ダンジョンでブラフマーストラを放つのは間違っているだろうか   作:その辺のおっさん

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日常である8巻どうすればええんや…………せや!もうダイジェストで行こう!!


そういえば、8巻でフレイヤとロキが馬を使っているラキア軍を見て呆れていたが、ここだと

「ほぅ…馬を使うのは弱い証拠だと………ならばシヴァ神の炎を馬の形にして引かせるトヴァシュトリ神から造っていただいた自分の戦車と一戦交えるか?それとも、スーリヤ、ソーマ、ヴァーユ…どの神の戦車で轢かれたいか選べるぞ?何なら他の神々のヴァ―ハナであるナンディン、ガルダ、ハンサ、アイラーヴァタ…どれか借りて連れてこようか?」byカルキ

という事態に…………どうしてこうなった?


第31話

元【イシュタル・ファミリア】の団員襲撃事件から数週間、カルキの周辺はこれといった事件もなく平和であった。というのも、つい最近、オラリオに対しラキア王国が攻め込んだ『第六次オラリオ侵攻』があったのだが、カルキはガネーシャから「お前が参戦したらラキアの軍が消滅どころか地図を書き換えることになるから」と参戦を遠慮され、ならばとベル達【ヘスティア・ファミリア】と再びダンジョンにでも行こうかと思っていると

 

「歓楽街復興の人手が全然足りないんですぅ~!手伝ってくださいぃぃぃ!!」

 

大通りで偶々出会った顔馴染みのギルド職員……というよりカルキの担当になっているミイシャから文字通り泣きつかれてしまい、今だ借金を全額返済していないこともあり、仕方がないのでラキア王国がオラリオから撤退する数日間、自分で焼き払った歓楽街の片づけに従事していたのである

 

その間にオラリオにラキア王国から入り込んでいたスパイの両手足を折って一纏めにして放置していたり、ラキア王国の主神アレスによるヘスティア拉致事件(その際、そもそもベルの主神なのだからとベルに任せようとしたが、ガネーシャから手伝ってほしいと依頼されたものの、神々から借りられるヴァ―ハナがナンディンとガルダだったのでガネーシャが取り消した)ということもあったが今のカルキにとっては些末事である

 

「(インドラ神の問題もどうにかなったからな)」

 

そう、今のカルキの心を軽くしているのは、つい先日、カルキが寝ていると夢枕にヴィシュヌが現れ、今のオラリオではロキとその眷属達は影響力を持っているため、問題が起きた時にはロキの眷属達と多少は協力しなければならないことをインドラに説き、インドラも納得したということを伝えに来たのである

 

「(流石はヴィシュヌ神だ‥‥‥)」

 

このヴィシュヌからの神託はカルキにとって最高の神託であり、その喜びようは、朝起きたらすぐにガネーシャにこのことを伝えに行き、どこからともなく流れてきた音楽に合わせてガネーシャと共に喜び傍から見た人間達にとっては奇怪な踊り(インドキャッチ・プ〇キュア)を部屋を飛び出し中庭で踊るぐらい喜んだのである

 

確かに今、カルキと【ロキ・ファミリア】はいい関係ではない。むしろ半敵対関係にあるともいえるが、【ガネーシャ・ファミリア】も関わっている闇派閥(イヴィルス)の残党やエニュオにつての問題や異端児(ゼノス)についてなどロキの眷属達と関わる機会はある可能性がある。それなのにカルキが敵対すれば天界から下界でのルール諸々を捻じ曲げインドラがアイラーヴァタに乗りヴァジュラを持ち、配下のマドラ神群を引き連れオラリオに介入する。もしくは、ロキの眷属達に協力をして天界からカルキに向かってヴァジュラが飛んできて、その余波でオラリオが消し飛ぶ………という事態はカルキもガネーシャも避けたい事態であったのだ

 

だが、カルキがインドラに諫言してもインドラは聞き入れないことは明白であり、仮にインドラと対等な立場であり、インドラと同じようにロキから喧嘩の邪魔をされたが、ロキのことを既に許しているスーリヤに説得を頼んでも、そのまま言い合いになり普段通りの喧嘩という名の殺し合いに発展するのは目に見えている。

 

「(わざわざヴィシュヌ神から説得してもらうわけにもと思っていたが、まさかヴィシュヌ神自らインドラ神を説得していただけるとは)」

 

武神らしく我が強く他の神々の意見を一切聞かないインドラが唯一話を聞くのがヴィシュヌであるが、ヴィシュヌは『維持』を司り、破壊神シヴァや創造神ブラフマーと並ぶ三柱神(トリムルティ)の一柱で、オラリオにいる神々とは隔絶した格と実力を持っている神であり、カルキにとって『武』の師匠がシヴァであるなら、ヴィシュヌはカルキが使う人払いの結界や認識疎外の結界といった『呪術』や『秘術』の師匠になるのだが、そう簡単に物事を頼める神ではないのである。だからこそ今回ヴィシュヌがインドラを説得したことはカルキとガネーシャにとって僥倖以外の何物でもなかったのである

 

「しかし…何故ヴィシュヌ神はエニュオについてやたら調べろと仰っていたのか」

 

夢でやたらエニュオについての情報を欲しがっていたことを疑問に思うが、恐らくシヴァが自分以外の神が『破壊者』を意味する名を名乗る愚かな神にブチ切れないか心配だったのであろうと結論付けたカルキはエニュオについての情報収集を深夜まで行っていたのである

 

「(まあ、エニュオを名乗る神は天界に送還された後が地獄だろうが……)うん?」

 

エニュオを名乗る神は天界に還った後シヴァに消されるなと思っていると、少し離れた夜の路地裏で人目を気にしながら移動しているベルもとい【ヘスティア・ファミリア】を見かけ、何故かフードを目深にかぶった人影を怪しいと思い、気配を殺し後をつけてみると、やはりというかその人影は本来ダンジョンにいるはずのモンスター、竜女(ウィーヴル)であった

 

異端児(ゼノス)か‥‥」

 

耳を澄まし、会話を盗み聞きしていると、どうやらその竜女(ウィーヴル)は知能があり、人語を話しているようでカルキはその竜女(ウィーヴル)は以前ガネーシャから聞いていた理性のあるモンスター異端児(ゼノス)であると判断する

 

「ガネーシャ神とシャクティに報告しておくか」

 

深夜であるがあの一柱と一人ならば異端児(ゼノス)についてだと説明すれば話を聞いてくれるだろうと【ガネーシャ・ファミリア】の本拠(ホーム)へと足を向けるカルキであった

 

***

異端児(ゼノス)と【ヘスティア・ファミリア】が接触したか…………」

 

「ハァ…………」

 

カルキからの報告に「うーむ」と腕を組んで唸るガネーシャと蟀谷に片手をやり大きなため息をつくシャクティにカルキは深夜にすまないと謝るが、ガネーシャもシャクティも事が起きる前に情報を得られたことは良かったと返す

 

「それで…これからどうするガネーシャ?」

 

起きてしまった事はどうしようもないので、これからどうするのかをシャクティはガネーシャに問うとガネーシャはふぅと一息ついてからカルキの方を向いて問う

 

「カルキから見て【ヘスティア・ファミリア】は異端児(ゼノス)をどのようにすると思う?」

 

「あれは異端児(ゼノス)を保護していた……未知の状況に混乱はするだろうが、あのお人好しの性分の主神(ヘスティア)眷属(ベル達)だ、危害は加えないと判断できる」

 

もしかすれば異端児(ゼノス)が【ヘスティア・ファミリア】に馴染むかもしれないぞと笑うカルキに「それはそれで問題なのだが」とシャクティが苦い顔をするなか

 

「恐らくはギルド…ウラノスも【ヘスティア・ファミリア】が異端児(ゼノス)と接触したことは把握済みだろう、直ぐに動かないのは深夜だからかそれとも【ヘスティア・ファミリア】を見極めたいのか……とにかく明日の朝一番にウラノスの元に報告するとして、ウラノスも今は様子見という判断を下すだろう、ならば俺達も様子見に徹するべきだろうな」

 

そう締めくくったガネーシャにシャクティとカルキは頷き、それぞれの部屋に戻る。その途中、ふとカルキは気付いた

 

「(そういえば、異端児(ゼノス)のことは三柱神(トリムルティ)並びにリグ・ヴェーダの神々が既に知っていることをウラノス神に言ってはいなかったな)」

 

ウラノスに直接会うことは不可能ではないが、もれなく力づくになるのでそれだけは避けねばならないが、ウラノスには唯一、私兵とも呼べる魔術師(メイガス)がいることをガネーシャから聞いていたことを思い出す

 

「(確か……フェルズだったか?かつては『賢者』と呼ばれていた)」

 

かつて魔導大国で『賢者の石』―――――永遠の命の生成に唯一成功したとされる最高位の魔術師(メイガス)、ただし『賢者の石』は『賢者』が主神に生成の報告をしに行った際目の前で破壊され、その後『永遠の命』という妄執に取りつかれた『賢者』は不死の秘法を編み出し、その反動で肉と皮が腐れ落ち、醜悪な姿、生きる亡霊となった……とされている

 

「(試練で飲み干した霊薬の副作用とはいえ不死の自分は気に入らないだろうな)」

 

彼(?)からすれば天界でブラフマーからの試練としてアムリタを飲み不死の存在になっている自分は気に入らない存在であろうなと思いつつも明日フェルズと接触することを決めてベッドに入り眠りについた

 

***

「…………」

 

ギルド本部の最奥、ウラノスのいる『祈祷の間』に続く薄暗い廊下、正確には職員にも知られていない隠し通路に漆黒のローブに身を包んだ影が動く、ギルド職員の間で噂される『亡霊(ゴースト)』その正体こそかつての『賢者』のなれの果てフェルズであった

 

「使い魔で【ヘスティア・ファミリア】を監視か、成程、ガネーシャ神の仰る通り様子見に決めたようだ」

 

「ッツ!?」

 

知っている存在がほとんどいないはずの隠し通路で唐突に話しかけられたフェルズは話しかけてきた者がいるであろう方向を振り向くと闇の中から男が現れる

 

「………『百人斬り』カルキ・ブラフマンか」

 

「申し訳ないが、自分も貴方と同じで名前が異名のようなものですからその二つ名は願い下げです」

 

カルキに対して警戒心をあらわに身構えるフェルズに戦う意思は欠片も持っていないことを示すために両手を上げると「何が目的だ?」と問うてきたので

 

「いえ、異端児(ゼノス)のことを三柱神(トリムルティ)並びにリグ・ヴェーダの神々に報告し、三柱神(トリムルティ)とスーリヤ神がその存在を認めたことをウラノス神に伝えておいてほしいということだけですので」

 

事後報告になったことを詫びるカルキに意味が分からないフェルズは「それはどういう…?」と聞くが「では」と言い残し姿も気配も消えたカルキに彼の方が亡霊(ゴースト)のようだと思いながらウラノスがいる『祈祷の間』へと再び歩き始めた

 

***

「あれがガネーシャの言っていた異端児(ゼノス)か……不思議なものだ、モンスターに知性があり、言葉を話すとは」

 

「うむ!どうやら良い関係を築けそうだが……どうなると思うソーマ!」

 

「私に聞くな……」

 

【ヘスティア・ファミリア】の本拠(ホーム)竈火(かまど)の館』から少し離れた高い建物の屋上でガネーシャとガネーシャから話を聞いたソーマが【ヘスティア・ファミリア】を本拠(ホーム)の中庭でオラリオで何かと話題の新人(ルーキー)ベル・クラネルと狐人(ルナール)の少女が異端児(ゼノス)竜女(ヴィーヴル)と戯れているのを観察していた

 

「しかし、見れば見る程下界の幼子と変わらんな」

 

「ああ、俺も実物……赤い帽子をかぶり流暢に話す『ゴブリン』をウラノスから見せられた時は唸ったものだ」

 

「……よく受け入れられたな」

 

「なに!異端児(ゼノス)達がモンスター達が闘争を望まず対話を望むというのならば俺は【群集の主(ガネーシャ)】を止めて【群集と怪物の主(ネオ・ガネーシャ)】になればいいと思っただけだ!!」

 

そうのたまうガネーシャにソーマは人間(子供達)から遠い(自分)と違って人間(子供達)に近いお前らしいとらしくもなく感心する

 

その後も中庭を動きながら天真爛漫な笑顔で笑う竜女(ヴィーヴル)と【ヘスティア・ファミリア】の眷属の姿を観察し、まるで年の離れた兄妹・姉妹のようだと二柱は思っていると背後に音もなくカルキが現れソーマとガネーシャに礼をせずにスタスタと歩き竜女(ヴィーヴル)と【ヘスティア・ファミリア】の観察に参加する

 

「で?お前はどう見ている………………()()()()

 

そうソーマが問いかけるカルキの眼は、アポロンに問答をした時のように黒色から宝石のような美しい紅色に変わっていた

 




カルキとガネーシャが中庭で踊っていた際、(無意識のうちに)ガネーシャ・ファミリアの団員達とどこからかやって来たソーマも一緒にキレッキレな動きで踊っています


フェルズは男なのか女なのか……ちょっと骨盤見せてくれませんか?



おまけ  ヘスティア拉致事件(裏)

ガネーシャ「すまん!ヘスティアがアレスに拉致された!お前も空からヘスティアを追ってくれ!!」

カルキ「ベルが追っていったのだろう?ならば自分の主神は自分で助けるべきでは?」

ガネーシャ「そこを何とか!このとーり!!」

カルキ「是非もないか…………すまないガネーシャ神、今借りられるヴァ―ハナがナンディンとガルダしかないらしい」

ガネーシャ「………やっぱり無しで!!」













忘れてはいけない、ヴィシュヌがインドラを説得したのは「『ロキの眷属達』とカルキが敵対もしくは協力しても介入しない」であってロキ個神と敵対or協力した場合どうなるかは一切言及していないことを
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