ダンジョンでブラフマーストラを放つのは間違っているだろうか 作:その辺のおっさん
………うん、出禁キャラだな(最悪、出目関係なしにダンジョンごとゴブリンを吹き飛ばしたり、あっちの神である≪幻想≫とかを(出目によっては)コロコロしに行きそうだし)
実はカルキの立ち位置としては会社の一番若造の下っ端が、本社からオラリオ支社に出向してきたイメージ
「有翼のモンスター?」
もたらされた情報を、フレイヤは尋ね返す
「はい、夕刻、街に有翼のモンスターが現れ、黒いフードで顔を隠した何者かによって連れ去られたとのことです」
「…………その何者か誰か分かる?」
「いえ、そこまでは」
「そう……」
街にモンスターが現れ、何者かが連れ去ったことに僅かながらの興味を示したフレイヤであったが、直ぐに興味を失くしたのか別の質問をオッタルに問いかける
「アレン達は大人しくしている?」
「はっ、【ソーマ・ファミリア】を潰すと息巻いていましたが、フレイヤ様の上意ということで一応は不満を持ちつつも大人しくしています」
歓楽街炎上の際、ソーマによって半殺しにされた【フレイヤ・ファミリア】の幹部たちは【ディアンケヒト・ファミリア】の治療院で入院していたのだが、ガネーシャ、ソーマ、カーリー、特に自分たちの敬愛する主神であるフレイヤを踏みつけたソーマに対して不満を抱いており、さらに火に油を注ぐ事件が起きた
そう、『ソーマによる【フレイヤ・ファミリア】殴り込み及びフレイヤ脅迫事件』である
歓楽街炎上の次の日、歓楽街跡地で【フレイヤ・ファミリア】の団員が旧【イシュタル・ファミリア】の
白昼堂々行われた神の襲撃に【フレイヤ・ファミリア】の団員達も慌ててソーマを止めようとしたのだが、第一級冒険者の殺気など比較にならない程の殺気をぶつけられ、白目をむいて気絶し、更にはフレイヤの首元にいつの間にか団員から奪った剣を突き付け、フレイヤと個室でタンムズから何事か情報を聞き出したのち去っていくソーマを【フレイヤ・ファミリア】の団員達は呆然と見送ることしか出来なかったのである
そして勿論のことながら【フレイヤ・ファミリア】の幹部たちがその事件があったことを知ったのは、【ディアンケヒト・ファミリア】の治療院から退院した後だったのだが、「フレイヤ様を踏みつけた挙句、剣を突き付けるか」とオッタル達【フレイヤ・ファミリア】の幹部達は怒り狂い、『【ソーマ・ファミリア】を完膚なきまでに潰す』と息巻き、【フレイヤ・ファミリア】の総力をもって【ソーマ・ファミリア】との『戦争』を行おうとしていたのだが、それをフレイヤが止めたのである
「そう、それならいいわ……けど、絶対に敵対行為を行わないようにね」
そう言ってワインを一口飲むフレイヤにオッタル「恐れながら」と意見を述べる
「確かに我々は神ソーマに不覚を取りました。しかし、かの神の【ファミリア】の団員は弱く、我々が負けるとは「オッタル」………」
オッタルの意見を遮るフレイヤにオッタルは「出過ぎた真似でした」と謝るがフレイヤは微笑み
「貴方達が私のためを思ってくれているのは嬉しいわ……でもソーマとガネーシャ、そしてカルキ・ブラフマンと事を構えるのはダメよ」
『エニュオか……フッ…ハハハハハ!これは面白い…いくらあの神がこのオラリオ見ていることを知らないとはいえ、よりにもよって
暗い笑みを浮かべたソーマの言葉はフレイヤを恐怖させるには十分すぎるものであった。間違いなくソーマがいう「あの神」とは破壊神シヴァであり、最悪の場合あの天界最強ともいわれるシヴァの破壊の権能がこのオラリオを襲うということである。
「ソーマは正気……?」
シヴァの権能の恐ろしさは天界で同郷であるはずのソーマの方が身に染みているはずなのにと心底面白いと笑みを浮かべるソーマを思い出し、椅子から立ち上がり、夜の帳が下り、魔石灯の明かりが彩るオラリオを不安げに眺めた
***
「…………何故自分はギルド本部にいるのだろうか」
おかしいとカルキは首を傾げる。確か自分はウィーネを保護し、【ヘスティア・ファミリア】と合流させた後、ソーマとガネーシャに会い、ウィーネについて報告した後、有翼のモンスターについて様々な情報が錯乱しているオラリオを歩き回り情報収集をしていた筈である……それなのに何故、槍を持ち、夜のギルド本部で茶を飲みながらゆっくりしているのだろうか
「え?だってイルタさんが『もしもの時はこいつを盾にしろ』って……」
カルキの真正面で書類仕事を一旦止めて、コテリと首をカルキと同じ方向に首を傾げて答えるのは、本日、ギルド本部で夜勤のミイシャである(余談であるが彼女の机の上にある大量の山のように積み上げられた書類を見てカルキはオラリオに来て初めてちょっと引いた)
「護衛はいらないと思うが?」
「ええぇ~!?カルキさん酷いですっ!今日の夕方に『有翼のモンスター』が出て、この前は『バーバリアン』が地下水路で見つかってて、もし私がギルド本部で夜一人でモンスターに襲われたらどうするんですかっ!?」
ゴーストの噂もあってただでさえあんまり夜勤したくないのにとプンスカ怒るミイシャに『有翼のモンスター』の正体を知っているカルキは杞憂であると深いため息をつく
‥‥‥そう、今、夜のギルド本部にカルキがいる理由、それは「ギルド本部で夜勤をしているミイシャの護衛」である
ギルドに『街に有翼のモンスター出現』の一報が入ったのは通常業務が終わった後であり、よりにもよって今日に夜勤のシフトが入っていたミイシャは慌てた。既に親友の
恐怖が天元突破しかけたミイシャは偶々ギルド本部前を歩いていた【ガネーシャ・ファミリア】副団長のイルタに泣きつき、護衛を頼んだのだが「今忙しい」とけんもほろろに断られていたところに偶然カルキが通りかかり、イルタが「おい、居候お前暇だろう、武器はやるからミイシャの護衛をしろ」と半ば護衛をカルキに押し付け、ミイシャには「もしもの時はこいつを盾にしていいぞ」と【ガネーシャ・ファミリア】のある意味最強の居候を押し付けた結果、今に至るのである
「むぅ~、ダンジョンに恩恵なしで潜っているカルキさんに聞くのはなんかおかしいですけど、カルキさんはモンスター………『怪物』が怖くないんですか?」
頬を膨らませながら聞いてくるミイシャに「ふむ」とカルキは考え一つ頷くと
「そもそも、ダンジョンにいる『モンスター』は便宜上『怪物』と言うが、真正の『怪物』ではないからな」
「えっ!?」
どこか達観した雰囲気のカルキにミイシャは驚いた声を上げるが「まあ、そうなるな」とカルキは苦笑し
「では質問だ、『怪物とは何だ?人間と違ったどのような特徴がある?』」
右手の人差し指を立て、片眼を閉じて問題を出すカルキに「ええと」と慌てながらミイシャは考え
「あっ『鋭い爪と牙を持っている』!」
「おや?それだと
「うええっ!?あっ!『凄く力が強い』!!」
「ふむ、それではドワーフや
「じゃ、じゃあ、『炎を口から出す』!」
「うん、確かにそれは人間や動物には出来ないことだな」
ミイシャの答えに頷いたカルキに「やった」と小さくガッツポーズするミイシャであったが
「だが、口からは出せないが、手からはエルフやハーフエルフなら魔法として炎を出せるし、
「あうっ!?」
攻撃されたわけでもないのに胸を押さえて机に突っ伏したミイシャにやれやれと茶をすするカルキであったが、「じゃあ」と顔を上げたミイシャが問いかける
「カルキさんの考える『怪物』って何ですか?」
「なに、簡単だ『言葉を話さないこと』『正体不明であること』『不死身であること』の3つだ、ダンジョンにいるモンスターは言葉は話さず、今も詳しいことが分からぬ正体不明であるが不死身ではないから、真正の『怪物』ではないということだ」
「じゃあ、もしモンスターが話したらどう感じるんですか?」
唇を尖らせながら聞くミイシャに「(
「自分はあまり動じることはないが、間違いなくほとんどの者は『恐怖』より先に『嫌悪』を感じるだろうな、それだけ『モンスターが話す』という衝撃は大きいはずだ」
「えー、私なら言葉を話すモンスターがいたら気絶しちゃいますよぉ」
だって『恐怖』や『嫌悪』より先に『驚愕』で頭がこんがらかりますからねとエヘンと胸を張り自慢するミイシャにカルキは少し目を丸くしつつ
「…………そういう考えもあるのか」
どこか感心したようなカルキに「ちょっと馬鹿にしてます!?」とミイシャはかみつき、「いいや」と否定するカルキに詰め寄り、「じゃあ仕事を手伝ってください」といい笑顔で告げられ、何故か翌朝までミイシャの仕事を手伝わされるカルキであった
***
「これは‥‥‥参ったな」
【ヘルメス・ファミリア】の主神の執務室で椅子に深く座りながらヘルメスは団員から渡されたとある男についての報告書を手に取り眺めて呟く
「ただでさえ、
頭を抱え、既に人払いを済ませた執務室で深いため息をつくヘルメスは天井を見上げ、団員からのカルキ・ブラフマンについての報告と自分が今までに得たカルキについての情報を纏めていく
「(団員からの報告だと出身はオラリオよりも東にある世界で最も高い山の麓にある神官の家に生まれ、神官の仕事を手伝うより武器を振るうことを好んでおり、13の時に両親を病で亡くした後『世界で最も高い山に登り天界にいる神に弟子入りする』といって行方不明になった後、約10年後にオラリオにフラリと現れ、主に【ヘスティア・ファミリア】とガネーシャ、ソーマと親しく、【ヘスティア・ファミリア】と【アポロン・ファミリア】の
最早こうなってしまえばカルキ・ブラフマンの背後にリグ・ヴェーダの神々がいることは確定だなとヘルメスは再び大きなため息を吐く
「下界の
そもそも下界で最も高い山に登ったからといって天界に辿り着ける可能性など無いに等しく、仮にたどり着けたとしても、他の神々ですら耐えることがやっとのリグ・ヴェーダの神々の絶大な神威を例え恩恵を貰っていたとしても人間が真正面から受け止められるはずがないとヘルメスは思うのだが、恐らくカルキ・ブラフマンという人間はヘルメスの想像を超え、あの神々の神威を浴びても人の形と魂を保ったということであろう
「(もし、彼を利用しようとしたり、排除しようとすればあの神々とオラリオの全面戦争は避けられない……だが、今のオラリオには俺を含めて戦闘向きの神が少ない)」
自神の目的を果たすためには最悪、オラリオを去ったヴィ—ザル、アストレアも呼び戻す算段も考えるヘルメスであった
怪物云々のくだりをプロットで書いてたらFGOアニメのラフムの考察と駄々被りした件‥‥‥散々悩んでまあいいかと(わざわざ空の境界見直したのにorz
シンフォギアのアプリでヴィマーナが出たそうな……シンフォギアとインド神話のコラボいけるぞ
カルキに泣きついて振り回し、ちょっと引かせて、自分の仕事の手伝いをさせるミイシャはある意味作中最強キャラ