リアルになるとかなりの汎用品になりそう
街に帰った私は、ヴィオラートからオークションと市民祭の話を聞きました。
いつの間にかもう5年目の8月になってたんですね。
何でも、昔の作り置きの竜ごろしをオークションに出品したら、
1つ1万コール以上で落札されたと。あー、そう言えばそんなの作ってましたね。
アレ特に使い道ないんですよね。
まあ、高く売れたというなら作った甲斐はあったのでしょう。
ちなみにバルテル兄さんは自慢のくわを出品して小銭を稼いでいた模様。
立場と服装は変わっても、そういう所は何も変わってないんですね。安心しました。
まあ一番の驚きは、出品者が13人にまで膨れ上がったことです。
知っている名前だと、メッテルブルグのエーリヒ、
アルテノルトのリーゼロッテ、ハーフェンのダスティン、市内のメイドさん……?
市外からの出品者も増えているようですね。イベントが盛り上がって何よりです。
続いて、シュトーラちゃんからも話を聞きます。
ヴィオラート作の専用ワームコンパスを手にしたシュトーラちゃんは、
今回は虎に翼、鬼に金棒、獅子奮迅の大活躍で、
市民祭体験ツアーと称した新人狩りをカナーラント王国全土で仕掛けて、
お店番候補を一気に倍増してくれました。
「この人たちは大丈夫なんですか?」
「皆知り合いですの~!」
アッハイ、
ファスビンダーだけじゃなくていろんな街に潜んでたんですね、わかります。
その人たちの大部分が臨時のお店番候補の登録を、
一部は技術指導ありの長期雇いを申し出てくれたので、
もうお店番や下働きで困ることはないでしょう。
あとはこの中から、あるいはどこかから幹部候補を確保すれば、
私的にお店の目標であるオーナー業化でがっぽり作戦は完了しますね。
わが「ヴィオラーデン・ゾンネン」は確保した人員で規模を増やし、
今回「レヘルン12」をメインに「フラワーショップ」と「妖精屋」も出店し、
大いに盛り上がりました。そりゃそうなるよなぁ。
レヘルンクリーム屋は言わずもがな、
フラワーショップとしても世界一クラスだし、
パウルの妖精屋はよく分からないけど……え?
妖精の帽子とか妖精の服も売ってたって?欲しかった……。
おおっ!しっかりと数着は買っておいたんですね?
ちゃんとゾネさんの分もあるって?流石ですシュトーラの姉貴……姉貴?
これはどちらも防御力は下がりますが、アイテムの採取量が増えるというアイテムです。
早速試着しましょう。
……やばい。やばいです。帽子はともかく、服の方。
これが登場した「リリーのアトリエ」でもそうでしたけど、
イベントCGで回収されちゃうレベルです。妖精さんが着ている時はゆったりなのに、
人間が着るとどうもボディラインが出るぐらいにぴっちりつめて来るようで、
この私の、身長が低い割に育った曲線がまる分かりです。まずいですよこれは!
現状そこまで素材に困ってるわけではないので、おとなしく諦めましょう。
ちょっと脱線しましたが、
あとはフラワーショップのクリエムヒルトさんからもお話がありました。
こちらは定番のドンケルハイトに、蓮花や輸入品のはぐるま草も織り交ぜて、
市民祭の演出面も盛り上げたそうです。売り上げも普段の3倍増。
そうですこういうのでいいんですよこういうので!
はぐるま草はメッテルブルグから来た行商人さんが持ち込んだそうです。
やはり輸出入となるとあの街ですかね。まだ工事してますけど……。
わが国のハーフェンは、うん、頑張って。
とりあえず全てを総合して、
市民祭での収入が天井を突破してさらにとんでもないことになったようです。
私の目標はこういうイベント効果で巨額の利益を出す事じゃないんですが。
もっとこう、持続可能な発展的投資効果と言うか……。
まあ、利益が出たのなら自己資本や貯金にして、
それ以外の残りは……全力投資しかないですかね、現状。
この世界、金融関係が金貸しとか両替ぐらいしか見えて来てないんですよね。
まだしっかりとした「銀行」みたいなものは無いんでしょう。
船での貿易はやってるので、損害保険系とか株仲間的なことをやってる人達はいるのかな?
貿易にしっかり絡むなら、そこらへんがどうなってるのかも知りたいですね。
それが無いと、商会が直接船主になって全責任を負う、
ギャンブル的な貿易慣行の時代って事になりますので。
参考書もそうですが、錬金素材を継続的に手に入れるには、
そっち方面もいつかは手を突っ込んでみたいんですけどねぇ。
現状、錬金術の技術で作った抜け穴から、
個人で結構な量の交易をやろうとしてますからね。
出来れば貿易のカウンターパートが相手国の側にいて、
そことの取引って形で欲しいものを手に入れる形にしたい。
ただ、私達のような、たった2人から始めて、
4・5年そこらで世界一とも言われる成長をしたお店に釣り合う相手がいるのかが問題ですが。
単純に規模が上の商会だと傘下に入ったようになってしまうでしょうし、
そうですね……資金不足で困ってる所を最初助ける形でとか、
発展前の私達みたいな将来性のありそうな店を支援して育てるってのもありですかね。
まあ、焦る話でもないんで、そういう規模の大きそうな事はまた年単位で考えますか。
で、今回の資金余剰をどうするか、という話に戻りますが。
これはドーンと、北部港の土地と債権の確保に使ってしまいましょう。
北部港近辺で、まだ余っていた端境地や条件の悪い土地を一斉に確保。
出来るかどうか分かりませんが、あとで錬金術を駆使して土地改良しつつ、
順次建設を行って、倉庫街の予備地にしましょう。
残りの資金は、工事の予備費として街か騎士隊の方にプールしてもらいます。
キッチリとした港湾管理組合とかはまだないんで、
これからもちょくちょく資金を出すことで南北両方の港に絡めるようにしておきます。
人口が増えて仕事がまた増えたら、漁師・港湾施設・船主を管理する、
港湾組合でも作ることになるかもしれませんね。
……またやりたいことが増えました。スフィアちゃん、これは一体!?
「何者かの攻撃を受けている?」
いや、スタンドバトルじゃないんだから。
結局その管理組合も何年か先にやるかどうかって話で、
今私のやる仕事は港関連の投資だか寄付だか判然としない資金供出だけ。
お店の方は当初の予定通り、オーナー的な立ち位置で私は様子を見に行くだけ、
っていう状態に持って行けるめど(だけ)は立ちましたからね。
たまに趣味と監査的意味でお店に立ち寄るとかはやってますけど、
そこは時間の決まった仕事でも頻繁にやる仕事でもないんで、
最近のメインの仕事は「ギルド長」と「錬金術士」になりますね。
ギルド長みたいな立場だとゆっくり出来るイメージあったけど、
むしろ趣味として錬金関連のことを四六時中やってるから、
やっぱり起きてる間は仕事しかやってない系の人になってる……?
これはいけません。休みを確保して、
趣味である錬金術を思う存分やる暇を作らなければ!
「……これは重症」
「何が重症ですか?」
全くスフィアちゃんは唐突にわけの分からない事を言いますね。
「仕事をお休みして、錬金術をやる?」
それが何か……あっ?
「やっと気付いた……」
趣味を仕事にするってこういう事か。
スフィアちゃん、私、嫌いだった仕事人間になっちゃったよ……。
ま、そうなってしまったものは仕方ない。
「どうもー!私、仕事人間!仕事人間です!」
「ゾネさんが幸せなら、それでいい」
よし、仕事人間なら仕事人間らしく、仕事しようじゃないか!(ヤケクソ)
私は喜び勇んで錬金ハウスに向かったが、
いつも通り錬金三昧しただけなので別段何があるわけでもなかった。
………………………………
そして10月。月日が経つのは早いものです。
趣味だか仕事だかでやりたい事をやっていたらあっという間に月日が消えて無くなっていた。
責任者呼んで来い!
ええと、あれですよ。ヴィオラートの旅立ちが間近に迫り、
ついに一号店を移転する時がやって来ました。
何も無ければまだ続ける予定でしたが、
酒場の中の雑貨屋を拡張するついでに本格的に支店化しないか?
という話が出たのが移転話の始まりです。
主に人員的な都合により、そちらの酒場支店に注力して、
不確定な1号店はいっそ移転して人員配置を確定してしまおうと。
そういう事です。2号店を少し新人教育ついでに人員過剰にして、
別の新たな支店開設も狙って行こうかと考えています。
何故そんな話になったかですが、
酒場のオッフェンさんが商店会長になったこともあり、
宿泊施設を十分に確保するため、酒場を拡張の上2階建てにして、
本格的な宿屋を併設することになったのが原因です。
市の都合で必要になった事なので、市からもお金が出ることになりましたが、
どうせなら「ヴィオラーデン・ゾンネン」も出資しないか?
という話になりました。
ほぼ完全に忘れていましたが、酒場の中にあった雑貨屋は、
クリエムヒルトさんが人を雇って続けていたんですよね。
商品としては以前と全く変わらず、私的にはノータッチだったんですが、
ヴィオラートやユーディウスさんと相談の上、
会計はうちのお店の業務内で処理していたので、
商品はともかく経営としては酒場に所定の場所代を払ううちのテナントショップだった?
らしいのです。
いや、雑貨屋の最初の出資は酒場が出していたらしいので、
ちょっと法的にはややこしい立ち位置になっていたとか。
それで、酒場のリニューアルを機にうちが出資して、
権利関係を一本化して堂々と支店としてやってくれと。
立地的に……そうですね、バルテル兄さんとクラーラさんを送り込んで、
持ち帰り・キープ用の高級酒類と、
おつまみ・お持ち帰り・贈呈用の乾物系をメインに売る、
酒場の環境を生かした店舗にしましょう。
高級酒は数は出なそうなので私が作ってもいいし、
乾物系は乳製品は作れますからね。肉類は既製品で利ざやが取れず、
魚系の干物が高価で量が少ないのが残念ですが。
港が出来れば漁師さんの活動も活発になりますかね?
現状は兼業の川漁師と、趣味の釣りついでの半冒険者のプロ釣り師位しかいないので。
主にモンスターや盗賊のせいですが、
【敵カードを消す】【強敵カードを消す】「アロマボトル」配布で、
沿岸漁業なんかもしたいですね。海魚が高価すぎる状況は何とかしたいです。
こっちの主力製品は、ダグザの釜から出てくる「竜の舌」を使った「タンシオ」と、
シャリオミルクから作れる「シャリオチーズ」になりますかね。
シャリオミルクは妖精の森かリサの街で貰えますし、
ヴィオラートのアトリエのシャリオチーズは何と充填型アイテムなので、
放置すると増えるんですよ。はい。私も最初見た時は目を疑いました。
流石にシャリオミルクを大量に仕入れるようになって来たので、
返礼として製品のシャリオチーズを相応に置いていこうとは思ってますが。
これだけ大量に採取しても無料でいいと言ってくれる、
妖精の森の妖精さんとリサの街の人、おおらか過ぎて心配になって来るほどです。
酒場の方のお店はこれでいいですね。
そうなると、1号店の商品が浮いてしまいますが、
とりあえず2号店……1号店の移転と共に「本店」となる東部の大型店の、
フラワーショップの方に引き取ります。
もうほとんどドンケルハイトが並んでましたからね。
こちらはまだまだスペースには余裕があるので、その点では大丈夫ですが、
こうなるとやはり、少しでも早く新しい支店が欲しくなって来ますね。
まずは酒場店と本店の体制を固めることが必要ですが、
それが終わったらどこに出すか本気で考えたい。
いや、酒場店はあるんですが、場所が場所なので商品の幅が限定されちゃうので。
現在のメインの人員を見ると、
「レヘルン12」メインのシュトーラちゃんと母さんと、
新たにスカウトした新社会人の皆さん。ここは現在人数が膨れ上がったので、
シュトーラちゃんやクリエムヒルトさん、ユーディウスさんと協議の上、
人材の再配置を行いましょう。かなり仕事量が分散されるはずです。
商品開発だけわずかにお手伝いするようになった、
スフィアちゃんとラピスちゃんもここですかね?
別部門では見習い店員として働きつつ布系の扱いを学ぶホーニヒドルフ3人娘、
幹部候補として店長業務や裏方をやってもらっているユーディウスさんとステファニさん、
クリエムヒルトさんのフラワーショップとそこで新規に雇っていた菜園の下働きの人、
現在移転改装業務で大忙しの元酒場の雑貨屋の店員、倉庫の管理をしている姉達。
他には気まぐれに商品を持ち込んだり臨時販売でうちの名前を借りたりしているパウル、
って所ですかね。
あとは原作と変わらない臨時雇いのお店番候補さんたちですが、
クラーラさんとバルテル兄さんはこのまま続けてくれそうです。
ただ、クラーラさんはオイゲン市長さんのお手伝いがあり、
バルテル兄さんもさらにその補助をするということなので、
長期の従業員としては採用不可。
ミーフィスさんとカタリーナさんは本業があるので今と変わらず、
残るロードフリードさんとブリギットですが、
ロードフリードさんは竜騎士隊に対して完全に市の内政の意見を代表し、
市を拠点とする市側の自警団冒険者・騎士クラスとして、
騎士隊と協力しつつ警備関連の依頼に積極的に参加している模様。
ブリギットというかジーエルン家は、カロッテマ市に支店を建てると共に、
その市側の自警団への依頼や援助を通して、
何とか市の運営に絡んで行こうと模索しているようですね。
これが地球なら政治的な対立構造?とかいう展開になりそうですが、
結局この世界は街の外が人外魔境、カロッテマ市も安全な街道は北だけで、
他の東西南全てモンスターランドっていう危険度の高い世界ですから、
実力組織の戦いは文字通り終わる事無く無限に続き、
競争はあっても内紛してる暇はありません。したら死にます(街ごと)
というか現在でも人口に比べて警備の人員は足りてないですからね。
いや、どこも状況は同じですね。
新支店は……まあ今は無理として、計画だけでも先に立てておきましょうか。
新支店はどうせなら他の街に作ろうと思っています。
人口や経済だけで見るとメッテルブルグが一番なんですけど、
なんかずっと工事してるし、
どうもあちらの国ではお店を開く資格なるものが必要らしく、
その資格のために時間が年単位で消えそうなのでフィンデン王国はなし。
となるとカナーラント王国内で、順当に考えればハーフェンですかね。
でもハーフェンだと土地も高そうだし既得権益的な競争も激しそうなので……保留。
となるとファスビンダーかホーニヒドルフでしょうか。
ファスビンダーに出すとしたら、商品候補はワイン以外の珍しいお酒と娯楽用品かな。
ついでに大貫道交易に手を出すのも面白いかも。
ホーニヒドルフなら、登山用に生きてるナワや氷耐性の防具・服が提供出来そうですね。
酒場に依頼を出して、冒険者にロッドを使ってもらって、
それで回収された鉱物を引き取るというビジネスモデルも成り立ちそうです。
実際にリサーチする必要がありますが、
ホーニヒドルフの方が何というかガッチリ街に食い込めそうなので、
どっちかというとそちらに魅力を感じますね。
……また計画だけ立てて、将来やる仕事を増やしてますか?私。
ただやりたいようにやってるだけですが、そうすると自分の仕事が増えていく。
経営者の仕事ってのはそういうものかもしれませんが、
まだ私自身ペース配分が分かってないんでしょうね。
慣れればいいんでしょうが……難しいなあ。
まあ、私以外の従業員が育つ時間も必要なので、
しばらくは通常営業の時間ですかね。
通常営業と言っても、1号店移転で忙しいと言えば忙しいんですけど。
しばらく私はいつも通りの酒場の依頼周りと錬金術、
学びながらの両ギルド長業務にお店のオーナー業のお時間です。
お店の経営は、総合的な商会長業務をユーディウスさんとステファニさんに、
部門別の専任テナント系業務をシュトーラちゃんとクリエムヒルトさんに、
完全に任せられるようにして行く予定です。
シュトーラちゃんは全部のスーパーサブ的な働きも出来そうですが、
それはまた突発的に忙しくなったり問題が起きた時に取っておくとして。
お店に関してだけは当初の予定通りのオーナー業が、
もうすぐで出来上がりそうですね。(希望)
そうしてしばらく、既に10月も下旬、
「原作知識」の終わりが見えて来たその時。
私はなぜかスフィアちゃんとラピスちゃんに呼び出され、
カロッテ遺跡のスフィアちゃんと出会った場所にホイホイ行ってしまったのです。
そこでまさかあんな事が……。
次回、カロッテ村のゾネさん最終回。
「無限の鍵」
ヴィオラートのアトリエ期間内で終了、予定通りです。