新しい“好き”という気持ち   作:小鴉丸

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ep 06 2人の関係

「あの時の話もいいけど、今の話もしよー!」とゼンが言ったので、その後アークとゼン、そしてサラは会話を楽しんでいた。

 

 因みにコウイチは仕事に移りこの場から離れている。

 

 その話の内容は様々で、GBNでアークとゼンは今何をしているのか、サラはここで何をしてるのか、などのお互いに知りたいことや最近の出来事などを話し合って会話に花を咲かせていた。

 

「そういえば、なんで2人はここに私が居るって分かったの?」

 

 最初に思ったサラの疑問。

 

 別に隠してるわけでもないが、逆にみんなに言いふらしてるわけでもない。なのでサラとしては、どうしてこの場所が分かったのかが気になっていた。

 

「最初は風の噂、かなぁ。元々は俺が小耳に挟んだ程度の話だったんだけど、それを聞いたアークくんが必死に聞き回ってね。それで場所が分かったわけ」

 

「ちょ……ぜ、ゼンくん!」

 

 ゼンが話すのを恥ずかしそうに止めようとするアーク。しかし、ゼンは話すのをやめなかった。

 

「アークが?」

 

「その時は俺も理由は知らなかったけど、何かをサラちゃんと話したかったみたいだね。まぁそれが、さっきの話なのは聞いてて分かったけどね」

 

 少し恥ずかしそうに話すゼンは照れ隠しに頬を掻いていた。

 

「アークにとってゼンはとても大切な仲間、だから。あの時、少ししか話してないけどそれはよく伝わってきたの分かる」

 

「〜〜〜〜っ! ありがとー! アークくん!」

 

 サラの言葉に感極まるゼンは目を逸らしつつ立っていたアークに抱き着く。

 

「な、なんやゼンくん!? 急に抱き着かんでもええやろ!?」

 

「だってアークくんがそんなに俺のこと大事にしてくれるなんて……嬉しくて〜!」

 

 真っ直ぐに気持ちを伝えられて恥ずかしいのかアークは、やはり目を逸らしつつも答える。

 

「……当たり前やろ。俺ら“ZAー∀Z(ザッズ)”は俺とゼンくんが2人一緒に居るからこそ意味がある……。俺達の……絆を、繋ぐんやからな」

 

「ありがとーアークくん!」

 

「あ〜も〜! 分かったからそろそろ離れてくれやゼンくん!!」

 

 ベタベタと引っ付くゼンを押しやるように手で押し返しながらアークも反撃する。

 そして話を逸らすために大切な仲間繋がりでサラに質問をした。

 

「そ、それ言うんならサラだって一緒やろ?」

 

「私?」

 

「ビルドダイバーズのリク。あの子がサラにとって大切な人なんやちゃうん?」

 

「うんっ。リクもみんなも大切な仲間」

 

 そこにアークから力づくで離されたゼンが加わる。

 

 ……余計な言葉を添えて、だが。

 

「それはそうでしょ。だってリクくんとサラちゃんは付き合ってるんだから」

 

「──ん?」

 

「??」

 

「え……?」

 

 ゼンの言葉に対し不思議そうに反応する2人。それを見てゼンも変に声を出してしまう。

 

「なんや……リクとサラって恋人同士やったんやな」

 

「え、あれ、違うの? あれで?」

 

 初めて知ったという感じのアークと冗談と思うゼン。

 そのことを確かめるべくゼンはサラに直接聞いてみた。

 

「サラちゃんってリクくんと付き合ってる……んだよね?」

 

「? 付き合う? 遊びになら前付き合ったよ?」

 

「えっとー……リクくんのこと好き?」

 

「リクのこと? 好きだよ?」

 

「…………」

 

 頭が痛くなり額を押さえるゼン。

 

 話が噛み合ってるけど噛み合ってない状態。おそらくこれは続けても意味がないのかもしれない。

 

 それを見越したアークが変わってサラに聞く。

 

「サラはリクが大切なんやな」

 

「うん、リクはとても大切な人。私と、一緒に居てくれるから」

 

 アークにとってのゼン、それがサラにとってのリクである。

 

「つーわけや、ゼンくん」

 

「えー……でもだって、あれ絶対恋人──」

 

「あーもう! ええから、今日ははよログインするんやなかったんか!」

 

「え、あ……アークくん、そんなに押さなくても……!」

 

 ドタバタと騒がしいままログインスペースへ2人が向かう。

 

「(……好き?)」

 

 2人が奥へ行ったあと1人残ったサラは先程ゼンに言われた言葉を考えていた。

 

 サラ自身、リクのことが好きだ。

 それはコウイチやユキオ、モモ、アヤメ、ナナミ……ビルドダイバーズのみんなやGBNで知り合った人達、ここガンダムベースで知り合った人達も、みんなが大好きだ。

 

 しかしどうやらゼンの言っていた“好き”はサラが思ってる“好き”とは違うらしい。しかし、サラはそれがどういう意味かが分からない。

 

「サーラーちゃん。……どうしたの、浮かない顔してるけど?」

 

「ナミ……」

 

 1人で悩んでいるところに作業の終わったナナミがサラの様子を見に来た。

 

「えっとね、アーク達と話してて少し分からないことがあったから悩んでたの」

 

「アーク……あぁ! さっきの2人組ね。それで悩んでることって? 私でよければ話聞くよ?」

 

 その言葉に「もしかしたら」と悩みをナナミに打ち明ける。

 

「ねぇナミ」

 

「うん」

 

「好き、ってなに?」

 

「うん?」

 

 サラの悩みに対しナナミは目を丸くする。

 それもそのはず、ナナミが思ってた悩みとかけ離れてた上に簡単なようでとても難しい悩みだったからだ。

 

「す、好き……好きかぁ〜」

 

 直前にどんな話をしたらサラがそんなことを悩むのか不思議に思いつつ、ナナミは考える。

 

 ひとえに好きと言っても2種類ある。よく使われることだが“like”か“Love”かというのだ。

 サラの場合おそらく“like”の意味合いが強いと思うが……。

 

「うーんとねー、あくまで私が思うにだけど、好きって言うのは安心する、って感じかな〜」

 

「安心?」

 

「うん。一緒に居ると安心する、心が落ち着く……あとは楽しいとかかな? そんな人のこと、かなぁ」

 

「それなら私はみんなが好き。楽しいし安心するもの!」

 

「ふふっ! そう言ってもらえると私達も嬉しいなぁ〜! あ、だけどねサラちゃん」

 

 そこでナナミは言葉を付け加える。

 

「あくまでこれは私の“好き”でその意味は人によって変わることが多いの。だから今度は他の人にも聞いてみてみるといいんじゃないかな」

 

 サラの“好き”がハッキリと分からない以上はナナミからは深くは言えない。なので少し卑怯かもだが他の人を頼ることにした。

 

 そのナナミの提案に納得したのかサラは頷いた。

 

「分かった! それなら今日リク達が来たら聞いてみる!」

 

「うんっ! いいんじゃないかな!」

 

 リク達がガンダムベースに来るまでの数時間、サラはとてもワクワクした様子でその時まで過ごしていた。

 

 

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