新しい“好き”という気持ち   作:小鴉丸

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ep 03 お泊まりの夜に(モモカ編)

 GBNからログアウトしてフロアに向かうと、1人の少女がガンダムベースに走りながら入ってくるのが見えた。

 

「サーラーちゃーん!」

 

 リクと同じ学校の制服を着てるその少女、ヤシロ・モモカはガンダムベースに入るや否や、真っ直ぐに肩乗せてるサラの元へ駆け寄ってきた。

 

「会いたかったよ〜!」

 

 最近のモモカは部活であるサッカーの試合が近いらしく、そちらに力を入れている。そのため、平日は中々GBNにログインする時間がない。

 しかし、こうして部活帰りにはガンダムベースに寄ってサラを迎えに来るというのはしている。

 

「お疲れモモカちゃん、最近頑張ってるんだって?」

 

「はい! やるからには勝たないと! ですからね!」

 

 ビシッと拳を突き出すポーズをするモモカ。

 

「応援してるよモモカちゃん!」

 

「ありがとうユキオくん! 試合、絶対勝つよ!」

 

 応援を貰ったモモカはそれはそれ、というようにリク──正確にはサラだが、の方を向き直す。

 

「さぁサラちゃん!」

 

 妙に興奮気味のモモカは、手を広げてサラを受け止める体勢をとる。

 しかしリクは肩に乗せてるサラを、自分の手に乗せてモモカに渡した。

 

「もう〜。リクくんってば心配性〜」

 

「別にいいだろ、一応だって」

 

 帰る準備をしながら流すように答えるリク。

 そんなリクに少し不満そうなモモカは、サラに向かって今夜何をするかを話し合っていた。

 

「いいもんいいもーん。今夜は私がサラちゃんと遊ぶんだからー。ねー、サラちゃん」

 

「うんっ」

 

「あー……まぁいいや。ユッキー、モモカちゃん、サラ、暗くなる前に帰ろっか」

 

 何かを誤魔化すかのように頭を掻き、リクはユキオとモモカに帰るように促す。

 

「はーい」

 

「そうだね」

 

「それじゃあコウイチさん、失礼します」

 

「うん、また今度だね。気を付けて帰るんだよ」

 

 コウイチの言葉に4人で「はーい」と返しガンダムベースを出ていった。

 

「いつも仲良しだねぇ」

 

「おわっ。急に出てくるなよ」

 

 そんな4人の姿を少し離れた場所から見ていた、ガンダムベースのもう1人の店員でありコウイチの妹であるナナセ・ナナミがぴょん、と現れる。

 

「急もなにも、元々私ここにいたんですけどー?」

 

「今さっき奥から来ただろ」

 

 ナナミの嘘に対して冷静に返すコウイチ。

 

 嘘がバレたナナミは、バツが悪そうに舌を出し「ごめんごめん」と軽い様子で謝る。

 

 先程までナナミは在庫の整理をしていた。

 コウイチもここで働いているが、やはり先に働いていたナナミの方がそういう作業は早く終わるからだ。

 

 ……見方を変えれば、一方的にコウイチが押し付けたように見えなくはないが。

 

「ほらほら、そんなことはどうでもいいから、閉める準備手伝って。アヤちゃんが居ないから今日はやる気ないでしょ」

 

「な──っ」

 

 予想外の名前を出され動揺するコウイチ。

 

 そんなコウイチを見て笑うナナミはしてやった、といったように笑っている。

 

「ナナミお前なぁ!」

 

「わー! お兄ちゃんが怒ったー!」

 

 再び店の奥に走り去って行く。

 

「全く……」

 

 ため息をつきながらコウイチも閉店作業に移ったのだった。

 

 

 

 

 

「どーーーーん!」

 

「わぁ!」

 

 モモカが自分の部屋に入るやベッドにダイブする。

 

「そして──キャーーーーッチ!」

 

 ぽすっ、と中に浮いていたサラを流れるように手で受け止める。

 

 その一連の流れが終わったあと、音がうるさかったのだろう「モモカー静かにしなさーい」と下からモモカの親の声が聞こえてきて、モモカが「ごめんなさーい!」と返事をした。

 

「モモ、いい匂いする」

 

「サラちゃんだっていつもいい匂いするよ〜」

 

 お風呂上がりのモモカは寝間着に着替えている。

 ピンク色の寝間着は、いかにもモモカという感じでとても似合っていた。

 

 2人でベッドに横になりながら他愛のない話に花を咲かせる。

 モモカは学校でのことを、サラはガンダムベース、GBN内でのことを、それぞれ話し合った。

 

 最近のモモカは部活の試合のこともあり、平日はリク達のようにGBNにログイン出来ない。なのでこうしてサラにどんなことがあったのかを聞いたりしている。

 逆にサラはモモカの学校での話に興味津々だ。

 それはやはり、自分の足の届かない場所というのもあるが、サラ自身、学校でのリク達がどんなふうなのか気になってるからである。

 

 こういった会話はアヤやナナミの家に泊まった時も同じである。

 

「モモが話してる時、とても楽しそう」

 

 ふとサラがそんなことを言う。

 

「そりゃそうだよ楽しいんだもん! サラちゃんも毎日を楽しそうに話すじゃない? それと一緒」

 

 笑顔で答えるモモカにつられ、サラも思わず笑顔になる。

 

「うん、私も毎日が楽しい」

 

「でしょー?」

 

 2人は話を再開する。

 

 まだ話し足りない、というようにモモカとサラは眠るまで話しを続けていた。

 

 

 

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