なおだいたい最終装備と化す
妖精の森にはフリーのうしさんがいて、
極上品~新鮮なシャリオミルクをもらえます。
シャリオミルクからシャリオチーズを作り置きしておくのが、
今回の目標です。
とりあえず、最適日数(自称)の2日で5つ、
シャリオミルク10個分を、
村から持ってきた金属製のでかいミルク入れに回収しましょう。
ちなみにこれは、村から去った元酪農家の残していったもので、
穴が開いていたのをかつての私が修繕したものです。
ミルク扱うならこの金属製のミルク入れは欲しいからね、
カロッテ村にも昔は牛がいたんですね。かなしいなぁ。
まだお昼にもなっていない時間に、カロッテ村に帰還。
流石はワームコンパスですね。早速お店のほうに行って、
このシャリオミルクからシャリオチーズを作ります。
シャリオチーズはいくつかのアイテムの材料にもなるし、
なんとブリッツスタッフと同じ充填アイテムなので、
使用に間をおけば無限に利用できるのです。
アイテム効果はHP回復もしくはLP回復、
特にLP回復効果は調合祭りの時にも便利な効果です。
まあ、今回手に入れた、
従属効果のない極上品シャリオミルクは、
【HP回復小】のシャリオチーズになるでしょうが。
後でLP回復効果のものも作った方がいいですかね?
私がお店の方でシャリオチーズを完成させると同時に、
ヴィオラートは錬金ハウスの溶鉱炉を完成させて帰宅しました。
……何かたくましくなってない?大丈夫?
バルテル兄が、
ヴィオラートの気合いの入ったパンチを食らうイベント、
ここで起こりました。いやその、
見た目はあまり変わってないけど、歩き方とか姿勢が、
凄く筋肉を感じさせる振る舞いになってきてますよ?
ヴィオラートさんマジ半端ないっす!
「もー!やめてよー!」
バルテル兄さんをよろけさせたパンチは、
私に対しては何らその威力を発揮しなかった。
「……ゾネさんも、半端ない?」
もー!分かってたけど!強さは大体一緒だろうし、
こうなってそうだなーとは思ってたけど!
実際こう現実として見えると超ショックです!
これじゃかわいいゾネちゃんじゃなくて、
たくましいゾネさんじゃないですか!
「わんぱくでもいいから、たくましく育って欲しい?」
「何でスフィアちゃんがそれ知ってんの!?」
そりゃそうだ。冒険に出て峠越えもしてその上、
毎日のように調合という名の重労働をやってる錬金術士が、
たくましくならないはずがない。
まあとにかく、一区切りついたので、
たくさん実っていた家庭菜園の作物を再度収穫します。
サンゴが6つ、ドンケルハイトが24個収穫できました。
とりあえずのサンゴの数は十分なので、
しばらくは完全にドンケルハイト販売用(良い従属マシマシ)
の「儚げなタネ」10個を次々と植えて行く形にします。
とりあえず終盤までは、
これでバンバン売り上げが上がり続けますからね。
余ったドンケルハイトは全て保管。
確か劣化しないアイテムだったはずなので。
ヴィオラートと分担して、
2人で5日で10の何かのタネを作れるのは効率的ですね。
………………………………
さて、ヴィオラートの作った溶鉱炉を早速活用するために、
先日作ったロッドを持って、
カロッテ村南の南部平原へ行きましょう。
目標はロッドを重ねがけした、
レベルの高い従属効果を持った日影石。
フライングボードで行ける日影石の採取場が狙い目です。
他にも、雷属性のブリッツスタッフで行けるようになる、
小さな通路のような洞窟に、
少数のコメート原石やグラセン鉱石、
何かの宝石の原石等もあるのですが、
ロッドで良い従属効果の付いた日影石をたくさん採って、
それで作る最強クラスの防具「銀糸の服」が目的です。
採取の詳細なやり方としては、
最初に3個あるロッドを3回使い、極上品の日影石を採取。
固定値の「8個単位」手に入れた後に、一旦採取地を離脱。
入り口から採取地リトライしてまたロッドを3回使用、
もう一度「8個単位」手に入れて村に帰る。
それだけです。
リアルだとどうなるのかと思ってましたが、
ふつうにロッドが別の場所を指し示して発見できました。
こういう大量採取場はホントに大量に素材が眠ってるんですね。
ロッドが複数回使えるのを見ても、
やはりこの世界はリメイク版準拠の世界であるようですね。
ロッドのような使い切りアイテムが、
良い品質(品質値50以上)の場合は2回使える、
というのが大きな違いですから。
脱出用の空飛ぶホウキも使い、
短期間で日影石を大量に採取して村に帰還した我々は、
早速作成に取り掛かります。
まず、なぜ日影石を集めたのかというと、
「銀糸の服」の材料に出来る「インゴット」のアイテム効果、
【シルヴァタイト】になりやすいこと、
カロッテ村の近くで大量に集めやすいこと、
溶鉱炉で溶かせること等がその理由です。
お手軽さですね。
ロッドを3回使用したので、
付いている従属効果も結構高ランク。
【HP上昇+3】だの【魅了耐性+3】だの、
いい従属効果がしっかり付いています。
これを溶かして、いい従属効果が付くようにインゴットにして、
それを銀糸の服に加工して……。
日影石16個をインゴット8個に、
インゴット8つを銀糸の服4つに。
インゴットを1つ作るのに1日、銀糸の服を1つ作るのに5日、
ヴィオラートと交代しながら、
計28日をこの作成に費やしました。
ゲームではあっさり作ってましたけど、
炎は熱いし作成は体力いるし、
これをずーっと続けてる鍛冶屋さんは大変だなーと思いました。
まる。
合間にはお店番の補助をしたり、
また収穫を迎えた家庭菜園の収穫とドンケルハイトの陳列、
何かのタネの作成と植え付けをして、
依頼の更新される10日くらいに1回は、
ワームコンパスを駆使して各街の酒場の依頼をこなしたり。
ファスビンダーの酒場では、
ファスビンダー~ホーニヒドルフの間道を教えてもらったり、
ホーニヒドルフでは、盗賊のアジトとなった。
「テュルキス洞窟」の情報を手に入れたりしました。
情報収集を怠ってはいけませんよね。うんうん。
……あれ?
「これは……もしかして、働き過ぎなのでは?」
完全に自業自得なのですが、
元偽装エンジョイ勢の効率厨としては、
ついつい空いている時間に予定を入れたくなるのです。
自分の労働時間を自分で決められる経営者であることが、
私の効率厨的な魂に火をつけて、
詰め込みまくりのスケジュールを組んでしまった結果というか。
「ゾネさんは……カローシする?」
「カローシ駄目!絶対!」
スフィアちゃんの何も考えてない一言で目が覚めました。
ドンケルハイト菜園も軌道に乗ったし、
もうこんなにキツキツで私とヴィオラート、
2ラインの作業工程を、
ダブル錬金術士フル稼働でずっと動かしてる必要ないじゃん!
原作通りの1ラインを基本に、分担して作業して……。
分業ではなく、休日にしてみる?
でもそうするとヴィオラートはともかく、
私は錬金術=趣味なので休日も錬金三昧になって、
寝る時以外働いてるのと変わらないみたいになるんじゃ?
あれ?私ってもしかしてこの世界では、
仕事以外の趣味がないクソまじめな仕事人間になってる?
今更明らかになる真実!
いや待て、自分だけで自己完結して決め付けるのにはまだ早い。
一応周囲の意見も参考にしないと判断することは出来ないだろう。
「ねえスフィアちゃん、私ってどういう人間に見える?」
「錬金術命!」
「率直なご意見ありがとうございます!」
凄い率直だけどあんま参考にはならない!
ヴィオラート、同じ錬金術士であるヴィオラートなら!
「うん。ゾネちゃんって、錬金術にかけてはすっごい頼りになるから、
凄く助かってるんだ。いつもありがとう!」
ああうん、ヴィオラートらしい、
善意と感謝のオブラートに包まれてるけど、
それやっぱ錬金術命!的なニュアンスだよね?
アイゼルさん、アイゼルさんなら……。
「あなた、錬金術の話の時だけ3倍くらい早口になるわね」
はいその通りです!錬金バカですいません!
「別にいいじゃない。そうね……なんというか、
錬金術しか知らなくても、チーズケーキは作れるんだから」
「おおっ!」
アイゼルさんのその一言で、全てが繋がった気がした。
そうだよ、ヴィオラートのアトリエ以前の、
「エリーのアトリエ」の主人公のエリーさんは、
錬金術で至高のチーズケーキを作るという目標を持ち、
エンディングによってはそのままチーズケーキ屋になる、
という道をたどったではないか。
「流石アイゼルさん、道が見えた気がします!」
「そ、そう?」
錬金術しかなくてもいいじゃないか、その中で。
自分の道を見つければいいんだ。私はその結論に達すると。
久々に家に帰り、何も知らない家族に、
錬金術について通常の3倍の速さで語りつくして、
早めに寝た。疲労が溜まりすぎていたのか、夢は見なかった。
酒なんか飲んでないのに、
何で酔っ払って帰った翌朝みたいな気分で、
目覚めを迎えなきゃならないんですかね?
さて、完成した4つの「銀糸の服」。
銀糸の服自体のアイテム効果、【神秘の加護】
の効果で雷・氷・炎の3属性のレジスト値が+25。
あとはそれぞれ高レベルの従属効果が最大4つ付いています。
それぞれ付いている……と思われる効果が違うので、
どれを誰に装備してもらうか決めないといけませんね。
まず最初に、【HP上昇+3】【魅了抵抗+3】
【呪い抵抗+3】【猛毒抵抗+3】のついた、
「銀糸の服」をスフィアちゃんに。
スキル「精霊の護り」を使うスフィアちゃんが、
先制で倒れなければもう、
戦闘での敗北はないと言っていいですからね。
HPを増やしておいてもらいます。
次いで、【LP上昇+3】【MP上昇+3】
【毒抵抗+3】【マヒ抵抗+3】の服をラピスちゃんに。
ラピスちゃんのスキルは全て魔法で、
大量にMPが必要になるので、
こちらはMP量をとにかく確保してもらう狙いです。
バンバン魔法を使ってもらいましょう。
そして3つ目、【睡眠抵抗+3】【雷抵抗+3】
【素早さ+3】【魅了抵抗+3】の服をヴィオラートに。
錬金術士が素早く動けるのは強いです。
アイテムをガンガン使ってもらいます。
そして最後の4つ目、【炎抵抗+3】【睡眠抵抗+3】
【毒抵抗+3】従属スロット空き1つという、
いかにも余り物で作りましたという服は私に。
ヴィオラートは「本当にいいの?」と言ってましたが、
なに、またロッドを使っていい鉱石を採取したら、
新しい装備を作るのでいいのです。
もう少しで最高ランクの鉱石採取地、
「ソーン高原」か「大貫道」に行く予定なので、
そこであらためて、ですね。
とりあえずこれで、装備は十分ですね。
出来ればアイゼルさんにも渡したかったのですが、
いつの間にか自作して装備している模様。
そりゃ錬金術士なんだから、
作り方と作る手段があれば自作しますよね。
武器の方は……いちおう前衛のスフィアちゃんには、
何かあったほうがいいのかもしれませんが、
それも最高ランクの採取地に行ってからでいいでしょう。
私達の主力はアイテム火力だし、
スフィアちゃんには「精霊の護り」がありますから。
「銀糸の服」が行き渡って、私が一息ついた丁度その時。
いつ以来かの村長さんがやって来ました。
これは……そうですイベントです、新しい参考書です!
「カロッテマガスト」「タンシオ」「アルファルの糧食」
「竜ごろし」「ダグザの釜」「ゲヌークの壷」という、
なかなか素晴らしいアイテムのレシピが手に入る、
「鉄人の書」をお持ちいただいたのです!
まあ、今はまだ作る時ではないのですが。
この本のアイテムを作るのは、準備が出来てからです。
……何やら村が騒がしいですね。何か、
村に大工さんの集団が続々とやってきているような?
もしやこれは……村の発展!?
まあ私達はしばらくは、調合と依頼の生活でしょうか。
そう考えて、家と店と酒場と錬金ハウス、
その間を行き来する生活を送っていた私が見たものは。
ゲーム上では条件を満たせば1日で大きく発展して、
即専用BGMまで流れるのですぐに分かりましたが、
現実化するとこういう感じになるんですね。
確か新しい店が出来て、
大通りと広場が全て石畳で覆われる大規模な工事になります。
実際には何ヶ月かかかりそうですね。
記憶では終わりまで「カロッテ村」のままでしたけど、
途中で変わったりもあるんでしょうか?
まあ、現実でどうなるかはそうなってみないと分かりません。
私は私で出来ることをやっていきましょう、ハイ。
…………………………
しばらくして。
依頼を受けに行ったホーニヒドルフの酒場で、
ゾーン高原の情報を入手します。ついにこの時が来た!
ただ、ゾーン高原で採取に使う予定の、
「ロッド」の素材である「ローレライの鱗」
の良いものが無いんですよね。
お店のお客さんのうち、物々交換のお客である、
酔っ払いおじさんから受け取った粗悪品のローレライの鱗、
それが5つだけです。
物々交換のお客さんは使い方次第ですが、
この酔っ払いおじさんのアイテムには、【安物+1】
【見た目が貧相】の従属効果が必ず付いてくる上に、
【出来が悪い+1】【腐りやすい+1】などもついたりして、
品質も悪いのでお店や依頼で出すにはあまり使えません。
しかし今の時点でのローレライの鱗のような、
自分で使う用の素材アイテムで、今の所、
代替品はモンスターからのドロップからしか入手できない、
そんな限定状況では役に立ちます。
コメート原石と真珠玉をハーフェンから、
インゴットを村の新しい店から買ってきて、
ロッドを5本作成。1度しか使えない粗悪品の品質ですが、
5回使えば問題ないでしょう。
街を巡って、回復用のデニッシュ、琥珀湯、
攻撃用にメテオールを買い込み、
いつもの5人……私、ヴィオラート、ラピスちゃん、
スフィアちゃん、アイゼルさんに、
もう一人ロードフリードさんを加えて、
目指せゾーン高原!です。
お店の方はそろそろ交代してもらって、
ファスビンダーのミーフィスさんとカタリーナさんを呼んで、
お店番してもらうことにしました。
時間差のないワームコンパスあっての人員交代ですね。
もっと驚かれると思いましたが、
錬金術って凄い!で何か納得していただけました。
お前それでいいのか……?
趣味を仕事にしてはいけない(戒め)