僕の中のリクサラを書き切りたいと思います。よろしくお願いします。
学校が終わり放課後、ミカミ・リクとヒダカ・ユキオはいつものようにガンダムベースへ向かっていた。
「今思うと凄いよね、あんな戦いがあったなんて」
「もう2ヶ月も前だもんなぁ」
第二次有志連合戦、暴走したレイドボスとの戦いが終わりサラが俺達の世界に来れるようになった。
その戦いから2ヶ月経ったある日、リクとユキオは当時のことを思い返していた。何故か、と聞かれると自然な流れでそうなっていたのだ。
学校帰りにいつものようにガンダムベースに行くとサラが笑顔で迎えてくれる。今では日常になってる光景だが昔……当時では考えもしなかったことだ。
「僕らみたいな普通の学生があの中心にいただなんて……何かの作品に入ったみたい……」
隣を歩くユキオはあの激戦を思い返しながら軽く感動に浸ってるようだ。
「それにさ!」
「わっ」
急に肩を掴まれ驚くリクを気にすることなく今度は興奮気味のユキオは鼻息を荒くしながら語る。
「最後のリっくんとサラちゃんなんてそれはもう物語の主人公とヒロインそのものだよ! いやー、思い出しただけでも感動するなぁ」
「あ、あはは……(感動したり興奮したり、忙しいなぁ)」
苦笑いするリクだが本人も当時のことを思い返す。
あの時は無我夢中だった。ただサラを助け出したくてという一心だけで行動しているようなものだったから。
「主人公とヒロイン、か」
今まで考えたこともないような言い方をされて内心驚く。
でも、どの作品の主人公達もあんな思いで必死に手を伸ばしていたのかな、なんて考えるのは少し楽しいというか胸が熱くなるものはある。
そんな中「あー」とユキオは何か思い出したように口を開く。
「……そう言えばリっくんってさぁ」
「ん?」
「サラちゃんのことどう思ってるの?」
「……サラ?」
突然の質問に意図が全く分からずに微妙なトーンで返事をしてしまう。
「あ、いや、別にどうってわけじゃなくて少し気になって」
なんかややこしい言い方だな、というのが先に思ったことだった。
「大切な仲間だって思ってるよ。それはユッキーも同じだろ?」
「そうだけど……」
口篭らせるユキオはまるで別の回答を待ってるようにも思えた。しかしリクにはユキオがどんな回答を求めてるのかが分からない。
「……好き、なのかなぁ……って」
「? 好きだぞサラのこと」
何故か照れるユキオとは真逆にリクは真顔で返す。
「もちろんユッキーもモモも、コーイチさんやアヤメさん、ナミさん、みんな好きだ」
「あ、あぁ……そういう……。うんうん、そうだよね、リっくんはそういう人だよね……」
一瞬期待に満ちた目を向けられるがすぐに冷めたように肩を落とされる。
リクとしては普通に答えたつもりだったが、その答えはユキオの待ち望んでいたのとは遠くかけ離れていた、らしい。
1人混乱するリクをよそにユキオはとぼとぼと歩き始める。
訳の分からないリクはそんな親友の背中をただ追いかけた。
「え、お、おい! どういうことだよユッキー! 言わないと分からないだろー!」
「リク!」
「おわっ」
「リク待ってた!」
「だから危ないってサラ。受け止めれなかったらどうするの」
「? リクならちゃんと受け止めてくれるでしょ?」
「いやそうだけどさ」
そのやり取りを少し離れた場所で見ていたユキオは自然と呟く。
「……これだよ」
「お、ユキオくんこんにちは。来てたんだね」
「コウイチさん……」
その呟きに反応、した訳ではないだろうがこのガンダムベースの店員でありリク達のフォース ビルドダイバーズのメンバーの1人であるナナセ・コウイチがユキオに声をかけた。
「どうしたんだい元気がないように見えるけど」
「まぁなんというか……」
ユキオが一点を見つめてるのでそちらに視線を向けるコウイチ。視線の先にはいつものやり取りをしているリクとサラが笑顔で会話をしている。
「リクくんとサラちゃんがどうかしたのかい?」
「……あれで付き合ってないんですよ?」
素朴な疑問。コウイチはユキオの言葉に対し「あー」と声を漏らす。
「あの2人はそういった感情はなさそうだもんねぇ」
「それは分かってるんですけど……見ててモヤモヤしません?」
「…………まぁ」
返ってきたのは間を置いた返事。しかしその間は肯定の意を含むもので、コウイチもそう思ってることの証明でもあった。
実際にあの2人が知ってるかどうかは分からないが、GBN内でそういう噂は広まっている。
第二次有志連合戦での最後の抱き合うのだったり、戦闘中継でよく映る2人一緒にコクピットに乗るのだったり、サラが手を重ねるのだったり……例を上げるとキリがないくらいだ。
「だけど」
コウイチは2人を優しい目で見ながら言う。
「そういうのは2人がそれに気付いた時に背中を押してあげようよ。無理に気付かせても、変に焦りそうなだけだし」
「そう、ですね……。なんかすいません、変なこと聞いちゃって」
「別にいいさ、ユキオくんくらいの年齢ならそういう感情は普通だよ」
珍しく頭をポンポンと軽く叩かれながら言われる。そうして会話が終わったところでリク達の場所へ戻るユキオとコウイチ。
あの2人がそういう感情に気付くのはまだまだ先の話なのだろう。そう、この時は思っていた。