黒の剣士に憧れし者 連載中止   作:孤独なバカ

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ライセン大迷宮2

シアが、最初のウザイ石板を破壊し尽くしたあと、俺達は道なりに通路を進み、とある広大な空間に出た。

そこは、階段や通路、奥へと続く入口が何の規則性もなくごちゃごちゃにつながり合っており、まるでレゴブロックを無造作に組み合わせてできたような場所だった。一階から伸びる階段が三階の通路に繋がっているかと思えば、その三階の通路は緩やかなスロープとなって一階の通路に繋がっていたり、二階から伸びる階段の先が、何もない唯の壁だったり、本当にめちゃくちゃだった。

 

「こりゃまた、ある意味迷宮らしいと言えばらしい場所だな」

「……ん、迷いそう」

「ふん、流石は腹の奥底まで腐ったヤツの迷宮ですぅ。このめちゃくちゃ具合がヤツの心を表しているんですよぉ!」

「……気持ちは分かるから、そろそろ落ち着けよ」

「お姉ちゃんみっともないよ。」

 

 未だ怒り心頭のシア。それに呆れ半分同情半分の視線を向けつつ、ハジメは「さて、どう進んだものか」と思案する。

 

「……ハジメ。考えても仕方ない」

「俺が前で行くしかないだろうな。」

「そうだな。慎重に進むか。」

 

と俺が直感で魔力を抜かれた

 

「回避。」

 

ガタンとハジメの下で音がなり

 

シャァアアア!!

 

 そんな刃が滑るような音を響かせながら、左右の壁のブロックとブロックの隙間から高速回転・振動する円形でノコギリ状の巨大な刃が飛び出してきた。右の壁からは首の高さで、左の壁からは腰の高さで前方から薙ぐように迫ってくる。

俺とユキは余裕を持って、ハジメは後ろに倒れ込みながら二本の凶悪な刃を回避する。ユエは元々背が小さいのでしゃがむだけで回避した。シアも何とか回避したようだ。

 

「……完全な物理トラップか。魔眼石じゃあ、感知できないわけだ」

「魔眼に頼りすぎだアホ。」

「はぅ~、し、死ぬかと思いましたぁ~。ていうか、ハジメさん! あれくらい受け止めて下さいよぉ! 何のための義手ですか!」

「いや、あれ相当な切れ味だと思うぞ? 切断まではされないだろうが、傷くらいいれられたかもしれん。今は金剛使えないからな」

「き、傷って……装備と私、どっちが大事なんですかっ!」

「……まぁ、無事だったんだ。いいじゃねぇか」

「ちょっ、なんではぐらかすんですかっ! 嘘ですよね? 私の方が大事ですよね? ね?」

 

 誤魔化すハジメに、掴みかからんばかりの勢いで問い詰めようとするシア。そんなシアにユエが言葉の暴力を振るう。

 

「……お漏らしウサギ。死にかけたのは未熟なだけ」

「おもっ、おもらっ、撤回して下さい、ユエさん! いくらなんでも不名誉すぎますぅ!」

「でもお姉ちゃん漏らしたでしょ。」

「うぅ。」

「ユキは平気そう。」

「こういうトラップは特訓の時にスバルさん普通に仕掛けてくるので。」

 

俺は目線を逸らす。殺す気は無かったので模擬刀とかを使用していたが特訓場所にトラップ。それもお手製のやつを仕込んでいたのもありユキは慣れているはずだ。

 

「俺も直感があるから結構余裕だな。元々俺はスタイル変えなくても脳筋アタッカーだし。問題はライセンではないな。」

「技能の差が結構響いているな。」

「……なぁこれ思ったんだけど。死ぬ確率があるのってウサギコンビだけじゃね?」

 

そして、ユエには〝自動再生〟がある。トラップにかかっても死にはしない。となると……必然的にヤバイのはシアとユキだけである。そのことに気がついているのかいないのか分からないが、シアのストレスが天元突破するであろうことだけは確かだった。

 

「あれ? ハジメさん、何でそんな哀れんだ目で私を……」

「強く生きろよ、シア……」

「え、ええ? なんですか、いきなり。何か凄く嫌な予感がするんですけど……」

 

 

 

トラップに注意しながら更に奥へと進む。

 

「うぅ~、何だか嫌な予感がしますぅ。こう、私のウサミミにビンビンと来るんですよぉ」

 

 階段の中程まで進んだ頃、突然、シアがそんなことを言い出した。言葉通り、シアのウサミミがピンッと立ち、忙しなく右に左にと動いている。

 

「お前、変なフラグ立てるなよ。そういうこと言うと、大抵、直後に何か『ガコン』…ほら見ろっ!」

「わ、私のせいじゃないすぅッ!?」

「!? ……フラグウサギッ!」

「もう何度目!!」

「……やべぇ。下に結構いるな。」

 

嫌な音が響いたかと思うと、いきなり階段から段差が消えた。かなり傾斜のキツイ下り階段だったのだが、その階段の段差が引っ込みスロープになったのだ。しかもご丁寧に地面に空いた小さな無数の穴からタールのようなよく滑る液体が一気に溢れ出してきた。

 

「ユキ。」

「スバルさん。」

 

俺はすぐに天歩を使うとユキが飛びついて来るのと同時に俺も大きく飛ぶ

俺たちは回避したもののハジメ達は落下してしまったので少しゆっくりと空を歩いていく

 

「何やってんだお前ら。」

「……お前何で空歩使っているんだよ。」

「お前ら追いかけにきたからに決まっているんだろ。ほらさっさと行くぞ。」

 

魔力回復薬を飲みながら進む

 

その後もトラップの応酬とうざい文でハジメたちを追い込んだ後最初の部屋に戻され

 

〝ねぇ、今、どんな気持ち?〟

〝苦労して進んだのに、行き着いた先がスタート地点と知った時って、どんな気持ち?〟

〝ねぇ、ねぇ、どんな気持ち? どんな気持ちなの? ねぇ、ねぇ〟

 

といううざい文によりシアのストレスが突破しレッキレッになったのっはいうまでも無かった


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