海に映る2つの月   作:空丘ルミィ

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4日も間が空いてしまってすみませんでしたよとルミィです…

やっぱり疲れには勝てませんでした・・・なんというかそのー・・・

まことに申し訳ございませんでした!


11話:みんなが笑顔になる魔法

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「で…どうしてこうなってるんだろうな?」

 

今俺は商店街でとある状況下に置かれている。事の発端は昨日に遡る…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月30日

 

今日はハロウィン前日ということもあって商店街は賑わっている。まあ今は15時だから前の祭りなんだろうけど…今俺がいるところは商店街ではなく、こころの家・・・つまりは弦巻邸である。今日と明日は学校が休みなので俺は花音さんに呼ばれてこころの家にいる。それで今は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こころ「さてみんな、明日は何の日か知っているかしら?」

 

はぐみ「はーい!明日はハッピーハロウィンだよこころん!」

 

こころ「その通りよはぐみ!今日は明日のハロウィンのための仮装をみんなで考えるために集まったのよ!」

 

宥凪「それで、なんで俺まで巻き込まれてるんだ・・・?」

 

花音「ごめんね宥凪くん…私がたまに宥凪くんにお菓子を作ってもらっていることをはぐみちゃんに教えたら『それだったら宥くんも誘おうよ!』ってことになっちゃって…」

 

宥凪「あー…なるほど、やっぱり発信源は花音さんでしたか・・・で、俺を呼んだ理由は何なんだ?」

 

こころ「そんなの決まってるわ!明日はみんなでハロウィンパーティーをするのよ!」

 

薫「ハロウィンにみんなで集まってお菓子を食べる…ああ、儚い・・・」

 

宥凪「いやそれは全く儚いですからね薫さん?」

 

美咲「海月さん、ほんっとうにうちのこころとはぐみがご迷惑をおかけしました・・・」

 

宥凪「まあ昔っからよく巻き込まれる側だったしもうこういうのは慣れたけどな…たぶん美咲より慣れてるぞこういう状況」

 

美咲「あはは・・・本当に3バカはこういう状況には張り切りますからね…ってあれ?」

 

宥凪「どうしたんだ美咲?」

 

美咲「いや、海月さんと花音さんって名前で呼び合ってなかったですねって思ったんですよ。何かあったんですか?」

 

花音「そ、それは…」

 

宥凪「別に隠すことでもないんじゃないですか?それに、いつかはバレますし」

 

花音「そ、それはそうだけど…やっぱり恥ずかしいっていうか・・・」

 

はぐみ「なになに!?かのちゃん先輩と宥くん何かあったの!?」

 

花音「えっと・・・その…」

 

宥凪「実は、俺と花音さんは付き合っているんだよ。」

 

はぐみ「そっかー!かのちゃん先輩と宥くんが付き合って・・・えーっ!?それって本当なのかのちゃん先輩!?」

 

花音「う、うん…ごめんねみんな隠してて…」

 

薫「何、別に構わないよ。人には隠したいことの一つや二つはあるものだからね。それに花音と海月くんがか…儚い」

 

宥凪「だから儚いも何も普通ですって。俺たちは普通に付き合ってますから」

 

こころ「何にしても二人ともおめでとうよ!式はいつ挙げるのかしら?」

 

花音「し、式って何言ってるのこころちゃん!?わ、私たちはまだ付き合い始めて2ヶ月しか経ってないんだよ!?」

 

宥凪「そうだよ何言ってるんだこころ。それにまだ年齢的にも無理だ。さらに俺も花音さんも未成年だから親の承諾なしには無理だし」

 

花音「ゆ、宥凪くんも何言ってるの!?」

 

はぐみ「2人ならお似合いだねこころん!はぐみにできることがあったら何でも言ってね!」

 

花音「はぐみちゃんまで!?」

 

美咲「はいはーい、本題に戻ろうねー。」

 

花音「そ、そうだよみんな!今日はハロウィンのことで集まったんだよね?」

 

こころ「あら、私としたことが忘れていたわ。」

 

宥凪「で、ハロウィンパーティーっていってもなにするんだ?単にハロウィンの衣装を着てお菓子を食べるだけじゃつまらないだろうしまた何かおかしなことをするんだろ?」

 

はぐみ「お菓子だけに?」

 

美咲「誰がうまいことを言えって言ったんだろうねはぐみ?それで、何するの?」

 

こころ「ここにいるみんなで二人一組になって商店街の人たちからお菓子をもらいに行くの!それで一番お菓子をもらった人の優勝ね!」

 

宥凪「なるほど、それは確かに面白そうだけど何か商品とかはあるのか?」

 

こころ「ないわよ?これはみんなで笑顔になるためのパーティーなのよ!」

 

宥凪「で、衣装はどうするんだ?まさか今から買いに行くとでも?」

 

こころ「衣装はあたしの部屋にあるものを使ってくれて構わないわ!まずは組み合わせを決めましょう!」

 

はぐみ「それじゃあ、割りばしに印をつけておいたから『いっせーの』で弾いて色が一緒の2人で組んでね!」

 

全員『いっせーの!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「俺は赤か。」

 

こころ「あたしは黄色ね!」

 

はぐみ「はぐみは青だよ!」

 

美咲「あ、あたしは青だね。よろしくはぐみ」

 

薫「私は黄色のようだね。こころ、よろしく頼むよ」

 

花音「わ、私は赤かぁ…よろしくね宥凪くん」

 

宥凪「よろしくお願いします花音さん。それじゃあ後は衣装選び…なんだけど一組ずつこころの部屋に入って各自衣装を持っていくってことでいいか?」

 

こころ「ええ、それでいいわ!あと、衣装はそのままお持ち帰りしてもらって構わないわよ!」

 

宥凪「え、それっていいのか?別に借りるだけで俺は大丈夫なんだけど」

 

こころ「だって、ハロウィンが終わったら黒服の人たちがまた用意してくれるもの」

 

宥凪「(ああ、黒服の人たちのことをすっかり忘れてたな…)じゃあありがたくもらうぞ。それじゃあ先にどの組が衣装を選ぶ?」

 

薫「私たちは最後で構わないよ。こころもそれで構わないかい?」

 

こころ「ええ!それで構わないわ!美咲たちはどうするのかしら?」

 

美咲「あたしは別に2番目でも最初でも構わないけど、海月さんはどうします?」

 

宥凪「じゃあ俺たちが最初に選ばせてもらうよ。花音さん、行きましょうか」

 

花音「ゆ、宥凪くん待ってー!」

 

俺たちはこころの部屋に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【こころの部屋】

 

宥凪「花音さん、いいの見つかりました?」

 

花音「あ、この魔法使いの衣装いいかも・・・色も水色でいいし・・・宥凪くんはいいの見つかった?」

 

宥凪「んー…狼男っていうのもありきたりですかけどね…さて、本当にどうしましょうか。でも花音さんは魔法使いっていうよりはこっちの赤ずきんの方が似合ってると思いますよ(主に性格の面で)」

 

花音「そ、そうかな?それじゃあ私は赤ずきんにしようかな・・・宥凪くんは結局どれにするの?」

 

宥凪「そうですね…それじゃあこの狼男にします。花音さんが赤ずきんなら俺も合わせた方がいいかもしれませんし」

 

花音「む、無理に合わせなくていいんだよ…?」

 

宥凪「いえ、俺が着たいから着るんですよ。せっかくのハロウィンですし、こういう時は楽しまないと」

 

花音「宥凪くんがそれでいいならいいけど…」

 

宥凪「それじゃあ衣装も決まったことですし美咲たちと交代しましょうか」

 

花音「うん!」

 

俺たちはハロウィンできる衣装を決めてこころの家を出た・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後5時:商店街】

 

 

で、今に至るというわけだ。

 

花音「ハ、ハッピーハロウィーン…」

 

宥凪「花音さん、そんなに恥ずかしがってたら誰もお菓子くれませんよ…?」

 

そう、さっきから俺は挨拶をしたらお菓子をもらってはいるが花音さんの方はというとちらほらと子供からもらってはいるものの大人などからはほとんどもらえていなかった・・・原因は言うまでもなく花音さんの性格だった。俺や千聖さんなどの友人の前では生き生きとしているが、こういう大勢の人前では固くなってしまう。

 

宥凪「花音さん、もう少し肩の力を抜いたらどうですか?いつも俺たちと話してる時は生き生きとしてるじゃないですか」

 

花音「そ、それは宥凪くん達だからっていうか・・・き、緊張する・・・」

 

宥凪「これだと今日のハロウィンパーティーの時に食べるお菓子の量減りますね…」

 

ちなみに、もらったお菓子の量は俺が二袋目の約半分、花音さんは一袋目の7割くらいといったところだ。袋の大きさはペットボトルなどを入れるごみ袋くらいの大きさだ。

 

宥凪「…花音さん、ちょっといいですか」

 

花音「え?何かな宥凪く・・・」

 

俺は一瞬の間だけ花音さんにキスをした。

 

花音「ゆ、宥凪くん?」

 

宥凪「俺から花音さんへの緊張が解けるおまじないですよ。これで少しは緊張は解けると思って」

 

花音「そ、それでも今のは不意打ちだよ…」

 

千聖「あら、ハロウィンでも二人は熱いのね」

 

花音「ち、千聖ちゃん!?」

 

宥凪「あ、こんばんは千聖さん。ほら花音さん。」

 

花音「あ、そっか・・・ち、千聖ちゃん…ハ、ハッピーハロウィーン…!お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうよ…!」

 

千聖「いたずらされるのは花音といえども勘弁だからこれでいいかしら?それじゃあ私は行くわね」

 

そう言って千聖さんは他のところに向かった

 

宥凪「ほら、できたじゃないですか花音さん。」

 

花音「や、やった・・・できたよ宥凪くん!」

 

宥凪「花音さんが頑張ったからですよ。この調子で他の組に負けないくらいにお菓子を集めましょう」

 

花音「うん!」

 

それからは順調にお菓子が集まり、気が付いたらお互いに〇袋目がいっぱいになるくらいにお菓子が集まっていた。途中彩さんに会ったりして花音さんが彩さんにじゃれつきはじめた時は彩さんもさすがに戸惑い、彩さんが作ってきたであろうお菓子を全部渡してきたときはさすがの俺も驚きを隠せなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【午後7時:こころの部屋】

 

こころ「それじゃあみんな、今日貰ったお菓子を出してちょうだい!私たちはこれだけもらったわよ!」

 

薫「見てくれ、このお菓子の量を。私たち二人で5袋分ももらってしまったよ・・・」

 

はぐみ「それじゃあ次ははぐみたちだよ!みーくん!」

 

美咲「はーい・・・よっ…とあたし達は5袋いっぱいとちょっとですね。それじゃあ最後は花音さんたちですけど」

 

花音「え、えっと・・・その・・・」

 

美咲「どうかしましたか?まさか貰えなかったとか・・・?」

 

宥凪「そう言うと思ったよ。それじゃあ俺たちが貰ったお菓子の量を見せますか花音さん」

 

花音「う、うん…」

 

そう言って花音さんは一旦部屋の外に出た。数分後・・・

 

花音「よいしょ・・・これで全部…かな」

 

美咲「えっちょっ!?これで全部…ですか?」

 

宥凪「ああ、これで俺たちが貰って来たお菓子は全部だな。そうだな、ざっと…10袋分は行ったかな」

 

はぐみ「10袋分!?すごいよ宥くんとかのちゃん先輩!」

 

宥凪「実は全体の60%は花音さんが集めたりするぞ。」

 

薫「それは本当かい花音?」

 

花音「う、うん…本当だよ」

 

こころ「すごいわ花音!花音にもこんな才能があったのね!」

 

宥凪「花音さんが頑張ったおかげですよ。普段からこう、友好的になればいいんですけどね…」

 

花音「が、頑張るよ・・・」

 

こころ「それじゃあみんなでもらったお菓子を食べましょう!でもこれだけの量を食べきれるかしら?」

 

こころはお菓子がなくならないかと心配していたが、そんな心配をよそに俺たちはひょいひょいと口に放り込み始めた。そりゃ3時間くらい商店街をあっちこっち歩けばお腹も減るわな…俺は帰宅部だし、花音さんも茶道部に入っているとはいえ体力がそこまであるわけじゃないしな…結局は今日貰ったお菓子を全部食べ終えて俺たちはそれぞれの帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「今日はいろいろ災難でしたね…まあ楽しかったのでいいですけど」

 

花音「そうだね、ちょっとハプニングがあったけどとても楽しかったよ。」

 

宥凪「まあ、折角のハロウィンでしたしね。楽しまないと損でしたから」

 

花音「ゆ、宥凪くん・・・ハ、ハッピーハロウィーン…!お菓子くれなきゃいたずらしちゃうよ…!」

 

宥凪「すみませんが、お菓子は作ってきてないですし今日みんなにもらったお菓子も俺たちで食べちゃいましたのでお菓子は持ってないですね…」

 

花音「そっかあ…それじゃあいたずらしちゃうよ?」

 

宥凪「いたずらっていっても今何かできることってありますっけ?」

 

花音「あ、あるよ・・・ちょっと恥ずかしいけど…」

 

宥凪「そこまで恥ずかしがることなら無理にやらなくてもいいんですよ?」

 

花音「や、やるよ!あ、宥凪くん、あそこに何か見えない?」

 

宥凪「え?俺には何も見えないですけど…花音さん?」

 

花音「んっ…」

 

俺が花音さんの見た方向を見て何もないことを確認して花音さんの方に振り向いた時…俺は花音さんにキスをされていた。水族館の時と花音さんが俺に告白してきたときは俺からキスをしたが、今回は花音さんの方から俺にキスをしてきた

 

宥凪「…花音さんって意外に大胆な意地悪をしますね」

 

花音「ひ、昼間のお返し…だよ?」

 

宥凪「そんな律儀に返さなくてもいいんですけど…でもありがとうございます花音さん。俺にとっての今日一番の魔法ですよ」

 

花音「えへへ、私も嬉しいよ。それじゃあ・・・またね。」

 

宥凪「はい、また学校で」

 

そう言って俺たちは別れた。キスをされたときは死角が広かったため気が付かなかったが、家に帰ったときにポケットがやたらと重かったのを確認したら花音さん手作りのクッキーが入っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宥凪「…こりゃ食べるのがもったいないくらいだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

10月といえばハロウィンということで今回はハロウィン回にしてみました。え?もうハロウィンは終わってるって?こういうのは雰囲気が大事なんですよ(キリッ

そして気が付けばもうすぐ主がハーメルンに投稿を始めて3ヶ月経ちますね…まさか3ヶ月で5作品も書くことになろうとは夢にも思いませんでした

それではここまで読んでいただきありがとうございました

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