現在お店番はバルテル兄さんとクラーラさん。
そして一応私ということになりますが、
「ヴィオラーデン・ゾンネン感謝祭」が始まったら人手が足りなくなりそうですね。
雇い日数的に、バルテル兄さんとクラーラさんはギリギリ、
私も依頼やら何やらで街巡りくらいはしたいので、
交代も考えると後1人か2人くらい、追加のお店番が欲しい所です。
どうすればいいでしょうか。今まで私が頼りにしていた偏ったゲーム知識だけじゃ、
その知識外のこういう問題は分かりませんね。
リアル知識じゃ、経営者としての経験ゼロですし……。
困った時は村の酒場のマスターのオッフェンさんに聞いてみるといいかな?
確かかなりのイベントに関わってきて、
ヴィオラートがお店や商売のことに関して色々聞いてる描写があったと思うし。
そういうことになった。
「ああ、そうだな。丁度いいのがいるから、ちょっと待ってくれ」
そう言うとオッフェンさんは、
酒場のカウンターの端に座っている本物のおじさんをこちらに呼びました。
やはりオッフェンさんに聞いて正解でしたね。
「え……と。ユーディウスです。あなたがあの、ヴィオラーデン・ゾンネンの?」
「あの、なのかは知りませんが、私がヴィオラーデン・ゾンネンの片割れ、
ゾンネンブルーメ・トロイメントです。ゾネちゃん、と呼んでください」
「……ゾネちゃん?」
「ゾネさん、でもいいです」
「はい……ゾネさんの方で……」
聞く所によると、カロッテ村の発展を聞いて店を出したはいいが、
仕入れの品を読み違えてしまい、赤字になる前に店を手放すことになってしまったと。
まあ、村が「キワモノ系」の発展をするなんて、
まともであればあるほど想定外ですよね。主に私のせいなんですけど。
あ、今気づいたけどこの人、確か原作にも登場した人ですね。
普通の村の発展の場合はそのままお店を続けるのですが、
今の発展傾向、「キワモノ村」の場合は、そのお店番が、
「シュトーラ」という女の子に取って代わられるのです。
今まさにそういう目にあっているって感じですね。
まあ商売上はともかく、お店番としては問題なさそうなので即採用です。
ミーフィスさんと同じ月400コールでどうかな?
それでいい?ありがとうございます、戦力補充が出来ましたね。
とりあえずこれで最低限、忙しくなっても回るでしょう。
バルテル兄さんとクラーラさん交代の時期が来たら、
私がミーフィスさんとカタリーナさんをお迎えに行く、ということで。
これで「ヴィオラーデン・ゾンネン感謝祭」を乗り切って行きましょう。
お店番候補としては一応パメラさんもお店番をすることだけは出来るんですけど、
パメラさんがお店番をすると普通のアイテムは売れずに、
お客がパメラさんに驚いて稀にレアアイテムを落としていく、
っていうまるでお化け屋敷的特殊仕様になってしまうので、
ちょっと遠慮してもらいます。
しかし……アレですね。いつの間にかシュトーラちゃんのお店が出てくるまで、
この村は発展してたんですね。キワモノ村として。
そろそろ石畳整備が完了しますかね?キワモノ村なら、
立派な橋と欄干の大きなぷにぷにのオブジェとかも。
ちょっと村の様子を見に行ってきます。
うちの店から村の南側出口までは、赤っぽい石畳。
これはレンガですかね?それを使った道が整備されています。
ちょっと脇に外れた量販店周辺はまだ未整備のようですね。
橋と欄干、ぷにぷにのオブジェの仕上げはまだのようです。
そして、村の南側出口そば、大きなたるのようなナナちゃんのお店の隣に、
たれ耳ウサギの帽子を被った「シュトーラちゃん」がお店番をする、
新しいお店が出来ていました。
「いらっしゃいませですぅ~!何をお探しですかぁ~?」
彼女は「ヴィオラートのアトリエ」の世界では、
このシュトーラという名前になってますが、
アトリエシリーズの製作メーカー「ガスト」のキャラクター、
「ガストちゃん」が元になっています。
……急にスフィアちゃんみたいにメタネタ言い出さないよな?
「おじさんは心配性ですぅ~」
「お前もか!」
おじさんを符丁みたいに使わないでください!
「おじさんじゃなくて、ゾネさん」
「ゾネさんですかぁ~?よろしくお願いしますの~!」
スフィアちゃんが速攻で先輩風吹かせてますね。
そしてさりげなく広められるゾネさんの呼称。
まあいいですけど。何ですか、シュトーラちゃんや、
スフィアちゃんのような特殊萌えキャラ美少女枠にも、
ヒエラルキーかなんかあるんですか?
カロッテ村の(キワモノっぽい)発展と共に、
村の萌えキャラ指数もうなぎのぼりですね。
シュトーラちゃんのお店では、
在庫がこころもとなかったインゴットとぷにぷに玉を買い込んで、
村の見回りを終えます。
南端の、村の外にも畑が広がり始めてるけど、それは大丈夫なんですかね?
「それ前も言った。ゾネさんは心配性……」
「え?あれ、そうでしたっけ?」
まいったな、こんな若いうちから忘れっぽいなんてシャレにならんぞ。
同じ発言を繰り返すクドさなんて、まるっきりおじさんじゃないか!(すっとぼけ)
美少女としては気をつけないと。危ない危ない……。
この話は、後で村長さんにでも聞いてみよう。
………………………………
そうこうしているうちに私達の準備も終わり、
ついに一大イベント、「ヴィオラーデン・ゾンネン感謝祭」の始まりです!
と言ってもくじ引きするだけなんですけど。単純明快にボックス形式でいいかな。
1等特等が引かれたら1等特等追加する逆イカサマ方式。
基本ドンケルハイト含めた食料品系の景品がいいですかね、
景品は万人向けにしないと、
当人の守備範囲外の物が当たった時つまらんですから。
ハズレ枠は当然のごとくにんじんで。
特等だけ自分で選べる錬金術アイテム・武器防具枠にする、
なんてのもいいですね。コンテナを2つ、
専用に用意して自分で選んでもらえばいいですかね。
一応手書きのポスターを作って、
各地の酒場に貼り出して広報させてもらいましょう。
ヴィオラートは既にフィンデン王国に出発したので、これは私がやります。
これでどれ位のお客さんがやって来るのかな。何とかなるといいのですが。
そして、準備万端感謝祭当日を迎えたわけですが。
正直、感謝祭舐めてましたと言わざるを得ない。想像以上に忙しすぎる!
バルテル兄さん、クラーラさん、ユーディウスさん、3人に、
私もまとめて、てんてこまいです。
忙しくなりそうだと思った想定の倍以上の忙しさです。
初日でこの忙しさってことは、
既にカロッテ村にいるお客さんだけでこれってことです。
つまり他の街からのお客さんが到着する頃には、
更に輪をかけて忙しくなるっていう事で。
これでは、私も調合や依頼をやってる暇がないですね。
ワームコンパス・秘密バッグを使った仕入れ、
商品の在庫管理をメインに大回転です。商品棚の空くスピードが半端ないです。
一応、ペースが掴めてきたかな?という所で、
バルテル兄さんとクラーラさんの雇用期間が切れました。
私は即ファスビンダーに向かい、ミーフィスさんとカタリーナさんを確保します。
お店番に穴を開けることは許されないのです。
その間にどうやら他の街からのお客さんも来店し始めたらしく、
忙しさが更にアップ。どうしようかと悩んでいたその時。
家庭菜園の方をやっていたクリエムヒルトさんが、
見かねてお手伝いをしてくれることに。
もちろん別途で雇用費はかかりますが、背に腹は変えられません。
これで増員が出来たので、勝ったな……と思った私。ですがそれは勘違いでした。
フィンデン王国からも追加でお客さんの波が来るとか、こんなん聞いとらんよ……。
え?ヴィオラートがあっちで話を広めてるって?
よーし、私ももっと頑張らないと!(白目)
仕方がないので、またお店番を雇わないといけません。
パメラさん……はいくらなんでもなし。パウルとロードフリードさんは、
ヴィオラートが帰ってきた後、この次に交代する予定だし、
うーん?誰かいないかな……。またオッフェンさんを頼ろうか?でもなぁ。
そう延々と悩んでいた私のすぐそばで、お客としてやって来たシュトーラちゃんが、
「お店番をやってもいいですぅ~!」
などと声を上げた。な、何ィ!?願ってもないことだが、
「月700!?」
高額なその要求に一瞬却下しかけたが、
よくよく考えれば繁忙期の臨時雇いとしては、
割増賃金は別に不当な要求でも何でもない。こいつ……出来る!
そしてまた上がる、ヴィオラーデン・ゾンネンの美少女密度。
原作でもあったけど、美少女目当てのお客ってどのくらいの割合なんですかね。
まあ、お客の内心なんて分からないので、
公言してる人以外は確かめようがないんですけど。
一方で、ですね。シュトーラちゃんのお店は大丈夫なんですかね?
と本人に聞いてみたところ、
「大丈夫ですの~」
という適当なコメントが。……本当に大丈夫?と、
ない時間を割いて様子を見に行ってみたのですが。
「なにが欲しいですの?」
あれ?こっちにもシュトーラちゃんがいる?
「それも私ですの~!」
……よし、深く考えるのはやめよう。きっと超人的な速さで移動してるんだ。うん。
シュトーラちゃんを加えてからの「ヴィオラーデン・ゾンネン感謝祭」は、
おおむね順調に進みました。
ミーフィスさんとカタリーナさんが接客をして、
ユーディウスさんが店舗内作業や商品棚・現金の管理、
シュトーラちゃんが全体を見回してのヘルプと、
お客のサポートや値引き交渉の判断、
特注品依頼の書置きとお断り、一部商品の即時補充。くじ引き特等の管理も彼女です。
期待以上の大活躍ですね。報酬以上の価値がありました。
そして私はクリエムヒルトさんと共に、休憩時の交代要員とメインの商品仕入れ。
空いた時間は家庭菜園の様子を見て、いつもの収穫とタネ作りもやっていました。
……とても他の事をやる暇はないですね。ていうか皆どんだけイベントに飢えてんだよ!
ただのくじ引き感謝祭で何でこんなに客来てんだよ!
原作ゲームやった時から思ってたけど……と、ここまで考えて気づきました。
サービス業が本格的に発展するのはまだまだ先の話で、
今私達がやってることって、歴史こぼれ話とかで紹介されてるような、
「実はあの時代既に、くじ引きで客集めをした、時代を先取りをしたお店があったんだよ!」
っていう、「歴史先取り系中世偉人の逸話」っぽい出来事なんじゃ?
確かこれ発想はバルテル兄さんだったよね?兄さんマジで才能はあるんじゃなかろうか。うん。
目の回る急がしさで1ヶ月ほど経過して、
フィンデン王国を巡っていたヴィオラートが帰って来ました。
リサの隣接採取地では「飛びカズラの綿毛」「エアロライト」
「四つ葉の詰め草」等々の素材アイテムが手に入ったようです。
こっちは問題なさそうですね。
もう片方、問題のメッテルブルグ隣接採取地ですが、
隣接採取地であるにもかかわらずメッテルブルグからは入れないようになっていたので、
フライングボードで迂回して入ったとのこと。まあ予想通りですかね。
採取アイテムは「アステリア(サボテン)」「黒水晶」
「飛びカズラの綿毛」「ユウバナの実」「月晶石」といった所ですか。
ユウバナの実と月晶石は、予想通りというか何と言うか劣化が早くて、
特に月晶石はまともに保持できないレベル。
今回は見送りましたが、これはヴィオラートと協力して、
月晶石だけで個別に対処する必要がありますね。
劣化防止用の氷室かプチ氷室をどこかに作る必要がありそうですが……。
原作準拠でお店の地下か、あるいは錬金ハウスに……駄目か、
どっちも目いっぱい使ってるし。出来ればどこか別の場所に氷室が欲しいんだけど。
しかしカロッテ村も、錬金ハウスがほいっと貰えた以前と違って、
地価も上がって買い手もついてるっぽいので、新しく拠点を増やすのは、
がっつり稼いでからになりそうなんですよね。
うーん、思いつきそうで思いつかない、何かないかな……。
いっそユーディーのアトリエみたいに、氷室を村で経営してみるのは?
しかしそうなると結局私がやることになりそうなので、
手間ひま的にちょっと不可能ですね。
まあ、これは10年単位で考えてもいい事業ですかね。
月晶石が利用できなくても、今の私に別に不利になることもないですし。
純粋に氷室の必要性だけ考えて、後々の課題としましょう。
「うーん……」
おや、ヴィオラートが何か悩んでますね、何ですか?
「秘密バッグがあるなら、樹氷石のある寒いとこなら、どうなのかな?」
「……寒いところ?」
ヴィオラートの言いたい事はこうだ。正攻法で氷室を村に建てるまで、
樹氷石の採取場を人為的に管理して天然氷室として使う。
秘密バッグ直通コンテナを置いて、それを護ってるだけでいい。……目から鱗でした。
結局、人手がいるので先の話にはなると思いますが、
これなら氷室施設を建てるほどの資金は必要ありません。
確か樹氷石が採れる場所はソーン高原だけじゃなくて、
村の近くのカロッテ遺跡にもあったと思うし。今から検討しておきましょうかね、ハイ。
氷室さんはいい人だけど家庭菜園さんと金属釜さんとコンテナちゃんでもういっぱいだから……(ゲーム脳)