有能系社内ニートのAGE転生物語   作:ヒロキ@クロス好き

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サブタイ悩んでると、ファッと降りてくる瞬間がある。それと同時にアホみたいな話を思いつくことがある。今回がそれです(笑)。多分今が査察の人が来てるところ。


休憩第一

『キュ!キュー!』

 

……はい、最悪な寝起きからおはようございますグッフゥヤメテイタイイタイ。ジャンプしないで。

 

『キュ~!キュッ』

「リル~、目覚ましなんて頼んでないんですけど」

「あっ、こら!」

 

私の上で飛び跳ねていたそれは、リルに気づいて逃げ出して、部屋の中をしっちゃかめっちゃか走り回る。

 

「待ーてー!」

『キュー!』

 

私の腹を踏んでたそれは、小さなオウガテイル。昨日なんやかんやあって、リルが見つけたみなしごのアラガミだ。アラガミっていっても、産まれてきたばかりの赤ん坊。特に喰うモノを選ばないので、ゴミとか要らないモノなど、同じモノをやり続ければ、味を覚えるだろうから私らを襲ったりはしません。

 

そう断言できる理由は、こいつを見つけた場所。閉鎖された環境下で、人が捨てたゴミのみを食べるアラガミが住む、深くて大きな窪地。そいつらを発見したおかげで、喰うモノさえ足りていれば、大人しい性格になることがわかった。

 

……しかし中型以上のアラガミはそこを出入りできて、しかもそいつらを捕喰するので、身を守る為の角とか牙とかはそのまま。大人しくなったとはいえ、アラガミはアラガミ。危険なことは変わりないってことだ……そのおかげで昨日は助かったんだけども。

 

そしてこのオウガテイルは……孵化してから一日経ちますが、そりゃあもう、元気なお子さんです。ほら、リルがもうバテた。

 

「ハァ……ハァ……ぜ、全然捕まらない……」

「ハハハッ、さっそく持て余してるなーリル」

 

その様子を見てけらけらと笑うヤツが一人。マフラーしてねえマフラーとヤベー脇の露出が特徴の男子。キースの兄貴、『ジーク』である。

 

「こういう時は追いかけるんじゃなくて、おびき寄せるんだよ。ほーらちびすけ~」

『キィ?』

 

ジークが段ボールの切れ端をオウガテイルに見せる。帰ってから色々喰わせてみて、これが特に気に入っているらしい。

 

『キュッ、キュー』

「来た来た」

「むう……」

「さすが弟持ってるだけはあるな」

 

午前8時。

 

やったこと・オウガテイルのモーニングコールで起きる。

 

あ、今日は非番なんで、一日だらけてる様子をお送りします。

 

 

 

午前9時。

部屋在中、私、ジーク、ショウ、マール、リル。

 

 

コイツ(オウガテイル)の名前決めよう」

「唐突な上に今さらだな」

「うるせえ決めてないのが悪い」

 

やること・ミニガテイルに名前付けようぜ。

 

「よーしじゃここに考えた名前まとめていこう」

 

そう言って私が取り出したのは、小さいホワイトボード。黒板でも良かったけどこっちにしました。

まずマールが声を上げる。

 

「はい!『ガロ』!強そうでカッコイイのがいい!」

 

ふむふむ。一消火完全燃焼しそう。

次にショウ。

 

「い、『イム』。この子、わりと賢いから、そんな風なのを考えた」

 

うむ。シルエットしかわからなさそう。

その次にジーク。

 

「ん~……『オウガ』とかでいんじゃね?」

「ねぇわ」

「なんで俺だけ即答!?」

「お前のはネコに『ネコ』って名前付けるくらい安直すぎる」

「さすがにそこまでヒドくはねぇだろ!?」

「全世界の子ども達ウン億人が考えたであろう名前だぞ、もうちっと捻れェ」

「普通レベルじゃねえか! ってかアラガミに名前付ける子ども達億人もいんの!?」

「子どもじゃないけど、一部の研究機関だとサンプルのアラガミにたまに付けてるらしい」

「例えばどんな?」

「『あけみ』とか『ほむら』とか」

「動物園か!」

「んー、今んとこ4つか」

「それ候補に入れんの!?」

 

で、順序的にリルの番ですが。

 

「り、『リラ』……」

 

「決定」

『何で!?』

「何でって何で?」

「何で「何で?」で聞き返すんだよ!」

「これが一番びびっとキたからだよ悪いか」

「自由か!」

 

自由じゃダメなんだなぁ。○つを。

 

「仕方ない、コイツ自身に決めて貰おう」

『キュー?』

 

段ボールの切れ端を五つ用意して、そこに出てきた名前を書いて、それから一工夫して、と。

 

「コイツが最初に触れたヤツで決定な。これで文句無いでしょ」

「なんか一手間加えなかった?」

「全然」

 

ちょっと遠くにミニガテイルを配置して──スタート!

 

『キュ!』

 

ミニガテイル、尻尾をバネのように畳んで~……

……何で?

 

『キュイーッ!』

「──ドフォーウ?!」

「何でラインに!?」

 

クリティカルヒットォォォ!また腹かよチクショウ!そのまま後ろに倒れて痛ってぇ!頭打った!何なんだ今日は!

すると、倒れた表示にポケットに押し込んだあるものがこぼれ落ちた。

 

『キュッ!キュッ♪』

 

それに気づいた、というか、狙っていたミニガテイルが、器用にフタを外してそれを舐めだす。ヤッベ。

 

「なにこれ?……のり?」

「うっわ、リルの考えた名前の段ボールベトベトだ。やっぱり細工してやがったな」

「……ライン!知らない間に色々食べさせたでしょ!」

 

 

 

………………。

 

 

 

『返事が無い、ただの屍のようだ(裏声)』

『キュー!キュー!』

「ウボァ!ストンピングやめてェ!」

 

踏んづけられて、こっそり喰わせていたものがポロポロと隠しポケットから出てきてしまった。アカン。

 

 

 

「……」

「あ、これ、ね。あの、あははは」

「…………」

「いやぁ、そのぅ、ね、寝てる間に囓られたっていうか」

「正座」

「へ?」

「正・座」

「………………すみませんでした

 

 

 

やったこと・リルにOSEKKYOUされた。

 

 

午前10時。

部屋在中、私、ちびっ子たち、ユウゴ、ジーク。

 

 

 

「結局『リラ』に決まったんだな」

「うん!今度はあみだで決めたの」

「で、コイツは何をやらかしたんだ?」

「リラに無断でおやつあげてたから叱った」

 

はい、叱られた私です。

『甘やかしません』の札を首からかけさせられた上、正座継続中です。かれこれ30分一歩も動いてません、足が取れそう。

おいやめろ、やめなさいリラ。足に乗るんじゃない。乗るんじゃニャアアアアアアアもうおやつは出ねぇからストンピングやめろォォォ!

 

「ま、コイツは俺たちより色々持ってるしな。より詳しく好みを知りたかったんだろ」

「リラがワガママになっちゃう。許しません」

「ア──ハハハッ、それもそうか!」

 

「なってる!もうなってる!止めろ!このおねだりストンピングやめさせろ!」

『キュー!キュキュキュキュー!』(訳・なんか出せ)

「イ゙ヤ゙アアアアア痺れが限界に達した時私の足は取れる絶対取れるいいのか取れて!」

 

「うん、取れろ」

「ふざけんなアアアアアウワアアアアアアアアアア」

 

 

 

やったこと・とにかく叫んだ。足は取れなかった。

 

 

 

午後12時。

昼食後。

 

ユウゴと一緒に部屋に戻ってる道中。

 

 

「最近油っこいのダメになってきた。年かな」

「お前17だろ」

「アレか。料理の油加減また雑になってきてるのか、いっぺん叱りにいこう」

「いや叱りにって、ただのクレームじゃねーか」

「あ?言ってなかった?ここの厨房統括してんの私なんだわ」

「はっ!?おまっ、統括!?いつの間に!?」

「いやさ、夜中に小腹が減ったもんで、部屋抜け出して厨房で夜食作ってたら、匂いに誘われてきた料理担当の一人に見つかって」

 

 ~ ~ ~ 回 想 だ よ ~ ~ ~

 

「あっ……ありえねえええええ!!

同じ食材を捌き同じ調理器具使い同じ味付けを施した!なのに──この差はなんだ!!俺とお前に何の違いがあるというんだ──ライン・ペニーウォートォォォ!!」

 

「いや、普通に雑なんだよ君ら。量とか火加減が」

 

「黙れええええ!!この厨房のトップたる私を超える者が、ミナトに存在してはならない……!!僕の料理が一番なんだ……!!小生の飯が一番人に食ってもらえるんだ──!!」

 

「聞いてないし一人称安定しねぇな」

 

「貴女に勝負を挑みます!理由はもちろんおわかりですね?貴女がこんな料理を作り、厨房(のトップたる自分の地位)を汚したからです!

()()()()()()()()()()()()()()

近いうちに勝負します。四天王とも対決してもらいます。看守にも問答無用で来てもらいます!土下座の準備もしておいて下さい!貴女は挑戦者です!ここで下働きになるのを楽しみにしておいて下さい!いいですね!」

 

「考えるのやめるか」

 

 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「それで料理担当全員負かしたはいいんだけどあまりの下手さに火が付いちゃってさ。丸三日不眠不休でしごいてやった訳よ」

「お前も飯作ってるヤツらもヒドいな」

「今じゃ全員が1店の料理長レベルになってる」

「一体どんな鍛え方したんだ!つーか、それ言ったらお前も素人じゃないのか!?」

「私はホラ、センスありますし、かなり自身あるんですよ、料理」

「……自分で言うか、それ」

 

ホントは、生前料理が得意だったからです。記憶は無いけど、知識はある。前に話した財政難煽ったのも、知識があったから行えた。有能社員舐めんなよ。

 

「そういや、今日は食堂人多くなかった?」

「キャラバンが立ち寄ってるらしいぞ。ミナトを尋ねて回ってる商船なんだとよ」

「こんなとこまでご苦労だねぇ~」

 

 

 

午後1時。

 

部屋在中、私、キース。

 

 

「この腕でうつ伏せはツラいな~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

 

「……うわっ、体柔らかっ」

 

この体、柔らかさに長けてるみたい。反らせると足に頭が届いちゃうんです。

 

 

やったこと・海老反り。

 

エビ美味しいらしいよ、エビ。いつか食べたい。

 

 

 

午後2時。

 

 

「サボるなら懲罰房だよね~~~!S○itchLiteで妖○ウォッチやろーっと」

 

説明しよう!この時間帯は急に仕事頼むアホがいる為、オフと決めた日は必ず部屋から抜け出して、懲罰房に隠れてやり過ごしているのだ!

バレると2日は出られないので要注意だ!(経験済み)

 

誰にも見つからないように懲罰房に移動して、扉をどーんと蹴飛ばすと、

 

「──ようこそ。お待ちしていました」

 

 

───────。

 

 

『「世界(ザ・ワールド)」 時よ止まれッ!!』

 

 

 

説明せねばならないッ!

時よ止まれと言ったが、それに近い速度(体感)で頭の回転数を上げて思考するだけであるッ!

 

(やれやれだぜ……出会い頭にツッコミに困る事を言うんじゃないよ)

 

さて、選択肢としては……。

 

①私は待ってない

②なんかいるゥ!

③お帰りください

④誰だテメェ!!

⑤待つんじゃないよ……

⑥こんなことある!?

 

ど、れ、に、し、よ、う、か、な、か、み、さ、ま、の、い、う、と、お、り、に、し、と、け、ば、な、ん、と、か、な、る、ん、じゃ、な、い、か、な、っと。

 

………………うむ、これでいこう。

 

 

『──そして時は動き出す』

 

 

 

「こんなことある!?」

 

「……?」

 

 

首を傾げられたけどこっちも傾げざるを得ないんだよ!そんな特殊部隊みたいなガスマスクの人にようこそとか言われて「誰?」ってなるやろ!そうだよそもそも誰だアンタ!腕輪あるからAGEなのはわかるけど!あと声からして年上の女だね!クッソウツッコミの順序がわからん!私ボケる方だもん!ボケ倒す方だもん!これでいいのかツッコミって!?

 

「ちょっとぉ、私ここにサボりに来たんですけど!この際懲罰代わってやるから、出てって欲しいんですけど!」

「突然の訪問をお許し下さい。本当なら、牢獄の中で、数人交えてお話をしたかったのですが……思いのほか監視が厳しく、このような場でしか、あなた方にお会いすることが出来ませんでした」

「訪問?アンタ、このミナトのAGEじゃないの?」

「はい──」

 

ガスマスクのAGEは静かに頷いて、言葉を繋いだ。

 

「──かつて『()()』と呼ばれていた者です。あなた方をここから、解き放ちに参りました」

 

……。

 

…………。

 

………………。

 

「こんなことある!?」

 

「あ、今言った方がなんだかしっくりきますね」

 

 

 

説明しよう。『獄王』とは──

 

数々のミナトからAGEを解放してきた、AGEからしてみれば義賊的存在。他の異名持ちAGEたちと比べるとかなり温厚。

ミナトの牢獄から突然現れては、囚われているAGEたちをまとめ上げて、共に檻を食い破って出て行く。

逃がしたAGEの数はおよそ400。

「牢獄から生まれた王」──てことで『獄王』と名が付けられた。女の人だけど。

 

 

 

「いやまさか、一斉検挙から逃げ延びていたとは……」

「私の腕輪は、任意で外せるよう細工されています。誰であろうと、私を繋ぎ止められる者はいません」

「それで逃げ出せた訳か、へへ、懲りないねぇ~」

 

苦笑交じりに肩をすくめる。すると、ガスマスク──『獄王』は静かに口を開いた。

 

「……あなた方に、解放を強制するつもりはありません。あなた方の意思に委ねます」

「あ、そこは意思確認するのね」

「大抵の方は了承しますが、あくまでも決めるのはあなた方です」

「ふむ」

 

なら、考えるまでもないな。

 

「──せっかくだけど断るわ。まだやらなきゃならないこともあるし……それに、出るのは今じゃダメな気がするから」

 

 

 

意外だと思いました?まぁ、チビの時だったら感謝感激雨霰で了承したかもしれないけども、もう私らそんなに弱くないし、()()()()()()()()()()()()。あとは、そう……合理的な理由で出られさえすれば──

 

「よろしいのですか……?」

「うん。あと悪いけど、このまま何もせずに帰って。予定狂わされたくないし」

「ですが、まだ他の方々が──」

 

獄王さんが喋ってる途中で、外が騒がしくなってきたと思ったら、乱暴に扉が開かれた。

 

「──見つけたぞ獄王!!」

『た、逮捕だァー!!』

 

入ってきたのはグレイプニル所属のゴッドイーターたち。先頭のやつがロングコートのものすごく刑事っぽい格好してる。

 

……………………………んっん~~~~~~、控えめに言って親の顔より見た展開。

 

「……?」

 

獄王さんキョトンとしてる。で、ハッとなって肩を震わすと、繋がってた腕輪を外して、隠し持っていたブーストハンマー(形からしてフィ・ドラジェ系だと思われる)で背後の壁をぶち破りそこから逃走。

ゴッドイーターの皆さんも追えーって言いながら崩れた壁の穴に突撃していなくなった。

 

「……なにあれ」

 

襲い来る怒濤の展開に、さすがの私も呆然とするしかなかった。

 

「やっぱりここでサボろうとしてたか」

「あっ」

 

呆然としてたらユウゴにバレた。

 

 

 

 

 

 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

 

 

 

 

 

「こ……ここまで来れば……だ、だい……大丈夫か……?」

「そ、そのようです……あんなクオリティひっくい寸劇で、なんとか逃げ出せたようです……」

「もう!忽然といなくなったと思ったらあんな所に……!何してたんすか!獄王!」

 

「…………」

 

窓一つないあの部屋でお会いしたあの方に、私は懐かしさを感じました。

騒がしくて、訳がわからなくて、まるで……。

 

(──今日、あなたにそっくりな方とお話したんですよ。あなたと初めて会った日を思い出します)

 

まるで……かつての愛人のようでした。彼女とは、またお会いしたいですね。

 

「ちょ、獄王さん?聞いてます?ちょっとー?」

「? はい、なんでしょう?」

 

──っと、ペニーウォートに来た目的を忘れてしまう所でした。確か、取り引きで手に入れたものを受け取りにきたんでしたね。向き直って、それに目を向けました。

 

そこにいるのは、数人の幼いAGE。みな怯えきって震えています。灰域潜航濃度が高いとのことで、売られていたのを見つけて引き取りました。

私は、防塵マスクを外して、彼らに微笑んで見せました。

 

「──私は獄王。あなた方を、解き放つ者です」




毎回遅れてすまんな……気がつけば年末だよ……。来年もいい年になりますよーに!
ではまた次回!コメント待ってたりするよ!遠慮なく来てね!
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