深夜に入り俺はハジメの指示で俺は先生の部屋に忍び込むことになっていた
まぁこの時間にやってきたのは情報が結構危ない内容他の人に見られたくないのと俺自身聞きたいことを聞くのにちょうど適しているからだ。
だからといって気分は強盗や不法侵入者の気分だけど
無属性魔法のアンロックを使い鍵を開けると百面相してる先生の姿があった
「よっ先生。」
「ッ!?」
ギョッとしてこっちを見る先生に笑いが込み上げてくる
驚愕のあまり舌がもつれながらも何とか言葉を発する先生の問いに答える。
「い、飯塚君? な、なんでここに、どうやって……」
「どうやってと言われると、普通にドアからと答えるしかないんだけど。」
「えっ、でも鍵が……」
「魔法で開けられるしな。無属性魔法アンロックっていうんだけど。多分オリジナル。」
魔力を固体化させその型を回し鍵替りにしただけだ
「こんな時間に、しかも女性の部屋にノックもなくいきなり侵入とは感心しませんよ。わざわざ鍵まで開けて……一体、どうしたんですか?」
「ん〜なんか失礼なことを考えられた気がするけどまぁいいや。まぁ、そこは悪かったよ。他の連中に見られたくなかったんだ、この訪問を。先生には話しておきたい事があったんだが、さっきは、教会やら王国の奴等がいたから話せなかったんだよ。内容的に、アイツ等発狂でもして暴れそうだし」
「話ですか? 飯塚君は、先生達のことはどうでもよかったんじゃ……」
「どうでもはよくないだろ。俺が言っていたのはあの騎士達に向けてだ。ハジメは本心かもしれないけどさすがに同郷のやつを見過ごせるほど俺は腐ってはないけどな。まぁ戻らない理由と聞きたいことがあったし情報交換をしようって思ってな。」
そして俺は本題に入る
「……今から話す話は、先生が一番冷静に受け止められるだろうと思ったから話す。聞いた後、どうするかは先生の判断に任せるけど。」
と俺はオスカーから聞いた〝解放者〟と狂った神の遊戯の物語を話し始めた。
ハジメ曰く神の意思に従って、勇者が盤上で踊ったとしても、彼等の意図した通り神々が元の世界に帰してくれるとは思えなかった。魔人族から人間族を救う、すなわち起こるであろう戦争に勝利したとしても、それはそもそも神々が裏で糸を引いている結果だ。勇者などと言う面白い駒をそうそう手放す訳が無い。むしろ、勇者達を利用して新たなゲームを始めると考えた方が妥当であると考えたらしい。
俺は仲が良かった二人は気になるところだがハジメはクラスにいい思い出はほぼないだろう
俺が言った通りクラスメイトはどうでもいいのだ。
先生の行動原理が常に生徒を中心にしていることを。つまり、異世界の事情に関わらず、生徒のために冷静な判断ができるということだ。そして、日本での慕われ具合と、今日のクラスメイト達の態度から、先生が話したのなら、きっと彼女の言葉は天之河達にも影響を与えるだろうっと
「ってことだ俺たちが奈落の底で知った事はな。まぁ本当か嘘かの判断は先生に任せるよ。」
「もしかして、二人はその〝狂った神〟をどうにかしようと……旅を?」
「いや、俺たちは帰還の方法に目処がついたからそうしているだけ。旅はそのためのものだよ」
「本当ですか!!」
「大迷宮の攻略が鍵だとみているな。俺とハジメが落ちたのはあんなちっぽけではなくて本当の大迷宮。今日の様子を見る限り、行っても直ぐに死ぬと思うけどな。あの程度の〝威圧〟に耐えられないようじゃ論外だと思うけど。」
俺はそう告げると先生は微妙な顔になる。まぁ戦力外って伝えているもんだしな。
「んじゃこっちの質問に入るけど。……八重樫は大丈夫か?」
「えっ?」
「香織のことも気になるけどあいつなら落ち込む暇すらあれば俺達のことを探しに今も、オルクス大迷宮で戦っているだろうしな。俺は香織が強いことは知っている。精神的にも行動的にも多分あいつはクラスの中で芯が一番強い。その点八重樫はその逆だ。あいつは強そうに見えてかなり脆い。女子で唯一の前衛職であり自分の手で生命を殺す感触を直で触れなければならない。」
俺も未だに感触だけは消すことはできない
それがどれだけ辛いことなのかも俺は知っている。
「八重樫だって女子だぞ。みんなに頼られようが前線にたっていようが。甘える人がいなければいつかは崩壊する。八重樫の弱さはそこだよ。八つ当たりしたり、弱音を吐いたり。あいつの弱いところは誰も見たことがない。多分今もそうしていると思うけど。……あのままじゃあいつか俺みたいに一回壊れるぞ。」
「っ!!」
経験談を含んだ断定に先生は驚く。先生は嫌となく俺の個人情報を知っているはずだ。
……だからこそ俺の中三の二学期の状態については知っているのだろう
「……今まで通り八重樫さんは前線に立っていると思います。もちろん白崎さんも。オルクス大迷宮は危険な場所ではありますが、順調に実力を伸ばして、攻略を進めているようです。時々届く手紙にはそうありますよ。」
「そっか。」
俺は小さく呟く。とりあえずは二人は無事ってことに頰が緩む
「あっ。ついでに死因ってどうなっているんだ?」
「それは……一部の魔法が制御を離れて誤爆したということになっています。」
「あ〜やっぱり今日の玉井達の態度から予想はしてたけど事故ってことになったか。あれはれっきとした俺を狙っての殺人だったのに。」
「えっ?」
「魔弾が完全にハジメに向けて誘導された魔弾だった。多分俺じゃあ当てられないと思ってハジメに撃ったんだろうな。俺と香織の会合が誰かに聞こえていたんだろうけど。」
「ちょっと待ってください。それって本当のことですか?」
「あぁ。おかしいと思わないか?幾ら何でも上手く行き過ぎだと。ぶっちゃけ俺は犯人も特定しているし、ハジメにもそのことは伝えている。」
顔面を蒼白して硬直する先生に忠告する
「……人ってそんなに善人だけじゃねーぞ。嫉妬で人一人殺すようなヤツだ。まだ無事なら香織に後ろから襲われないよう忠告しといてくれませんか。」
俺は手のひらを振り先生の部屋を出る。そして隠密と気配遮断を使い自分の部屋に向かうのだった。