ダンジョンでブラフマーストラを放つのは間違っているだろうか 作:その辺のおっさん
昨年の10月から投稿を始め、まだ至らぬことも多いですが、昨年、皆様から頂いた感想がとても嬉しく感じました。本年も頑張りたいと思います
なんか思い付いたので番外編です。短編3つです
以外と年末時間がとれた・・・ネタは思い付いた内に書いた方が良い
え?イシュタル?・・・知らない方ですね
番外編
-カルキによるオラリオ経済テロ-
「すまないが、この『カドモスの泉水』20L買い取ってくれないか?」
とある日の午後、【ディアンケヒト・ファミリア】にやって来た見知らぬ男が『カドモスの泉水』を大量に持ってきたことに【ディアンケヒト・ファミリア】は大混乱になった
「……通常なら1Lで1200万ヴァリスですが」
動揺しながらも応対した【ディアンケヒト・ファミリア】団長アミッド・テアサナーレは誉められるべきであろう
「そうか、ではその値段で買い取ってほしい・・・それから、この『カドモスの皮膜』とカドモスの魔石もそれぞれ買い取ってほしいのだが」
「ッツ!?そ、それでは、それぞれ850万ヴァリスで…」
追加でドロップアイテムを懐から取り出した男に驚愕しつつも、商業系ファミリアの義務を果たそうと買取価格を提示するが
「1150」
男はドロップアイテムの買取価格をアミッドが提示した値段よりも吊り上げる
「以前、『カドモスの皮膜』を【ガネーシャ・ファミリア】が買い取った価格だ。妥当であろう」
「初めて来た方にお得意様と同じ価格で買い取るわけにはいきません、900」
「悪いが、自分が今住んでいるのは【ガネーシャ・ファミリア】の
なんとしても安く買いたいアミッドと無表情の男が互いに価格を譲らず緊張感が張り詰めるなか、ふぅと男が息をつき
「ならば、仕方がない…1000でどうだ?」
どこか疲れたような男に、それならばとアミッドは頷き、契約成立ですねと言って、奥から金を持ってこようとすると
「では、『カドモスの皮膜』と魔石、合計40個、買い取ってくれ」
ドサリと机に置かれたドロップアイテムと魔石にアミッドは卒倒し、『アミッドさん!?』と【ディアンケヒト・ファミリア】の団員達が慌てふためき、アミッドを介抱し、何とか気を取り戻したアミッドであったが
「さ、流石に5億ヴァリス以上も払えません…私達の
泣きそうなアミッドに男は「それでもいい」とだけ告げて、早く持ってくるように促す
「では、また来る」
それだけ言い残して男は3億ヴァリスと
「今日だけで大赤字です…うぅっ…」
アミッドと【ディアンケヒト・ファミリア】の団員達がさめざめと泣いているのであった
***
「戻ったぞ」
【ガネーシャ・ファミリア】の
「ば、馬鹿な……」
団長であるシャクティが呆然とするなか、ガネーシャは苦笑をして
「今頃、ディアンケヒトは卒倒しているだろうな!」
カルキが本気を出せばこうなるのは当然だと笑うが、団員達は神の恩恵をもらっていないと公言する男が深層に行っていたことに驚愕するなか
「明日からは数日、ヴァルガングドラゴンを狩ってこよう」
更に下の階層へ向かうと言うカルキに、【ガネーシャ・ファミリア】の団員達からのカルキの評価は只の居候から完全にヤバい奴となっていた
***
『【ディアンケヒト・ファミリア】借金漬けになる』
たった一日で【ディアンケヒト・ファミリア】が借金を負ったということにオラリオ中がざわつくなか、数日後、【ヘファイストス・ファミリア】にも借金を負わせる悪魔が忍び寄っていた
「すまないが、ヴァルガングドラゴンのドロップアイテムと魔石を買い取ってほしい」
数時間後、数億ヴァリスの大金と魔剣と最高級の武器を抱えて去っていくカルキと後ろで「借金…」とさめざめと泣く【ヘファイストス・ファミリア】の団員達と大量の素材にどんな武器を打とうかワクワクしている椿がいたことは言うまでもあるまい
***
「はぁ!?『カドモスの皮膜』が120万ヴァリス!?」
【ディアンケヒト・ファミリア】でティオネが叫ぶが、アミッドは最早『カドモスの皮膜』にはその程度の価値しかないと切り捨てる
「私達、【遠征】で命懸けで採ってきたんだけどー」
「それでもダメです」
ティオネがぶーたれるが、アミッドは頑として譲らない
「アミッド…何か理由でもあるの?」
アイズが不安げに尋ねるが、「大丈夫です」とアミッドは返し、これ以上交渉しても無駄だと感じたティオネは「だったら他のファミリアに頼むわ」と交渉を止めるが
「……アミッド、頑張ってね」
「……はい」
今、【ディアンケヒト・ファミリア】のドロップアイテムの買取価格と薬品の値段は数週間前の10分の1まで値下げしている。供給過多のせいでここまで値段を下げなければ儲けが出ないらしい。その事を分かっているティオネ達が店からでていくと、アミッドは1人溜め息をついて思い悩む
「(これも全て、あの男のせいです…そういえば一週間ほど来ていませんね……)」
もしかしたらもう来ないのかもと淡い期待をしていたアミッドだったが
「アミッドさぁん!アイツが来ましたぁ!?」
「!?」
【ディアンケヒト・ファミリア】の団員が泣きながら飛び込んで来るのを見てアミッドはゴクリと喉をならし、ここ最近、素材を供給過多にしている男の登場に身構える
「……久しぶりだな、今回は『カドモスの泉水』2Lと『カドモスの皮膜』を3個、『
「(今回は少ない…?)わかりました、1200万で買い取りましょう」
今回はやけにドロップアイテムが少ないことを不思議に思うアミッドであったが、気にすることもなく、奥から最早僅かばかりとなったファミリアの資金を持ってくると
「どうやら、供給過多で迷惑をかけてしまったようなので、これからは、ドロップアイテムは他のファミリアでも換金することにした」
そういい残し、男が【ディアンケヒト・ファミリア】から出ていった後、オラリオ中の商業系・鍛冶系ファミリアから「借金だぁー!?」「ファミリアの資金がぁ!!」「破産だぁぁぁぁ!」と阿鼻叫喚が聞こえてきてアミッドは力なく地面に座り込むのであった
***
その後、オラリオはスーパーデフレに突入し、破産した商業系・鍛冶系ファミリアとドロップアイテムを安物にされたロキ・フレイヤ両ファミリアを含む探索系ファミリアがカルキ・ブラフマンに戦争を仕掛け、カルキから一方的にボコボコにされ、主神がカルキによって天界に送還されてしまうのだが、それは別の世界の話………
-カルキのトラウマ-
「はぁ~っ」
夕方のギルド本部、受付嬢のミイシャは深い溜め息をついていた。普段であれば、そんな同僚を嗜める隣に座るエイナも嗜める気配すらない
それは、今、ミイシャが担当している男性、カルキ・ブラフマンについてミイシャが悩んでいるからだ
カルキ・ブラフマンとミイシャとエイナが出会ったのは、【ヘスティア・ファミリア】と【アポロン・ファミリア】との
蓋を開けてみれば、カルキは【アポロン・ファミリア】の団員レベル2を含む100名以上を蹂躙したのである
【神の鏡】に映る映像を通して蹂躙劇を見てしまったミイシャとエイナは返り血一つつけず蹂躙したカルキの強さに震え上がってしまった
さらには神々もカルキのことを『常識のないイキリ野郎』から『常識外れのヤベー奴』として扱っており、ギルドでもあまり関わりたくない人物となっているのだが、3日前にカルキがギルドを仕事を探しに訪れたのだ
無論、ある意味危険人物かもしれない男の担当など誰もしたくはなかったのだが、以前、カルキの担当をしたということでミイシャに白羽の矢が立ったのである。がミイシャが悩んでいるのはそこではなく
「また喋れなかったぁ~」
そう、ミイシャが悩んでいるのはカルキとのコミュニケーション不足であった
「……また話せなかったの?」
何でもカルキの地下水路での仕事が始まってから2日、午前と午後の報告の計4回話す機会があったのだが、あまり上手くいかなかったらしい
「確かに信頼関係を気づくのは大事だけど……」
どうしてそんなに話すことに固執するのか尋ねるエイナに
「えっ?だってカルキさんって顔、結構カッコいいじゃん?」
コテリも首をかしげるミイシャにエイナは呆れるが、ミイシャは「明日は今日よりもっとカルキさんと話してみせる!」と意気込むのだった
***
次の日の昼前、ミイシャは自分の担当している冒険者から相談を受けていた
その冒険者の獣人の少女は、ファミリアの先輩に連れていってもらった中層でモンスターの攻撃を受け、ダンジョンに恐怖を感じてしまっていてこのままでは冒険者を止めることになるとのことで、ミイシャもどうしようかと悩んでいるのだ
結局、結論は出せず、ミイシャと獣人の少女の間に重い空気が流れつつ相談室から出ると
「すまない、今良いだろうか」
午前の分の薬剤を散布し終えたカルキがやって来たのである
「(あっ……)」
これはカルキとのコミュニケーションを取るチャンスかもしれないとミイシャはカルキに事情を説明すると
「恐怖を感じてしまっていることの何がおかしい?」
「「えっ……?」」
【アポロン・ファミリア】相手に無双した男の言葉とは思えない返答にミイシャだけでなく獣人の少女も驚いた声を出すと、カルキは「これは持論だが」と前置きをして
「人間は誰しも恐怖を感じるのが当然だ、そして、戦場において、その恐怖に勝てるかどうかが問題なのであろう」
カルキの答えに獣人の少女は「それならば」と気合いを見せるが「だが」とカルキは付け加えるように
「だからと言って、ただ闇雲に突っ込んで行くのは只の蛮勇であり、それは唾棄すべきモノであろう。心には恐怖を持ちながら、いつ、どこで、ほんの僅かな勇気を振り絞れるかが重要なのだ」
「……よくわかりません」
首をかしげるミイシャと獣人の少女に
「要するに、『恐怖は常に持ち、足を半歩下げろ、蛮勇をするな、一歩踏み出す勇気を出す場面を間違えてはならない』ということだ」
そう説明するカルキに、ふとミイシャは、神々が『常識の外れのヤベー奴』としているカルキに問いかける
「じゃ、じゃあ、カルキさんにも怖いことってあるんですか?」
ミイシャの疑問を獣人の少女も思っていたのだろう。尻尾を振って興味津々であった。そんな二人の少女に「あるぞ」とカルキはアッサリと答える
「えっ!ど、どんなことですか?」
野次馬根性丸出しにするミイシャだけでなく、ギルドの職員達も聞き耳を立てている
「(上手く誤魔化すか)……自分がまだ師匠の元で武術修行をしていた17歳の時、基本的には食事を師匠の奥方が作って下さっていたのだが、ある日、師匠のご同輩のお方と修行していた際、修行に熱中して昼食をすっぽかしてしまって、せっかく作って下さった料理が冷めてしまったことを奥方が悲しまれて…な」
「……何があったんですか?」
思い出したくもないという雰囲気のカルキに獣人の少女が緊張しながら続きを促すと
「………奥方を悲しませたと激怒した師匠が、自分が修行していたところに弓矢を持ち、背中に武器を担いで殴り込んで来てな・・・その時の師匠があまりにも恐ろしくて、それ以来、飯前には理由がない限りは修行を何がなんでも早く切り上げるようになった」
苦笑しながら答えるカルキに、ミイシャと獣人の少女だけでなく、聞き耳を立てているギルドの職員達も、【アポロン・ファミリア】を蹂躙した男の割りと情けない話に、つい吹き出してしまった
「いや、本当にあの時は消されるかと……まぁ、いいだろう…少女よ、お前はまだ若い、こういう職業は死ななければ勝ちだ。そこは忘れるなよ」
念を押すように言うカルキに獣人の少女は先程と違って明るい顔になり、ギルドから出ていく。
そして、相談に乗ってくれたカルキのことをミイシャは「やっぱりイイ人だ」と思い、それ以降、カルキと雑談をするようになるのであった
***
「ところで、カルキさんは『お前はまだ若い』って言ってたけど、何歳なんですか?」
「………24だが?」
「カルキさんも充分若いじゃないですかぁ!?」
「そうか?」
「……私と5つしか変わりませんよ?」
「…そうか……」(←もっと年下だと思っていた)
-戦争遊戯if~カルキがベルを鍛えた場合-
ヒュアキントスに勝つためにベルがアイズに再び鍛えてもらおうと【ロキ・ファミリア】の所に向かおうとしていると
「いや、ベルは自分が鍛えよう」
そう言ってカルキがベルの首根っこを掴み、持ち上げたのである
「ええっ!!大丈夫なのかい!?カルキ君!?」
不安げなヘスティアに「まあ、半人前くらいにはなれる」とカルキは答えてベルを担いで去っていったのであった
***
オラリオの城壁、以前ベルがアイズに鍛えてもらった場所にカルキとベルは来ていた
「では、始めるとしよう」
「は、ハイッ!」
どこか緊張しているベルにカルキは簡単に「一年だけ修行をしよう」と告げ、ベルはどういうことか理解ができないという顔をするが
「まあ、大人しくしていろ、良い考えがある…いくぞ『
「へ?うわぁぁぁあ!」
二人は光に包まれ、しばらくの間、音信不通になるのであった
***
「ベル君…」
6日後、行方知れずの己の眷属のことを心配するヘスティアであったが
「神様!」
自分に呼び掛けるベルの声にパァッと顔を明るくしてヘスティアが後ろを振り返ると
「えーと、……誰?」
「ええっ!?僕です!ベル・クラネルです!」
「………マジ?」
背中のステイタスを見ると確かにベルであることにヘスティアは驚愕する
「神様!僕、絶対に勝ちます。そして、このオラリオに戻ってきます!」
そう宣言して走ってシュレーム古城へと向かうベルをヘスティアは呆然と見送ることしか出来なかった…
***
「……ベルだよな?」
「ベル殿ですよね?」
「クラネル…さん?」
何故か微妙な反応をする3人に泣きたくなったが、自分はかなり強くなったことを伝えると「だろうな」としか答えが返ってこないことに、ちょっと凹んだりした
次の日の正午、
2Mを超す巨大な体躯と鍛え上げられた鋼のような筋肉、そして着ている服は腰布一枚の大男であった
『いや!誰ええええええええええええ!!!』
『神の鏡』を見ていたオラリオにいる誰もがツッコミをいれるなか、ヘスティアと【ヘスティア・ファミリア】の眷属のみが乾いた笑みを溢す
この後、ベルが滅茶苦茶無双した
後書きついでに補足を
カルキによるオラリオ経済テロ
カルキがオラリオに来るのが一年早く、尚且つ「仕事しろ」とガネーシャ・ファミリアから煽られ、何も考えずにダンジョンに突っ込んだ場合に起こるルート
数ヵ月に一つ手に入るかどうかのドロップアイテムを一気に数日おきに数十個持ってきたらスーパーデフレになっちゃうよねって
その後、「一つのファミリアに売るな」と言われたため、カルキがオラリオ中のファミリアに売り付けたためスーパーデフレに………
なお、作者はモンハンで狂走エキスマラソンしているときに思い付いた模様
カルキのトラウマ
元ネタはFGOの某キャラの幕間の物語
話に出てきたのは、それぞれ
師匠→シヴァ
奥方→パールヴァティー
師匠の同輩→ヴイシュヌ
です。
パールヴァティーを悲しませたとしてカルキとヴイシュヌの元に殴り込んで来たシヴァは、第3の目を開き、ヴィジャヤとパーシュパタアストラを手に持って、背中にパラシュとトリシューラを担いで来て、カルキは必死に謝ったが「私ではなくパールヴァティーに謝れ!」と怒られ、ヴイシュヌが何とか取り成している間にパールヴァティーに文字通り必死に謝り許してもらったとのこと
また、ソーマ、ガネーシャ、カーリーに同じ話をしたところ「何で生きているんだ?」「ヴイシュヌに感謝だな!」「シヴァを怒らせて宇宙から消されないとか、ある意味で偉業じゃな」とコメントされ、カルキは苦い顔しか出来なかったという
戦争遊戯if
もしもベルを鍛えたのがアイズとティオナではなくカルキだった場合のボツネタ
この時のベルのイメージはFateのヘラクレスです
この後、ベルへの攻撃に捲き込まれそうになったカサンドラをベルが救い「やだ…かっこいい」とトゥンクさせ、歓楽街に行けば「やだ…大きすぎる…」と一升瓶並みのベルのクラネルを見た春姫とアマゾネス達を発情させ、ヒキガエルが美女となり、ヒロイン争いに参戦し、ゼノスとのゴタゴタではロキ・ファミリアを圧倒して「ベル(アルゴノゥト君)…強すぎ…」とアイズとティオナをトゥンクさせ、リューと裸で抱き合えば「く、クラネルさん…あ、当たってます…」と『これ、挿入ってるよね?』的な展開になる原作以上のハーレム野郎となります
ちなみに、この状態のベルでもカルキはベルのことは半人前扱いです(ブラフマーストラを放たないため)
次回予告
「……祭りですか?」
カルキとタケミカヅチが激突し、更地となったダイダロス通りの復興としてガネーシャ・タケミカヅチ主催でお祭りが催されることになった。各々のファミリアが巨大で派手な山車や神輿を造り、熱気が高まるなか
「……フフフ…」
祭の裏で暗躍する旅人の神と一部の女性陣
「あ、あれは……!」
祭当日、自慢の眷属達に派手な神輿を担がせ乱入してきた戦女神
オラリオの漢達が褌姿で熱く激しく盛り上がるなか、祭の裏で暗躍するヘルメスと女性陣の目的とは!祭にサラシと褌姿で神輿の上にガイナ立ちしながら乱入してきたフレイヤの真意とは!
そして、ラウル、ヘディン、ヘグニは声もなく慟哭する
『……もう、お婿に行けない…』
次回 『キャラ大崩壊!ドキッ!漢だらけのオラリオ大漢謝祭』
2020年投稿………未定!!