黒の剣士に憧れし者 連載中止   作:孤独なバカ

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ヒロイン入ります


脱出

「戻ってきたぞ、この野郎ぉおおおおおおおおおおおッ!!」

「んっーーーーーーー!!」

「……」

 

ハジメとユエは当然の流れのようにそのまま抱きしめ合い、くるくると廻り始める。

 

「はぁ。しゃーなし。」

 

ハジメたちがこんなんなので俺は紫と黒の剣を構える

気配感知には多数の魔物が引っかかりしかも囲まれている

このバカップルはどうでもいいので俺は息を吐き

高速で地を蹴った

 

とりあえず切れ味を確かめてみるか

俺はとりあえず剣を構え

 

「飯塚一刀流剣術覇刀。」

 

魔力の塊を乗せた剣撃が放つ。魔力消費がなくても剣撃を10mは飛ばすことに成功しておりライセンの大迷宮では俺主体の攻略になることが決定していた

するとバターみたいに切れるんだけど。

 

「幾ら何でも弱すぎないか?」

 

俺は切りごたえのないどころか一撃で倒れる敵に対して突っ込んでしまう。

すると声が聞こえていたのか知らないが俺に囲んで押し寄せて来る敵を威圧で黙らせる

 

「死ね。」

 

俺は斬り刻むと俺は少し息を吐く

これでとりあえずは蹴散らすことに成功したらしい。

俺は魔石を取りハジメの所に戻ると

 

「お前どこにって早くないか?」

「てめぇらがいちゃついているから周辺の敵を蹴散らしてきたんだよ。強さ。多分オルクスの大迷宮の勇者たちの方の90層くらいじゃないか?」

「てかお前刀なんて使えたんだな。」

「剣道は合わなかったけど元々居合とかは才能はあったらしいからな。少しは真剣は振ったことがあるんだよ。」

 

俺は刀を鞘に入れる。俺の利点は剣を多数操れることだ。

 

「さて、この絶壁、登ろうと思えば登れるだろうが……どうする? ライセン大峡谷と言えば、七大迷宮があると考えられている場所だ。せっかくだし、樹海側に向けて探索でもしながら進むか?」

「……なぜ、樹海側?」

「いや、峡谷抜けて、いきなり砂漠横断とか嫌だろ? 樹海側なら、町にも近そうだし。」

「……確かに」

「とりあえず調味料くらいは買いたいなぁ。一応いくつか宝物庫に食料は入れてきたけど一週間ぐらいしか持たないぞ。」

 

とりあえず移動するか

右手の中指にはまっている〝宝物庫〟に魔力を注ぎ、魔力駆動二輪を取り出す。

ハジメ作の地球のガソリンタイプと違って燃焼を利用しているわけではなく、魔力の直接操作によって直接車輪関係の機構を動かしているので、駆動音は電気自動車のように静かである。

しばらく魔力駆動二輪を走らせていると、それほど遠くない場所で魔物の咆哮が聞こえてきた。中々の威圧である。少なくとも今まで相対した谷底の魔物とは一線を画すようだ。もう三十秒もしない内に会敵するだろう。

その向こう側に大型の魔物が現れた。かつて見たティラノモドキに似ているが頭が二つある。双頭のティラノサウルスモドキだ。

だが、真に注目すべきは双頭ティラノではなく、その足元をぴょんぴょんと跳ね回りながら半泣きで逃げ惑うウサミミを生やした少女と必死にその少女を守ろうとしているウサミミの少女だろう。

 

「……何だあれ?」

「……兎人族?」

「なんでこんなとこに? 兎人族って谷底が住処なのか?」

「んなわけないだろ。元々温厚な性格だから樹林に潜んでいる種族って本には書いてあった。」

「じゃあ、あれか? 犯罪者として落とされたとか? 処刑の方法としてあったよな?」

「……悪ウサギ?」

「それならもう一人のウサギはなんだよ。短剣。あれ結構業物だと思うぞ。」

 

ハジメとユエは首を傾げながら、逃げ惑うウサミミ少女を尻目に呑気にお喋りに興じる。助けるという発想はないらしい。

すると戦っているウサギをみると

 

「は?」

 

俺はありえない現象に目を見開いてしまう

 

「やべぇ。あの戦っているウサギの気配全く掴めない。」

「……なっ?お前がか。」

 

ハジメが驚く。索敵に関してはこの中で一番俺が優れているのだ

 

「単純に無意識かもしれないけどこいつ純粋に隠密が俺並にあるぞ。」

「わぉ。それはやばいな。」

「……凄い。」

「だずげでぐだざ~い! ひっーー、死んじゃう! 死んじゃうよぉ! だずけてぇ~、おねがいじますぅ~!」

 

 滂沱の涙を流し顔をぐしゃぐしゃにして必死に駆けてくる。そのすぐ後ろにはもう一匹双頭ティラノが迫っていて今にもウサミミ少女に食らいつこうとしていた。

 

「うわ、モンスタートレインだよ。勘弁しろよな」

「……迷惑」

「お前ら。」

 

やはり助ける気はないらしい。必死の叫びにもまるで動じていなかった。むしろ、物凄く迷惑そうだった。まぁ正直同感だけど。助ける気がないと悟ったのか少女の目から、ぶわっと更に涙が溢れ出した。一体どこから出ているのかと目を見張るほどの泣きっぷりだ。

 

「まっでぇ~、みすでないでぐだざ~い! おねがいですぅ~!!」

「お姉ちゃん動かないでそいつ殺せない。」

「……なんでそのネタ知っているんだ。って」

 

ティラノは一匹討伐されていたところだった。っていうよりも持っている短剣に炎が纏っている

 

「固有技能か。」

「それもかなりの量の魔力を持っているらしいな。」

「……残念ウサギはともかく強いウサギは助けるべき。」

「はぁ。ちょっと斬ってくる。」

 

俺は少し刀を持つ。威力を抑えてちょっと控えめに

刀を握り居合のポーズをとり一瞬で斬り捨てた。

 

「えっ?」

 

鞘にしまうとティラノは真っ二つに斬れるがまだ死んではおらず動いている。

 

おっ。死んでいないのかそれならもう1撃。

と俺はもう一度居合を放とうとすると白眼を向きバタンと倒れる

 

「し、死んでます...そんなダイヘドアが一撃なんて...」

 

残念なウサミミ少女は驚愕も表に目を見開いている。どうやらあの双頭ティラノは〝ダイヘドア〞というらしい。

 

「大丈夫か?」

 

俺は声をかけると強いうさ耳少女は頰を赤く染め

 

「王子様!?」

「は?」

 

ぶっ飛んだことを言い始めたウサギに俺は頭を抱えそうになった。


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