「ふっ、ふっ、ふっ。」
「あははははぁ…。」
「あーはっはは!」
誰かの笑い声を聞いて私は目を開けた。真上には暗闇が続いていて、砂嵐が起きていた。
「ここは?」
私は地面に手をつけて起き上がった。
「うわ!」
私はその瞬間、思いもよらないことが起きていた。私はその場に浮いていた。でも、立つことができた。
「どうなっているの?」
とにかく不思議だった。何もかもが理解ができなかった。
「ふふふっ…。」
目の前の暗闇からヒールの音と共にこの笑い声がした。
「…もしかして、そこにいるの?姉さん。」
「見つけたぁ。アリナだけのキュートな妹。」
「姉さん!」
そこにいたのは姉さんだった。
「なんでここにいるの?みんなはどこに行ったの?」
「ふーん、他の魔法少女を探してるんでしょう?」
「…何か知っているんでしょ。すぐに答えて!」
「魔法少女はみんな、いなくなっちゃった。」
「え?」
「そう!誰もいないの。あなたの大事な人たちもね。」
「まさか、鶴乃さんやももこさんも…。」
「…あはははは!」
「何が面白いの?みんなあなたのせいでいなくなっちゃったのに。」
「アリナのせい?何を言ってるの?」
「どういうこと?」
「これはアリナがやったことじゃない。全部アナタのせい。」
「私が何をした、って言うの?」
「アナタは何も覚えていないの?アナタはそのパワーで魔法少女をみんな消し去ったってワケ。」
「!」
「マーベラス!もうエキサイトしちゃうよネ。アナタが信頼していた仲間たちを自分の手で殺っちゃうなんて。あぁ…なんてオモシロいストーリーなの!」
「そんなことはない。」
「はぁ?」
「そんなはずがない!」
私はすぐに魔法少女に変身して姉さんに殴りかかった。
姉さんの顔にストレートパンチが効いた。しかし、突然黒い煙がでてきて私の周りを包み込んだ。
「悔しかったらアリナたちのところに帰ってくればいいネ。神浜のどこかにいるから。」
「絶対にあなたを倒してやる。必ず、必ず!」
次第に煙が濃くなり、視界が奪われた。
また、目を覚ました。ぼやけた目に映った天井はあまりにもきれいだった。少なくとも万々歳じゃない。私の部屋はカビがいろんなところについていて、寒い。でも、ここは清潔で窓際なのに暖かい。
「ここは?」
とにかく、ここから出てお礼をしに行かないと。
「あら?もう起きたの?」
「え?」
声の主はやちよさんだった。
「やちよさん、どうしてここに?」
「どうして、っていろはに頼まれたからよ。」
「いろはさんがやちよさんに?」
「いろはがあなたが突然気を失ったから、って言って一緒に病院に連れていったのよ。」
「そうなんですか。ありがとうございます。」
「あなた、何故いろはに近づいたの?」
「別に近づいた訳じゃ…。」
「これ以上、わたしたちに関わらないで。」
「え?」
「ももこたちから聞いたわ。マギウスのウワサに苦戦したそうね。」
「………。」
「ねぇ、何でわたしたちに付いていかないの?」
「それは…。」
「ずっと思っていたのよ。わたしたちにじゃなくてももこたちのチームに入りたがるのは何故か。わたしは考えたの。あなたはマギウスなんじゃないか、っと。」
「………。」
「わたしたちはマギウスと直接会った。でも、あなたは一緒に行くことなくももこたちと行動した。何故そうしたのか。それは、あなたがマギウスの翼だからよ。マギウスからももこたちと行動を共にして情報を漏らそうと思ったんでしょ。」
「そんなことは…。」
「そうでなければ、わたしたちと一緒に行くはずよ。目的は一緒だからね。」
「違い…。」
「それに、証拠もある。」
「!?」
「さなが言ってくれたわ。あなたがマギウスの翼にいた、って。」
「さな?誰ですか?」
「アリナと関係を持っている魔法少女よ。彼女はアリナによって捕らえられていたから、マギウスの情報の一部がわかるのよ。」
「待って下さい!さな、っていう人は知りません。何かの勘違いです。」
「どうかしらね。いつかあなたは真実を言う時が来るわよ。今言わなかったこと、後悔するわよ。」
そういい残してやちよさんは病室を出ていった。
「何だったんだろう?あの人やっぱりヘンなひとだなぁ。」
さっきの夢もやちよさんのあの発言も、いったいなんだったのだろうか。そう考えてるうちにまたドアが空いた。まだ言い足りなかったのか?
「ゆきちゃん!」
「いろはさん。」
やってきたのはいろはさんだった。
「ゆきちゃん、大丈夫?突然倒れたから心配したんだよ!」
「あの、さっきやちよさんがお見舞いに来てくれたんですが、私をここまで運んでくれた、って…。」
「うん。やちよさんや辺りの人たちが助けてくれたの。わたし一人じゃ何もできなかったよ。」
「そうだったんですか。」
やちよさんが言ってたことは本当だったんだ。なんか、みんなに迷惑かけてばっかりだなぁ。私って本当は邪魔者なのかな?
「ところで、ゆきちゃん。」
「はい?」
いろはさんはあらたまった顔をして私に話しかけた。
「ゆきちゃんは、マギウスなの。」
「!」
信じられなかった。いろはさんは私の味方だと思ったのに!
「別にね!疑っているわけじゃないの。やちよさんが直接聞いてきて、って無理矢理言われたの。わたしは全くそんなこと思ってないよ。」
「………。」
一瞬びっくりしたが、やはりやちよさんか。
「やちよさんに伝えてください。」
「え?」
「退院したら、決着をつけましょう、って。」
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