カロッテ村のゾネさん   作:おかひじき

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幻影回廊はまだ残ってる上に動くのが奇跡


幻影回廊アタック

 さあ、やって来ました獣人原!

エアドロップを使い、海の中へと突入。

 

 服のまま海中に入るというのは、

いくらエアドロップがあると言っても、

やはり変な感じがしますね。

 

 海底にはマーマンやローレライが数多く出てきますが、

カリヨンオルゴルで一掃出来るので楽勝ですね。

私、ヴィオラート、アイゼルさんのうちの誰かが、

開幕で使ってそれで終わりです。

 

 倒したローレライが連続で鱗を落とし、

ローレライの鱗が3つ手に入ったのは幸運でしたね。

 

 その他採取アイテムも海系としては最上級で、

極上品の白砂岩やサンゴ、真珠玉、

ゼグラス草も採れるのでありがたいです。

サンゴとゼグラス草はあとでタネにしておきます。

 

 この世界何日も海の中を行くのですが、

夜はどうするんだろう?と今更ながら思っていたら、

ヴィオラートとアイゼルさんが共同で、

テントの中でエアドロップを上手く使った、

密閉エアドロップ空間を作ってくれました。

 

 アイゼルさんはその経験から、

様々な冒険必需品を用意して冒険の環境を整えてくれるし、

ヴィオラートはどんな環境にもすぐ適応するしで、

ゲームでは見えなかった力が本当に頼りになります。

この点では私は貢献出来ません。

こうなると分かっていたら、

もっとキャンプとか趣味にしてやりこんでいたものを!

 

 そして何日か後、獣人原のはるか東、

目的地の幻影回廊近くの小島に一旦上陸して休憩します。

入り口が海底にあるので、上陸は必須ではないのですが、

何日も続けて海の中にいるので、

流石に陸で小休止したほうがいいかな?となりまして。

 

 エアドロップの効果は「水中呼吸が出来る」であって、

海水を完全に遮断しているわけではないので。

リアルのダイビングとは違って、

エアドロップから出た空気が身体を覆うのですが、

水中突入時とエアドロップの入れ替え時に、

どうしても少し海水に触れてしまう。

 

 エアドロップは実際には1個ではなく、

袋1つで1単位だったんです。やっぱ実際に、

参考書見ないと分からないことが結構ありますね。

 

 休憩というかひさびさの陸での一泊の後、

いざ幻影回廊内部へ突入です。内部は本当にボロボロで、

よく海水が入ってこないですね?って感じに見えます。

 

 この遺跡は3本の塔が海上高くに顔を出した構造で、

その塔をギミックで上下させて内部を探索するという、

こんなボロボロならそれ崩れるんじゃない?

と見えて案外崩れない塔の根性試しの探索が必要なので、

今回はそこまで探索しません。

探索は遺跡を修理するアイテムが手に入ってからですね。

 

 ここは遺跡のHP的な初期耐久値が低すぎて、

普通に戦ってるだけでも壊れてしまいがちなので。

 

 味方だけでなく敵の技でも遺跡が傷んでしまう、

それはどうしようもないですからね。

 

 今回の目的は、一冊の参考書を回収すること。

入って少し進んだ壁を迂回して回りこんだ先にあります。

途中アポステル(緑悪魔の眷属)に襲われましたが、

ラピスちゃんのアイス・ヴェレ(氷全体魔法)と、

直後に全員通常攻撃で撃破。

参考書を守るガーゴイルたちとボス戦です!

 

 ガーゴイルはボスらしく、

MP・LPの攻撃が効かない(ステータス値がない)ので、

HPダメージで倒さなきゃならない。

こいつのために氷属性のブリッツスタッフを何本も作り、

対策して来たのです!

 

「氷のブリッツスタッフと氷魔法で集中攻撃してください!

敵の数を減らして!」

 

 私が珍しく指示を出し、

私・ヴィオラート・アイゼルさんが開幕先制攻撃。

3体のうち、敵の攻撃前に1体倒せました。

 

 普段、こんな偉そうに指示なんてしないんですが、

このボス戦は別です。

 

 何せこのガーゴイルさん、

普通に攻撃力高い上に全力石化ブレスをやって来ます。

一応、石化のくせに時間で回復はするのですが、

全滅の危険性が高いのは変わりありません。

まず敵の頭数を減らさないとまずい。

 

 今回はしっかり数を減らせたこともあり、

スフィアちゃんの精霊の護り、

ラピスちゃんのアイス・ヴェレの力もあって、

石化する機会もなく勝利。

目的の参考書「新約・金羊毛」を入手出来ました。

 

 重要アイテム「フライングボード」に、

敵の時間を停止する「時の石版」と、

防具系属性アクセサリーの「ゲベートアンク」、

ステータス強化の「グナーテリング」のレシピが書かれた、

世界が変わる重要な参考書の1つです。

 

 目的のものを手に入れたら、

この遺跡には遺跡ダメージの問題があるので、

空飛ぶホウキで即脱出。海中からでも問題なく、

以前休憩した小島に着地します。

ここが幻影回廊出入り口扱いなのでしょうか。

 

 ついでにとなりの小島、

「シュペーアリフ」の探索もやっておきます。

「アードラの寝床」「正体不明のタマゴ」「グラビ石」

「島魚のヒゲ」等々、少し珍しい素材をゲット。

そこでまた1泊し、

また海の中を歩きに歩いて獣人原に上がり、村に帰った。

ゲームのように楽々は戻れないのです。

 

 海系の素材が再度回収出来たのは良かったのですが、

リアルの海中宿泊散歩は疲労感半端ないです。

本当に。

 

 村に帰ったら、まず武器防具やアイテム、

それに身体にこびりついた潮を落とさないといけない。

こりゃ、ゲームではさほど使わなかった「防水袋」と、

それを応用した水着系衣類・防具の開発、

やった方がいいかもしれないなぁ。

簡単に出来るといいなあ……。

 

 

 

……………………

 

 

 

 村に帰った私達は、一通り潮を落として、

不在のカロッテ村で溜まっていた用事を消化します。

本当に、海の中に入るってのは面倒が多いですね。

防水袋系の海中装備って本当に、

結構な商売になるかもしれません。

 

 お店は幻影回廊出発前と変わらず、

ロードフリードさんとブリギットに任せます。

2人体制ならさすがに大丈夫ですよね?

色々売れて空きが出来た商品棚には、

量販店で買い占めたエアドロップを追加。

 

 最初にやるべきことは済んだので、

まずは家庭菜園の収穫作業を行った結果、

「儚げなタネ」から育ったドンケルハイトの花、

合計9つを収穫出来ました。

そのうちの1つを残して8つを儚げなタネに。

 

 もう1つ、ゼグラス草から【ぬめぬめしている】

タネを作成。どうしても【ツヤツヤしている】

効果はついてしまうけど、

残りの従属が【安物+3】【高級品+2】で、

余計な従属がつかないものを使います。

 

 最後の1つは、従属なしの良質サンゴから、

サンゴが生える【虹色】のタネを作成。

合計10個の「何かのタネ」を、

ヴィオラートと分担して5日で完成させました。

いつものごとく植物用栄養剤を投入し、

1回以上の最低限の世話をして、収穫を待ちます。

ついに家庭菜園フル稼働の始まりです。

 

 残しておいたドンケルハイトは、

秘密バッグのもう1つのアイテム効果、

【アイテム取り寄せ】を出すために使います。

材料のアイテムのうち妖精さん人形、

ゼッテル、地球儀は既に作成済み。

残りの材料、カテゴリアイテム「神秘の力」

に利用出来るのが、このドンケルハイトなのです。

 

 この【生きている】【いい香り】、

【腐りにくい+2】の素材でこの効果が出ることは、

私の記憶の中では何度も確認済みです。

正確に、後から攻略本まで見て確認しました。

 

 神秘の力の属性値が、

従属効果のプラス分と合計してちょうど80。

それに、品質値による属性値追加分、

「品質値の10分の1」が加わり、

ギリギリ【アイテム取り寄せ】効果に必要な、

属性値80.1の値を越えてくれるのです。

さあ、これで世界が変わりますよ!

 

 手持ちで持って行けるアイテムは80個ですが、

【アイテムを転送】【アイテム取り寄せ】

効果の秘密バッグが揃っていれば、

お店のコンテナを含めた最大700個のアイテムが、

常時利用可能になります。

 

 これで他の街の依頼もこなしやすくなるし、

採取地や遺跡に持って行ける物が格段に多くなるのです。

まったくやはり錬金術様々ですね!

 

 あ、そうそう、量販店のガラス玉は、

一旦在庫を買いつくした後に、

メテオールに登録変更しておきましょう。

ハーフェンで、海中で手に入れた素材を使って、

新しい極上品のガラス玉を登録するので。

 

 というわけで引き続き、

お店をロードフリードさんとブリギットに任せて、

武器の修理のためにハーフェンに向かいましょう。

メンバーは当然、幻影回廊に行った5人です。

お店番以外の準備が要らない、

秘密バッグ効果で本当に楽になりましたね。

 

 中央の山を通り、妖精の森経由でハーフェンへ。

カリヨンオルゴルがまだ使えたので、

特に危険はありませんでした。

 

 ハーフェンでは、さっそく武器屋に修理を頼んで、

その間は秘密バッグを利用して酒場で簡易調合です。

まずは極上品のガラス玉を作成、量販店に登録。

売り出されるまで少し日数があるので、

防水袋の作成に挑戦します。

【ツヤツヤしている】【子供向け】【かわいい】

【大衆向け】等の従属効果がついてしまいましたが、

しっかりと1日で5つ、作成することが出来ました。

これはすぐに、今回の5人に渡しておきましょう。

 

 まだ時間があるので、

カロッテ村量販店で買った普通のガラス玉を使い、

機材の「ガラス器具」と「アタノール」

を作っておきます。

 

 今更ですが、こういう器具の類は全部、

ヴィオラートと私で都合2つ作る必要がありますね。

現状、足りないものは相談して共有しているのですが、

まあ……そろそろ分けたほうが良さそうです。

こつこつ作っておきますかね。

 

 この2つの器具を2つずつ作った段階で、

ちょうど登録した極上品のガラス玉が売り出されました。

在庫買い占めです。もっとも、

このハーフェン量販店は、登録が7ラインあるかわりに、

アイテムの在庫数は6個になっているのですが。

 

 順調に進む錬金術と冒険、

いつものように攻略気分で行動していた私。

 

 しかしその裏で、

ヴィオラートが自己の判断で、

私の想定外のフォローをしてくれました。

 

 猫目石の調合に挑戦し、

余った時間は酒場の依頼に費やしていたとか。

 

 私はどうも新調合や「攻略」っぽい事に夢中で、

必ずしも調合する必要がないアイテムの調合や、

既存アイテムの調合、いつもの依頼を後に回してしまう、

そんな癖があるようです。今更ながら気づかされました。

秘密バッグを2種揃えたら酒場の依頼がやりやすくなる、

って自分で気づいていたはずなのにすっかり忘れて、

誰かに教えることすらしなかった。

攻略に必要ではないと判断したアイテムも、

完全に後回しにしていました。

 

 ヴィオラートがすぐ気づいてくれて良かったですよ。

いやーうっかりうっかり。

この世界は、私だけが行動しないと何も進まない、

決まったアイテムを作ればそれだけで攻略出来る、

ゲームの世界ではないのです。

 

 いつの間にか、私がやらねばみたいな、

ゲームのスケジュールに追われたような、

そんな気になっていたのかもしれません。

 

 そうですよね。私のポジションは錬金術士+1であって、

時間に追われて攻略するような、

そんな厳しい達成条件が課せられているわけでもないのです。

 

 まあ、とりあえずハーフェンでやることは済ませたので、

カロッテ村に帰りましょう。フライングボードと、

【雷ダメージ中】のブリッツスタッフを作って、

行動範囲を広げますよ!

 

 

 




なおゾネさんの錬金術関係含めた仕事・学習時間を時給に換算すると……
(この先は黒塗りされて読めない)

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