有能系社内ニートのAGE転生物語   作:ヒロキ@クロス好き

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お待たせしましたァァァァァァァ!!!
行き詰まりからずるずると投稿が遅れてしまった挙げ句ボダラン3 GE3 コードヴェイン 超ポケダン ポケモン剣盾にハマってさらに作業が滞ってました!!スミマセンでしたァァァァァァァ!!!


好機第一

「ミナトと繋がらない?」

 

眉をひそめるラインに、俺は頷いた。

時間をおいて無線を入れ直したが、何度やってもノイズしか帰ってこない。

 

「お前は普通に出来てたよな?」

「いや、実は外部からの通信なんだわさっきの。監視のない時によく注文とかされたりさ、金払いいいから断れなくて」

「これ以上罪を重ねんな」

 

……? だとするとおかしい。ミナトには繋がらなくて、それ以外の所へは問題ない。中継機の故障にしては妙だ、これは──

 

「ユウゴ!前!前!」

「へ? うお──っ!?」

 

ジークの声に、慌ててブレーキを踏む。前にアラガミの群れがいたからだ。

なんとか衝突は避けられたが、アラガミたちは牙をむいてこっちを睨んでいる。

 

「やるしかねぇか……!」

「っしゃあ!行くか!」

「よし、私はここでマンガ読んでっから頑張ってくれ」

 

俺はすぐに神機と、出ようとしないラインを引っ張り出して車から降りた。

 

「コラユウゴ、時間外労働で訴えるぞー」

「訴えていいから戦えバカ!」

 

 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

 

神機(ヴァリントサイズ)を振る、また振る。

群れていたアラガミは、次々足下に転がっていく。これくらいなら手こずる程でもない。

 

(残り──3体)

 

これで最後と考えた時、ふと、船で聞いたAGEの事を思い出した。

ペニーウォートの中で最も危険なAGE、いつかミナトを乗っ取ろうと企んでいて、そのために違法な取引を繰り返して、金を集めているらしい。

 

────関わった職員が次々と殉職してるって聞いたときは、そりゃもうゾッとしたよ──

 

あの人の青ざめた顔が思い起こされる。でも、関係ない。シールドを展開して飛来した棘を防ぎながら、また聞いたことを思い出す。

神機使いとしての実力は確かで、その戦いぶりはさながら、『鬼』のようだった、と。

 

──その方も預かることになるんでしょうか……?──

 

……あの時の不安そうな目が忘れられない。オーナーは優しいからな、俺を受け入れた時もそうだったけど、行き場の無い人間を、放っておけない人なんだよな。

 

(もし、噂通りだったとしたら)

 

咬刃展開形態で刃を伸ばして、一気に3体のアラガミを屠る。アラガミは叫び声一つ上げずに、倒れて塵になった。

 

(同じAGEだろうと、どんな身の上だろうと構わない。あの人たちを傷つけるなら──)

 

神機に滴る血を払って、短く息を吐いた。少しとばしすぎたかもしれない。だけど、まだやれないこともない。とりあえず連絡をしようと、ヘッドセットに手を当てて、スイッチを入れる。

 

「……アラガミの排除が終わった」

『──お疲れ様です!船の周囲にアラガミの反応無し。このまま前進します』

 

可愛げのある、高い声音が帰ってきた。それに次いで、太くて低い声が届く。

 

『いやぁー、今日も良い調子だねぇ。オジサン楽で助かるよ』

「……。俺はあなたと一緒にここに立ちたくてAGEになったんだ、これじゃあ意味が無い」

『いや、まぁ~努力はしてるんだけどさ。ホントだぞ?』

「いやだ。もっと頑張れ、時間作れ」

『俺君のたまにわがままな所好きだわ』

 

笑いながら誤魔化された後、ため息の混じった凛とした声が割り込んできた。

 

『──コクウ、あまりリカルドを困らせないで。今回はあなたにしか頼れないのよ』

「オーナー、仕事くらいちゃんと自分で捌きなよ」

『余計なお世話よ!』

 

そんなやりとりをしていたら──アラーム音と共に、最初の高い声音の持ち主が、声を張り上げてきた。

 

『ッ! 新たに中型種が進行方向に出現!』

「……オーナー、この話後な。行ってくる」

『コ、コクウくん!さすがに一人では──コクウくん!』

 

引き止める声を無視して、俺は船の行き先へ駆けだした。

 

……例のAGEがどんなやつであれ、オーナーが助けるって言ったんだ。なら俺は、その道を切り開くまで。

 

 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

 

「神喰いの呼吸壱の型~!!高速8の字斬りィィィ!!」

「なんだそりゃ」

「呼吸でバースト出来るんだよ!知らんけど」

 

向かってくるアラガミを切って喰ってを繰り返すこと数十分。今塵になったアックスレイダーを最後に、戦闘は終了。主な損害無し。んーいつになくパーフェクト。あとはこれで金目のものでも落ちていれば。

 

「なぁ、さっきのアラガミたち、なんか変じゃなかったか?」

「変?アラガミが変なのは元々でしょ」

「いやそう言うのじゃなくてさ、あいつら襲ってくるっていうか、逃げてる感じじゃなかったか?」

「?」

 

言われてみれば、最初見た数に反して、こっちに向かってきたアラガミは少なかった。ジークはそれに気づいて変に思ったんだろうな。

となると、アラガミは今帰ろうとしてる方向から逃げてきて、私たちと鉢合わせしたってことだけど……。

 

『──こ…らキャ……ン!周……AGEに通…!

現…、近……リアにて灰嵐……生!ペニーウォ……接近…!!』

 

「? なんだ?」

「オープン回線?どこのどいつだ、何言ってるのか聞こえねぇよ!」

 

急に入った通信に二人が戸惑う。ノイズが入りまくって、途切れ途切れにしか伝わってこない音声。しかし!こんな時に備えてこのメカミミには、ノイズをできる限り除去することができる機能が搭載されているのだ!処理をしてからもう一度リピートしてみ、る……と……

 

「……ねぇユウゴ」

「ん?」

「……勇気があるなら私の代わりに振り返ってもらえるかな」

「なんだ、らしくもねぇ。お前が怖がるものなんかそうそうあるもんじゃ──ッ!」

 

思った通りユウゴが声を詰まらせた。次いで、ジークも後ろを見たっぽく、驚いた顔をしていた。

 

「なんだ……!?アレ!?」

「何が見える?」

「その、なんていうか……!」

「あ、わかった。黒い霧みたいな塊が津波みたいに押し寄せてるとか言うんだろ」

「……当たりだ」

「やったぜ、ご褒美ちょうだい。賞金10万と黒毛和牛……は、いいや、食欲が失せた」

 

観念して後ろを振り返ると──

轟音を立てて、時々稲光を中で走らせながら、一切合切を飲み込みこんでいく大波──全てを塵に還す災害の全貌が目に入った。

 

「間違いねぇ、『灰嵐』だ──!」

「……俺たちのミナトの方に向かってないか!?」

「クソ、何だってこんな時に!ここからじゃ先回りするのは不可能だ……!」

「そんな……!じゃあミナトの仲間たちは!?ガキ共は!?」

 

はいはいちょい待ち、こんなこともあろうかとパート2。内緒で仕掛けてもらった中継器で確立させた私専用の秘匿回線の出番だ!これもOSIGOTOで仲良くなった親切な人に設置してもらいました。

さっそくミナトにいるであろう横領仲間にかけてみよう。

 

「あー、こちら泥棒狼、こちら泥棒狼。百合獅子応答求む」

「どんなコードネームだ!」

「繋がった──はい落ち着いてねー、ラインさんは無事だよー、どしたどした、深呼吸して話してみ?」

 

ひどく取り乱す相手を宥めて、ミナトの状況を聞き出した。いや、詳しく言うと、もうミナトにはいなくて、灰域の中を失踪中だという。灰嵐が接近したと聞くや否や、管理者と幹部、職員、一部AGEを灰域踏破船に収容し、すぐにトンズラしたそうだ。

 

「……ドケチ主義のペニーウォートが船持ってたとは驚きだわ」

「アイツらァ~……!」

「一部AGE、ってことは──まだ取り残されてるヤツがいるのか!?」

 

私がユウゴの問いに答えようとした直前に、さっきのオープン回線が再び届いた。今度はノイズ無しでハッキリクッキリ。

 

『こちらキャラバン!周囲のAGEに通達!繰り返す、こちらキャラバン!周囲のAGEに通達!現在灰嵐が発生中!』

 

キリッとした女の声。こんな声聞いたことない、ペニーウォートとも、その取引先のミナトとも違う、別のミナトのキャラバンからの通信だったみたいだ。

 

「こちらAGE!灰嵐の状況を知らせろ!」

『繋がった……!話は後よ、この船の進路上にアラガミがいる!排除して!』

「何をする気だ!?」

『話は後と言った!いいから従いなさい!報酬の交渉なら、後で幾らでも聞くわ!本船はミナトの救援に向かっている、事態は一刻を争うの!』

 

……うーん、ぶっちゃけ信用しきれないけど、こっちの話を全く聞きそうにねぇ。一番ニガテこれ。

 

「ヘイ、キャラバン!いや、火事場泥棒?どっちでもいいけど、それ信用していいワケ?助けに来るのはいいけど、ミナトにゃもうチビたちしかいないよ?いいの?ビタ一文にもなんないよ?」

『だ、誰がそんな──こ、コホン!必ず助けると約束する!通信は以上、健闘を祈る!』

 

よほど焦っていたのか、見知らぬキャラバンからの通信はそこで途絶えた。

 

「よっしゃやるぞユウゴ!コイツらなら大丈夫そうだ!」

「……いつになくやる気なのはいいことだが、理由を聞いておこうか」

「さっきのヤツらが押し入り強盗なら船ももらえて一石二鳥!ただのいいヤツらだったら余計な手間を取らずに船がもらえて一石三鳥!」

「なんでいいヤツでも盗るんだよ」

 

やめとけ、と言われたのでとりあえず保留にしといて、さっそく今のキャラバンが送ってきたと思われる座標を確認する。記されているのは、元・郊外の開けた場所。ここを船が通るわけね。

 

「ん、ここはもしかして」

 

座標を示した地図の端に見覚えのあるものが目に入って、少し拡大して確かめる。

 

「お、やっぱりだ。ねぇ二人とも──」

 

 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

 

「──クッソ……!」

 

また姿が見えなくなって、たまらず歯噛みする。

 

「うざってェ──なッ!」

 

僅かな揺れを感じて、すぐ横へ飛ぶ。今立っていた所が一気に盛り上がって、アラガミが地面から飛び出した。

 

──バルバルス。

地中移動を得意とする、人型の中型アラガミ。最大の武器である左腕の3つの連なった削岩機構(ドリル)が、それを可能にしている。

 

「────」

 

そいつを視界に入れ直して、神機を構える。ヴァリントサイズじゃ相性が悪い。だから銃形態で応戦していたが──!

 

『VOMooooOoooooooo!!!』

 

「……ッ」

 

突進して一気に接近される。

俺の神機のバレルは『スナイパー』 闇雲に撃っていちゃダメージは入らない。距離を取って、しっかり狙う必要がある。

 

『VOOO──ッ!!!』

 

だがこいつは、バルバルスはバリバリの近接戦闘タイプ。何度下がっても、素早く動いて距離を詰めてくる。なら、と高い所に居座ってみたが、地面に潜って回避するばかりか、地中から高所まで移動してくる。

 

(こうなったら、中距離から──)

 

ドリルの射程外かつ、突進されてもすぐに回り込む事ができる。わざわざ地中移動をする距離でもない、これなら……!

 

『Ooooo──VOAッ!!!』

 

「なっ──」

 

バルバルスがドリルを上に掲げて、地面に刺した瞬間、氷柱が生成され、それは連鎖して地面から生え続け、俺の方へ向かってきた。

間一髪、左にステップして氷柱を躱し──

 

「ガッ──!?」

 

避けた先に岩が飛んできやがった……!ヤツがドリルを引き抜くと同時に飛ばしたのか。

俺が怯んだのを見計らってか、バルバルスは全力疾走して接近してくる。

 

強い、いや──これは一人で対処するには、あまりにも向いていない……!

 

(迂闊だった──!)

 

走る勢いのままに振りかぶったドリルが、真っ直ぐ俺に突っ込んでくる。マズい、防御が間に合わ──

 

 

 

 

「──ァァァァァァァウィリーィィィィ!!?!」

 

『VOMOAAAaaa──!!?』

 

 

 

 

…………???

 

今、バルバルスに突っ込んできたのは……バイク?

ぶつかってきたバイクは乗ってるヤツを振り回しながら、瓦礫にぶつかってやっと止まった。なんだアイツは。

 

「──おーい!めっちゃウィリーしてたけど大丈夫か?」

「ったく、一人で突っ込むんじゃねえ!」

 

今度はバイクに乗ってたヤツの仲間が現れた。両腕の腕輪を見るに、あいつらはAGEか。こんな所で何を──まさか……。

 

──ライン・ペニーウォート。あのミナトで随一の問題児です──

 

あいつらの内の一人が……!

 

 □ □ □ □ □ □ □ □ □ □

 

相棒(出来たて)のマシン・ヒトットビ(仮称)を起こす。

こないだゴミまみれの窪地に行ったときに完成させた、良い感じのフレームにスクラップを組み合わせてできたなんちゃってネイキッドバイクです。アラガミ出現ポイントに向かう途中にあの窪地があったから、ついでに持って来ちゃいました。去り際にずっと見てた小型アラガミたちの寂しそうな目を見るのはツラかったなぁ……。また会おうぜ。

ただ、コレちょっと動かし方にコツがいるからエライ目にあって今に至る。

 

「だッ大丈夫じゃねーよ!なまら怖かったよ!」

「一体何したんだよ」

「いやね、ニュートラル入れてたのね、そしてそれ知らないでセカンド発進だと思ってそれなりにスロットル回したら、動かないからアレ?って思ってギアいじったっけ?ロー入っちゃって、もうウィリーさ」

「なんだその放送事故みたいなハプニング」

 

やっべ、まだ心臓バクバク言ってるよ。しかもウィリーしたままアラガミに突っ込んだからもう命はないものかと思ってしまったよ。

そのアラガミもうわぁ……めっちゃこっち見てる……、予想外の不意打ちに怒ってらっしゃるのか、警戒してるのか、こっちに狙い付けられちゃったな。スタングレネードで畳みかけるのは難しいかも。

 

「ちょっ……威圧感すげえんだけど……」

「ハッ──死ぬんじゃねぇぞ、お前ら!」

「今死にそうだったけどね!」

 

神機を構えて、臨戦態勢を取る。すると──

 

「──オイ」

 

「うん──?」

 

声のした方へ顔を向けると、でっかい鎌が目の前に突きつけられていた。

それを構えていたのは、紫髪の青年。アンニュイな表情とは裏腹に、ひどく冷めたような声で、私らに尋ねた。

 

「ライン・ペニーウォートは、どいつだ」

「──死にました」

『えええええええええええええ!!!?』

 

大声出して反応するんじゃねぇぇぇぇ!嘘だってバレルだろうがァァァァァァァ!




コクウくん♂(まれに見る天然。わりとつおい) voice17

穿槍、戦槌、主に大鎌 スナイパー シールド 射撃傾向

アクセサリー ヘッドセット、フェイスペイント15

髪型 9 紫

顔 7

アイカラー ウルトラマリンブルー
──────────────────────
えー、劇中で説明が無かったのでお話しします。
本来はショウくんは毒を盛られて衰弱していくハズですが、この話ではそうなっていません。
何故かというと、その犯人である看守がすでに殉職しているからです。転んだ表示に、たまたまそこにあったガラス片が喉を貫いて死亡。事故死として処理されました。一体誰イン・ペニーウォートの仕業なのか。
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