最初に書いてたノゲラ二次の蛇足を書き終えてないのに、思い立ったので書いたとか言うアホ丸出しの所業。
そんなバカにまた付き合っていただけると幸いです。
『
捕らえられ、徴収された巫女の魂。
その魂漂う闇の中、夢から醒めてしまった彼女は自問する。
コレでよかったのか、と。そんな自問は自問故に答えられるのは自分のみ。
しかし、問うた時は今より遙か前。夢から醒めてすらいない、夢見る少女の時である。
いや――見るどころか望んだだけの、そんな少女の問いかけは。
今まで常に心のどこかで渦巻いて、されどそれは、首を振って考えないようにして。
世界が何も変わっていないのならば、自らの手で変えてみせる、と。
そんな幼き日の想いに再び浸ると同時に、当時のことを思い出す。
迫害された金色狐、その最後の生き残り。
唯一の『武器』は『血壊』個体と言う事だけ。
そんなスタートに立たされた、当時の記憶を――
◆
「さぁて、何から手ぇ付けるとしよか」
スタートライン、そう呼ぶにはあまりにも手前過ぎるその地点で。
一人笑うは金色の狐。
年端もいかぬ少女の胸には、背景には――彼女を示す
何者でも、何者とも呼ばれぬのだから、何者にでもなれるだろう――成ってみせる、と意気込んで。
夢見る少女は……先ほどまで夢見た少女は――行き倒れていた。
具体的にぶっちゃけると、今この瞬間にも息絶えそうだった。
そうにまで至った、決して逆らえぬ
十の盟約、唯一神、定石、必然。
それらすべてを、
何故? と。
死ぬまでの暇潰し。そう思って始めたその何故への問答は。
延々と続く不毛な議論へと変化して。
結局、アホらしくなった、と瀕死の身体で立ち上がり、笑う少女によって断ち切られた。
確信は無かった。けれど、希望はあった。
故に、
「あてと勝負や。あてに勝ったら、こん身体、死ぬまで依代に使いよし」
そう、持ちかけた。
それが最初の一歩目。
スタートラインにようやく立てた、金色の狐の物語の
初手から策謀が果たして定石か? と問われれば、何人かは首を傾げるかも知れないが。
「くかか! 騙されるほーが悪いんわ、
勝負のあと、まんまと相手に勝利させ、その『神髄』を自らの内に縛り付けた狐は。
自身の脳内へと抗議を重ねる少女へと、そう返す。
前代未聞のイカサマ――『神髄』を、その身に繋いだ狐は笑う。
そんな気は無かったにせよ、『
かくして、物語は動き始める。
これは、まだ連合に至っていない、東部の島々で起きた物語。
『嵐』と称された存在の、その記憶である。
♣
「とはいえ、何から始めよかね」
(汝、あれだけ大言壮語を吐いて、よもや無策か?)
「やることは決まっとる。けど、それが多過ぎるんよ。何から手ぇ付けるんが最善手かっちゅー話やが――うん?」
スタートラインからの一歩目に金色の狐が迷っていると。
ふと、気配を感じて振り返った。
「誰や!?」
迫害されていたが故に味方など居るはずも無く、当然敵意は剥きだして。
そう問いかけた彼女の前に姿を見せたのは――
「銀色狼? まだ生き残りが居たのけ」
自分と同じく迫害されていたはずの、銀色狼。
噂ではとっくに滅びたと聞いたが、眼前に立っていたのは紛うこと無きその種族であった。
歳は狐より少し上だろうか。 種族名に恥じぬ銀色の髪を月明かりに
佇む存在の思惑は――
「貴方も、『
いきなり、核心を問うた。
風に消え入りそうなそんな声も、
『
さらに五感を研ぎ澄ませ、手札を増やそうとした彼女はしかし。
そこから伝わる情報に、思わず眉を潜めた。
「なぁ、あんた――もしかして」
少女の居た
それを探ろうとしたのだが……予想は――外れた。
「『血壊』個体ちゃうん?」
五感を研ぎ澄まし、合間を縫って侵入してきたかと思ったが、狐の五感には『血壊』を示す反応は無かった。
――が、
「いいえ? 『血壊』個体ですよ? ただし――身体能力は上がらないんですよ」
おどけたように言う狼は、線のように細い、開いているかすら定かではない目をさらに細めて、自嘲気味に呟いた。
身体能力が上がらない『血壊』。そんなもの、使い道など――
「むしろ、だからやろか? ここに入り込むんに、どんだけ思考を回したん?」
一つしか無い。
策を弄して、道を切り開くしか。
「必要な分だけ。そして、そのお陰でこうして貴方と顔を合わせることが出来ました」
淡々と語るが、果たしてそれがどれだけの苦労か。
「ほんなら、何の用や? まさか顔を見ることだけが目的やあらへんやろ?」
警戒を最大限に高めながら。意識を決して逸らさぬように。
そうして狼の一挙手一投足に注意をしていると、
「目的は、先ほど尋ねた事ですよ。同士が……もっと言えば仲間が欲しいんです。『定石』を覆すために」
届いた言葉は、思わず食いつきそうになる甘い餌。
そんな都合のいいことが起こりえるだろうか。
(何故にそこで疑うか?)
(無条件な訳あらへんからな。あんたも痛感したやろ? 甘言には裏があるもんや)
(汝を謀って何の利があるか)
確かに、そう一瞬考えた狐は――だが。
狼が出てきた、気配を現したタイミングを思い出して辿り着く。
『神髄』をその身に繋ぎ、イカサマを仕込んだ直後の、そのタイミングを。
何故そこで姿を見せたのかを。
(利用する気満々っちゅーことか。んなら早々にお引き取りを――)
そう考えた時。
狼から、一つの提案がなされた。
「ゲームをしませんか?」
と。
さて、もう書いてしまったし、仕方無い仕方無い。
うん。書きかけのノゲラ二次もちゃんと書きますので、何卒、何卒。