ダンジョンでブラフマーストラを放つのは間違っているだろうか 作:その辺のおっさん
「アレスってマルスと一緒かんじゃあ、Y字ポーズさせたろw」
オリュンポス攻略後
「……………どうすんねんコレ」
まさかあんな風にアレスが出てくるとは思わんかった………どうしよ………
時を少し戻して、ギルド本部前にカルキとタケミカヅチへ罪を問わないという張り紙が出された頃
「リド、グロス!無事だったか………!!」
『フェルズ!それにレイ達も』
オラリオ中に張り巡らされた地下水路、『ダイダロス通り』から離れた場所で2日ぶりに合流したフェルズと
「傷は私が回復しよう………他の
「合流できたのはこれだけだ‥………」
「居ナいのハ、レット、フィア、アルル、ヘルガ、アステリオス、ですカ…………」
「…………アステリオスハ兎モ角、他ノ連中ハナ」
2日前、カルキの初撃の余波で吹き飛ばされた
「にしても…………アレは何だったんだ?フェルズ?」
「これは想像だが、あの男……カルキ・ブラフマンの使っていた武器はいわゆる『神造武器』だろうな」
「確カ、「神が天界で造った武器」でしたカ?デスガそれは………」
「ああ、今まで人間が使ったという例はないといっていい…………全くとんだ化物がいたものだ」
「フェルズ………アノ人間ハ敵カ?」
「……………おそらく積極的には敵対はしないだろう、どうなるかは分からないがね」
カルキと会った時、カルキは
彼の背後にいる神々がどう
***
生まれながらに飢えていた
生まれながらに『光』を知っていた
生まれながらに決して勝てない『強者』を知っていた
生まれながらに『光』も『強者』も抗えぬ『災害』を知っていた
────────────だが、その『光』も『強者』も『災害』でさえも己の同種でも同朋でもなく、『人間』であることを知っていた
それは、同種や様々な怪物と闘い、傷ついていた自分を助けてくれた同朋がいうには前世で見た『強烈な
憧れというものは分からなかったが、その『光』が己の『願望』であるとは分かった
────────そして、「彼」は同朋を助けるべく進出した地上で『強者』と『災害』を見た
『強者』も『災害』もあの暗い場所にはおらず、日の光る地上にいた────────ならば、己の求める『光』もこの地上にいるはずだろう
ならば己は『光』と己の『憧憬』と出会うまで死ねない否、死ぬわけにはいかない
そう思いながら猛牛は一人、暗い地下水路を歩く
己の『憧憬』との再戦を望みながら
***
時を今に戻して、オラリオでの惨劇から3日たち、ギルド本部は────────修羅場だった
「東と南区画の被害報告は!?」
「南区画の生存者リストはまだできていないのかっ!!」
「地上に現れたモンスターへの賞金についての各【ファミリア】への通達用紙の作成はどうなっている!?」
「神タケミカヅチとカルキ・ブラフマン氏への公式通達文はまだかっ!今日中という話だっただろうっ!」
避難してきた民衆や
「うあー、終わんなぁい!この山減ってる!?減ってる気がしないよぉ~」
「フロット、口を動かす前に手を動かせ…………」
「……………」
昨日から徹夜で働いているのに全く減らない書類の山に「うわー」となるミイシャに死んだ目をした
「あー、だが少し休憩するか………俺が飲み物を持ってこよう」
「た、大変ですっ!!」
暗い雰囲気のエイナを気遣った班長の判断で少しの休憩が取られ、班長が飲み物を取りに行こうとしようと立ち上がった時、ギルド本部に息を切らせて外に出て、被害状況の確認をしていた筈の受付嬢の一人が飛び込んできた
『……………?』
「こ、ここに……ハァハァ……ギルド本部に………ゼェ……」
ただでさえ修羅場だというのに一体何が『大変』なのかとギルド本部にいる職員達が思わず全員手を止めていると、駆け込んできた受付嬢は大声で報告する
「カ、カルキ・ブラフマンがギルド本部に向かってきています!!」
『なにィ!?』
オラリオをたった数時間で半壊どころか全壊一歩手前まで破壊した神と人間の『闘争』を行った人間がギルド本部────すなわち、自分達のいる場所に向かっていると聞いたギルド職員たちは動揺を隠せず、ウラノスの許可が下りないと出せないはずの各【ファミリア】へ救援を要請しようとしたりするなど大混乱に陥るが
「待ってください!」
『!?』
1人の受付嬢の言葉にギルド本部は水を打ったように静まり返る
「カルキ・ブラフマン氏の………カルキさんの応対は私がします」
「「ミイシャ(フロット)!?」」
手を挙げ、カルキの応対に名乗りを上げたミイシャにギルド職員だけでなく、暗い顔だったエイナも驚くが、ミイシャは少し震えながら
「わ、私がやります………私がカルキさんの担当受付嬢だから!」
そう宣言するミイシャに職員の誰もが、その小柄な背丈が誰よりも頼もしく見える中
「………………邪魔だったか?」
『!!?』
どこか悲壮感漂うギルド本部に真逆の雰囲気で音もなく片手には長い箱を持ったカルキがギルド本部に現れた
***
「オオッ!」
────────振るわれるのは大斧、圧壊するのは金属の塊
【ガネーシャ・ファミリア】の
「むう!物足りん!!もっとないのか
「…………あるわけないだろうガネーシャ……………」
一体この
「むう……!暴れたりん!いっそのことダンジョンに突っ込んで暴れようかぁ!!」
「ダメに決まっているだろう!!」
この3日間、暇さえあれば武器を振るうガネーシャにシャクティが怒るが、ガネーシャは全く聞き入れず、大斧、杖、大剣、槍………ありとあらゆる武器を振っていた
「くううぅぅ!出来ることなら俺もカルキやタケミカヅチと『闘争』を楽しみたかったなああああああああ!」
『え!?ガネーシャ様って戦えるの!?』
「眷属から、まさかの発言ッ!」
自分の眷属から自分が戦えないと思われていたことにショックを受けるガネーシャであったが、気を取り直して
「俺は!少なくともカルキにもタケミカヅチにも負ける気なぞ、さらさらない!」
『えぇー…………』
「ノオオオオオオオオオオオオ!!」
あの大惨事を引き起こした居候と神と自分達の主神が戦えるとは思えない団員達は主神を胡乱げな目で見つめ、ガネーシャはブリッジをしながら嘆く
「…………ならば丁度いい、全員構えろ!相手をしてやる!!」
『ええぇ!!?』
アンタ何考えてんだ!?と団員達が抗議するが
「では行くぞオオオオ!!」
『ウギャアアアアアアアア!!』
つっこんでくる主神に第一級冒険者であろうと簡単に吹き飛ばされ、18階層から戻った団員達はあの猛牛から一蹴された時以上に『死』を感じ、それを眺めながらシャクティは呟く
「ハァ…あの男のせいだなこれは」
あの男のせいで主神が変わってしまったのか戻ったのかは分からないが厄介なことになったと天を仰ぐのであった
「いや!現実逃避しないで助けて下さい!シャクティ団長ォオオオオオオオオオオオオ!?」
────────────ガネーシャに吹き飛ばされているモザイクが何か言っているが私は何も聞こえない
***
「ききき貴様ァ!カルキ・ブラフマン!どの面下げてギルドに来たのだぁ!」
カルキがギルドに来て、遠くでロイマンがカルキに向かって喚いているが、カルキはロイマンを一瞥もせずに
「すまないが、少しいいだろうか渡したい物がある」
「は、はい、ですが今はボックスがいっぱいなのであちらに移動しても大丈夫ですか」
「問題ない」
カルキはミイシャのいるカウンターに真っ直ぐ向かうと、持っていた箱をカウンターに置き、渡したいものがあるというが、普段、受付嬢が新米冒険者の相談や担当冒険者との打ち合わせで使うボックスが満員だったので、別の場所で応対してもいいか聞くとカルキは同意し、ミイシャに大人しくついて行く
「それで……今日はどんな用ですか?」
「ああ、詫びの品を持って来た………自分の担当だから色々と迷惑をかけているだろうからな」
「わぁ………綺麗………」
そう言いながらカルキが懐から小箱を取り出すと、その中には、象牙で造られた枠の中に美しい紅色の宝石があり、その周りをクジャクとガチョウの羽で飾られたブローチが入っていた
「………って駄目です!受付嬢はこういった物を受け取っては………!」
「先ほども言ったが、これは詫びの品だ。下心は一切ない」
「そこまで言われると複雑ですよぉ!」
「………すまない?」
一体何が悪かったのかと首を傾げるカルキを見ながらミイシャは思う
「(うーん、やっぱり普通の人だよねぇ……)」
どうしてもミイシャはカルキを多少の付き合いがあったからとはいえ、情報紙に書かれているような『神に匹敵する人外の化物』には見えなかった
「(それにミアハ様が『彼や彼の背後にいる神々、タケミカヅチ達とは価値観が違う』とも言ってたし………うーん)」
昨日、ミアハからそう聞いていたミイシャはもしかすれば、今回の一件は自分達からしたら大惨事だが、カルキやタケミカヅチ達にとっては些末事なのではないかと考えていた
「……‥‥どうした?」
「うええっ!?な、何でもないですよっ!」
どうやら考え事が顔に出ていたらしい。カルキが尋ねてきたので慌てて答えると、「そうか」とカルキは深く追及はせず、それどころか気まずそうに眼を泳がせる
「…………?どうしました?」
ミイシャは首を傾げ、カルキに尋ねるとカルキは持って来た箱を開けると
「………短槍ですか?」
そこに入っていたのは一本の短槍であった
「いや、これは短槍ではなく矢…………神造武器の一つ『インドラの矢』だ」
「はあ………って!ええ!神造武器ぃ!?」
どうしてそんなものを……!と驚愕するミイシャであったが「まさか……」とカルキを凝視するとカルキは気まずそうに眼を逸らすと
「自分も女性に詫びの品として
「いったい何処に護身用に神造武器を使う人がいるんですかぁっ!?」
思わずといった調子でオラリオを崩壊一歩手前まで暴れた男に身を乗り出してツッコミを入れる受付嬢に遠巻きに見ているギルド職員から悲鳴が上がるが、カルキはミイシャに怒ることもなく気まずそうに眼を逸らし続けている
「なに、相当の使い手が弓で放たねばそこまでの威力は出ないから大丈夫だろう」
「え?じゃあ私が使えば…………」
「そうだな………まあ、矢を投げてもせいぜい階層主とやらを消し飛ばすぐらいしか出ないだろう」
「せいぜいって言葉の意味知ってます!?」
「?」
再び首を傾げるカルキに「やっぱり、この人と価値観が違いすぎる………!」とカウンターにミイシャが突っ伏していると
「………」
どこからかカルキに石が飛んできて、それをカルキは難なく掴み、興味なさげに飛んできた方向を見ると、そこには女性がいた
「………何か用か」
「ッツ!お前の、お前のせいで………私は……私はっ………」
恐らく夫か子供を失くしたのであろう、汚れた服を身に着け、涙目でカルキを非難する女性はカルキに死んだ者に詫びろと泣きながら訴えるが
「生憎だがそれは無理だ」
『!!?』
女性の訴えをあっさりと断るカルキにギルド本部にいた誰もが驚愕し、それを見たカルキは話し始める
「確かに巻き込まれ死んでいった者達には悪いとは思う、だが、自分はタケミカヅチ神との『闘争』を己の『誉れ』であるとした。それにガネーシャ神やソーマ神、カーリー神だけでなく、天界にいるインドラ神とヴァルナ神、スカンダ神が『良き闘争』だと認めた………ならばその『闘争』に非があったと詫びれば、自分は己の『誉れ』に自ら泥を塗ることになり、『闘争』を認めた神々に対する無礼になろう────────それ故に今回の『闘争』で誰が・何人死んだとしても自分は悪いと思っても詫びることはないということだ」
そう言い切ったカルキにその場にいた誰もが何も言えず固まっている中、「ではな」とミイシャに言ったカルキは堂々とギルド本部から出ていった
久方ぶりにワートリに嵌った………普段は槍のトリガーを使ってる八極拳使い(つまり素手の方が強い)のオリ主を思いついたが……………だれか書いてくれんかなぁ