ダンジョンでブラフマーストラを放つのは間違っているだろうか   作:その辺のおっさん

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ダンまち3期で真のヒロインが来るな…………あれはダンまちのメインヒロインだよなぁ2度も生まれ変わって会いに来るんだから………きっとどのヒロインよりも真っ赤な赤い糸でベル君と繋がっているんだろうなぁ(しみじみ)



あとヘルメスとデメテル……お前らここではドロップキックや精神崩壊どころじゃ済まねえからな覚悟しとけよ(後者はFGOの八つ当たり)


第49話

カルキの屁理屈ともいうべき『武』に魅了された者としての理屈にギルド本部にいる誰もがギルド本部から去ろうとしているカルキに話しかけることも出来ず、その後ろ姿を呆然と見送る事しか出来ずにいる中

 

「ちょ……カルキさん!これどうすればいいんですかぁ!?」

 

カウンターから顔を上げたミイシャが慌ててカルキを追おうとするが、

 

「待て!フロット!!」

 

「ギルド長?」

 

ミイシャを呼び止めたロイマンだけでなく、他のギルド職員や冒険者達や市民もミイシャを────正確に言えばミイシャが持っている矢を────恐怖の眼で見ている

 

「あの男の言うことを信じるならばソレは『神造武器』だ………そんな危険な物を一介の受付嬢が持っていていいはずがない………ソレは私からウラノス様に渡しておこう」

 

「え………でも………」

 

確かに神造武器という爆弾をカルキから渡され、困惑していたミイシャであったが、誰よりも近くでカルキの応対をしていたため、カルキが善意100%で自分にこの矢を渡したことを理解していたため、いくらギルド長やウラノスが自分の上司とはいえ、勝手に渡すのはどうなんだろう?と、つい思ってしまったのである

 

「ええい!何を躊躇っている!!いいから渡せ!!」

 

「ギルド長の言う通りだ渡したほうがいいぞフロット」

 

オロオロするミイシャにロイマンが詰め寄り、班長もミイシャに早く渡すように促しているが、一向に矢を渡す気配のないミイシャに我慢の限界を迎えたのか

 

「いいからさっさと渡せ!!」

 

「キャッ!」

 

ロイマンが無理矢理ミイシャから矢を取り上げた瞬間、天からギルド本部に轟音をとどろかせながら雷が落ちた

 

「え……………?」

 

が、その雷によるギルド本部の建物への被害は出たが、死者どころか怪我人すら出なかった。それどころか、ギルド本部に雷が落ちたことに気付いたのは、誰もおらず、雷が落ちたことに、ギルド本部が破壊されていることに気付いてから気付いたのだ

 

「……………」

 

「カルキさん………?」

 

人的被害が出なかったのは、至極単純、誰よりも早く落ちてくる雷に気付いたカルキが立ち去ろうとしていたギルド本部に戻り、いつの間にか手にしている三日月刀で雷を切り裂いたからである

 

「何人やられた!?」

 

「生き残っているのはどのくらいだい!?」

 

すぐに『祈祷の間』から慌ててウラノスとヘルメスが飛びこんできたが、誰にも被害が出ていないことを報告され、心底安堵したように息を吐く

 

「しかし……何故インドラが………?」

 

「それは自分に非があるかと」

 

「!カルキ・ブラフマンか」

 

どこかバツの悪そうな顔をするカルキにどういう意味かとウラノスが問うと少し呆れたようにカルキは答える

 

「恐らくは、自分と彼女以外が己の武器(インドラの矢)を持ったことで()()()()に攻撃してきたのでしょう」

 

「成程………インドラらしいといえばらしいが………」

 

「しかし……もし君が弾いてなければここにいる全員が死んでいたはずだ………!」

 

しかも自分が近くにいるからこの程度なら反応して弾くから大丈夫だろうと思っている一撃であり、自分に対する注意でもあったとカルキはため息交じりで呆れるが、ウラノスとヘルメスは顔を険しくして天を睨み、周りにいるギルド職員達や市民は『さっきのが警告………!?』と戦慄する中「ふむ」と呟いたカルキは床に落ちているインドラの矢を拾い上げると

 

「とはいえ、今回はこういうことを予測できなかった自分に非がある………それ故に…………………うん、これで彼女以外の者がこの矢を使ってもただの矢にしかならないようにした………そして、すまないが手を出してくれるか?」

 

「え?ああ、はい………」

 

拾い上げたインドラの矢に何かしらの細工を施したカルキは「念のため」と称してミイシャを呼んで、手を出させるとカルキとミイシャの足元から光の粒子が現れ

 

「………『契約』を司る神、ミトラに誓う。我、カルキ・ブラフマンはこのインドラの矢をミイシャ・フロットに譲渡する。故に今後、我は彼女よりインドラの矢を奪いし者の親族、その者と契約せし神、その一切をヴァルナ神及びその配下アスラ神と共に塵殺することをここに宣言する」

 

「へ?えーっと…………?」

 

困惑するミイシャと周りの人間達や、とんでもない爆弾にドン引きしているウラノスとヘルメスを置いてけぼりにしてカルキは「これでいいだろう」と言って満足そうに頷くが

 

「いや!良くないよ!?下手するとオラリオにとんでもないバケモノ神達がやってくるじゃないか!!」

 

「カルキ・ブラフマン………貴様オラリオを守りたいのか滅ぼしたいのか一体どちらだ………!」

 

どこかやりきった表情のカルキとは逆にヘルメスとウラノスは青ざめた顔を通り越して青紫色の顔をしてカルキにツッコむ

 

「?必要だと思ったからですが何か問題でも?」

 

「君、オーバーキルって言葉知ってる!?」

 

「もし、ヴァルナやその配下のアスラ神が暴れれば余波だけで3日前以上の被害がオラリオに出ることは確実ではないか………っ!」

 

ウラノスのその一言でようやく何が起こっているのか気付いたギルド本部にいるギルド職員や市民が大騒ぎし始め、収拾がつかない程の大混乱にギルド本部が陥りかける中

 

「た、大変です!!」

 

『!?』

 

そんな騒ぎなぞ知らない都市での業務を行っていたギルド職員が慌てた様子で飛び込んできたことで、その騒ぎは水を打ったように静まる

 

「が、【ガネーシャ・ファミリア】の……本拠(ホーム)で……ゼェ……神ガネーシャと……ハァ…神タケミカヅチが暴れています!」

 

『…………はい?』

 

その報告にギルド職員や市民だけでなくウラノスやヘルメスも呆けた声を出し、カルキも何が起きているのかと首を傾げた

 

***

「「オオオオオオオオオオオオッ!!」」

 

二柱の男神の叫び声が響き、繰り出された拳が互いの頬に吸い込まれ、鈍い音を鳴らすと互いに鼻と口から血を流しながら2,3歩よろめきながら後ろに下がるが、ニヤリと嗤うと、再び殴り合う

 

「……………」

 

その周りには、その光景を遠い目をしながら眺めるシャクティと、ガネーシャによって一撃KOされた【タケミカヅチ・ファミリア】の団長と慌てて彼を介抱する目を前髪で隠した少女をはじめとした【タケミカヅチ・ファミリア】の団員、そしてこの二柱の神を止めようとした【ガネーシャ・ファミリア】の団員たちを含む冒険者や神が壁や地面に突き刺さり、前衛芸術の様になっていた

 

…………どうしてこうなったかを説明するには数十分前に遡る

 

「ソォい!!」

 

『ギャアアァァァ!?』

 

神の力(アルカナム)を解放せず、恩恵を貰っていない一般人程度の力しかないはずのガネーシャが振り下ろした大斧が【ガネーシャ・ファミリア】の団員たちをその余波だけで第一級、第二級関係なしに吹き飛ばす

 

「どうしたぁ!もう終わりか!!オレはまだまだ暴れ足りんぞ!!」

 

『いや!ふざけんなよアンタぁ!!』

 

地面に倒れ伏す団員達から主神に対して鋭いツッコミが入り、そろそろ止めるべきだとシャクティが前に一歩出た瞬間、本拠(ホーム)の入り口が開けられ、タケミカヅチが入ってきた

 

「『()の勘』で【ガネーシャ・ファミリア】で面白いことが起こっていると感じたから足を運んでみたら…………楽しそうじゃないか、ガネーシャ?」

 

「おお、タケミカヅチか!お前もどうだ?神の力(アルカナム)なしで一つ」

 

そう言って大斧を動かしタケミカヅチを誘うガネーシャに「ウーム」とタケミカヅチは少し考えた後

 

「いや、その誘いは愉しそうだが得物は止めておこう。流石に昨日の今日で得物を使って暴れたらギルドや都市に住む者達に申し訳ない」

 

「そうか!ではこちら(組み手)でどうだ?」

 

「ああ、それはいいなぁ、ぜひカラリパヤットの真髄…………見せてもらおうか」

 

そう言うなやタケミカヅチの姿が消え、ガネーシャの眼前にタケミカヅチの拳が現れる

 

「シッ!」

 

ガネーシャは反応し、その一撃を左手でさばき、右手を握りタケミカヅチの顔面を捕える

 

「フッ」

 

タケミカヅチはその手を掴み一本背負いでガネーシャを投げ飛ばすが、器用にガネーシャは空中で体勢を整えると着地するが、前を向くと既にタケミカヅチの追撃の拳が迫っていた

 

「(先ほどと同じ次元の跳躍を利用した一撃、ここまで接近されれば捌くのは不可………ならば!)」

 

ニヤリと嗤ったガネーシャはカウンターの要領でタケミカヅチの顔面を捉えるが、同時にタケミカヅチの拳がガネーシャの水月を穿つ

 

「「ガアッ」」

 

互いの急所を的確に撃ち抜いた一撃により、口から血を流しながら吹き飛んだ先で武神と群集の主を自称する障害神は凄絶な笑みを浮かべる

 

「(こちらの方が早く放ち、後からカウンターで放ってきたにも関わらず同時に……いや、僅かにガネーシャの方が早く届いたか………まったくこれだから)」

 

「(こちらが先に当てたにも関わらず一切ブレずに急所を穿つか……いや、確か極東の言葉で『肉を切らせて骨を断つ』だったか………まったくこれだから)」

 

「「面白い!!」」

 

そう言うなやいなや二柱の神は再びぶつかり合った

 

***

 

「────────というわけだ」

 

「なるほど、その後ガネーシャ神とタケミカヅチ神を止めようとしたり巻き込まれた結果がこれか」

 

ギルド本部から【ガネーシャ・ファミリア】の本拠(ホーム)へと戻って来たカルキはシャクティから事情を聴き「そういうことだったか」と納得する

 

…………正直、こうなった己の主神を止めようとした【タケミカヅチ・ファミリア】の団長や【ガネーシャ・ファミリア】の団員たちから泣きつかれ巻き込まれた神々、冒険者に憐憫を抱くが

 

「………自分が入れば収拾がつきそうにないからな」

 

「全く持って同感だ」

 

ここにカルキが止めようとしても、かつて『新年の宴で誰が一番最初に飯を食うか』でインドラとアグニを中心にして喧嘩した際に世界の亀裂に巻き込まれ、危ない格好で歌いながら少女たちが戦っていた別世界に行ったときの様に下手をすると今以上の泥沼になる────────もとい、面倒くさくなるのが確定である…………が

 

「おい、混ざりたそうにするな」

 

「……………そんなことはない」

 

「嘘をつくな!さっきから体をウズウズさせていし、笑みを浮かべているだろう!!」

 

「…………」

 

そう指摘され、気まずそうに視線を泳がせるカルキに「まったく……」と呆れたシャクティであったが

 

「それで………コレは何時ぐらいに終わりそうだ?」

 

「まあ夕刻には止めるだろうが、終わる気配が見えなければ『スラー酒でも飲みませんか?』と誘おうか」

 

「そうだな……そうしてくれ、ああ、それと周りにいる神々や冒険者をあそこから離したい、手伝え」

 

「了解した」

 

もう止めるのは不可能と判断したシャクティは放って置こうと判断したのか、前衛芸術と化した神々と冒険者を離すことが大切とした

 

────────案の定、夕刻になってもガネーシャとタケミカヅチは殴り合いを止めず、カルキがインドラからスラー酒を貰ったことを話し、「じゃあ飲もう」とガネーシャとタケミカヅチは殴り合いを止め、スラー酒を飲むことになったのだが、酔っぱらったタケミカヅチが「いいモノ()を見せてやろう」と神の力(アルカナム)を使わずに斬撃を飛ばし、3日前せっかく半壊で残った【ファミリア】の本拠(ホーム)を横に両断することになる

 

そしてその両断された本拠(ホーム)の近くでさめざめと泣く神がいたらしいというのは余談である

 

***

次の日、ベルは、いてもたってもいられず、オラリオの街を見たいとに頼み、ヘスティアと2人で街を歩いていたが

 

「神様……ごめんなさい…………僕のせいで」

 

項垂れながらベルはヘスティアに謝る

 

それは、自分の行いによって人々から敵意・害意を向けられているだけでなく、自分の仲間たちにも同じような敵意や害意を向けられていることに加え、神に己の主神に嘘をつかせてしまった事への罪悪感から出た言葉であったが、「僕のせいで神様にまで迷惑をかけて」という言葉は途中で遮られた

 

「何を言ってるんだい!そもそもオラリオをこんなにしたのはベル君じゃなくてカルキ君とタケ………ううん、人間(子供達)が知らないのに勝手に人間(子供達)に激怒してカルキ君に無茶苦茶な命令をしたインドラが悪いんじゃないか」

 

「あ……あのカルキさんやタケミカヅチ様は…………」

 

「あー、うん、無罪放免だよ………誰だってあのバケモノじみた連中(リグ・ヴェーダの神々)イカれた連中(極東の神々)と事を構えるのは避けたいだろうし、インドラだけでなくよりにもよってヴァルナとスカンダまで出てきたらね」

 

「そう……ですか………」

 

「まあ、そんなことは気にせずに手をつなごうぜベル君」

 

そう言ってヘスティアはベルの手を握る

 

「ちょっと不謹慎だけど、ボクはちょっと嬉しいんだ。最近のベル君は手がかからなくなっていたからね。神の面目躍如という奴さ!」

 

どこかふざけた口調でヘスティアがベルの手を握る。今だに人々の非難の視線はそのままだが、体は先ほどよりも寒くなくなっていた

 

その後、ベルはヘスティアと共にカルキの放った『ブラフマーストラ・クンダーラ』により焼失してしまった『豊穣の女主人』へと向かい、リューに会い、2人の猫人と人間(アーニャとクロエ、ルノア)からカルキに『夜道には気をつけな』という伝言を頼まれ、その殺気に震えながら了承した後、『ダイダロス通り』へと向かった

 

「ここにも冒険者が………」

 

ヘスティア達が陣取っていたため奇跡的にあの『闘争』で残った『ダイダロス通り』には、数多くの冒険者が集まっていた。やはり、ここがダンジョンとこの迷宮街の関係性に薄々気付いているのだろう

 

が、それ以上に多くの冒険者はギルドから懸けられた膨大な懸賞金が目当てだろうと判断し、ウラノスも立場を利用して膨大な懸賞金を提示することで冒険者ひいては『闘争』の余波で財産を失い金欠になっている各【ファミリア】間の協力を防ぎ、包囲網を造らせないことが目的だろうと小声で話し合う

 

だが、それ以上にベルに先程よりも強く自分に向けられている悪意・害意を含んだ視線が向けられ、今にも怨嗟の声が生まれようとしていたその時、冒険者だけでなく、神や市民達がザワリと揺らいだ

 

────────あいつだ

 

────────オラリオをこんなにしやがって…………

 

────────どうせ、あの『神造武器』が凄いだけだろう………絶対に痛い目に合わせてやる………

 

ベル以上の敵意・害意が向けられている男はその視線を気に留めることもなくこちらに向かって歩いてくる

 

「カルキさん…………」

 

が、どこか普段のカルキと違うということをベルは感じた

 

普段のカルキはどこか浮雲のようなどこか自由人のような気風を携えているのだが、今のカルキは雷雲のような、いつ轟雷が落ちてもおかしくない雰囲気であった

 

「……………」

 

「あ、あの………?」

 

スタスタとベルに向かって歩いてきた()()()()()()()カルキが無遠慮にベルをジロジロと見ているせいで、何処か居心地の悪さをベルは感じ、ヘスティアも普段と違う行動をするカルキに声を掛けようかどうか迷っていて、周辺にいる神々や人々も何事かと遠巻きに眺めていると、カルキは顔を上げ、ベルを見下ろしながら

 

「ハッ、コイツ(カルキ)あの馬鹿(スーリヤ)、ヤマ、ヴィシュヌの奴が『面白い奴』と言ってたからわざわざ見に来たが………なんだ?このガキは、ただ覚悟も意志を押し通すだけの力もねぇ雑魚じゃねぇか……………こんな周りの有象無象ごときの目を気にするガキのどこが良いってんだか」

 

「!?」

 

声も口調もがらりと変わったカルキにベルは驚くが、ヘスティアや周囲の神々はその声の主に、今カルキの体に憑依している神の正体を知っていた

 

「………一体君が何の用だい?……………インドラ」

 

「おう、久しぶりだな、ヘスティア………まあ、アレだ、何か俺に文句を言いてえ奴らがいるらしいんでな、わざわざ文句を聞きに天界から来てやったぜ…………んで?覚悟は出来てんだろうなぁ、そいつ等は」

 

オラリオに再び嵐が来ようとしていた

 




インドラ神オラリオに降臨!なお原作通りこの後道化に会う模様


カルキ「(おかしい………ちゃんと歌に合わせて踊った(四諦―エイヴィヒカインド―)筈だし、何処からともなく同じ動きをする者達も現れたから踊りは通じた筈なのに何故敵意を………ハッ!まさかダンスの途中で飛んできていた大きな筒をブラフマーストラで消し飛ばしたり、大きな筒を飛ばしてきたであろう国をブラフマーストラで3分の2ほど焼き払ったからか!?)」

別世界のカルキを見た方々「(こいつ………ヤバい………!)」

この後、攻撃してきた男のような女のような分からん奴を2人パラシュで横に両断して、筒の武器らしきものを向けてきた女を縦に両断した後、やって来た男が角の生えた化物になったので素手で引き裂いたらさらに敵意向けられ、攻撃されたので面倒になって逃げた…………解せぬbyカルキ


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