神算鬼謀の狼狐   作:瀧音静

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 まぁ、またノゲラです。
 最初に書いてたノゲラ二次の蛇足を書き終えてないのに、思い立ったので書いたとか言うアホ丸出しの所業。
 そんなバカにまた付き合っていただけると幸いです。


チートプレイ

 『  (くうはく)』が――いや、二人を含めた計七名が、『盟約に誓って(アッシェンテ)』始めた勝負の最中。

 捕らえられ、徴収された巫女の魂。

 その魂漂う闇の中、夢から醒めてしまった彼女は自問する。

 コレでよかったのか、と。そんな自問は自問故に答えられるのは自分のみ。

 しかし、問うた時は今より遙か前。夢から醒めてすらいない、夢見る少女の時である。

 いや――見るどころか望んだだけの、そんな少女の問いかけは。

 今まで常に心のどこかで渦巻いて、されどそれは、首を振って考えないようにして。

 世界が何も変わっていないのならば、自らの手で変えてみせる、と。

 そんな幼き日の想いに再び浸ると同時に、当時のことを思い出す。

 迫害された金色狐、その最後の生き残り。

 唯一の『武器』は『血壊』個体と言う事だけ。

 そんなスタートに立たされた、当時の記憶を――

 

 

「さぁて、何から手ぇ付けるとしよか」

 

 スタートライン、そう呼ぶにはあまりにも手前過ぎるその地点で。

 一人笑うは金色の狐。

 年端もいかぬ少女の胸には、背景には――彼女を示す名前(きごう)は無く。

 何者でも、何者とも呼ばれぬのだから、何者にでもなれるだろう――成ってみせる、と意気込んで。

 夢見る少女は……先ほどまで夢見た少女は――行き倒れていた。

 具体的にぶっちゃけると、今この瞬間にも息絶えそうだった。

 そうにまで至った、決して逆らえぬ()()

 十の盟約、唯一神、定石、必然。

 それらすべてを、()()だと断じた瞬間――声が、響いた。

 何故? と。

 死ぬまでの暇潰し。そう思って始めたその何故への問答は。

 延々と続く不毛な議論へと変化して。

 結局、アホらしくなった、と瀕死の身体で立ち上がり、笑う少女によって断ち切られた。

 確信は無かった。けれど、希望はあった。

 故に、

 

「あてと勝負や。あてに勝ったら、こん身体、死ぬまで依代に使いよし」

 

 そう、持ちかけた。

 それが最初の一歩目。

 スタートラインにようやく立てた、金色の狐の物語の最初(はじめ)

 初手から策謀が果たして定石か? と問われれば、何人かは首を傾げるかも知れないが。

 

「くかか! 騙されるほーが悪いんわ、この世(いま)の常識やで?」

 

 勝負のあと、まんまと相手に勝利させ、その『神髄』を自らの内に縛り付けた狐は。

 自身の脳内へと抗議を重ねる少女へと、そう返す。

 前代未聞のイカサマ――『神髄』を、その身に繋いだ狐は笑う。

 そんな気は無かったにせよ、『定石(せかい)』に挑む勇気を与えられた、その事実に。

 かくして、物語は動き始める。

 これは、まだ連合に至っていない、東部の島々で起きた物語。

 『嵐』と称された存在の、その記憶である。

 

 

「とはいえ、何から始めよかね」

(汝、あれだけ大言壮語を吐いて、よもや無策か?)

「やることは決まっとる。けど、それが多過ぎるんよ。何から手ぇ付けるんが最善手かっちゅー話やが――うん?」

 

 スタートラインからの一歩目に金色の狐が迷っていると。

 ふと、気配を感じて振り返った。

 

「誰や!?」

 

 迫害されていたが故に味方など居るはずも無く、当然敵意は剥きだして。

 そう問いかけた彼女の前に姿を見せたのは――

 

「銀色狼? まだ生き残りが居たのけ」

 

 自分と同じく迫害されていたはずの、銀色狼。

 噂ではとっくに滅びたと聞いたが、眼前に立っていたのは紛うこと無きその種族であった。

 歳は狐より少し上だろうか。 種族名に恥じぬ銀色の髪を月明かりに(なび)かせて。

 佇む存在の思惑は――

 

「貴方も、『定石(せかい)』を壊そうと?」

 

 いきなり、核心を問うた。

 風に消え入りそうなそんな声も、獣人種(ワービースト)の五感でしっかりと聞き取った狐は。

 『血壊(ぶき)』を使った。

 さらに五感を研ぎ澄ませ、手札を増やそうとした彼女はしかし。

 そこから伝わる情報に、思わず眉を潜めた。

 

「なぁ、あんた――もしかして」

 

 少女の居た巫鴈(かんながり)にどうやって侵入してきたか。

 それを探ろうとしたのだが……予想は――外れた。

 

「『血壊』個体ちゃうん?」

 

 五感を研ぎ澄まし、合間を縫って侵入してきたかと思ったが、狐の五感には『血壊』を示す反応は無かった。

 ――が、

 

「いいえ? 『血壊』個体ですよ? ただし――身体能力は上がらないんですよ」

 

 おどけたように言う狼は、線のように細い、開いているかすら定かではない目をさらに細めて、自嘲気味に呟いた。

 身体能力が上がらない『血壊』。そんなもの、使い道など――

 

「むしろ、だからやろか? ここに入り込むんに、どんだけ思考を回したん?」

 

 一つしか無い。

 策を弄して、道を切り開くしか。

 

「必要な分だけ。そして、そのお陰でこうして貴方と顔を合わせることが出来ました」

 

 淡々と語るが、果たしてそれがどれだけの苦労か。

 

「ほんなら、何の用や? まさか顔を見ることだけが目的やあらへんやろ?」

 

 警戒を最大限に高めながら。意識を決して逸らさぬように。

 そうして狼の一挙手一投足に注意をしていると、

 

「目的は、先ほど尋ねた事ですよ。同士が……もっと言えば仲間が欲しいんです。『定石』を覆すために」

 

 届いた言葉は、思わず食いつきそうになる甘い餌。

 そんな都合のいいことが起こりえるだろうか。

 

(何故にそこで疑うか?)

(無条件な訳あらへんからな。あんたも痛感したやろ? 甘言には裏があるもんや)

(汝を謀って何の利があるか)

 

 確かに、そう一瞬考えた狐は――だが。

 狼が出てきた、気配を現したタイミングを思い出して辿り着く。

 『神髄』をその身に繋ぎ、イカサマを仕込んだ直後の、そのタイミングを。

 何故そこで姿を見せたのかを。

 

(利用する気満々っちゅーことか。んなら早々にお引き取りを――)

 

 そう考えた時。

 狼から、一つの提案がなされた。

 

「ゲームをしませんか?」

 

 と。




 さて、もう書いてしまったし、仕方無い仕方無い。
 うん。書きかけのノゲラ二次もちゃんと書きますので、何卒、何卒。
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