ダンジョンでブラフマーストラを放つのは間違っているだろうか   作:その辺のおっさん

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FGOのボックス………走るべきか走らざるべきか………



アストルフォはカワイイなァ(お目々グルグル)



第16話

「各自準備ができ次第メレンへ急げ!到着次第リヴェリア達と協力して街の住人の救助を最優先にしろ!」

 

数時間前、主神から「【ロキ・ファミリア】全員でメレンに来い」という指示が書かれた手紙をメレンから運んできた団員のアキと呼ばれている猫人アナキティ・オータムから貰い、オラリオの市壁の天辺で団旗を翻し、団員たちが集合するのを待っていたフィンであったが、団員たちが集まり始めたと思った矢先に起きた轟音と地震、思わず膝をつき一体何が起きたのかと顔を上げてみるとメレンから3KM離れたオラリオでも確認できるほどの巨大なクレーターができ、炎も上がっているため、予定を変更、各自準備ができ次第メレンへと向かわせていた。

 

「おい、フィン!何が起きてやがる!?」

 

「来たかベート、すまないけど先行しているガレス達に合流してくれ、大変だとは思うが……」

 

「チッ」

 

やって来たベートの問いかけを無視するように先行しているガレス達と合流してほしいと伝えると舌打ちをしながらも直ぐにベートは走り出してメレンへと走っていった。それからこちらに来た団員たちに回復薬(ポーション)を買いに走らせ、他の団員たちに的確な指示を出していく中、メレンの方向を睨み先ほどのベートと同じことを内心呟く

 

「(一体、何が起きている…)」

 

***

終末(カルキ)じゃと……?」

 

己の前に現れた男が名乗ったのはリグ・ヴェーダの神々の間で「終末」の意味を冠する名前、そんなことをあのシヴァやヴィシュヌ達が許すはずがないとカーリーは疑うが

 

「ええ、本来は両親から貰った名ですがその『終末』を名乗るにふさわしくなるようシヴァ神やヴィシュヌ神から鍛えられましたよ」

 

遠い眼をしながら、どこか懐かしい思い出を語るような雰囲気のカルキにカーリーは「あ、此奴、相当無茶振りされたな、主にヴィシュヌに」と察してしまったが、それはそれ、これはこれである。カルキを試すように神気を解放しつつ

 

「それで、何故お前は妾の前に現れたのじゃ?しかも『儀式』の邪魔までしてくれて…のぉ?」

 

カーリーから放たれる神気を軽やかに受け流しながらカルキはヴィシュヌからの言伝を伝える

 

「貴神の前に現れたのはヴィシュヌ神から『カーリーが調子に乗っているから少し灸をすえてこい』と命じられたため、闘国(テルスキュラ)に赴き、壊滅させましたが貴神が不在であったため、ここまで来た次第であります。また、『儀式』についてはパールヴァティー神から『儀式を行いたくない者には行わないようにせよ』というお考えを聞き及んでおります」

 

「そんなこと言ったら皆手を挙げて『儀式』をしたくないと言うにきまっとろうが!と普通なら怒鳴っているところであるが妾の大元が言うなら仕方がないか…殺し合いはさせんようにしよう、そうヴィシュヌに伝えておけ」

 

「では、そのように三柱神(トリムルティ)に報こ「ふざけるな!」………」

 

フラフラと立ち上がった【カーリー・ファミリア】の頭領姉妹の姉Lv6であるアルガナはその眼に憤怒の炎を宿しながらカルキを睨みつけた

 

「男、それも人間(ヒューマン)の男が勝手に我らの神聖な『儀式』を汚した挙句、我らの国に口出しするか……」

 

彼我の実力差もわからないような愚かな女にカーリーもカルキも呆れるがカーリーは「ふぅ」とため息をついて

 

「では、カルキとやら、殺さぬ程度にアルガナと闘え」

 

思わず「いいのか」という顔をするカルキであったがカーリーは嗤いながら

 

「よい、此奴の心を折らねば『儀式』を続けると言い続けるじゃろう…お主がいるということは今後はあの神々が下界に介入するということ…まだ妾も消されたくはないのでな」

 

「ただし」と前置きして

 

「例え聞き分けのない者であっても妾にとっては愛おしい眷属(子供達)じゃ、お主が破壊した闘国(テルスキュラ)と今まで殺した妾の眷属(子供)はヴィシュヌの命令だと納得はしてやる。だがこれ以上殺せば……」

 

「妾が貴様を殺してやろう」

 

凄まじいほどの殺気を放ちながら睨みつけるカーリーにカルキは一礼しアルガナと向き合う

 

「そういうことだ…いつでもいいぞ」

 

「ッツ!ふざけるな!!」

 

叫びながら自分に向かってくるアルガナをカルキは冷ややかな目で見ていた

 

***

「うぅ…、!ティオネ!?」

 

いったいどのくらい気を失っていたのだろうか目を覚ましたティオナはすぐに自分の姉のティオネを探した

 

「…うっさい、静かにしろ馬鹿ティオナ」

 

どうやら自分とほぼ同時に目を覚ました姉の変わらない言い方に安堵したティオナだったが

 

「ようやく目を覚ましたか……しかし姉妹揃って寝顔も国を出た幼い頃から、ちっとも変わっとらんのぉ」

 

「「カーリー!?」」

 

今だ起き上がれていない姉妹の顔を覗き込むカーリーに2人揃って飛び起きるが、カーリーは笑って手を振りながら2人に告げる

 

「そう構えんでよい、もうお主ら姉妹のことからは手を引こう、それに闘国(テルスキュラ)での殺し合いの『儀式』も止めじゃ」

 

「ほれ、お主らもバーチェ達を手伝え」と言いながら背を向けるカーリーを呆然と眺めていたが、「ほれ、早ようせい」と急かされ、生き埋めにされたアマゾネスを救助しているバーチェ達【カーリー・ファミリア】の手伝いに駆り出される姉妹であった。

 

***

「で、クソチビ。どうしてそう聞き分けが良くなったんや?」

 

未曽有の被害が出たメレン壊滅の2日後の夜、ニョルズが食人花や魔石を混ぜた撒き餌を隠していた洞窟に椅子と机を運び込み、簡易の話し合いの場を設けたロキとニョルズ、カーリーと今後のことについて話し合い、メレンの復興に船が壊れて闘国に帰れない【カーリー・ファミリア】も協力することで合意し、ロキからの『ヒュリテ姉妹から手を引くこと』『身内同士での殺し合いをしないこと』の2つの条件をあっさりとカーリーが飲んだことに疑問を呈するロキにカーリーは

 

「なに、妾はもうあの姉妹に興味はない。それにバーチェはアルガナを恐れておったし、もはやアルガナは使い物にならん。別に元々『殺し合いたくない』と言っていれば妾は殺し合いはさせておらん。ただそういうことを言う奴が今までいなかっただけじゃ」

 

とだけ言い、さらには自分たちを呼んだのは【イシュタル・ファミリア】であること、【イシュタル・ファミリア】には『隠し玉』があることをペラペラとはなし、「妾が言えるのは以上じゃ」と言って立ち去るカーリーをロキもニョルズもただ見送ることしか出来なかった

 

「ああ、もう妾はアルガナもバーチェにも、ティオネやティオナにも興味はない」

 

臨時のキャンプに戻りながら口が裂けるほど嗤うカーリーは3日前の夜、自分の前に現れた男、カルキ・ブラフマンが話したカルキがオラリオに来た理由を思い出していた

 

「あの三柱神(トリムルティ)とリグ・ヴェーダの神々に認められ『終末(カルキ)』を名乗ることを許された人間…しかもオラリオに来た理由がヴィシュヌから『世界を担う英雄を見つけること』と『オラリオに増えすぎた神と冒険者のうち不要と判断したものを間引け』という依頼を受けたからとは、ククク…『維持』を司るヴィシュヌらしい依頼じゃ」

 

もし後者の依頼をカルキが実行した際、いったいどれほどの人や神々の逃げ惑う悲痛な叫びが聞けるだろうか、どれほど建物や人が破壊される音が聞けるだろうか、そのどのような音よりも甘美で荘厳な音を想像するだけで嗤いが止まらず、それだけで達してしまいそうだとカーリーは嗤う

 

「クク…クハハハハハハハハハハ………」

 

闘争と殺戮を司る女神の狂気じみた嗤い声はカルキによって瓦礫の山となったメレンの暗闇へと吸い込まれ消えていった

 

***

「なるほど、それでヴィジャヤを使ったと……」

 

その夜、カルキは以前ソーマと会った酒場でガネーシャとソーマに今回の顛末について説明していた。壊滅し、かなりの死傷者が出たメレンほどではないが、オラリオにも空振によってガラス窓が割れたり、地震の揺れで転んだり、物が落ちてきて軽傷を負ったという被害が出たため、カルキが二柱に謝罪したのである。

 

「だが、威力は抑えて放ったのだろう?そこまでヴィジャヤを使いこなしているなら上出来ではないか」

 

神酒を飲んでから話すソーマに「まあ、一理ある」と同意するガネーシャ。そう、本来ならヴィジャヤの一射でメレンどころかオラリオ否、この大陸全土すら消滅させようと思えば可能なのだ。が、()()()()で済ませたのはカルキがヴィジャヤを使いこなしている証拠であるとガネーシャとソーマは判断していた

 

「……神二柱の寛大な御心に感謝しよう」

 

改まって感謝し頭を下げるカルキにそんなに畏まらなくていいとガネーシャとソーマは顔を上げるように言い、一人と二柱で話し合いメレンの復興やら諸々ことはギルドに任せるということに決めた

 

「それにしても、この状況で『神の宴』を開くとはな…」

 

暫く黙って神酒を飲んでいると、ふと思い出したように懐から取り出した招待状をひらひらとさせるソーマに

 

「恐らくはあれだけのことがあってもオラリオは揺らいでいないとしたいのでは?」

 

「カルキのいうことにも一理ある!それに少しでも多くの情報が欲しいのだろう!」

 

「無難に考えればな…」

 

ソーマの含みのある言い方にカルキとガネーシャが疑問に思っていると、ソーマは今の自分の派閥の状況を話し始める

 

「つまり、要約すると、今の【ソーマ・ファミリア】は神酒中毒しかおらず、団長は神酒を勝手に売り払い、【アポロン・ファミリア】と何やらコソコソと動いていて、闇派閥(イヴィルス)の残党とも接触した可能性があると……どうしてそうなるまで放って置いたのか」

 

「しかも闇派閥(イヴィルス)の残党とは……見損なったぞ!ソーマ!」

 

「こちらの管理不足は認める…だが神酒を飲んでもカルキは平気ではないか」

 

「いや、それは自分は以前ブラフマー神から与えられた霊薬(アムリタ)を飲み干す試練を踏破したからであって普通は神酒を飲んだら廃人になるのだが」

 

それからしばらく【ソーマ・ファミリア】についての話となり、今の団長は機会があれば更迭し、派閥の管理体制を整えるという話で纏まり、お開きとなった

 

***

次の日、カルキが歩いていると

 

「カルキ君じゃあないか!」

 

子犬のようにカルキに小走りで近づいてきたのはヘスティアであった

 

「いやー、実はね、今晩アポロンが開く『神の宴』があるんだけどさー、ちょっとボク達の本拠(ホーム)の留守番を頼みたいんだよ」




アポロン逃げてー!インドが牙をむいてくるぞぉー!


戦争遊戯編改めスーリヤ介入編

—追記—
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