黒の剣士に憧れし者 連載中止   作:孤独なバカ

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ヒュドラ

「やっとここまできたか。」

「そうだな。」

 

次の階層で最初にいた階層から百階目になるところまで来た。その一歩手前の階層でハジメは装備の確認と補充にあたっていた。相変わらずユエは飽きもせずにハジメの作業を見つめている。というよりも、どちらかというと作業をするハジメを見るのが好きなようだ。今も、ハジメのすぐ隣で手元とハジメを交互に見ながらまったりとしている。その表情は迷宮には似つかわしくない緩んだものだ。

ついでに俺は軽くモンスターの肉を食べながらのんびりしている

ちなみに今の俺ののステータスはこうだ。

 

飯塚昴 17歳 男 レベル:87

天職 剣士

筋力 5000 

体力 3900

耐性 1000

敏捷 7500

魔力 2000

魔耐 2000

 

技能 二刀流[+剣舞] [+剣技][+神速][+精神統一] 隠密 直感 投剣 限界突破  魔力操作 胃酸強化 天歩[+空力][+縮地] 豪腕 夜目 遠見 気配感知[+範囲拡大] 魔力感知 空間把握 気配遮断 毒耐性 麻痺耐性 石化耐性 金剛 威圧 念話 無属性適正 言語理解

 

ハジメよりもステータスは高いことから多分職業次第でステータスの変化の違いがあることが予想されることを見てハジメが少し凹んでいたのだが

 

「んじゃいくか。」

「了解。」

 

全ての準備を終えた俺たちは、階下へと続く階段へと向かった。

その階層は、無数の強大な柱に支えられた広大な空間だった。柱の一本一本が直径五メートルはあり、一つ一つに螺旋模様と木の蔓が巻きついたような彫刻が彫られている。柱の並びは規則正しく一定間隔で並んでいる。天井までは三十メートルはありそうだ。地面も荒れたところはなく平らで綺麗なものである。

 

 

「技術は分からないけど幻想的だな。それと奥に行ったら大きな部屋らしきものがある。一応この地域はセーフティーゾーンだから警戒しないで良さそうだぞ。」

「そうなのか?」

「感知で感じた辺りではな。」

 

俺はすでに警戒を解いていることからハジメたちも解いたらしい

二百メートルも進んだ頃、前方に行き止まりを見つけた。いや、行き止まりではなく、それは巨大な扉だ。全長十メートルはある巨大な両開きの扉が有り、これまた美しい彫刻が彫られている。特に、七角形の頂点に描かれた何らかの文様が印象的だ。

 

「……これはまた凄いな。もしかして……」

「……反逆者の住処?」

 

 いかにもラスボスの部屋といった感じだ。実際、感知系技能には反応がなくともハジメの本能が警鐘を鳴らしていた。この先はマズイと。それは、ユエも感じているのか、うっすらと額に汗をかいている。

 

「ハッ、だったら最高じゃねぇか。ようやくゴールにたどり着いたってことだろ?」

「まぁ邪魔するものがいるのなら殺して食うだけだろ。」

「……んっ!」

 

と扉の前に行こうと最後の柱の間を越えた。

その瞬間、扉とハジメ達の間三十メートル程の空間に巨大な魔法陣が現れた。赤黒い光を放ち、脈打つようにドクンドクンと音を響かせる。

 

「どうやらラスボス戦らしいぜ。」

「おいおい、なんだこの大きさは?」

「……大丈夫……私達、負けない……」

「当たり前だろ。」

 

俺は剣を握り魔法陣はより一層輝くと遂に弾けるように光を放った。咄嗟に腕をかざし目を潰されないようにする。光が収まった時、そこに現れたのは……

 

体長三十メートル、六つの頭と長い首、鋭い牙と赤黒い眼の化け物。例えるなら、神話の怪物ヒュドラだった。

 

「「「「「「クルゥァァアアン!!」」」」」」

「うぉ。かっけ。」

 

不思議な音色の絶叫をあげながら六対の眼光がハジメ達を射貫く。身の程知らずな侵入者に裁きを与えようというのか、常人ならそれだけで心臓を止めてしまうかもしれない壮絶な殺気が叩きつけられた。

 

悪いが先手はもらうぞ

 

俺は白色の首に走りこんでいくと黄色の文様の頭がサッと入り込む

 

「邪魔だ。」

 

俺は両手の剣で切り落とそうとすると黄色に直撃する。しかし硬くてきれないことから多分防御力が優れているんだろう。すると白い光が包み込んだ。すると、まるで逆再生でもしているかのように頭が元に戻った。白頭は回復魔法を使えるらしい。

 

「……やばっ。ハジメ黄色首は盾役っぽい。俺が惹きつけるから白いやつから殺せ。ヒーラーだ。」

「っ了解。」

 

念話でハジメに送る。やっかいな奴は俺が全部引き受けるのが最近多くなっている

俺が黄色頭と戦闘をしていると次第にこっちに来る首の数が多くなっているのを感じる

回避に専念していると俺は諦めたように呟いた

 

「限界突破。」

 

初っ端使うのはもったいないって言っているべきではなく本当にピンチだった

それでも数はどんどん増えていき俺に襲いかかる数はすでに5体になっていた

俺は直感だよりに避け続ける。それほどに攻撃密度が高く俺が攻撃する暇がなくなっていた

やばいなと冷や汗をかいたところだった

 

「〝緋槍〟! 〝砲皇〟! 〝凍雨〟!」

 

 矢継ぎ早に引かれた魔法のトリガー。有り得ない速度で魔法が構築され、炎の槍と螺旋に渦巻く真空刃を伴った竜巻と鋭い針のような氷の雨が一斉にヒュドラを襲う。

 

「おせぇよ何してたんだよお前ら。」

「……ごめん。美味しかった。」

「……」

 

吸血か?まぁそれならいいけど

 

「とりあえずやられてないんなら頼む。俺限界突破使っているから。」

「……ん。任せて。」

 

「クルゥアン!」

 

 すると近くの柱が波打ち、変形して即席の盾となった。どうやらこの黄頭はサソリモドキと同様の技が使えるらしい。もっとも規模は幾分小さいようだが。

ユエの魔法はその石壁に当たると先陣が壁を爆砕し、後続の魔法が三つの頭に直撃した。

 

「「「グルゥウウウウ!!!」」」

 

 悲鳴を上げのたうつ三つの頭。黒頭が、魔法を使った直後のユエを再びその眼に捉えるが。

 

「おせぇよ。」

 

俺がその隙に三つの頭を真っ二つにする。

 

「ハジメ。」

 

「任せろ。」

 

 ハジメが〝纏雷〟を使いシュラーゲンが紅いスパークを起こす。弾丸はタウル鉱石をサソリモドキの外殻であるシュタル鉱石でコーティングした地球で言うところのフルメタルジャケットだ。シュタル鉱石は魔力との親和性が高く〝纏雷〟にもよく馴染む。通常弾の数倍の量を圧縮して詰められた燃焼粉が撃鉄の起こす火花に引火して大爆発を起こした。

 

ドガンッ!!

 

 大砲でも撃ったかのような凄まじい炸裂音と共にフルメタルジャケットの赤い弾丸が、更に約一・五メートルのバレルにより電磁加速を加えられる。その威力はドンナーの最大威力の更に十倍。単純計算で通常の対物ライフルの百倍の破壊力である。異世界の特殊な鉱石と固有魔法がなければ到底実現し得なかった怪物兵器だ。

発射の光景は正しく極太のレーザー兵器のよう。かつて、勇者の光輝がベヒモスに放った切り札が、まるで児戯に思える。射出された弾丸は真っ直ぐ周囲の空気を焼きながら黄頭に直撃した。

黄頭もしっかり〝金剛〟らしき防御をしていたのだが……まるで何もなかったように弾丸は背後の白頭に到達し、そのままやはり何もなかったように貫通して背後の壁を爆砕した。階層全体が地震でも起こしたかのように激しく震動する。

 

「終わったな。」

 

俺は剣をしまおうとすると

 

「ハジメ!」

 

 ユエの切羽詰まった声が響き渡る。何事かと見開かれたユエの視線を辿ると、音もなく七つ目の頭が胴体部分からせり上がり、ハジメを睥睨していた。思わず硬直するハジメ。

 

「ヤベェ。」

 

俺は全速力で向かおうとすると

 

全身が急に重くなったように感じる

 

やばっ。効果が

 

俺はすると体が重くなり意識を失っていく

そして暗闇の中に吸い込まれていった。

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