有能系社内ニートのAGE転生物語   作:ヒロキ@クロス好き

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明けましておめでとうございま~す(もう遅い)。
毎話だけどね、全ッ然シナリオ進んでないね!!ぶっちゃけ進ませるタイミングがわからないだけなんだけどね!!どうしましょ!!どうしましょ!!
とりあえず今年もよろしくお願いします!!!


探索第一

あらすじ。

事情聴取をすることになりました。WHY?

 

部屋で惰眠むさぼってたら呼び出し食らったのが数分前、空き部屋を利用して作られた取調室に連れてこられて数分後、横領仲間……もとい、顔馴染みの看守が入ってきた。

名前は『ケイン』 深く被った帽子と、立派な顎髭が特徴の中年男性だ。

 

「おう、ライン。お前昨日、獄王ってやつと会ったんだってな」

「会ってたらどうすんの」

「こんなご時世だろ、少しでも治安維持に貢献したくてな」

「情報提供で儲かりたいと顔に書いてありますが」

「ヘッヘッヘ、ま、実を言うとそんなところだ」

 

しゃーないな、そう呟いていつも着けてるメカミミと小型ディスプレイを外して置いた。

これはただのアクセではない。メカミミはボイレコになってて、ディスプレイには録画機能を搭載している。私が集めている強請りネタは、これらから得ているんだよ!

ちなみに入手元は────色々あって仲良くなった人から貰った!

 

「はい、あんたの欲しいものはこの中に入ってる」

「お得意の盗聴と盗撮か。お前みたいなのがいると、怖くて独り言も喋れねぇな──」

「おっと、これに釣り合うものと条件に交換だ」

「ケーッ、お前のそのセリフ、毎ッ回手元にねぇもんしか要求しねーから嫌なんだよ!」

「そう言いつつも3回目辺りから用意するようになったよね」

 

そんなわけでメカミミとディスプレイの隣に投げ出されたのは、所々にバツ印が付いた地図……。

 

「は?ふざけてるんですか?こんなわかりやすい子ども騙し流行ると思っていらっしゃるんですか?控えめに言って死ぬほど死んでほしい」

「……フン、俺だって信じなかったさ。この地図持ってきたヤツが、ボロ儲けしてるところを見なけりゃあな」

 

背もたれに身を預けて、机に足を乗せるケイン。この様子だと、本物らしいな……未だに信じがたいけど。

 

「……まずこの地図何?」

「昔建設されたサテライト拠点の場所を示したモンだ。今は灰域に沈んじゃいるが……中には、それなり数の物資が残されてる。だが、狙うのはそれじゃねえ」

 

姿勢を直して、ケインは地図の端に書かれた文章を指した。そこには、個人とミナト、物品の名前が記してある。

 

「ここに書いてあるのは、全部金持ちの名前だ。で、そのボロ儲けしたヤツは、ソイツらの依頼を受けて、サテライト拠点跡から頼まれた品を持ち帰ってたんだが……その中のいくつかに、今じゃ手に入らないレア物が眠っていたらしくてな。依頼主も好きにしていいってんで、好きにさせてもらって、ガッポリってワケだ」

「なるほど……そんなのを好きにしていいって、相当な金持ちだったのね」

「ついでに、個人で灰域に人を向かわせられる程度にはな」

 

ン?じゃあこの地図はどうやって手に入れたんだ?

聞くと歯噛みしながら答えた。

 

「ボロ儲けしたヤツがくれやがったんだ。

「残りのお宝はどうぞご自由に、幸せのおすそ分け」

ってな。バカにしやがって……灰域の中だぞ、取りに行けるわけねーだろ」

「普通のゴッドイーターじゃあな。そいつAGEだったの?」

 

ケインは鼻息を鳴らすと、メカミミとディスプレイを手にして、部屋から出る間際に──

 

「極々まれに見る、『変わり者』だ」

 

それだけ言って扉を閉めた。

 

 

 

         ~翌日~

 

 

 

「ふーん……で、なんで俺らまで連れて来たんだ?」

「荷物持ちだ。途中でアラガミかなんかに襲われて、お宝パーとか笑えないからね」

「お前の場合だと俺らをパーにしないか心配だ」

「どんだけ信用無いんだ私は。冗談だよ!トレーラーで来てるんだから、わかろうよ」

 

ユウゴ、ジークと共に、日没までの帰還を条件にサテライト拠点跡へ出発した。そのサテライト拠点は、ペニーウォートから約20マイル離れた場所にある、丘の上に建てられている。

わりと高い所にあるせいか、灰域濃度はミナト近辺より僅かに低い。が、生息しているアラガミも多い。ゆっくりと探索するわけにはいかなさそう。

 

道中山あり谷あり、アラガミありで一時間くらいトレーラーを走らせ、無事目的のサテライト拠点跡に到着。

幾つもの小さな住居に囲まれている、一番大きな建物が今回の目的地だ。

 

「いかにも金持ちが住んでましたって感じの建物だな」

「他の住居もここも、わりと綺麗だね。ホントに破棄された拠点?」

「灰嵐に追い立てられたアラガミが原因で、破棄せざるを得なくなった場所の一つだろう。だが、それにしたってあまり荒れてないのは腑に落ちないけどな」

 

トレーラーを大きな建物の近くに止めて降りる。入り口の錆び付いた扉を押して……押して……このッ、押し、押──

 

「押シャラァボケァ!!!」

「気ぃ短ッ!」

 

ふぅ、ついカッとなって禁断の斬鉄剣(神機)を発動しちまったぜ……。紙みたいに刻まれた扉が音を立てて崩れていく。これで入れるぞ。

 

「さぁ、お宝探しとしゃれこもう」

「……この扉引けばよかったんじゃ」

「シャラップ」

 

 

 

その建物の中は、窓から刺す光のみで照らされていた。あんまり薄暗くはない、なのでハッキリと中を見渡すことができた。

そう、くっきりハッキリと……奥に纏まって積まれた骸骨までも。

 

「──また村が一つ死んだ」

 

……すみません、真面目にやります。その骸たちに向けて私は目を伏せて手を合わせた。ジークとユウゴは一瞬何事かと首を傾げていたけど、私の前にあるものに気がついて、倣うように手を合わせた。

 

「弔い方はこれで合ってるのか?」

「あっ……えーと」

 

おっと、思わず生前のクセが。私の国?じゃこれが主流?らしくて、気づいたのは、仲間の遺体を目の当たりにした時のこと。

横領仲間の看守から聞いた話だと、手を合わせる弔い方は、極東のやり方なんだそうな。私の住んでた所は、極東ってとこと似てるんだろうな。いつか行ってみたいと考えて……!?

 

「あ────あれはッ!?」

 

逸らした視線の先に映ったのは、天井から刺す光に照らされて、キラッキラに輝く大量の金!きん!キン!KIN!

 

「ィヤッッッフゥゥゥゥゥゥ!!テンション上がってきた!!ウェェェェェェイ!!」

「お、おい?ライン?」

「運び込もう!!とにかく持てるだけ!!いや積めるだけ!!」

「おい!ちょっと待て!それに触れるのはマズい気が──」

 

マズいことになる前に撤収すりゃいいんだよ!とユウゴに返す前に、持てるだけ抱き込んだ金が異様に軽いことに気づいた。それと当時に……金一つ一つに、ホースのように太い管が床と繋がっていることにも気づいた。そのうちの一本が、ピーンと張った瞬間、

 

『──グルルルルルルル……』

 

「…………oh……」

 

そっから窓からの光が途絶えるのは早かった。天井から側面、最後に──入り口!

 

「クソッ──!」

「何してんだよこのバカ線!」

「バカ線言うな!」

 

色々考えるのは後にするが、()()()()()()()()()()()()()()()()のは分かった!

マイ神機を構えて、銃形態にして壁に向けて乱射。ユウゴとジークも、既に攻撃を始めていた。だけど……!

 

「堅ッ──!ただの壁じゃないなこれ……!」

「こっちもダメだ!傷一つ付いてない!」

 

思わず後ずさりすると、足下から水の音が聞こえた。

いつの間にか謎の液体が流れ出していたようだ……マズい。展開的に消化液で溶かされる流れやん。

 

今度は近接武器形態(ブレードフォーム)で切れないか試みた。叩きつけた刀身は火花を散らしたが、やはり壁には何の影響もない。

 

「こりゃ刃の通るとこ見つけなきゃどうしようも……お?」

 

それについて一つ思い当たる部分があった。それは私を見事に騙してみせた──金の山、の下!

あの金のあるところからは、床から管が伸びていた。多分獲物がかかったと感知する部分。壁と同じように、ガッチガチにするわけにはいかないハズだ──!

 

「ニセ金に価値なんざあるかァァァァァァ!!!死ーにーさーらーせェェェェェェ!!!」

 

『VORRRRRRRR!!!』

 

「マ゙ーーーーーーーー↑↑↑↑!?!?何何何何何これ!!?」

 

金の下から超極太のミミズのバケモノが這い出てきたァ!!キモ!!あの金は触手みたいになって、一斉にウネウネと蠢いている!!キモ!!

 

『VOOOOOO!!!』

「ワ゚゙ーーーーーーーー動きもキモーーーーーーーーい!!」

 

あの大きさでめっちゃ素早い!?グネングネンしながら近づいてくる!!

が、途中で進行方向を変えながら更に大きくうねりだした!!理由は──あの二人の射撃!あんな動きで回避したっていうのか!?

 

「いや!!当たってねぇんだけど!?当てろよ!!」

「う、うるせぇ!早過ぎるんだよそいつ!」

 

ジークが再び神機を撃つ。ジークの銃はショットガンだけど、広範囲に放たれる散弾が一発も!掠りもしない!全部避けられてる!あの見た目で高性能すぎるだろ!

 

「どうなってんだ……!?目も無いのに、なんであんなに──」

「目──?そうか目か!!」

 

ポケットからライトを取り出して点灯する。すると、光に照らされた壁に──閉じ込められる前には無かった黒い点々の模様が浮かんでいた!

 

「これは!?」

「この生き物の『目』だ!どういう理屈か知らんけど、普通の生き物に当てはめて考えない方が良いぞ!」

「なるほど──!で、どうすんだ!?」

「私に良い考えがある!」

 

目がたくさんあるならやることは一つだ。

同時に潰してから、切る!

 

スタングレネードを二人に見せてから、部屋の真ん中に投擲──炸裂する。

極太ミミズが怯んでいる隙に、ジークがド頭に一撃加え、私が伸びた胴体を串刺して床に縫い付けて、最後にユウゴが──走った勢いに任せて、極太ミミズを根元から断った。

我ながら良い連携だね。百点。

 

『──VOEEEEEEEEEEE──!?!?!!』

 

斬られた断面から鮮血が噴き出したかと思うと、建物が大きく鳴いた。それから部屋が激しく揺れ始め、開いた入り口から三人とも吐き出された。

 

「ッ痛!」

「ウゲッ!」

 

「はい生還ー!」

『グハァ!?ラインてめぇ!?』

 

クッションになる位置にいたのがいけなかったな。

と、今まで入っていた建物を見ると、柱みたいに大きな足が、建物から何本も生えてそれを支えていた。中で見た模様が外にも浮かび上がると、建物は短く鳴いてからそそくさと何処かへ足早に去っていた。

 

「とんだ災難だぜ……あんなのに出くわすなんてよ」

「人が悪いじゃ済まされんぞこの地図書いたヤツゼッテーぶっ飛ばす」

 

グチグチ言ってる間に……なんと他の住居も動き出した。足を生やして模様を出すと、大きな建物に着いていくように歩いていった。

残ったのは、横倒しになってしまったトレーラーと、私らだけだった。

 

「……ここが荒れてないのは、アイツらが綺麗好きだったからかな」

「……だといいな」

 

多分アラガミと思われるあの生き物たちは、家とかの建築物にとりついて、自分の身体にしていたんじゃないかと思われる。家まるごと取り込むとは恐れ入った。

で、私らみたいに入ってくる生き物を捕まえて喰っている。サテライト拠点跡の建築物全部があの生き物だったことを考えると……あの骸骨はそういうことだ。太陽鳥頭といいリラといい、変なアラガミにばっか遭遇するわ最近。

 

おや、大きな建物アラガミが出てきた穴の中に……階段が出てきた。

 

「今度はアラガミじゃねぇよな?」

「……いや、これは元々あったもんだ。あのアラガミがここに獲物が逃げ込まないよう、隠してたんだろう」

 

地下施設、そこは取り込まなかったのね。じゃあこれは、唯一残ってるサテライト拠点跡ってことか。

 

「さっそく確かめてみよう」

 

 

 

下に続く螺旋階段を降りてゆくと、あの建物アラガミよりか広い空間に出た。当然スイッチがあっても明かりなんか付くはずもなく……と思ってたら、なんとロウソクが置いてあった。初めて見たロウソク。

 

「こういうアンティークな作り好き」

「お前古いものよく集めてるもんな」

「よもや、ここに記されていたお宝もそんな類いのものだったりして」

 

チャッカマンでロウソクに火を灯していく。部屋中のロウソクに火が付くと、ぼんやりとした明かりで照らし出されたのは、複数の大きな本棚。

収まっている本を一冊開いてみる。オノマトペと、リアルに描かれているキャラクターがいい味出してる本だった。

 

「ってマンガかよ!しかもこれ全部?」

「わざわざ地下室まで作って、金持ちの考えることはわからん──」

「あーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

そのマンガを前に、私は叫ばざるを得なかった。男二人は、なんだどうしたと驚いていた顔をしていた。

 

「拾ってきたマンガの続きだ~~~!!うおっお!?全巻揃ってる!ホァーッ!懲罰房で!?戦闘を誘発!?隕石!?風水!?情報量多過ぎィ!ヒャァー!」

「うるせぇ!突然騒ぐことか!」

「騒ぐことだバカヤロウ!!!こういうマンガなぁ!!今じゃほとんど残ってないんだよ!!すんごく珍しいんだぞ!!知らん!?」

 

きっとこれだ……!厄災以前の娯楽作品、愛好家やコレクター相手との取引なら、10万は下らない貴重なものだ。それがこんなに……!

 

「うおーっ!銀髪の侍と……!麦わら帽子の──アッ!?鬼切りの兄と鬼の妹の話!これ大好き!ワーッ!グラサンアフロのやつまで!?真説まである!宝の山かここはァァァァァァ!!」

 

「……どうする?」

「…………」

 

 

一時間かけて本棚ごと運びだしました。

でも、

 

「……トレーラー」

「倒れたままだったの忘れてた」

 

起こすのにさらに一時間かかった。

 

 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

 

ミナトから帰る間、ラインは助手席でマンガを片手にずっと笑っていた。だから俺が運転させられている。

 

「いや~総額どれくらいになるかな~」

「お前は読まないのか?」

「小型ディスプレイで撮ったヤツが見返せるから、売っ払ってケッコーでーす!」

「いやコピーすんな」

「ミナトに置いてたって、ぞんざいにしか扱われないって。価値の分かる者こそが収めるべきだよ」

「価値ねぇ……」

 

……俺らは俺らの価値の分かってるヤツらの元にいるんだろうか。もし、そんなヤツらのところで働けていたなら、こんな生活をする必要もなかったんじゃないか。

だが現実はそうじゃない。どれだけ身体張って稼ごうと、おっかないアラガミと戦おうと、俺らの待遇は変わらない。それは俺らがAGEだからか、扱いの義務故か。俺らは価値あるものとして、扱われたことは一度たりともない。

……だが、このバカは──ラインは、そんな隔たりを悠々と飛び越えて、価値あるものになろうとしている。

 

「ん──はい、ラインだけど。お?こないだ持ってきたガラクタが売れた?じゃあ分け前はいつも通り。

はいもしもし。あ、こないだはどーも、大変お世話に……はーい今度もまた私にお任せを!じゃまた口座に振り込んどきますね。

はいさ、何事? うん、うん、あーその件は金握らせて──」

 

──ただし反則技で!

 

「お前殺されかけたくせに懲りねぇよな」

「ったりまえよォ、財政難真っ只中の今が稼ぎ時なんだ。これを逃して何を得るってんだ」

「ミナトのヤツらよか悪党だな!」

「褒めるんじゃないよアーハハハハハハ!!」

 

 

 

……笑い事じゃねぇんだぞ。心配させやがって、バカ線野郎。

 

ジークと馬鹿笑いする声が耳障りになって、少しでもそれを遮ろうと、俺は通信機をオンにした。

 

「こちらハウンド1。これよりミナトに帰還する」

 

だがこの日は、ミナトからの返答がやたら遅い気がした。灰域の濃い所を通ってるからか……?

もう少し経ってから、また連絡してみるか。




オーナー「『獄王』が?」

GE「なんでも、ペニーウォートからAGEを何人か買い取っていったそうです」

オーナー「……あの子、まだそんなことを……その後の足取りは?」

GE「全く掴めてません。唯一残ってる情報は、逃げ出す前に、例のAGEとちょっとお話してたってことだけだそうで」

オーナー「例のAGE?」

GE「ライン・ペニーウォート。あのミナトで随一の問題児です」

オーナー「…………」

オペレーター「あの……やっぱり、そのAGEの方も預かることになるんでしょうか……?」

GE「運が悪きゃあな。関わった職員が次々と殉職してるって聞いたときは、そりゃもうゾッとしたよ」

オペレーター「だ、大丈夫なんですか、本当に……!?」

GE「ま、そう聞いただけで、実際は会って確かめないとわからないけどな」

オーナー「とにかく急ぎましょう。──灰嵐が迫っている以上、動かないわけにはいかない」
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