ダンジョンでブラフマーストラを放つのは間違っているだろうか   作:その辺のおっさん

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【悲報】ベル君救出編・黒ゴライアス編にオリ主参加せず


タグで追加しましたが作中最強はオリ主ではなくインド神話の神々です


なんか原作キャラが愉快な性格になっちゃってますがそこは独自設定ってことで


第14話

カルキが闘国へ向かってオラリオから旅立った2日後、オラリオでは

 

「ヒャッハーッ!神会(デナトゥス)だー!!」

 

オラリオの中心部にある白亜の巨塔『バベル』の30階で3か月に一度開かれる会合、『神会(デナトゥス)』が行われ、参加条件はLv2の冒険者が【ファミリア】にいることである。普段はLv2以上の冒険者の二つ名を決める『命名式』で新しくLv2になった冒険者がいる神や暇を持て余した神が参加するのが普通なのだが、今回はオラリオにいるほぼ全ての神々が参加しており、眷属がいないはずの困窮を司る女神や以前、闇派閥ではないかと疑われたこともあり、あまり公の場に出てこない神まで参加していた。

 

「第ン千回神会(デナトゥス)の司会進行役はうちことロキや!よろしくな!」

 

『イエー!!』

 

ロキが神会を開催する挨拶をすると周りにいる乗りのいい神々によって喝采で包まれた。

 

「よぉし、サクサクいくで。まずは情報交換や、面白いネタ報告するもんおるかー?」

 

神会(デナトゥス)の主要目的である情報交換をロキが促すと

 

「ハイハーイ!今日此処に来ていないソーマ君がギルドに警告食らって、唯一の趣味を没収されたそうです!」

 

『なんだってぇー!』

 

そんな話題を皮切りに一気に会場は騒がしくなり、その話題に飽きたと思えば別の神が挙手し、新しい情報のやり取りをし、ふざけた話題から真面目な話題まで好き勝手に意見を述べ、ゲラゲラ笑いあう。ここまで見ればいつも通り、普段の神会(デナトゥス)と変わらないのだが、今回はある一柱を除いて神々がある話題を誰が切り出すのかとお互いに牽制しあっていた。やがて、その話題を誰も出さず、収拾がつきそうにもなかったが、「よし一回黙れ!」と司会が一喝すると、周囲の声はすぐに静まり返った

 

「うっし。まとめとくと、今気にしなきゃいかんのは王国(ラキア)の方やな。一応ギルドに報告しとく。まぁウラノスのジジイのことやから、独自に情報は掴んでそうなもんやけど、ここにいる一部のもんの【ファミリア】は招集かけられるかもしれんから、よろしくな?」

 

『了解』

 

今までの話題から重要なことだけ纏めてロキはギルドに報告するといってその報告に異論はないと他の神々は頷いた。やがて話題も尽きてきたのか、口数が減り、話し合いの勢いが収まってくるとロキが「あぁ、そや。うちの方からも一つ、ええかー?」とロキが切り出してきたので「あのことか!?」と神々は身構えたが、ロキのはただ極彩色のモンスターと闇派閥の残党についての牽制であり、それに乗じてガネーシャが「俺が!ガネーシャだ!」といってから、『怪物祭(モンスターフィリア)』での不手際を謝罪し、18階層で殺された眷属について涙ながらに話しその涙に周りの神々も神妙な顔になるが最後の最後に「腹上死など羨ましい!」と場をしらけさせてしまったが、あの話題ではなかったため、今回は誰もあの下界に介入してきた神については話さないのだろうと思っていた。

 

「んじゃ、お楽しみ『命め「すまない、少しいいだろうか?」……なんや?タケミカヅチ?」

 

いよいよ神会(デナトゥス)の本題であり、上位ファミリアの主神たちのお楽しみである『命名式』に移ろうかとロキが進行しようとすると、それを遮るようにタケミカヅチが手を挙げる。「まさか…」と他の神々がタケミカヅチを見る中、タケミカヅチは話だす。

 

「ゴホン。貧乏ファミリアの主神である俺が意見を言うのもと思って黙っていたが、誰も聞かないので俺が聞こうと思う。・・・ここにいる神々も感じただろうが『怪物祭(モンスターフィリア)』の時、確かにこの下界いや、このオラリオにあの『リグ・ヴェーダ』の神々の一柱である風神ヴァーユが介入してきた。ガネーシャ、お前…ヴァーユが介入してきた理由を知っているんじゃないか?」

 

『(タケミカヅチがいったああああああああ!?)』

 

「(え!?あのヴァーユが介入したの!?)」とその時ヴァーユの介入どころではなかったヘスティアを除いたフレイヤやロキを含む神々が思わず心を一つにする中、

 

「さあ?俺は知らんぞ!むしろあのヴァーユが介入したことに驚いたのは俺も同じだからな!」

 

「ほう?俺はてっきり天界で同郷であるお前なら何か知っていると思ったんだが」

 

「いや、残念だがヴァーユとは同郷だが神格がヴァーユの方が高いのと俺がシヴァの傘下だったこともあってあまり積極的には交流がなかったのだ!」

 

そう言いながらお互い獰猛な笑みを浮かべ牽制しあう二柱にその場にいる神々、フレイヤやロキでさえ話に割って入れないのは天界最強とも称される三柱神(トリムルティ)の一柱、破壊神シヴァの傘下であるガネーシャと特異すぎる極東、その極東の武神タケミカヅチという間違いなくこの場にいる神々の中でも上位を争うほど高い神格とこの場の神々では遠く及ばない武術を修めている二柱から放たれている神気と殺気に誰もが怯えているためである。

 

ちなみに、この場で最も神格が高くこの二柱を止められる可能性のあるヘスティアは天界での暗黙の了解を守っているのと普段は寛容・温厚で天界から付き合いのある貧乏神仲間であるタケミカヅチの知られざる一面を見たのと二柱から放たれている殺気が恐ろしいのとで隣に座っているヘファイストスにしがみつき涙目で震え上がってしまっている。

 

「そうか……いや、俺は『怪物祭』の夜にガネーシャがソーマと一緒にとある酒場を貸し切りにしていたという噂を聞いたからてっきり、そこで情報の交換をしていたと…ソーマはお前やヴァーユと同郷だったよな、ガネーシャ?」

 

「ああ!確かにあの夜ソーマと飲んだが、それは元々、同郷のよしみで神酒を飲ませてくれるという約束をしていたからにすぎん!まさかだとは思うが…それだけで俺にヴァーユについて問うているのかタケミカヅチ?」

 

『(頼む!もう誰でもいいからこの二人止めてええええええ!!)』

 

もはや、二柱から放たれる神気と殺気にによって神々の前に出された飲み物の入ったコップやバベルの窓ガラスは割れ、机や床、壁、柱、天井のいたるところに亀裂が入ってしまっており、つい『バケモノ揃いのリグ・ヴェーダと特異すぎる極東には手を出すな』という天界での暗黙の了解を無視して誰でもいいから今も獰猛な笑みを浮かべているガネーシャとタケミカヅチを止めてほしいとその場にいる神々はお互いを見るが見られるとお互い目を逸らすというのを繰り返す中

 

「いや、そうだったのか俺の勘違いだったか。しかし、もしリグ・ヴェーダの神々いや、三柱神(トリムルティ)とも関係のある人間がいるというのなら、ぜひとも手合わせを願い(殺し合い)たいものだと思ってな」

 

「なに!そんな人間がいたら俺としても手合わせを望んでいるところだ!」

 

「それもそうだな、ガネーシャ!」

 

「ああ!俺はガネーシャだからな!」

 

「「フフフ、ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」」

 

『ヒイイイイイイッ!!』

 

「もう、いい加減にしろぉ!」

 

『ヘスティア!?』

 

神々の心が一つになる中、やはりこの二柱を止めたのはヘスティアであった。

 

「タケもガネーシャもなんだい!?そんな簡単にあのリグ・ヴェーダの神々は下界に介入しないことは分かっているだろう?それにあの神々は天界にいるんだ!関係のある人間なんているわけがない!」

 

机をたたいて椅子から立ち上がり、フンス!と鼻息を荒くしつつ足をガクガクと震わせながら言うヘスティアの言葉に「まあ、ヘスティアのいうことにも一理あるか」とフッと神気と殺気を消すタケミカヅチと同じように神気と殺気を消すガネーシャをみて、ロキは間髪入れずに

 

「そ、それじゃあ、お楽しみ『命名式』や!」

 

『イ、イエー!!』

 

無理矢理その場の空気を換えようとして『命名式』を始めることを宣言し、周りの神も空気を読んで盛り上がる。その後は先ほどの空気もどこへやら、【ヘスティア・ファミリア】の世界最速兎(レコードホルダー)を巡ってフレイヤとロキが言いあうことはあったが、普段通りの『命名式』が行われ、痛い二つ名を眷属に貰った神々の阿鼻叫喚が響き、今回の神会(デナトゥス)も終わりを迎えたのだった。

 

***

神会(デナトゥス)から12日後、ダンジョン18階層では

 

「こっ、こっ、この度は助けていただいてっ、ほほほほ本当にありがとうございましたっ………!?」

 

中層に進出した日に怪物進呈(パス・パレード)を貰い、生き延びるために下の安全階層(セーフティーポイント)である18階層を目指して決死行を続け、【遠征】の帰りに異常(イレギュラー)に遭って18階層で足止めをされていた【ロキ・ファミリア】に助けられたベルはファミリアの幹部に呂律の回らない状態で感謝の意を述べる

 

そんな無茶をしでかした白兎(ルーキー)を面白いとガレスは笑い、そんなガレスをリヴェリアがたしなめ、団長のフィンはベルが緊張しないように軽口をたたく。そんな雲の上の存在の軽口にベルの緊張が少しだけ和らいでいると

 

「ところで、ベル・クラネル、君はあの男…カルキ・ブラフマンについて何か知っていることはないかい?」

 

「え?カルキさんですか?えーと……」

 

それとなくカルキのことを聞くフィンに素直にベルは自分の知っていることを答えていく。しばらく話をしてからベルはアイズと共に天幕から出ていき、【ロキ・ファミリア】の首脳陣だけが残った後、フィンが口を開いた

 

「結局、真新しい情報はなかったか……」

 

「フィン、こういうのも何だが、何をそんなにあの男を気にするのだ?」

 

「そうじゃ、あの酒場での言い方は気に障ったが、あの若造は恩恵を貰っていないから目くじらを立てるなといったのはお主じゃろう?」

 

カルキに関する新しい情報がなかったことを残念がるフィンにリヴェリアとガレスは疑問を呈する。なぜそこまであの酒場で自分たちにケンカを売るような真似をした男を気にするのかとそしてそれにこたえるようにフィンは答える

 

「…リヴェリア、ガレス、実はね、【遠征】前に少し気になる情報を得たんだ」

 

「情報?」

 

「ああ、なんでも……『怪物祭のとき、ダイダロス通りにある食人花が出てきた地下水路の近くを歩いているカルキ・ブラフマンを見かけた』という情報をね」

 

「「!?」」

 

フィンからもたらされた情報に驚くリヴェリアとガレス、そんな二人にフィンは続けて

 

「さらに今回の【遠征】で遭遇した黒フードの怪人(クリーチャー)、リヴェリアの魔法からまるで消えたように逃げたあの怪人(クリーチャー)と同じようにあの男もアイズの目の前から消えて、ロキの神気に怯えた様子もなく、さらにはLv6のアイズですら受け身が取れない程の技のキレ、リヴェリアから報告を受けた大量の血痕から推測されるオッタルとの戦闘、そんなことが出来るのがただの人間だとは到底思えない」

 

「まさか…」

 

「ああ、僕はあの男は怪人(クリーチャー)ではないかと疑っている」

 

「なるほど……あり得ない」

 

カルキ・ブラフマンは怪人(クリーチャー)ではないかというフィンの考えをリヴェリアはバッサリと否定する

 

「もし、あの男がオラリオの崩壊を望んでいる怪人(クリーチャー)だというなら、あの男が居候している先の神ガネーシャが許さないはずだ。それに、神ヘスティアもオラリオの外から来たということを嘘ではないとしたのだろう、この二つの事実と証言がある限りあの男が怪人(クリーチャー)だということを証明できん」

 

「じゃがのう、リヴェリア、もし一旦外に出て、それからまたオラリオに入れば「オラリオの外から来た」という言葉は嘘にはならん、それに恩恵を貰っていないのにあのオッタルと闘えるとも思えん。存外、奴らも一枚岩ではなく、あの男はオラリオ崩壊を阻止すべく動いていて、神ガネーシャとそういう取引をしているから居候をしているという可能性も捨てきれんぞ」

 

少し後ろで言い合う二人にフィンは振り向き

 

「まあ、今は証拠が何もない状況だ、それにあの男に正体を探っていることがバレたら元も子もない、あの男については接触を最小限にして正体を探っていくことにしよう」

 

その言葉に同意するようにリヴェリアとガレスは頷き、【ロキ・ファミリア】の首脳陣たちはカルキ・ブラフマンへの警戒を強めた

 

***

ベルが【ロキ・ファミリア】に助けられる数日前、闘国(テルスキュラ)では悲惨な蹂躙が行われていた

 

「………どうやらカーリー神は不在のようだな」

 

そうカーリーの自室と思われる部屋で長柄の斧(パラシュ)を片手で持ちながら呟くカルキの周辺の建造物はすべて両断され崩壊し、辺り一面には血を流し、絶命したアマゾネスが転がっており、生き残っているのは子供と戦意が折れて震えているアマゾネスのみという有様だった。

 

「無駄足になってしまったか……カーリー神について尋ねても誰も共通語(コイネー)を理解するものがいないとはな」

 

海に浮かぶ小舟の上からどこからともなく手にした(パラシュ)を横に振って、闘国(テルスキュラ)を両断し、乗り込んだ後、襲ってくるアマゾネスを返り討ちにしたのまでは良かったのだが、カーリーの居場所を尋ねても、言葉が通じず、しらみつぶしに探してようやくカーリーの宮殿と自室を見つけたのだがカーリーは国外にいるらしく、完全に無駄足であったとカルキは嘆く

 

「(まさか……ヴィシュヌ神はカーリー神が不在であることを知っていたのか?)」

 

思わずため息をついてしまったカルキであったが、宮殿の隅で震えていたアマゾネスにゆっくりと「カーリー」と言いながら地図を見せると震えながら指をさす

 

港街(メレン)か…完全に行き違いだったな、これも試練ということか?ヴィシュヌ神よ」

 

そう言って、闘国(テルスキュラ)から出ていったカルキは乗ってきた小舟に乗って、帆を広げると、どこからともなく吹いてきた風が船をメレンへと運んでいった




どうやってロキ・ファミリアと絡ませようかとした結果、カルキを怪人と誤解させる羽目に、某キャラだってバレなかったんだからイケるやろ!!

………うん、無理矢理なのはわかってる

タケミカヅチやガネーシャはもう掘り下げないだろうしエエやろと……違ってたらごめんなさい

次回 『メレン吹っ飛ぶ』

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