世界はいつでもONLINE   作:たこ焼き王国

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はじめに、

初めまして。新参者のたこ焼き王国と、申します。

小説を書こうと思ったきっかけは、たくさんの小説を読んでいる内に、僕にも物語は、書けるのかなと思ったのが始まりです。

本小説は作者の完全な思いつきで書かれていますので、言葉足らずだったり読みにくかったりするかもしれません。

 時折わかりにくいような難しい表現が使われていますが、あれは”仕様”です。
(例) 手をこまねく・・・指を滑らかに動かしている様子。etc……。

作者自身初投稿の小説なので是非読んで頂けると幸いです。     
では、「世界はいつでもONLINE」 始まります。  

*注意事項*

*更新が非常に遅いです。 不定期更新の可能性有り。

*1ページ 2,000~3,000字前後です。

*リアルが忙しいので感想や意見には返せない事がありますが、小説といっしょに掲載という形での返答となります。

*現在、第1話は、執筆中です。                                      


入学式

 僕の名前は、寺島 春虎(てらしま はるこ)

 

 僕はこの四月から厳原学園に、幼馴染の、緋萩 玲(あけなぎ れい)といっしょに通うことになった。

 

 彼女は僕を女装させてくることがあり大変恥ずかしい思いを強いられている。

 

僕はその都度、玲に文句を言っているのだが、まるで効果はなく「拗ねたはるちんカワイイ!」などと言われ僕の男魂をがりがりと削ってくる。

 

 いや自分でも理解はしている、僕の顔つきが女に似ている事ぐらいは………あぁこれ以上は思い出さないでおこうどんどん黒歴史を掘り返してしまう。

 

 とりあえず僕と玲は幼馴染なのである。

 

 歩いていると目の前に大きなレンガ風の壁が見えてきた。

 

 そう、この壁の向こうこそが県内有数の超マンモス校である厳原学園だ。

 

 その校庭は広く東京ドームを見たことがないので何個分かどうかはわからないが、少なくともその辺にある学校の規模とは段違いだって事だ。

 

  その広い校庭いっぱいに桜の木が植えてあり今まさに満開で、校舎へとまっすぐ続く道には桜の花びらの絨毯ができあがっていた。

 

 その光景に玲や周りに歩いている他の新入生達も目を奪われていた。「うわぁ、きれいだぁ」と玲が感嘆している。

 

 ああ、こんな広い校庭を持つ学校で3年間生活するのかと思うとなんだか場違いなような気がしてきたが、せっかく受験を勝ち取ってきたのだからめいっぱい楽しもうと心に決めたのだった。

 

 その後も桜を見ながら歩いていると大きな校舎が見えてきた。玄関前では、入学者が手続きをしているのが見える。

 

 と、そこから「れっーーーい!!なぁに男と手ぇ繋いでイチャイチャ登校してんのよ!」

 

 

「あっ、酉姉(ゆうね)ぇ、私の横は、はるちんだよ~」

 

「えっ! あぁ、よく見れば寺島さんじゃなーい、ごめんごめん…男と勘違いしてたわ」

 

「いやいや酉李(ゆうり)そういう問題じゃないし、てっゆーか僕は”男”だよ!」

 

 

 まあ、このように男子制服を着ている僕ですら女と間違われるほどの女顔なのだ。

 

 正直困ったものである。少々紹介が遅れたが、玲が酉姉(ゆうね)ぇと呼んでいた

 

 人物の名は、緋萩 酉李(あけなぎ ゆうり)といって、ここ厳原学園の風紀委員長で玲の姉でもある。

 

 僕とは、仲が良くゲームや散歩などをいっしょにしたりする仲だ。

 

 そんなこんなで受付を済ませ、新入生達の待つ体育館へと足を向けた。

 

 中に入るとそこは校庭に比例するかのようにとても広い空間になっていた。

 

 そして僕達は用意されていた席に着きステージを見た、上からは短い赤い幕が垂れ下がり、両脇にはただでさえ高い天井から赤に金の刺繍(ししゅう)のほどこされた大きなカーテンがかかっている。

 

 しばらくしてステージに人が上っていくとマイクを手に持ち開会の言葉を述べる。

 

 

 「諸君、私がこの学園の学園長の山村 大地(やまむら だいち)だ。これから厳原学園………。」

 

 と、どの学校でもあるだろうが、恒例の校長による長い話である。 [以下約20分間]

 

 僕らは、恒例の校長の長ったらしい話を聞いたあと教頭によるこれから入学式後の一週間に

ついての特別編成の行事計画の発表を聞いた。

 

「えぇ、今日より四日後までに、所属する部活動の決定をしてもらいます。わが学園では、基本的に生徒の入部は絶対なので必ずどこか一つは部活動を決めておいてください。なお、明日から三日間の放課後には部活動の見学を許可しますので、ぜひ見て回ってこの学園生活が有意義なものになるような部活動を選んでください。以上で終わります。」

 

 ふぇー強制入部かぁ、帰宅部なんて奴はここにはいないのか。

 

 入学式終了後僕は、自分のクラスがどこなのか確認する為に名前の張り出してある靴箱から入ってすぐの廊下へと玲とともに、向かった。

 

 この学園の、クラスは1~3年でA,B,C,D,Eと五つのクラスに分けられていて、それぞれ20人ずつである。

                      ・

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  ん~と、……あった!  なになに

     C 寺島 春虎

         ・

         ・

     E 緋萩 玲

 

 見事にクラスが分かれたな、このクラス表を見た玲は目を点にして固まっていた。

 

 「おーい、おーい、玲どうした?」

 

 すると、ギギギと首をこちらに向け玲は言った、

 

 「はっ、はるちんが別のクラス!?」

 

 どうやら、玲は僕と同じクラスが希望だったようだ。しかし、そんなに動揺するようなことだっただろうか、クラスが別なら休み時間にでも会いに行けばいいと思うのだがいけないのだろうか、 わからない。

 

「はぁ、しょうがないかぁ、じゃあはるちん帰りはいっしょに帰ろうね。」

「分かった、帰りに靴箱前な」

 

 そう言って僕は自分のクラスへとむかった。

 

 

 僕がクラスへとたどり着いた時にはすでに半分以上の人数が来ていて皆各々自己紹介や友達作りをしている、まぁ、なかにはナンパしている野郎もいるが、とりあえずまだ席順が決まっていないので、適当に空いている席へと座った。

 

 しばらくしてから、クラスの男子が話しかけてきた、ナンパでは、ないことを祈りながら・・・

 

 「よぉ、春虎ひさしぶりだな、俺のこと覚えてるか?」

 

 そこには、髪をツンツンと立たせた長身のしかもガタイはかなり良いといえる男が立っていた。

 

 はて? こんな男と僕になにか接点は、あっただろうか。少なくともナンパではないだろう。

 

「え~と、誰だっけ?」

「あー、忘れちまってたか、まぁしょうがないな会ったのが2年前の事だからなぁ…お前と俺が 会ったのは、中学2年の科学研究発表会のときだが、何か思い出さないか?」

 

 んん……中学2年のときの科学研究発表会か、主に心に残るような事は…。

 

あっ!そーいえば初対面で僕の事を君付けで呼んでくれた初めての人ぐらいかなぁ、そのとき話した人は少なくともこんなにガタイは良くなく長身だったのだがなよなよした感じで、そのうえ眼鏡を掛けていた。

 

 確かその相手の名前は…

 

 「橘(たちばな)君?」

 「おぉ、覚えてくれていたか。そうだ、俺は、橘 槙朋(たちばなまきとも)だ。」

 

 その言葉を聞いたとき、先ほどまで思っていた違和感をたずねた。

 

 「えーと、前に会った時は眼鏡を掛けていたけどどうしたの?コンタクト?」

 「実はな中学2年の冬に一度部活を変わってな、剣道部に入りなおしたんだ。それで眼鏡からコンタクトにして、このとおり筋肉もついたってわけだ。」

 

 なるほど、文化部から運動部に転部とはすごいな、しかも受験シーズンに入る直前にそんなので、よくこの学園に入れたなと思った。

 

 そして、橘は唐突に思い出したかのようにポンッと手のひらの上に軽く握りこぶしを落とした。

 

 「あぁそうだ、今話しかけたのは、春虎を見つけたからと、春虎に俺の友人を紹介したかったからなんだ。」

 「で、その友人ってのは?」

 「あぁ、お前とは相性が合いそうだと思ってな、今呼ぼう」

 

 そう言って橘は座った状態から体を後ろにひねって手をこまねいた。

 

 「おーい かわしまぁー」

 「んー?」

 

 そうして現れた人物に失礼ながら疑問を感じてしまった。

 

 華奢な体つきに少し幼さをまとった顔、肩にかからない位に切ってある清潔そうな髪、そして男子の制服。男子の制服?もしかして僕と相性が合いそうな奴って・・・男の娘?

 

 「この人が、トモ君が言ってた僕の同志?」

 「あぁそうだ」

 「春虎に紹介しよう俺の通っていた中学校の奴で、名前を川島 瑶智(かわしまたまのり)っていうんだ、たぶんお前とは相性は会うと思ってな」

 「こんにちは、寺島君これからよろしく!」

「うん、こちらこそよろしく。」

 そうして、新しく加わった川島としゃべっていると、川島のうしろからわきわきと手が伸びてきた。そしてその手は川島のわきをくすぐり始めた。

 

 「うひぇっ、あははは!やっやめてよぉ」

 「イェーイくすぐり攻撃大成功!」

 「あらぁ?こっちにも可愛い子がいるわ ふーむ、男子の制服を着ているから…男か!」

 

 瞬間、僕は思ったこの人は玲とは違ったベクトルの変態(バカ)だと。

 

 しかも今、川島にくすぐりを敢行中の女生徒は獲物に狙いを定めるかのごとく眼つきでこちらを見ている。

 

 「橘くん、あの変態誰?」

 「おい、梓!お前そのへんでいじめるのをやめとけ、こいつに変態のレッテル貼られてるぞ。」

 「ぬあぁんですってぇ!?では、気を取り直して。」

 「自己紹介やっとけ、変態ww」

 「今からしようと思って……って、変態!?ふざけないで、私はただ単に、かわいい男の娘が好きなだけよ。」

 

 人、それを変態という。

 

                  閑話休題(そのはなしはおいといて)

 

 「私の名前は、花里 梓(はなさと あずさ)。趣味は、さっき言った通りよ。希望部活は、黒魔術部!」

 

 くっ黒魔術部?そんな厨二病みたいな部活あっていいのか!?とりあえず、あとで調べておこう。

 

 「まっ、というわけでよろしくね。春ちゃん♪」

 

 はっ?何故に名前を知っている?何気にちゃんづけだし・・・ ああ………やはり女扱いか・・・

 

 「これからは、私の人形になってもらうわね。」

 

 ぞくっ 一瞬背中に寒気が走った気がする。

 

 僕は玲の趣味のせいによって【人形】の言葉の示すところを知っている。

 

 人形→着せ替え→女装。

 

 そして、梓が独り言をぶつぶつと呟き始めたので、放置しておく、さわらぬ神に祟りなし。

 

とんとんと、肩を叩いてきた川島が、

 

  「これから梓になにかされるかもしれないけど、頑張って耐えよう」

  「お、おぅ」

 

 これからの学園生活で起こるであろう災害(じょそう)を予知しての事か、注意と応援を言ってきたがそれは僕があんな変態といっしょにいてどんな苦難が待っているか知らないだろうと思って言ったのだろうが残念ながら僕は既に幼馴染(れい)の性癖に巻かれた経験を持っている。

 

 川島にはもう一人の変態(れい)のことについて言おうか迷ったが、放課後になったら分かるだろう。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

がらがらっと、古い木の引き戸を開ける音がした。

 

 目線を戸の方に向けると、ついさっき入学式といっしょに行われた新任式で発表されたこのクラスの担任を任せられた男の先生が若干緊張した面持ちで入ってきた。

 

 それもそうだ、彼は学校教員として採用され一番最初に来たのが今年だというのだからしょうがない。

 

 そのすぐ後に、入学式終わりの一年生が必ずといっていいほどにやる、自己紹介が始まった。

 

 担任の名前は(ひがし) 将太(しょうた)で歳の頃は、24歳という。

 

 この学校の先生の中では、かなり若い方じゃないか? と思った。

 

 見た目は学生の中に混じっていても気付けない人が多いんじゃないかと思うほど若い、髪型はスポーツ刈りにちかく第一印象では快活なイメージを受けた。

 

 おっと、先生の第一印象について頭の中で考えている内に出席番号が僕まで近づいてきた。

 

 途中、なにやら男子諸君が目のやり場を失い、うつむいたり天井を見上げたりと、落ち着きのない場面があったのだがあれは、いったいなんだったのだろうか。

 

 そーいえば、僕よりも出席番号が上の川島くんの発表を見ていなかったことが悔やまれる。

 

 さってと橘君がおわりもう一人別の人が終われば遂に僕の出番となる。

 

 しかし自己紹介ってなんで言う前にここまでどっくんどっくんと心拍数が上がるのだろうか、しかもなかなか趣味や好きなものを言うだけなのにすごく迷ってしまう。

 

  「……………以上で、終わります。」

 

 僕の前の人は極めて冷静に二十人(正確には発表者を除く十九人)を前にとてもはきはきとした声で自己紹介を終えた。

 

 前の人がやたらすごい人だと次に自分の番とかだとすさまじいプレッシャーを感じる。

 

 よし、普通だ、普通でいこう。もう地味でもいいから普通に、テンプレーションでもいいからと、自分に言い聞かせ僕は決戦《はっぴょう》に赴いた。

 

  「こんにちは……てっ、寺島春虎です。趣味はゲームと散歩です。………」

 

 やばいっ! 皆の視線が僕に集中している。

 

 まぁ、それも発表しているから当然の事なのだが…。

 

 よし、落ち着け、落ち着くんだ!残りは、好きなことや好きな食べ物を言えばいいだけなんだ。

 

 さぁ、聞け僕の答えを!

 

  「好きな食べ物は、ケモミミです!!!」

 

 その瞬間、クラスから音という音が消え去った。

 

 みんなの口はぽかーんと開いたまま微動だにしない。

 

 まさに( ゜д゜)ポカーン …

 

 同時に僕の心中は、羞恥でいっぱいだった。

 

  「こっ、これでおわります………。」

 

 発表の締め文句を言って壇上から降りた僕は顔を真っ赤に染めながら震える手で、椅子を引き席に着いた。

 

 終わった、楽しくなるはずだった学園生活が終わった。

 

 しかも趣味と言うべきだったところで食べ物と言ってしまったところが恥ずかしさを倍増しているかのようにも感じられる。

 

 先の発表でも言ったが僕はケモナーだ。

 

 ケモナーというのは、主にケモミミ(犬耳や猫耳・うさ耳など)を愛している人のことである。

 

 今、パソコンでやっているゲームのアバターは妖精だが、フレンドには獣人で溢れている。

 

 すると、僕をにやにやした目つきで梓が見つめてきた。

 

 残念な事に、おそらく玲と同種であろうこの人物と席が隣なのである。

 

 さらにその梓を挟むようにして川島がいる。

 

 しかし梓の後ろには、橘君がいるので彼女のブレーキ役としておおいに期待している。

 

 なぜ?と思うかもしれないが、先ほどの三人のやりとりを思い出してほしい、HR(ホームルーム)が始まる前に梓が川島にくすぐり攻撃をしていただろう?

 

 そこへ橘君が止めに入ったのを見て確信した。

 

 そこから連想されるのは梓が川島にイタズラをして、それを橘君に止められるというのがこの三人のお決まりなのだろうと思った。

 

 そうして僕が心中悶えているうちに梓の番が回ってきたがなんと名前を言いよろしくとぼそっとつぶやいたのみですぐに壇上からおりていってしまった。

 

 自己紹介はみんなから第一印象をきめてもらう大事な発表だというのに自ら無愛想さを引き出すようなことをやってのけたのだ。

 

 しかし、なぜあのような発表とも呼べないことをしたのか橘君にきいてみるとなぜか納得してしまうような答えが返ってきた。

 

  「ああ、確かにあれは無愛想に見えるよな”第一印象”は。」

  「なんでそんな第一印象を強調して言うんだよ。」

  「あいつはな、もう中学生のころに実績を残しているからあんな態度でいられるんだ。あとからじょじょに仲間を増やしていくことのできるやつだからな。」

  「けど、それには犠牲者が出る………確実にな。」

  「ぎっ…犠牲者?!」

  「ああ……一昨年の文化祭の話になるが、川島の犠牲(じょそう)で梓はクラスの女子のなかで人気が出たんだ」

  「それってまさか」

  「ああ、そのまさかだ。クラスの中にもいたんだ奴と同じ性癖に目覚めた奴らがな」

 

 考えるだけでも怖気が走る。

 

 梓のような性癖を持ったような集団と一緒にいたら学園祭は(ろく)なことにならないだろう。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 そんなこんなで、一時限目のHRが終わり二・三時限目にあった学年別のオリエンテーション・部活動の紹介と勧誘が終わり、時刻は午前11:00を指していた。

 

 今日は昼までなのでもう終わりである。

 

 今僕たちは、レンガ造りの校門前でクラスが僕と別れてしまった玲を待っているところだ。

 

 軽く橘君たちと談笑をしていると

 

  「はーるちん!!」

 

 と、僕の愛称を叫びながらこちらにむかって走っている人影が見えた。

 

 人影と言わずとも”はるちん”と僕を呼ぶのは友達付き合いのなかでも玲しかいない。

 

 だが不可解な点が二つある。

 

 ひとつは、すぐそこまで来ているのにもかかわらずスピードが少しも落ちていないところ。

 

 ふたつめは、地を踏みしめるはずの足が片方だけ宙に浮いてしまっているということだ。

 

 その二点から推測されるのは、玲がよくやる行為のひとつである”ジャンピング抱きつき”に違いない。

 

 推測は見事当たっていたようで体を左に大げさに傾けてかわしたら、「ズシャッ」っという音とともに地に落ちた。

 

 あたりを沈黙が漂う。

 

 その沈黙を破ったのは作り出した本人である玲だった。

 

  「あちゃちゃぁ~失敗だったかぁ。」

 

 しかし落胆の表情をみせるかとおもいきや、にこっと笑顔でこう言った。

 

  「ああ、やっっっっと会えたー!可愛い可愛いMY(わたしの) SISTER(いもうと)よ。」

 

 その瞬間、先ほどの沈黙よりもさらに重い沈黙が辺りに降りかかる…………こともなく梓がぼそっと放った

 

  「この女分かってやがるぜ」

 

 という言葉に玲が反応し

 

  「あなた、名前は?」

 

 と、物語のなかに出てくるような貴婦人風の高圧的な態度で。

 

  「わたしの名前は、花里 梓。あなたの名前は?」

 

 と、こちらもなかなかに貴婦人している。

 

 しかも玲のほうに手をむけ挑発しているかのようにも思える。

 

  「我が名は、緋萩 玲。」

 

 うーん。

 

 すでに物語の中とかで、収められるような範疇(はんちゅう)ではなく痛々しいレベルに到達してしまっている、というか玲のスイッチが入ってしまっている。

 

 玲はなにかと調子にのったときなどに悪の幹部っぽい話口調になってしまう。

  

  「なっ、緋萩(・・)ですって?!まさかそんな……」

 

 なぜか名前を聞いたあとに雷に打たれたようにびくっと体をそらしたかとおもえば、急におろおろとうろたえ始めた。

 

 この問答がいつまで続くか見てても長くなりそうだし、さっさと家に帰りたいので梓のブレーキ役になっているであろう橘君に目配せをし、梓にとっては致命的であろう一言を口にした。

 

  「変態(あずさ)、茶番はやめろ川島も寺島も引いてるぞ」

 

 という一言が梓には効果覿面(こうかてきめん)だったようで、なにごともなかったようにすっと川島の横に移動した。

 

  「みんな!気をつけて!この女……女王と同じ一族だわ!」

 

 やばい、この娘(梓と玲)はやくなんとかしないと!

 

 とはいえ、どうすればいいだろうか。

 

 考えているうちにも梓は玲になにか言い続けているが、それを玲は意にも返さずただただ見つめるだけで完全に自分に酔っている状態になっていた。

 

 しかし、僕が事態を収拾しようとするまでもなく梓が自己完結をしたようだ、

 

  「……………そーいえば、あんた春ちy……寺島君に抱きつこうとしてたわね?」

  「えぇそうよ、だって友人だもの」

 

 しかし、まだ本人たちのスイッチは入ったままだったようだ。

 

  「はっ!ゆっ友人?!」

  「じゃないと特定個人に抱きつかないでしょう」

 

 そして、いままで静かだった橘君がこちらをみながら言った。

 

  「友達《ダチ》ならさっさと言えよ」

  「ええ……だって梓が玲を見た瞬間にこの茶番を始めたから口を挟む隙がなかったんだよ。おまけにどんどんヒートアップしていく有様だったし……」

 

 まぁとりあえずっと、自己紹介から始めますか。(仕切りなおし)

 

  「えっと、まずはこっちの派手に抱きついてきた人が緋萩 玲で、僕の幼馴染」

 

 僕の幼馴染という単語に梓が食いついてきた。

 

  「おっ幼馴染ぃ!?」

 

 そんなに驚くことだろうか、僕が中学生だったころは少なくともここまで幼馴染という単語に反応を示してきた同級生はいなかったはずだ。

 

  「ところで、梓?何をそんなに驚いてるの?」

  「そのようすだと、知らないようだから教えてあげるわ。この学園の風紀委員長がとっても厳しくて恐い人なんだけど、学年は私たちの一個上なのにもかかわらず風紀のためなら上級生にも屈しない活動をしていることで有名な人がいるんだけど、ここまで言ったらわかるわよね?」

  「ああ、酉李のことか…。」

 

 

 

 

 

 




まだまだ更新して、第一部分は長くなる予定です。自分がPCに触れられない時間が多いので、
更新は亀更新になると思います。すいません。
 2014/02/27 新しいのを追加しました。(1話内に)
 2014/03/01 更新がうまくいってませんでした。↑
2014/05/16 更新しました。4000字くらい・・・。
最近、更新サボリぎみですが、失踪はしていません。
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