宝物庫への扉を開けるには、4つのスイッチのうちの正解の1つを押す必要があります。
これは洞窟内部のいたる所に設置された4本セットのたいまつがヒントになっているのですが、
私の原作知識で難なくクリア。
4つのたいまつの火がついている場所が、4つのスイッチの正解に対応してるだけですからね。
変なひねりとかありません。
宝物庫内部には2つの宝箱があります。たった2つ、されど2つの宝箱の中身は、
【LP上昇+3】【混乱抵抗+3】【防御力+3】【HP上昇+3】のついた「王者のマント」と、
【神秘の加護】【防御力+3】【素早さ+3】【魅了抵抗+3】【石化抵抗+3】の、
必要な要素てんこ盛りの「天使の盾」です。
両方とも防具として重要な【防御力+3】がついているのが最高ですね。
私的には国宝レベルじゃないかと勝手に思ってますが……。
あ、そうそう、このつらつらと書き連ねている従属効果ですが、
各種ステータスと同時に、「メルクリウスの瞳」で今ははっきりと見えています。
今は当然のように常時装備しているので忘れていましたが。
外すのは参考書を読む時とか休養、睡眠時くらいですかね?
何かの仕事中は数値やアイコンが見えるとすごく便利なので。
多分私の記憶を参照して投影してるのでしょうがないですが、
残念ながら【ヒントが見える】効果がこうなるのは私が使った時だけのようなので、
この視界情報を共有出来ないのはちょっと残念ですね。
……と、脇道にそれましたが、
今私がやるべきことは「王者のマント」と「天使の盾」の分配ですね。
「天使の盾」はもちろん、前衛をずっとつとめてくれていたスフィアちゃんに渡します。
これでスフィアちゃんが「精霊の護り」を使う前に倒れる事故がなくなるでしょう。
もはや隙はありません。
そしてもう1つの「王者のマント」ですが、これはパウルに渡しておきましょう。
このマントが何をもって「王者」としているのかは分かりませんが、
パウルは確かいつか長老だか勇者だかになる?的な話があったはずです。
ふさわしいんじゃないかと思いますです。はい。
分配も終わり、いよいよあとはボスの「究極の用心棒」を倒して帰るだけです。
その前に立ち塞がる親衛隊の集団……普通ならヤバイ敵も、アイテムの火力で瞬殺。
それを見たヤグアールの首領は、「究極の用心棒」に後を託して逃げ去りました。
ここ、一本道で出る場所が無かったと思うんですけど、どこから逃げたんですかね?
多分秘密の出入り口とかあるんでしょうけど、流石に見つけるのは無理くさいですね。
ここは素直にボスを倒して終わりにしましょう。
ローラントさん、スフィアちゃん、パメラさん、パウルにカタリーナさんと、
超豪華な前衛メンバーが「究極の用心棒」を抑えてる間に、
私が投げたヘルフェンダイス連投で終わりました。
いつもながら錬金アイテム半端ないな……。
究極の用心棒は、武器を落としてどこかへ逃げ去りました。
これ、何か魔法的な仕掛けかもしれないな。
残された武器は、何か古びているのに全体が光っています。
「伝説のはたき」【クラッシュブロウ】【クリティカル+3】【攻撃力+3】
【攻撃回数+3】【HP打撃+3】
これではたきでさえなければ最強じゃないですか!
私はクラーラさんを冒険の方で使う予定は無いので、
これはどちらかというとラピスちゃんかな。クラーラさんかラピスちゃん、
どちらにしろバルテル兄さんかヴィオラートから渡しておいてもらおう。
………………………………
ボスは取り逃がしたものの、一応撃退の討伐証明として、
雑魚の盗賊や幹部達の使っていた武器防具は、
ハーフェンでローラントさんから竜騎士隊に渡しておきます。
これでまた戦果になるといいですね。
理想を言えば、本格的に溜め込んだ略奪金の隠し場所が分かれば良かったのですが、
私の原作知識にすら存在しないのでそこまではダメでしたね。
多分おそらく、あの洞窟は前線基地とか居住地的な何かだったのでしょう。
しばらくすると宝箱とボスが復活するってことは、
ゲームじゃ行けない山の向こう側とかに根拠地がありそうですけど、
そこまでは正直私の仕事じゃないですからね。ハイ。
ゲームでやった周回稼ぎをここでやりたくなかった理由もあります。
ここは他の……幻影回廊やヴェストリヒナーベルなんかとは違って、
敵が人間の盗賊なんですよね。
正直今回、ローラントさんとカタリーナさん、
パメラさんまでが私とスフィアちゃんのことを気遣って、
私達を残虐シーンから遠ざけてくれていたっぽいんですよ。
まあ、雇い主とその友達っぽい何か扱いなんでしょうが……。
これで私が冒険者を目指してるなら、
その手のことに慣れるのは当然で越えるべき壁であるべきなんでしょうけど、
私はどう転んでも「錬金術士」か「商人」であり、
彼らを雇う側の人間であるわけです。
かつての記憶の中で夢中になって遊んだRPGに存在した戦える商人や、
楽しく読んだネット小説によくあった、戦えて生産職で商売もして、
旅もずっと続けて、部下も優秀で心配なく……なんてのは、
少なくとも私には無理だって、ここ数年で思い知りましたからね。
この中でも、錬金術だけは既に一流と言ってもいいんでしょうけど、
すぐ先の未来、数年先に必要になる商人に関しては、
錬金術パワーでゴリ押ししたパワープレイしか出来ていません。
私とヴィオラートが錬金術士としてはボランティアに近い状態で、
惜しげもなくアイテムやレシピを提供して成り立ってるのが現状ですからね。
正当な技術料を取ったら赤字確定の、
私とヴィオラートどちらかがいなければどうにもならない体制なわけです。
最近ようやく内部的にはユーディウスさんやステファニさんを、
部門別としてはクリエムヒルトさんを、
新しい幹部候補としてバルテル兄さんも組み込んで、
ようやく通常の商店……目指す形で言うと商会ですかね?
ちゃんとした形でお店を続けていける体制への道を踏み出した所です。
原作知識をかなり活用出来た錬金術と違って、
こういう地に足をつけた商売というのは、経験の占める割合が高いので困ります。
最低限、コンビニバイトの経験と簿記の知識があって良かった……。
何とかお店を続けていくことは出来そうですから。
しばらくは、こっちリアルとのすり合わせに必死にならざるをえませんが。
お店と錬金術を両立、冒険の方はちょっと控えますかね。
正直行ける場所も、カナーラント王国では、
あとは地獄のヴェストリヒナーベル下層アタック位しかなく、
フィンデン王国側でもファクトア神殿かマイバウムの塔位しか残ってません。
ファクトア神殿とマイバウムの塔はおそらく「クリア済み」でしょうし、
ヴェストリヒナーベル最下層には参考書はありますが、
あの溶岩地帯の階段を何層も何層も下りていくのはごめんこうむります。
その参考書で作れるのは最強クラスの武器防具ですが、
現状でも足りているといえば足りているので。
まあ、どうしても暇だったら行っても良かったのですが、現状でそんな暇はありません。
………………………………
村に帰りつき、現状で必要な商人としての新たな勉強と錬金術で潰れる時間。
通常依頼は、今回はハーフェンとメッテルブルグの「高品質」「レア度重視」
の宝石類の高額依頼をこなしていきましょう。
作り置きもありますけど、
「コメート」「猫目石」「貴石」はどれも「3日で2個」が効率的な作成スピードなので、
基本それを。
現在の依頼は……合計3つしかなかったので、作り置きメインになるかな。
この3つの依頼だけで数万コールになるので、高品質な宝石類が作れるなら狙い目です。
正直、お店で稼げるようになった今では高額依頼のありがたみが薄くなってきているんですが、
ゲームと違ってアイテムの種類ごとに定期的に調合・作成をしておかないと、
細かい作り方のコツとかを忘れそうなので。
最近商人系職業への流れが強くなってきていますが、
私のメイン職業はあくまでも錬金術士。錬金術あってのお店!
という心構えは忘れたくないのです。
今は難しいでしょうが、お店内部の土台作り的なものが終わったら、
また次々と錬金術を使った新商品を開発して行く予定ですからね。
レヘルンクリームもしっかり売り出すには部門を別にして専用の人を当てたいし、
せめて8種類……10種類くらいのバリエーションは欲しいですからね。
フルーツの種類が少ないのはやはりネックです。
一応、以前頼んだ行商人さんが探してくれてはいるんですが。
この世界、基本船とか馬車での移動なので、まだまだ時間がかかりそうです。
タネか実物が手に入ったら、
「何かのタネ」からの錬金菜園で作れないか試してみたいですね。
新しい2号店の裏に結構広い錬金菜園が絶賛拡張中なので、
そこが完成すれば素材に悩むことは無くなる……のかも知れません。
クリエムヒルトさんも「何かのタネ」だけとはいえ、
作り方をマスターして張り切っていますので、彼女の頑張りにも期待ですね。
そうやって、私が宝石を作ったり、お店の様子を見たり、
レヘルンクリームの試作品に猛烈な興味を示したシュトーラちゃんを、
いつの間にかレヘルンクリーム部門の従業員として正式に雇うことになっていた、
ちょうどその頃。
ヴィオラートが久しぶりに冒険に出発しました。
何でもヴェストリヒナーベルの最下層を目指すとか何とか。
あのクソ暑くてレヘルンが無ければ1秒たりとも居たくない地獄のラストダンジョンを、
無数の固定敵を蹴散らしながら1層1層降りて行くしかない、
ガチガチのやり込み要素の塊のようなあの遺跡を、
ゲームじゃなくてよりによってリアルで攻略しに行くですと!?
ええと、ヴィオラートの仲間は、毎度のロードフリードさんに、
最近病気が治ったらしく、ツンデレからデレデレモード絶好調のブリギット、
ヴィオラートのそばから離れようとしないラピスちゃんに、
いつの間に仲間に加えたのか、
ハーフェンの鍛冶屋のダスティンさんも加わっているようです。
ヴェストリヒナーベルを溶岩を使った溶鉱炉にするって話が実現出来るかどうか、
確かめに行きたいから?あのクソ暑いダンジョンの中で鍛冶作業を?
……鍛冶屋の鑑ですね!私は絶対嫌ですけど!
原作知識はありますけど、行きたくないものは行きたくないんです!
まあ、これだけ仲間がいて、
秘密バッグ持ち錬金術士のヴィオラートがいるなら攻略は可能でしょう。
根性は必要そうですが、ヴィオラートの根性はわりと最高ランクですから。
ヴィオラートたちと大量のアイテムがあればまず大丈夫でしょうが、
一応無事を祈りつつ、私は自主的に秘密バッグ用の在庫補充をすることにします。
ヴェストリヒヨーコーロでの武器防具製作を試すとか言ってるので、
数ヶ月はかかりそうですし、多分レヘルンは想定以上に使うでしょうからね。
お店の方は、バルテル兄さんが徐々にやる気を出してくれているので、
1号店の方は問題ありませんね。
村が街になる?とか、お店の立ち位置とかはクラーラさんが助言してくれるし、
2号店はフラワーショップ部門のクリエムヒルトさんと、
レヘルンクリームにすごい勢いで食いついたシュトーラちゃんが見てくれてて、
両方のヘルプと統括をユーディウスさんとステファニさんがこなす形。
私がやらなきゃいけないことは……あれ?
現場で人が足りなくなった時に、パウルやミーフィスさん、
カタリーナさん他の追加人員を呼んでくるぐらいか?
お店番をやりたいと言ったはいいですけど、
むしろ商会主としての勉強や、新しい商品を生み出す錬金術、
色々な街を回って依頼をこなす営業活動、
ゾネさんしか出来ない仕事をやって下さいって言われて断られる始末です。
考えてみれば当然ですよね。
それで、その勉強の方は報酬を払うとは言っても相手の都合もあって、
直接教えてもらえるのは月に何度か、1回1時間程度のペースになってしまいます。
どの本を選べばいいか、何を学べばいいかは教えてもらえますが、
まあほぼ自習と言っていいでしょう。教育が体系化される以前に、
別に弟子入りするわけでもなく教えてもらう形態なんてそんなもんでしょう。
仕事に人を増やした結果、多分一時的ですが私の仕事が減り、
余った時間を(趣味の)錬金術三昧してもまだ時間が余る。
やはり、娯楽が少ないのが響いてますね。
健全なカードゲームでもあればいくらでも遊べるんですけど、
こちらの世界でそれをやると100%ギャンブルになってしまう。
まだ、遊び=ギャンブルみたいな風潮が色濃いのです。
仕方ないですね……仕事中毒みたいでびみょいですけど、
私的には楽しい楽しい錬金術に時間をつぎ込みましょうか!
ゲームでは実際何ヶ月もかけて、
溶岩渦巻くヴェストリヒヨーコーロで武器防具作成してました……(懺悔)