アリナの妹   作:時間遡行者

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第16話

みかづき荘で行方不明の鶴乃さんを探すためにさなさん抜きの作戦会議が始まった。

 

「それで、どうするんだよやちよ。鶴乃がいるところに心当たりは無ぇのかよ。」

 

「正直なところ、全くと言うほど無いわ。」

 

「なんだよ。」

 

「鶴乃ちゃんはどこにいっちゃったんでしょう?」

 

「多分、マギウスの本拠地に幽閉されてるのかもしれません。もしもウワサの拠点にいたとするなら、救出するには簡単に終わってしまうでしょう。」

 

「その本拠地がどこにあるかわかる?」

 

「…わかんないです。あのときは逃げることで必死だったので。」

 

「…どうしたものかしら。」

 

私を含めてみんなが悩んだ。どうしても名案が思いつかない。わかっているのはマギウスが鶴乃さんを捕えたことだが、そんなことは周知の事実だ。

 

「こうなったら…。」

 

「?」

 

「?」

 

「?」

 

突然いろはさんが立ち上がった。

 

「神浜のうわさ全部を調べましょう。きっとどこかに鶴乃ちゃんはいるはず。」

 

「…でも、このあたりのウワサ、って何個あるんですか?」

 

「結構の数があるわよ。」

 

そう言ってやちよさんは派手に飾り付けされたまるで国語辞典のような青い本をみんなの前に出した。

 

「これは?」

 

「あぁ、ゆきにみせるのは初めてだったわね。“ウワサノート”よ。」

 

「“ウワサノート?”」

 

「わたしが今まで集めてきたウワサや都市伝説を書き留めたノートよ。」

 

「へぇ~、こんなにいっぱいウワサがあるんですね。」

 

私はそのノートを手に取って読んだ。見開き1ページ1ページにびっしりとウワサや都市伝説のことを書いてあった。新聞の切り抜きや現地の写真が貼られている。そこに追加情報を入れてより分かりやすくしている。ただ見づらい。元の情報量が多いので追加情報が書いてるのであろう場所は文字が潰れていて読めない。

 

「………。」

 

それにしても、これ全部を調べるには人手が足りなさすぎる。どうすれば…。

 

「とにかく、ここにあるウワサを全て調べましょう。」

 

「…そうするしかないわね。」

 

「やちよさん、こんなに多くのウワサたちをどうやって捌くんですか?」

 

「そうね、神浜の西側は十七夜に相談しましょう。東側はわたしたちとももこたちに協力をあおぎましょう。」

 

「十七夜さんはやちよさんと仲がいいんですよね。」

 

「それは最近のことよ。」

 

「…ならば、この地図を使ってそのウワサのポイントをマークしましょう。」

 

 

 

数時間後、全てのウワサや都市伝説をマーキングした。すると、

 

「あ!」

 

いろはさんが突然大きい声をだした。

 

「どうしたんですか?」

 

「この場所だけなんか空いてないですか?」

 

「あっ!」

 

そのときとんでもないことがわかった。1ヶ所だけウワサや都市伝説がない場所があった。

 

「どういうこと?」

 

「この場所は…病院?」

 

「いろは?」

 

「多分…ここは里見メディカルセンター?」

 

「たしか、ねむたちがいた病院ね。」

 

「え?じゃあもしかして…。」

 

「でも、ここには何もないわよ。」

 

「…でも。」

 

いろはさんはうつむいてしまった。確かに、みふゆさんや姉さんたちがいそうなところではあるけど、ここにいる証明がない。

 

「いろはさん、私も気になりますが一度後回しにしましょう。鶴乃さんを見つけることが先だと思います。」

 

「…うん。」

 

なんとかいろはさんを説得することができた。

 

「とにかく、神浜のウワサなどをくまなく探すわよ。」

 

「………?」

 

あれ?なんでたろう、何かおもいだせそうな…。

 

「ゆき?どうしたの?」

 

「…ゆう…。」

 

「?」

 

「どうしたんだよゆき?」

 

そうだ、あれだ!

 

「遊園地!」

 

「うわ!」

 

「うわ!」

 

「うわ!」

 

「え!?」

 

自分もびっくりしてしまった。

 

「何よいきなり!」

 

「す…すみません。じゃなくて、遊園地ですよ。」

 

「どういうこと?」

 

「私がホテル・フェントホープにいたとき、姉さんがよく行ってたところです。」

 

「それは本当なの?」

 

「姉さんがそう言ったんです。もしかしたらマギウスがそこにいる可能性があります。」

 

「となると、行く理由はあるわね。」

 

「じゃあ、行きましょう。鶴乃ちゃんを助けましょう。」

 

「ええ、そうしましょう。だけど、その前に休みましょう。みんな疲れたでしょう?」

 

ふと壁掛け時計を見たら午後8時ちょうどをさしていた。

 

「なら、鶴乃さんを助けるのは明日の夜ですね。」

 

「みんな、多分明日はこれまで以上に凄まじい戦いになるわ。十分に休みなさい。」

 

「では、わたしはお先に。」

 

いろはさんが立ち上がるとフェリシアさんも立ち上がった。

 

「オレも寝るぞ。マギウスをぶっ潰すために力を蓄えないとな。」

 

いろはさんとフェリシアさんは二階に行った。

 

「あなたはどうするの?」

 

「…明日、姉と決着つけます。」

 

私はそう言い残して二階に行った。

 

 

 

「明日の夜、姉さんに引導をわたしてやる。」

 

絶対に姉さんを倒して、これまでやってきたことを後悔させてやる。待ってなさい、アリナ・グレイ。

 

「みかづき荘のみんなと姉さんを殺ってねむちゃんたちを正気にもどしてやる。」

 

そのとき、私はそっと願った。みんなとずっといたい、っと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、最終回です。
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