黒の剣士に憧れし者 連載中止   作:孤独なバカ

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目覚め

……これで治ればいいんだがな

しばらく寝ていたような気がする

俺は瞼を開ける。

 

「……」

「……おっ!!起きたか?」

 

すると俺の目の前に白髮の片手がない少年がいた

俺は目をこするとすると意識が覚醒していく

 

「……誰?」

 

俺は自然と声が出ていた。

 

「……気づかないのか?」

 

すると聞き覚えのある声のような気がした

 

「……もしかしてハジメか?」

「あぁ。」

 

簡単な言葉だが俺は少し目をこする

 

「ここは?」

「わからん。落ちたから迷宮内だと思うが。」

 

俺はとりあえず生きていたことにホッとする。

すると俺は安心したのか飢餓感が押し寄せ

 

「ぎゅるるるる。」

 

ハジメにも聞こえるくらいの大きな腹の音がなるのが分かる

 

「……」

「ごめん。さすがに腹減った。」

 

俺はそういって宝物庫から携帯食料を取り出す。

 

「……は?」

「王国からパクってきた。お前も食うか?」

 

俺はハジメに一つ渡す。水は隣にあることからハジメはこれで食いつないでいたのだろう

 

「お前時々とんでもないことをやらかすな。」

「信用できないし嫌な予感はあったからな。」

 

俺はそういうと携帯食料を食べ始める。そうして俺はハジメに現状を聞き始めた

 

 

 

「魔物を食べたらステータスが上昇か。」

 

ハジメに聞いたところ俺はおよそ20日間意識が戻らなかったらしい。

 

「多分聞いた症状だと超回復で間違いはなさそうだな。」

「超回復?」

「筋トレなどにより断裂した筋肉が修復されるとき僅かに肥大して治るという現象だ。骨なども同じく折れたりすると修復時に強度を増すんだよ。んで毒の魔物と神水で内側から細胞を破壊していき、神水で壊れた端からすぐに修復していく。その結果、肉体が凄まじい速度で強靭になったんじゃないか?」

 

なるほどなと頷くハジメに俺は少しため息を吐く

 

「……悪い。助かった。」

「あぁ。別にいいが。」

「言っとくけどあの判断は俺は後悔してないからな。」

 

俺は言い切る。

 

「誰よりもあの場面でお前だけは現実を見れていたし。何度あの場面に遭遇したとしても俺はハジメを頼る。それしか生き残る道がなかったからな。謝る方が失礼だろ。」

 

俺は言い切るとハジメは驚いたようにしている。

すると照れ臭そうして目をそらす。

 

「これからどうするんだ?」

「ん。まぁ。俺も魔物食うしかなさそうだな。一応剣は宝物庫に入れてあるし。砥石がいらないからな。」

 

と俺はあるものを見つける

 

「完成してたんだな。それ。」

「ん?あぁ。一応な。」

 

ハジメの手には銃が握られている

 

「……まぁ、とりあえず俺も食ってみるか。腹はさすがに膨れていないしな。」

「あぁ。肉は余っているものが少しあるからそれを食べろ。」

「了解。」

 

とハジメに委ねさせて俺は魔物の肉をハジメから渡される

するとお腹が空いていることもあり、急に食欲が湧いてきて俺は思いっきり食べる。

まずい。

一言でいうならその一言だ

それでも俺はそれ以上にまずい食べ物を食べたことがあるので平気なのだが

すると3分くらいで全部食べきってしまうするとその時だった

 

「あ? ――ッ!? アガァ!!!」

 

 突如全身を激しい痛みが襲った。まるで体の内側から何かに侵食されているようなおぞましい感覚。その痛みは、時間が経てば経つほど激しくなる。

 

「ぐぅあああっ。こ、これがっ――ぐぅううっ!」

 

 耐え難い痛み。自分を侵食していく何か。だけど俺はこれを受け止め神水を飲む

 

「……」

 

ただハジメは俺を見ている。それは温たく。信頼している目で。

それなら応えるしかない。俺は痛みに立ち向かうことを決心するとまた細胞が破壊されたような激痛が自分の目で確認する

 

数時間後。やがて、脈動が収まり俺はぐったりと倒れ込んだ。服の下には今は見えないが赤黒い線が数本ほど走っているがハジメとは違い頭髪はなぜか黒いままである。

 

「……いてぇな。」

「大丈夫か?」

「あぁ。平気。おっとステータスっと。」

 

と俺はステータスを開くと

 

飯塚昴 17歳 男 レベル:20

天職 剣士

筋力 600

体力 150

耐性 60

敏捷 900

魔力 200

魔耐 200

 

技能 二刀流[+剣舞] [剣技] 隠密 気配感知 直感 投剣 限界突破  魔力操作 胃酸強化 天歩[+空力][+縮地] 無属性適正 言語理解

 

「……あぁ。マジで強くなれるらしいな。てか悪い。腹減ったからもう少しあるか?」

「お前まだ食うのか?」

「なんか今日まじで腹減っているんだよ。なんか食い足りないし。まぁ最悪狩にでればいいか。体慣れさせたいし。」

 

剣は感覚が大事だしなぁ。

 

「お前なんか呑気だな。」

「生きてるだけ御の字だろ?俺絶対死んだと思ったし。それに。」

 

俺は約束した少女の顔を思い出す

 

「香織に会うまでは絶対死ねない。」

 

一度破りかけた約束は生きていたことより続行だ。あいつは俺を守るって言っていたから責任感は消えていないはずだ。

 

「それに好意を向けられた奴にさすがに目を背け続けてたしな。」

「気づいていたのかよ。」

「俺そこまで鈍感じゃねーぞ。」

 

少し苦笑してしまう。あんなにわかりやすい奴多分いないはずだ

 

「……会いたいな。」

 

ポツリと呟く。そして俺は剣を握る

 

「……はぁ。とりあえず行くか。」

 

どこにとは言わない。お互いにもう分かっているだろう。

 

「とりあえずどうするんだ?」

「この層のボス的な奴を倒しにいく。」

「は?」

 

俺はつい聞き直してしまった

寝起き直後でボス戦ですか。

 

「まぁいいけどさ。」

 

と俺も渋々ついていくことにする。マッピングできてないところに一人ボッチだと俺は絶対に迷うし、ハジメの今の姿はちょっぴり心配だしな。

 

「任せた。」

「あいよ。」

 

軽く拳を合わせると俺は少し前で進む。

真のオルクス大迷宮の探索が始まった

 

なおボスのクマみたいな奴は俺がパディを決めハジメのレールガンですぐに倒したことでハジメが俺にぶーたら文句を言ってきたことを記載しておく。


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