ダンジョンでブラフマーストラを放つのは間違っているだろうか 作:その辺のおっさん
おっかしいなぁ、刀使ノ巫女の方は直ぐにネタが思いつくし直ぐに文章に出来るんだけどなあ…………
「じゃあ、何だい?アタシらには黙って泣き寝入りでもしてろってのが神様達の決定っていうのかい!?ええ!!」
【フレイヤ・ファミリア】の仮
「ええ………貴方やあの子達には悪いけど…………」
「ふざけるんじゃないよ!アイツらが暴れたせいで、どれだけの連中が家を、家族を、帰る場所を失くしたと思ってるんだい!」
ここに来るまでに家族や家を失くし、泣きじゃくる子供や老人を見てきたミアは「何のための神だい……!」と怒りを表すが
「………それでも納得してもらうしかないわ…………」
「ッツ!!」
「そこまでだ………」
それでもフレイヤに食って掛かろうとした元【フレイヤ・ファミリア】団長のミアを止めたのは、現【フレイヤ・ファミリア】団長のオッタルだった
「なんだい……?アタシを止めるなんて偉くなったもんだねぇ、小僧?」
「今の団長は俺だ………それに今回の件はあの男、カルキ・ブラフマンの危険性を測り損ねた自分にも非がある」
あの時、カルキ・ブラフマンに一方的にやられた後、オッタルはカルキの実力をかつてのオラリオ最強派閥であった【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】にいたレベル8とレベル9に相当すると思っていた
が、蓋を開けてみれば、カルキ・ブラフマンの実力は彼らが生きていたとしても足元にも及ばない遙か高みにあった
「だからってねえ!それであいつらが何の責任も感じずのうのうと過ごしているのが気に喰わないって言うんだよ!!」
人として当たり前の怒りを叫ぶミアの声が【フレイヤ・ファミリア】の仮本拠に響き渡った
***
「────シッ!」
ひらりと木から舞い落ちた一枚の葉が武神が目に見えぬ速さで振り下ろした太刀の一振りで4つに分かれる
「────────ッ!!」
次に10枚の葉が木から落ち、武神は太刀を十振るうが
「……………ダメだなこれでは」
切り分けられた葉の数は
「カルキ・ブラフマンは『神の恩恵』を受けず、あれ程までの『高み』へと至った…………」
思い出されるのはカルキ・ブラフマンが自分に向けて放った『リグ・ヴェーダ』の神々と同じ『武の奥儀』
…………ならば、『
「『神』に出来て『人』に出来ないことなどなく、『人』に出来て『神』に出来ないことなど、あるわけがないのだからな…………」
そう嗤いながら上半身裸で鍛錬をするタケミカヅチを、武神の眷属達は戦慄と畏怖、そしてタケミカヅチが次々と放つ技の美しさに目を奪われるのであった
***
「ああ……ありがとうございます『聖女』様、ギルドの方々………」
「家も何もかもを失くした私達にも
『インドラの槍』によって瓦礫すら残らなかったオラリオの東区画には、臨時の避難所が設けられ、怪我人には【ディアンケヒト・ファミリア】や【ミアハ・ファミリア】をはじめとした医療系【ファミリア】の
「すまないがナァーザ、アミッド、最後にそちらの
「はい、ミアハ様」
「はい、ミアハ様………じゃなくて、どうしてこの女が私たちの所にいるの……!お前は私たちの【ファミリア】じゃないだろ………」
「…………ディアンケヒト様が『こちらはワシの的確な指示である程度は落ち着つかせるわぁ!お前はあそこでモタモタしている貧乏【ファミリア】の所に行って実力差を思い知らせてやれぇえ!!』と仰ったので」
「………あの爺」
「そう言うなナァーザ、ディアンはこの数日、激務のアミッドを比較的落ち着いている私たちが担当しているところに送り、ゆっくりさせたいのだろう」
そう優し気にアミッドに微笑みかけるミアハが言うとおり、アミッドはこの2日、重傷・重態者の看護・治療に追われており、一段落してアミッドが休憩していたところに先ほどのセリフを言いながらディアンケヒトがやってきて、アミッドを半ば追い出すように【ミアハ・ファミリア】の所に向かわせたのである
事実、アミッドの眼の下にはうっすらとクマが出来ていて、ミアハは「我々薬師が体調を崩してはいかんぞ」とアミッドをいたわり、その際少しばかりアミッドとナァーザの間に普段通りのちょっと険悪な雰囲気になるのはご愛敬である
「────あ、ミアハ様」
「む?」
そこに現れたのはギルドの受付嬢であるエイナとミイシャであった。どうやら彼女たちは無償の配給所の手伝いを終え、見回りをしているらしい
「お疲れ様です、ギルドからの要請に応えて下さりありがとうございました」
「なに、困った時はお互い様だ………それにタケミカヅチやソーマではないが、私も
『!?』
ミアハの聞き間違いかとも思う発言にその場にいる全員が驚き、ミアハを見る
「あの……カルキさんって何者なんですか?それにカルキさんの後ろにいる神様達って誰なんですか?」
意を決したようにこの中ではカルキと付き合いのあったミイシャがミアハに尋ねる
「うむ……
そう言ってミアハは彼女たちに『天界でケンカを売ってはいけない連中』と呼ばれている神々について話し始めた
***
「────────っていうのが『リグ・ヴェーダ』の神々よ」
「……………なんだ、その無茶苦茶な神々は」
ダンスしただけで世界が滅ぶ闘争と殺戮の女神、月に笑われたと感じたから牙を折って月に投げつけた群集の主を標榜する神、かつては「天界最強の武神」と呼ばれる神とも鎬を削っていた月と杯の神、3歩歩けば天界を一周できる維持神、修行中「だーれだ?」されたら第三の目が開眼し、自分の修行の邪魔をした神を消した破壊神、ささいなことで世界を滅ぼしかける大喧嘩という名の戦争を繰り広げる武神と太陽神etc…………
ヘファイストスから聞いた椿はその神々のスケールのデカさというかヤバさに辟易した口調であきれ果てる。しかも最初の三柱の神はカーリー、ガネーシャ、ソーマというオラリオ近郊のメレンに居着いている女神とオラリオに長年いる神である
「しかもあの『インドラの槍』は元々、インドラの不倶戴天のライバルである太陽神スーリヤが『あなたの体から発せられる光が熱いわ』と仲のいい女神サンジュニャーから言われたから己の身から離した光をヴィシュヴァカルマンが、円盤、槍、三叉の鉾、鎧などに加工した神造武器の一つよ」
「……………もう話についていけん」
そう言って出ていこうとする椿をヘファイストスは引き止められなかった
***
「ほう………酒蔵は無事だったか…………」
「あ、ああ………どうやらウラノス様やヘスティア様が酒蔵の前にいたようでな…………」
ソーマの問いにどことなくぎこちない様子で答えるチャンドラに「そうか………」と返したソーマは「ヘスティアに酒でも送るか」と呟き酒蔵に入る
「ああ、せっかくだから人間でも依存せず飲める神酒でも造ってみるか………」
そう呟いたソーマは無事だった酒蔵で新しい神酒の仕込みを始めた
***
「ふざけるなッ………ふざけるなぁ…………っ!!これでは私の15年の計画がッ!私の望む
薄暗い
「なんだアイツは!あんな化物が存在しているなんて想定していないッ!『リグ・ヴェーダ』だとッ!?あいつ等にケンカを売ったらいくつ命があっても足りないどころか消されるじゃないかッ!!」
しかも自分が正体を隠すように名乗っているのはエニュオ………『都市の破壊者』を意味する名だ
ディオニュソスにとって一番の問題は『リグ・ヴェーダ』の神の一柱である破壊神シヴァ、シヴァも他の神々と同じように自分と同じ権能を持つ神を嫌う傾向がある
もし、カルキ・ブラフマンがシヴァと繋がっていてシヴァに自分が『都市の破壊者』………『破壊者』を名乗っていることを知られたら間違いなくシヴァはディオニュソスを殺す………どころかディオニュソスをこの世界から2度と復活しないように己の破壊の権能を使いディオニュソスという存在そのものを消すだろう
「だが………計画は既に最終段階まで来ている…………」
既に【デメテル・ファミリア】はデメテルへの人質として
…………‥……が、今となっては早すぎたと悔やむしかない
「止まれない…………私は止まれないのだァッ!!」
まるで断頭台に一歩づつ上らされる錯覚を覚えながらディオニュソスは叫ぶ
***
「……………これは、どうしたものか」
【ガネーシャ・ファミリア】の
今回の件で天界に呼び出された後、「お前は私を動かすつもりか」とブラフマーから、「一気に送りすぎだ、加減をしろ」とヤマから説教を貰ったカルキが2柱の前から礼をして去った後、下界に意識を戻そうとしたところにインドラから呼び止められ、「良き『闘争』の褒美だ、1つは愉しめ、もう1つは文句を言ってくる奴に使え」と豪勢な箱を2つ渡され、瞑想を終えた後、確認したところ、1つ目の箱にはスラー酒が入っており、これは問題はなかったのだが、問題は2つ目である
「まさか『インドラの矢』とは…………」
貰っても使い道のない………というより使ってはいけない神造武器を貰ってしまったカルキは「ウーム」と一人、部屋の中で唸るのであった
こんなの貰ってどうしよう………ってなる時ありません!?
あっ、ない………そうですか
ディオニュソス、止まるんじゃねぇぞ……………シヴァはお前の先にいるからよ…………絶対に………止まるんじゃ………ねぇ……ぞ………………
誰かタケミカヅチを原作タケミカヅチに戻す薬持ってません?なんか作者も予期せぬ方向に勝手に行っちゃってるんですけど