バカとテストと召喚獣 狂気の努力家   作:24601

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自分は洋画は字幕派(吹き替えだと本来の意味が損なわれることがあるため)ですがコマンドーや刑事コロンボのようにセンス溢れる吹き替えは大好きです。


愚者の一石高木の狡猾な猿を撃ち落とす

一時間後。

 

「空き教室から机や椅子をありったけ持ってくるのじゃ!手の空いてる者はビニール紐やガムテープで固定じゃ!」

 

秀吉は自身も椅子を運びながら指揮をとる。

 

瑞希という切り札が機能しなくなったことによりFクラスは致命的かつ大幅な戦力ダウンを強いられることになってしまった。

 

当初は40人近くいた侵攻部隊も一人また一人と倒れ半数以上が(補習から)帰らぬ人となり、さらに相手の損害は効率的な兵の入れ替えもあってか戦死者たったの9名。

 

人数と瑞希で前線を押し上げる予定が逆に旧校舎側まで押し込まれてしまった。

 

そこで雄二が下した命令がバリケードを築くことでBクラスの侵入を防ぐ籠城戦だった。

 

おかげで今明久や秀吉達はFクラスのボロボロの卓袱台や教卓、空き教室にあった机や椅子、その他備品などを積み上げる作業に追われている。

 

「おいお前ら、往生際が悪いぞ!」

 

「所詮Fクラスなんてこの程度よ」

 

「お粗末な作戦だな、オイ」

 

バリケードの向こう側ではBクラスの部隊がその様子を見て嘲笑っており、立ち会いをつとめるべく着いてきた教師陣も半ば呆れているようである。

 

「ゆ、雄二、本当にこれで大丈夫なの?」

 

「そうよ、坂本。突破されたらおしまいじゃない」

 

立て籠っているだけでは勝てはしないのは当たり前、バリケードの向こうに迫り来るBクラスの兵隊に不安を覚えたのか明久と島田美波が雄二に尋ねる。

 

「心配するな。すでに平賀に指示を出してある。Dクラス戦の戦果がそろそろ実るはずだ」

 

得意気に口をつり上げながら雄二が言う。

 

「戦果って・・・平賀君達にBクラスの室外機を壊させるってやつだよね?・・・・ってことは前に説明したアレをやるの?」

 

「え?でもアレは最後の最後にやるんでしょ?」

 

「作戦通りにはいかなかったがな。終わり良ければ全て良しってやつだ。そのためにも最終段階に入るぞ。おいお前ら、どんな言葉を使ってでも良い、とにかく奴等を罵倒して挑発しろ!」

 

バリケードの完成を見計らって雄二が新たな命令を下す。

 

「挑発って言われてもな・・・・『 おい早く掛かって来いよ卑怯者の奴隷共が!!』」

 

迷いながらも須川が第一声を上げる。

 

「じゃあ俺は・・・『Bクラスの奴らっていつまでも経ってもAクラスには勝てない永遠の2番手、まるで○イージだな!』」

 

「そんなので良いのか・・・『来いよクズ共、召喚なんてやめて掛かって来い!』」

 

須川の言葉を受けて次々と後に続くFクラス。

 

『おいおーい、怖いのかよ?』

 

『Bクラス知ってるか?クズは負けることしかできない』

 

『雑魚をしとめきれないお前らは何なんですかー?』

 

『クズとは違うのだよ、クズとは!』

 

『やーいお前のクラス、ゴッミクズやーしき!!』

 

『誰でも良い、付き合ってください!』

 

『おい誰だ!今言った不届き者を縛りあげろ!!』

 

一部、関係ないものも混じってはいたが一度罵倒して波に乗ったのか盛り上がりながら罵倒していく。

 

「黙って見ていりゃつけあがりやがって!!」

 

「野郎ぶっ殺してやらあぁぁ!!」

 

「と、とにかくこのバリケードを何とかしましょう?まずはそれからよ!」

 

「そ、そうだな。バカの挑発に乗ってはいかん」

 

それに対してBクラスは当然怒りの声を上げ、何人かは冷静にバリケードの撤去を提案する。

 

「!?・・・おい、このバリケード、結構固いぞ!」

 

「本当だ、重いな」

 

男子数名が積み上げられた机や椅子をどけようと掴んで力をいれるが天井近く積み上げられなおかつ一つ一つがビニール紐やガムテープで繋ぎ合わせられて固定してあるため生半可な力ではびくともしない。

 

事態を打破するためBクラス前線部隊は応援を要請することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちっ、まだ終わらねぇのかよ。遅ぇな」

 

Bクラス教室。

 

ウチの兵隊は何をやっているのか、と恭二は愚痴をこぼす。

 

しかし口とは裏腹に表情は満足げである。

 

瑞希を封じて多くの敵を討ち取った今、Fクラスに勝ち目などない。

 

惨めに散るかBクラスに頭を垂れて降伏するかのどちらかしかないく、もう決着はすでについているようなものだ。

 

「なぁ、代表。少し暑くないか?」

 

近衛部隊の一人が腕捲りをしながら恭二に言う。

 

「あ?・・・・言われてみればそうだな少しエアコンの温度を下げるか」

 

恭二は席を立って黒板の横に備え付けられているエアコンの操作パネルに手を伸ばす。

 

しかし

 

『ERROR』

 

の文字が画面に表示されているだけで温度調節や風量調節、電源ボタンを押しても何の反応もない。

 

「おいふざけんなよ、壊れたのかよ」

 

恭二は天井の大型エアコンを見ながら舌打ちする。

 

よくよく見れば風口が閉じている。

 

「故障かよ、ついてねぇな。後で修理の申請をしておくか。おい、窓を開けろ」

 

窓の近くにいる生徒に命令する。

 

「代表!!」

 

「ん?どうした?」

 

前線部隊にいた生徒が教室に駆け込んでくる。

 

「Fクラスの連中がバリケードを作りやがって、そのバリケードをどけるのに人手が要るんだ。人を寄越してくれ」

 

「だから時間が掛かっていたのか。しょうがねぇ、後詰め部隊含めて近衛部隊以外全員行ってけりを着けてこい。奴らは降伏する気がないみたいだから坂本だけとは言わず全員討ち取れ」

 

教室を見渡しながら恭二が言う。

 

すると教室で待機していた者達は談笑を中断してぞろぞろと廊下へと出ていく。

 

面倒だと口にする者もいたが口がにやけているあたり勝利を確信しているようだ。

 

 

 

 

「さーて、後はゆっくり待つだけだな」

 

ほとんど全員が教室を出ていくのを見送り、残っているのが近衛部隊だけになると恭二は席に戻って余裕の一言を呟く。

 

その時だった。

 

何かが勢いよく噴き出す音が耳に入るのと同時に視界が白く染まる。

 

ここ最近の出来事のおかげでその白い物には心当たりがあった。

 

「あ!?ちくしょう!!」

 

恭二は右腕で口元を覆いながら席を立つ。

 

噴射音と白煙の元凶は消火器だ、消火器を使う奴らと言えばーー

 

「Fクラスか!!」

 

噴射音が止む。

 

替わりに聞こえて来るのは近衛部隊の生徒が咳き込む音、そしてある者の声。

 

「・・・・・Fクラス、土屋康太」

 

「き、貴様!窓から入って来やがったか!」

 

少しずつ視界が晴れていく。

 

それと共に目の前に浮かび上がる二人の人物。

 

立ち会い人の大島教諭と瑞希と対をなすFクラスの切り札である康太だ。

 

「・・・・・Bクラス根本恭二に保健体育勝負を申し込む」

 

「くそ野郎が!!」

 

「・・・・・試獣召喚(サモン)」

 

 

『Fクラス 土屋康太 保健体育 441点』

VS

『Bクラス 根本恭二 保健体育 203点』

 

康太の召喚獣が恭二の召喚獣を切り裂いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう、根本。楽しい楽しい戦後対談といくか」

 

戦争が終結し、生き残った生徒がBクラス教室に集まる。

 

両クラスの生徒の人だかりの中心で床に座り込む恭二の前に雄二が歩み出る。

 

「本来なら設備を明け渡してもらい、お前らには素敵な卓袱台をプレゼントするところだが、特別に免除してやらんでもない」

 

雄二の言葉に双方のクラスがざわつく。

 

「落ち着け、皆。前にも言ったが、俺達の目標はAクラスだ。ここがゴールじゃない。」

 

「うむ。確かに」

 

秀吉が頷く。

 

「ここはあくまで通過点だ。だから、Bクラスが条件を呑めば解放してやろうかと思う」

 

「・・・条件は何だ?」

 

弱々しく恭二が言う。

 

「条件?それはお前だよ、クズ野郎」

 

「ああ。お前にはーー」

 

「ちょっと待って雄二。その前に根本君に聞くことがあるよね?」

 

「・・・そうだったな。明久、秀吉、ムッツリーニ。廊下にクズ野郎を連れてこい。後の奴は待機しててくれ。姫路、お前は当事者なんだから来てもらうぞ」

 

「は、はい・・・」

 

泣いたせいか目が若干赤くなっている瑞希が雄二に言われて先に廊下へ出ると雄二、恭二を連れた三人が続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




Bクラス対Fクラス決着。

次回戦後処理後半です。

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