ダンジョンでブラフマーストラを放つのは間違っているだろうか 作:その辺のおっさん
話し方これでええんかなぁ………?
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カルキが
「(感じる神気は3、一つは海岸沿いにある岩の洞窟の中、一つは同じ場所にいて街はずれの洞窟か)」
カーリーの神気は知らないが、パールヴァティーに近しい神気を海岸沿いにある洞窟の中から感じられるのでカーリーはそこにいることは分かるがそれよりカルキが疑問に思ったのは
「(しかし、何故目の前の船や海岸沿いの洞窟、メレンの街中で多くのアマゾネスの気配がする……?)」
目の前の船やカーリーのいる洞窟、メレンの街から感じられるアマゾネスの気配の多さに「カーリー神はどれだけ眷属を連れてきたのか」と少し呆れたカルキであったが、よくよく気配を探ってみると目の前の船や岩の洞窟からはアマゾネスのみの気配しか感じられず、メレンの周辺では様々な種族とアマゾネスがいるのが分かった
「(まあ、『灸をすえろ』という依頼だから
そう、カルキがヴィシュヌから出された依頼は『カーリーが調子に乗っているのが目に余るから灸をすえろ』というもので別にカーリーを天界に送還しろとか消滅させろというものではない。そのためカルキは警告程度として
実際は、【カーリー・ファミリア】は船の上と海岸の洞窟で『儀式』を見守っているだけで、メレンで【ロキ・ファミリア】の女性団員と闘っているのは【イシュタル・ファミリア】なのだが、流石に誰がどの神の眷属までかはカルキも判別できないので、ただメレン周辺でアマゾネスが暴れているということしか分かっていないのである
「(とはいえ、こんな所でカーリー神への挨拶代わりにブラフマーストラを放ってはオラリオまで被害が出るな……あの船をカーリー神のいる所に落とした後で海岸の洞窟とメレンの中間あたりにヴィジャヤで一射打ち込んだ後、カーリー神に会いに行けば良いだろう)」
メレンとオラリオは3
別にカルキはこの二柱が相手であっても負けることはないのだが、あくまでも【ガネーシャ・ファミリア】の
そして、おそらく自分が仕入れた情報通りなら、おそらく目の前の船と洞窟で『儀式』と称した殺し合いをしており、メレンにいるのはその『儀式』の邪魔をさせないため暴れているのだとカルキは判断した。・・・ならば船をカーリーのいる所まで移動させ、その後、洞窟とメレンの中間あたりにヴィジャヤで一射打ち込み、何人か吹き飛ばせばいい、それで『灸をすえた』ということになるだろうと
「では、そろそろ始めるとしよう」
ポツリと一言呟くと、目の前に迫ってきた船を蹴り飛ばし、カーリーのいる近くに落とした後、どこからともなく現れたシヴァ神から授けられたヴィジャヤを手に取ると、自身の魔力で作った矢をあてがえ、弓から放たれた矢が海岸沿いの洞窟とメレンの中間へと真っ直ぐ飛んで行き、矢は寸分たがわず狙った場所に落ちると
爆ぜた
「ふむ、挨拶はこれくらいでいいだろう」
夜の暗闇に溶け込めるよう黒い旅人用のローブを身に纏い、カルキは衝撃で使い物にならなくなった小舟からカーリーがいるであろう洞窟へと水面を歩くように移動していった
***
「ッツ!なんや!今のは!?」
食人花をオラリオの外に密輸していたカラクリを明らかにして、その中心であった人間を愛しすぎた神ニョルズからあらかた事情を聴き、これからオラリオから呼んだ【ロキ・ファミリア】全員でカーリーの所に乗り込もうとしていたロキは急に起きた轟音と地震に膝をつき、何が起きたのかと洞窟を出ると
「………は?」
思わず呆けた声を出してしまう。しかし、それも仕方のないことであろう。ロキと同じように洞窟から出てきたロキの眷属は顔を青くし震え、ニョルズとその眷属のロッドの顔は絶望に染まっている。
「………嘘やろ」
ロキ達が見たのは、メレンから少し離れたところに半径が数百
「メ、メレンが…俺たちの街が………」
うわごとのように呟き、力なくその場にへたり込むロッド。そんな眷属の姿を見て、ニョルズはぐっと唇をかみしめた後、メレンに向かって走り出す
『ニョルズ(様)!?』と驚いた声を上げるロキとロッドにニョルズは
「街にはまだ俺の眷属が生きている!それにまだ助けられる奴もいるかもしれない!」
そう言ってわき目もふらずに走るニョルズに続くようにロッドも走り出す。ロキも自分の眷属はまだ誰も死んでいないことは与えた恩恵の数が減っていないことで分かっているのだがメレンの人々を見捨てるのも寝覚めが悪いとして眷属と共にメレンへと走り出していた。
***
「な…にが……」
よろよろと立ち上がったアイズは一瞬で瓦礫の山となったメレンの街を見て呆然としていた。周囲には【ロキ・ファミリア】と【イシュタル・ファミリア】の気絶した団員たちが倒れ伏しており、瓦礫の近くからは家族がまだ中にいるのであろう、助けを求める悲痛な叫びが響いていた。
「か、火事だー!!魔石に引火したぞー!」
「ッツ!」
建物が崩れた拍子に引火したのであろう、目の前の瓦礫の中が爆発して炎が燃え上がっていた。今も使えない自分の
「どこを見てるんだぁ~い」
「!?」
背後からヒキガエル…【イシュタル・ファミリア】団長フリュネ・ジャミールが襲い掛かり、それを受け止めるアイズ、周りの被害などお構いなしに自分に襲い掛かって来るヒキガエルと【剣姫】の戦いはオラリオから【ロキ・ファミリア】の増援が来るまで続いたのだった。
そして、その近くには奇跡的に気絶を免れた【イシュタル・ファミリア】の団員たちがいた。
「ちっ、あのヒキガエル……」
自分達にも被害が出ているのが分からねえのかと腕の骨を折る大怪我をしながらも悪態をついているのは【イシュタル・ファミリア】の団員アイシャ・ベルカである。彼女はこちらを不安そうに見てくる
「レナはあたしとここで春姫を守れ!サミラ達は気絶している連中さっさとたたき起こせ!それが終わり次第オラリオに戻るよ!」
団長よりも的確な指示を出す姉御肌のアマゾネスにほかの団員たちはコクリと頷きメレンで気絶している仲間の元へと散らばっていった
***
「【ウィン・フィンブルヴェトル】!」
額から血を流しながら、リヴェリアはこれ以上被害が出ないように自身の凍結魔法を駆使し炎を凍らせているが、その顔からは焦りの感情が隠しきれずにいた
「(圧倒的に人員が足りていない!)」
【ロキ・ファミリア】も【イシュタル・ファミリア】も関係なく気絶している者をたたき起こし、【ニョルズ・ファミリア】の協力やギルド支部長ルバート、街長ボルグも馬車馬のように使ってどうにか瓦礫の下に埋もれた者を救助し、これ以上炎が広がらないように消火をするが、あまりにも被害の範囲が広く、これだけの人数では手が足りないとリヴェリアは理解していた
「(フィンやガレス達はまだ着かないのか……っ)」
主神の策でこのメレンへと【ロキ・ファミリア】全員で向かってきているであろう団長や仲間が到着するまで何とか一人でも多く助けようとエルフの女王は今自分にできる最善を選び、指示を出しながら自らも魔法を使い続けた
***
「何が起こった!?」
恐らくメレン周辺にいる神の中で最も混乱しているのはカーリーであろう。バーチェとティオナの『儀式』を観ていたら、急に月明かりがなくなったと思ったら洞窟の広間の上空から自分たちの乗ってきた船が落ちてきて、誰もが呆然としている中、船から出てきたアルガナとティオネや船にいた者達を見てお互いの妹たちは何があったのかと問うても皆一様に「わからない」と言い、最早『儀式』どころではないという雰囲気になっていると
「――――ッツ!皆!伏せろぉ!」
何かが飛んでくると感じたカーリーが叫んだ次の瞬間、爆風と轟音が襲い、洞窟の壁は崩壊し、生き埋めにされた者、壁に叩きつけられ気を失った者とその場には誰も立ってはおらず、とっさに神の力を使い身を守ったカーリーだけが取り残され、壁が消し飛んだ洞窟からは瓦礫の山になったメレンと巨大なクレーターだけが見えていた
「このかすかに感じられる神気はシヴァ…?ま、まさか、何者かがアレを……いや、そんなことはあり得ぬ………」
あの奥儀を放てるものが人間にいるはずもなく、ましてや神造兵器を使う人間などと・・・とカーリーが考えていると
「流石はパールヴァティー神の分霊であるカーリー神、この弓が何か分かったご様子」
「誰じゃ」
音も気配もなく忍び寄っていた漆黒のローブを着た男にカーリーは向き合うと顔を強張らせる。否、正確に言うとその男が手にしている弓を見た瞬間に顔を強張らせた
「ば、バカな…ヴィジャヤじゃと……?あり得ぬ!それはシヴァ以外の神がましてや人が使えるような代物ではない!」
「いえ、この弓は自分がシヴァ神から賜ったものであります」
そうサラリととんでもないことを言う男に驚愕するカーリーだったが、そんなカーリーを無視して「では本題と行きましょう」と男は話始め、ヴィジャヤを肩にかけ、両手を胸の前で合わせ一礼すると
「では改めて、我が名はカルキ・ブラフマン、今宵、カーリー神の前に参上したのはヴィシュヌ神からとある依頼を受けたためであります」
そう言って顔をあげたカルキをじっとカーリーは見つめていた
メレンとオラリオって30㎞じゃなくて3㎞しか離れてなかったんか・・・近っ!ブラフマーストラ放ったらもれなくオラリオにも被害出るやんけと思ったのは内緒
前回のタケミカヅチはあれでよかったんか………?