護堂はアポピスに接近し鎌を振るい、首を刈った。

 

「見事だ、神殺しよ…汝に蛇との禍福の縁を。」

 

そう言い残したアポピスはこの世から去り、護堂は背中が重くなるのを感じた。

 

それに伴い石板よりアポピスから簒奪した混沌の力を感じなくなった。どうやらアポピスが消えたことで簒奪した力は残るが混沌の力は消えるようだ。

 

「さて…第二ラウンド、行きますか。」

 

そう言って護堂は黒い帽子を被り空を飛びカルナック神殿に向かった。

 

 




今回の戦闘は短かったと思いますが、次回は長くなると思います。

今回の戦闘ではヘルメス以外の権能を使いませんでしたが、セトとの戦闘では新しい権能を使うかもしれませんので楽しみにして下さい。

よろしければ感想をお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。