ダンジョンでブラフマーストラを放つのは間違っているだろうか 作:その辺のおっさん
ちなみにですがカルキはブラフマーストラとその上位互換を修め、修行を終えるまで8年かかっています。それに対してアルジュナは5年でブラフマシラストラと天界にある武器を全て使えるようになり、カルナは2~3年(下手すりゃ1年)で全ての奥儀を修めているので、彼らに比べると才能は劣る感じですね……………うん、あの兄弟ヤバい
カルキ「極東のイタコのようにホイホイ憑依しないで頂きたい」
ヤマ・スーリヤ「いや、だって今の下界で起きてる事は自分の仕事(面子)に関わることだし………」
下半神「そろそろ、俺も下界見てみるか」(フラグ)
「えっと……イルタさん、何ですか?あれ?」
「私が知るわけないだろう!?」
「ガネーシャ様は不憫に思えるが、あの居候はざまぁみろってんだ!」
ザワザワと【ガネーシャ・ファミリア】の
それは、普段のように一部の団員逹が朝から騒いでるという訳ではなく、食堂で正座させられて
『私は報告・連絡・相談を怠りました』
『私は団長に連絡すべきことを連絡しませんでした』
とそれぞれ書かれたプラカードを首から下げたカルキとガネーシャが朝早くからおり、その姿を遠巻きに見ながら何事かと話しているからである
「………何故こんなことになったんだろうな」
「俺がガネーシャだ」
「普段と違って随分声が小さくないか?」
「お前それにガネーシャも………本当に反省しているのかっ!!」
ざわつく団員逹をよそに能天気な会話をするカルキとガネーシャにシャクティの雷が落ちる
どうしてこうなったとカルキは深夜にあったことを思い出していた
***
「正座」
深夜、ダンジョンの入り口である『バベル』からガネーシャの執務室に連れてこられたカルキは腕を組んだシャクティに言われ、いきなり正座の説明された後、正座させられた
「も…もう足が限界だゾウ…………」
「ガネーシャ神は一体いつから正座とやらをしているのだ?」
執務室の真ん中でカルキの隣で正座をしながらプルプルと冷や汗をかきながら震えているガネーシャに思わず顔をわずかに歪めシャクティに問うカルキであったが「お前がそんなことを気にするのか」と逆に聞かれる
「それで、いったい何の用だ?自分としては今から
「ほぅ……今回自分がしでかした事について自覚がないと言いたいのか?」
どうやらさらに地雷を踏んでしまったらしく、怒りの増すシャクティにどうしたものかとカルキは自分が何をしてしまったのかを考える
「(加減を誤ってベル達をつけていた者たちを殺してしまったことか?いや、これは)………襲撃した後、お前たちに任せて何も言わず去ったことか?」
「違う」
「ふむ…ではやはり、加減を誤り、ベル達をつけていた者達を殺してしまったことか?」
「根本的なことだ!!」
「何も言わずに勝手に行動したことだ!!【ヘスティア・ファミリア】が
「いや……ガネーシャ神には報告したが?」
「…………実際に動くのはガネーシャではなく
「…………」
確かに、ソーマはカルキと出会ってから昔の傲慢な性格に戻ってしまっているため、自分より格下の神々が定めたからと下界のルールを無理矢理捻じ曲げて神威を使ったり、【フレイヤ・ファミリア】の
ちなみにであるがカルキは【ガネーシャ・ファミリア】の居候であって【ガネーシャ・ファミリア】に所属しているわけではないのでシャクティに報告する必要はないと判断したため報告しなかったのだが、そのことを言えば余計に火に油を注ぐことになるのでカルキは言わない。カルキは聡いのである
「確かにお前の言い分が正しいな……」
「理解してくれたようで何よりだ」
ではこの話はこれで終わりだなと立ち上がろうとしたカルキの肩にそっとシャクティは手を置き
「どこに行くつもりだ?まだお前への罰は終わっていないぞ?」
「…………何?」
「反省の証しとして明日、一日はガネーシャと共に
その時のシャクティの顔はカルキに一矢報いたと言わんばかりの大人げないとてもいい笑顔だったとガネーシャは後に語る
***
というわけで、カルキとガネーシャは【ガネーシャ・ファミリア】の
「しかし、何故この罰を大人しく受けたのだカルキ?」
「まあ、向こうの言い分に一理あると感じたから……だろうか」
「なるほど!今回はシャクティに軍配が上がったといったところか!」
呵々大笑するガネーシャに「またシャクティ団長にどやされますよ」と
「なに!こうでもしていなければ足が痺れているのを我慢できそうにないからな!誰か話し相手になってくれ!いや!なってください!!」
「あー、シャクティ団長が椿さんから教えてもらったっていう
「ああ!正直もう昨日からだからけっこうキてる!!変わってくれないかモモヒキ!!」
「お断りします!あと、自分の名前はモダーカですっ!!」
そんな騒がしいガネーシャの隣で涼しい顔をしているカルキが面白くないのかイルタがこっそりカルキの足裏をつついていた
「おい、居候、お前なぜ何も反応しない、私が以前、姉者から罰として正座をした時はとてつもない苦痛だったんだが?」
「そういわれてもな、自分はこれ以上の苦行をしたことがあるのでこの程度では苦痛とは思わないだけだ」
「おいおい!嘘つくもんじゃないぜ!居候!俺も団長から『騒がしい』ってそれをさせられたが、そりゃあ、足が痺れて痺れて大変だったんだぜええええええええ!!」
「イブリうるせぇ!というか、それこそガネーシャに聞けばいいんじゃ」
「うむ!カルキは嘘をついていない!全く堪えていないな」
『な、何だってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』
ガネーシャがカルキの言葉が嘘ではないと認めたことで【ガネーシャ・ファミリア】の団員達は大騒ぎになる
「いやいやいや!正座して涼しい顔してるって何!?痛覚ないのか!?」
「いや、ちゃんと痛覚はある、ただこの程度では苦行とは呼べないというわけだ…モダーカ」
「そんな無茶苦茶な理由があってたまるか!?あと自分はモダーカだ!……あ、初めて正しく名前呼ばれた」
さらにざわつく【ガネーシャ・ファミリア】の団員達を置いて、ガネーシャは「ああ、入門するときのアレも中々大変だろう」と納得する
「始め枯葉を食し、最初の1ヶ月は3日に1回果実のみを食し、2ヶ月目は6日に一度、、3ヶ月目は2週間に1度、4ヶ月目は空気だけで耐え、両腕を天に向かって捧げ、支えもなしに足の爪先で立ち続ける苦行か……苦行中に何度走馬燈を見たことか」
「しかし、それを齢14で踏破したのだろう?十二分な偉業だと思うぞ?」
「…………その後の修行の方がもっと厳しいものだったから霞みかけているがな」
頬を引きつらせ、遠い目をしながら天界で修行していたころを思い出すカルキにガネーシャは「あいつらの試練という名の無茶振りは大変だっただろう!」と大笑いするが、その苦行の内容を聞いていた【ガネーシャ・ファミリア】の団員達は全く笑えず、ドン引きしてしまっており、【ガネーシャ・ファミリア】内でのカルキの評価は『恩恵を貰っていないのに何故か冒険者顔負けの実力を持つ癖に働かない居候』から『何かよくわからんけどヤベー奴』になってしまうのであった
***
「それで?どこに行くつもりだ?」
「…………2日前、お前が殺した連中の所属が分かったらしいのでな、当事者であるお前にも来てもらうことになっただけだ」
「ふむ‥‥‥」
次の日、一日中正座させられていたのにも関わらずケロリとした顔でスタスタ歩くカルキがシャクティと共に向かっているのはとある裏通りにある隠れ家的な酒場である。どうやらそこで【ヘルメス・ファミリア】から情報を得るらしく、足のマッサージを20秒程しただけで復活したガネーシャから「カルキも行ってくれ」と言われたのでカルキとシャクティは向かっているのである
「…………ここだな」
どうやら目的の酒場についたようであり、シャクティが店主に何事か告げると、2階に通され、階段を上ると、2階は狭く、確かに密会するにはうってつけの場所であった
「来ましたか【
「アスフィと知り合いだったのか?」
「ああ、
「ええ、では挨拶はこれぐらいにして、今回の件についてですが……………」
どうやら
「そうか……確かに【イケロス・ファミリア】は以前
「ええ、しかし、既に【イケロス・ファミリア】はギルドに登録された
「地下にある迷路のような人工物か」
「なっ…!どうしてそれを!?」
カルキが何の気なしに言った「地下にある迷路のような人工物」という言葉にアスフィが驚くが、カルキは「以前、地下水路で殺鼠剤を撒く仕事をしていた時に見つけた」と答え、眼鏡をずり下すアスフィに「こいつの事を真面目に考えるだけ無駄だ」とシャクティがフォローしていると
ガラァン、ガラァン!!
「「「!?」」」
突然鳴り響いたけたたましい鐘の音にカルキ、シャクティ、アスフィは何事かと店の外に飛び出すとギルドからの緊急警報が響き渡る
それは、ダンジョン18階層にある『リヴィラの街』が
「すまない、私は
「ええ、私もヘルメス様の元に」
そう言い残してシャクティとアスフィが行動を開始する中、一人残されたカルキは
「さて…この騒動、一体どうなるか‥‥‥いや、ベルの真価を問う騒動になるかな‥‥‥…」
そう呟くと一応、詳細な情報でも集めておくかとギルド本部に向かって歩き出した
書き終えて気付きましたが、ベルくんが4ヶ月でレベル3か4になるのとほぼ同じ期間、同じ年の頃にオリ主はずっとつま先立ちしながら立ちっぱなしだったんだなって……(まあ、アルジュナの苦行パクっただけですが)
しかし、他の作品ではフィルヴィスを救済する作品が多いのに容赦なく本編と同じ末路になりそうです。いや、自分は愉悦部ではないですよ?
よく言われることですがベルとレフィーヤが対比になっていると自分は考えます
一見、人に見えるウィーネとフィルヴィスと出会い、人(ベル)を傷つけた鋭い爪と人を殺し続けてきた穢れた手をベルもレフィーヤも手を取り、交流をする…と言う所までは同じ
しかし、真の姿となり、醜悪な姿となるウィーネとフィルヴィス、ここでベルはウィーネの姿や自分に攻撃してくることにも関わらず、手を伸ばし、その手を取り、そっと抱きしめ笑顔を向ける。対してフィルヴィスが自らに埋め込まれた魔石を見せた時に初めて手を取った時のように手を伸ばせなかった(伸ばさなかった)レフィーヤ
そして、その結末は、ベルには奇跡が起こり、ウィーネを救い、失うことはなかったが、レフィーヤは結果的にはフィルヴィスを救うことは出来たかもしれないが、失うこととなった
例えモンスター、怪人という違いがあっても、ウィーネに手を伸ばし続けたベルとフィルヴィスに手を伸ばせなかったレフィーヤ、そしてその結末、この辺りを上手く書けたらいいなと思います