ライオットブラッド・カフェインレベルについてwiki   作:ニト

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僕君


研究者

ガチャカタンシュゥ

 

キボウノハナァーピッ

 

ガチャカコン

 

キィバタン

 

ジジジジジ

 

よし。

2ピー年ピー月ピー日、記録。

 

はぁ…。

兄の後を継ぐことになるとはなぁ。

まぁいいや。

 

全ての始まりは、かつて陸上競技で金メダルをとった男が発端だった。

『ライオットブラッドをたくさん飲むと集中力が上がる』

この言葉を発端に、ライオットブラッドユーザーは研究を始めた。

 

兄もその一人だった。

当時、兄は大学院で卒業論文の内容をどうするかで悩んでいたんだ。

そこで、ライオットブラッドの成分、比率といったものを解明し、製造方法を辿るなんて無茶なことを言い出した。

無茶なのかな?僕は大学に行っていないからわからないけれど。簡単ではないはずだ。

 

研究を始めて二か月。兄の部屋は研究で消費されたライオットブラッドの空き缶でいっぱいになっていた。

どうしてこんなにたくさん買うんだ?って聞いたら、兄は痩せこけた顔でこういったんだ。

あと少しだ。あと少しで辿り着けるんだ。あと、もう少し。何かが足りないんだ。何かが。

 

かなり切羽詰まった様子だった。もしかしたら、提出期限が近かったのかもしれない。

 

そんなあるとき、真夜中に兄が大きな声で叫び始めた。随分と興奮している様子だった。

やった。成功した。完成だ。間違っていない。と

 

兄の部屋に行くと、兄は焦点のあっていない眼をしながら三角フラスコを掲げていた。中身は蛍光色で、ライオットブラッドの内容物と大差ないように見えた。

 

おめでとう兄さん。これで卒業論文は完成?

 

僕がそう聞くと、少しだけ落ち着いた兄は首を振った。

僕を見つめる目は、真剣そのものだった。

 

まだだ。完成はしたはずだけれど、まだ効力を試していないんだ。

だから、俺はこれを飲まなければならない。

明日でもいいんだが、お前に頼みがある。

これを飲んだ俺を観察していてほしい。

ライオットブラッドを三本以上飲んだものは、合法堕ちするという話を聞いた。

合法堕ちというのはわからないが、今日、俺は既に二本飲んでいる。

この中身が三本目だ。俺が作った、三本目だ。

 

わかったよ兄さん。でも、今日はもう遅いし、僕も眠い。

今それを飲んでも、僕は兄さんの観察に集中できないよ。

 

だから、明日の朝にしよう。

 

そういうと、兄は明らかに落胆して、そうだな。そうしようと笑った。

 

僕が見た兄の最後の姿だった。

 

翌朝、朝食に降りてこない兄を起こしに行ったとき、部屋はすでにもぬけの殻だった。

 

部屋には割れた三角フラスコと、置手紙が一枚。

 

そこにはこう書いてあった。

 

レシピは金庫の中

金庫の場所は秘密

番号も場所も、お前ならわかる。

 

らいおっとぶらっどおいちいごちそうさまドラム社に就職してくる。

 

わからねぇよ。どこだよ。何番だよ。ヒントよこせよタコ。

あとドラムじゃないだろ。ガトリングドラムだろ。

 

金庫はすぐに見つかった。

兄がエロ本を隠していた場所の奥底に眠っていた。

番号はエロ本のシリーズ物の、兄のお気に入り順だった。多分。

番号探すだけで3週間かかったよ。

 

レシピを入手し、兄ができなかったことを試す。

ライオットブラッドは二本のみ干している。

炭酸のせいで胃がしんどいが、なんとか入るだろう。

 

よし。あ、まって。カメラ映ってる?

 

ガタンガチャ、ガチャガチャ

映ってるっぽい。よし。

 

いくぞ…。

 

ゴク、ゴク、ゴク、ゴク、ゴク

ブヘア…キッツ

 

ゴッゴッゴッゴッ

 

ん?なんか吐き気がいい感じに耐えられる。

喉の負担が少ない?

 

ゴッゴッゴッ

 

らいおっとぶらっどおいちい!!!

このレシピ皆に広めバチン!!!

 

うわ停電?待ってくれよライオットブラッド飲んでるのに…。

えっと、一応ブレーカーは…

 

キィ…パタン。トットットットゴスッウワァ!!ガタゴト

 

ジジジジジカコン…キィ

 

危ない危ない。これ社外秘なんだよ。

悪いな弟。ん?金庫にボイスレコーダーとスマホ?ははあんなるほど。

まぁ、無駄なんだけどな

 

キィ…パタン。

 

 

 




お兄さんは研究者だったので自分で人体実験をします。

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